青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< September 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>

「工藝2020」

東京国立博物館表慶館で開催中の
特別展「工藝2020−自然と美のかたち−」に行って来ました。


https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kogei2020/

灯台もと暗しと同じ意味を持つ表現が英語でもあるそうですが、日本人ほど身近にあるものの価値を見過ごしがちな民族は他に類をみません。

とりわけ自国の文化に対する評価はとってもへたくそで、海外から認められてようやく「良さ」に気付くのんびり屋さんです。



吉田博は「ダイアナ妃が愛した日本の版画」、川瀬巴水は「ジョブズが愛した新版画家」といった具合に海外からのお墨付きを表す枕詞が必要となります。

浮世絵なんてその最たる例です。

昨年(2019)東京国立近代美術館工芸館で開催された「竹工芸名品展:ニューヨークのアビー・コレクション―メトロポリタン美術館所蔵」を拝見し、日本の竹工芸の素晴らしさを初めて認識した自分が言えた義理ではありませんが…


武関翠篁「花籃『来光』」2016年
個人蔵

我々と同じ時代を生きる工芸家82名の豊かな感性により生み出された82点の作品が、明治42年に建てられた表慶館に集結しています。

1970年以降に生まれた12人の若手作家の展覧会「和巧絶佳展 令和時代の超工芸」(パナソニック美術館)とは、まるで別の感動がここにはあります。

それらは物静かで強い自己主張を伴わないように一見思えます。しかしやはり第一線で活躍しているベテランたちの作品は外連味を排除した直球勝負のものが大半を占めます。


樂直入

工芸と日本人の自然観」これこそがこの展覧会を観る上での大事なキーワード。展示された52作品は、奇抜さを求めず、古来自然と共に泣き笑いしながら暮らしてきた日本人の姿を象徴的に表しています。

会場構成自然とそれにまつわる色による、4つのセクションから成ります。

展示構成は以下の通りです。

第1章:金は永遠に光り輝き、銀は高貴さに輝く
第2章:黒はすべての色を内に吸収し、白はすべての光を撥する
第3章:生命の赤、自然の気
第4章:水の青は時空を超え、樹々と山々の緑は生命を息吹く




さらに、信じられないことにガラスケースを取り払い露出展示に。会場全体のデザインを建築家の伊東豊雄さんに依頼。その結果、会場全体が大きなひとつのアート作品となっています。

この曲線が美しい展示台も勿論特注品。

伊東氏曰く「床と展示台は連続したものと考え、床と垂直面は曲線によって連続させて展示台を盛り上がった床と想定しました。言い換えれば大地に渦巻いている自然のエネルギーが上昇して、作家の手を介して作品となり、展示台の上に並べられていることを象徴的表現しようとしたと言えます。」(展覧会カタログより)



展示台の天板は濃紺の特殊インクを施されたアクリル板。作品を際立たせ魅力的に見せるための最良の方法の答えがこれだそうです。

東京国立博物館デザイン室長の木下史青氏自身が、照明を担当(何年ぶりでしょう)したとあればまさに鬼に金棒状態。



展示室内に数か所設置された休憩用のベンチも伊東豊雄さんによる「工藝2020」展のためだけの特製品です。必ず座りましょう。

工藝2020で展示されているのは、焼物ばかりではなく、着物や彫刻、竹細工に絵画など実にバラエティーに富んでいます。


伊藤裕司「赤富士」2015年
漆工:色漆、金箔、蒔絵
個人蔵

この「赤富士」など画像だけだとベタな絵のように見えるでしょう。でも近くで見るとその手の入れように目を見張るはずです。柴田是真もびっくり漆芸。是非間近で!

「日本伝統工芸展」とは展示作品も展示空間および照明もまるで違います。

現代の工芸品に対して抱いているイメージを一度鞘に納めて、素直な気持ちで向かい合いましょう。


今泉今右衛門「色絵雪花薄墨墨はじき雪松文蓋付瓶」2019年
陶磁」陶器、プラチナ、色絵、墨はじき
個人蔵

数点を除き、そのほとんどが個人蔵。つまりこうして優品が一堂に会する機会はあり得ないことなのです。

このコロナ禍の状況の中で、展覧会開催に向け諦めることなく尽力された方々に感謝しながら、日本が世界に誇る工藝品の数々をじっくりと堪能しましょう。



グローバルな視点を身に付けるためには、まず自分の足元の文化をしっかりと捉え理解することから始めねばなりません。

海外に行けない時期だからこそ「工藝2020」展の重要性や意義が際立ちます。

特別展「工藝2020−自然と美のかたち−」は11月15日までです。事前予約制。一部写真撮影可能です。是非是非〜


特別展「工藝2020−自然と美のかたち−」

会期:2020年9月21日(月・祝)〜11月15日(日)
開館時間:9:30〜17:00(会期中の金曜・土曜は21:00まで開催)
休館日:月曜日(※ただし、9月21日(月・祝)は開館、9月23日(水)は休館)
会場:東京国立博物館表慶館

主催:文化庁、独立行政法人 日本芸術文化振興会、 東京国立博物館、読売新聞社
特別協賛:キヤノン、JR東日本、日本たばこ産業、 三井不動産、三菱地所、明治ホールディングス
協賛:清水建設、眦膕亜竹中工務店、三井住友銀行、 三菱商事
協力:田島ルーフィング、竹尾、トキ・コーポレーション
会場構成:伊東豊雄建築設計事務所
展覧会公式サイト:
https://tsumugu.yomiuri.co.jp/kogei2020/

展覧会図録は一般書籍としても販売されています。


工藝2020 -自然と美のかたちー
青幻舎

10月からは平成館でいよいよ「桃山展」もスタートです!

特別展「桃山―天下人の100年」

前期展示:10月6日(火)〜11月1日(日)
後期展示:11月3日(火・祝)〜11月29日(日)
展覧会公式サイト

https://tsumugu.yomiuri.co.jp/momoyama2020/



『花鳥の夢』 (文春文庫)
山本兼一(著)

安土桃山時代。足利義輝、織田信長、豊臣秀吉と、権力者たちの要望に応え「洛中洛外図」、「四季花鳥図」、「唐獅子図」など時代を拓く絵を描いた狩野家の棟梁・永徳。ライバル長谷川等伯への嫉妬、戦乱で焼け落ちる己の絵、秘めた恋。乱世に翻弄されながら大輪の芸術の華を咲かせたその苦悩と歓喜の生涯を描いた長篇。


Twitter:https://twitter.com/taktwi
Facebook:https://www.facebook.com/bluediary2/
Instagram:https://www.instagram.com/taktwi/
mail:taktwi(アットマーク)gmail.com

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5992

JUGEMテーマ:アート・デザイン



続きを読む >>
展覧会 | permalink | comments(0) | -

『週刊ニッポンの浮世絵100』

小学館より刊行となった『週刊ニッポンの浮世絵100(1)』を読んでみました。


週刊ニッポンの浮世絵100(1)』 2020年 10/1 号 [雑誌]

出版不況が叫ばれる昨今、大きな売行きが見込めないじっくり読ませるタイプの本は企画段階でボツに。

気が付けば書店には、話題先行でアパレルブランドとコラボした本の体裁をとっただけでオマケがメインとなっているこんな雑誌ばかりとなっています。


創刊号特別付録「北斎名作マルチケース」

9月17日に小学館が創刊した、ウイークリーブック『週刊 ニッポンの浮世絵100』にも創刊号特別付録として「北斎名作マルチケース」が付いていますが、見てもらいたいのは付録ではなく本の内容です!

全30巻の刊行を予定している中で、絵師50人+50作品=100をメインに合計1500作品以上の名作を紹介。北斎や写楽などよく知られている絵師や作品ほど新たな発見が待ち受けているのです。


東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」

これまでに何度となくあちこちで目にした写楽の代表作ですが、紙上に展開される「浮世絵200%ギャラリー」で見るとご覧の通り。これまで見えなかった細部の描写も一目瞭然です。

小学館から2016年に出た北斎原寸美術館 100%Hokusai!』 (100% ART MUSEUM)も驚きの連続でしたが、今回は更に倍に拡大。見え過ぎて困ってしまいます。



そして単に作品を観るだけでなく、他の画家との比較も行いより深く作品の魅力に迫ります。まさか浮世絵の本をめくっていてバスキアが登場するとは!

これまた小学館既刊で宮下規久朗先生が書かれた名著そのとき、西洋では: 時代で比べる日本美術と西洋美術の発展形と言えるでしょう。

これを全30巻にわたり、浮世絵師の紹介や浮世絵のミステリーなど交えつつ展開していくのですから楽しみで仕方ありません。


葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

世界最高のポップ・アートといわれる浮世絵の魅力を発信すべく作られた中身の非常に濃い読ませるウィークリーブックに仕立てられています。

美術書の「老舗のテーラー」である小学館だからこそ成せる技が詰まっています。


「浮世絵くらべる大図鑑」

江戸が生んだ北斎と若冲。二人が描いた鶏を対決させながら紹介。「水鳥」対決は特に必読!同じような作品のようである部分の描写が違っています。確かにこうして比べることで違いがはっきりするものですね。

ウィークリーブックはどうしてもチープなイメージが付きまといます。しかし『週刊 ニッポンの浮世絵100』は最高水準の印刷技術を用いることで、名作の数々を紙上に美麗に再現しています。

作品画像にしても印刷技術にしても、これまで日本美術全集を筆頭に、日本美術の関連書籍を数多く出版してきた小学館だからこそ可能なこと。見る人が見ればその凄さが分かります。


全巻予約購入特典「立体浮世絵」

この他に、「浮世絵の舞台を歩く」や「浮世絵逸品を買おう!」「浮世絵見るならこの美術館!」など、浮世絵を身近なものとして感じられるコーナーも充実しています。

創刊するにあたり、専門家の視点で浮世絵の名画を見直した結果、今までスポットが当たっていなかった新発見があったそうです。

『ニッポンの国宝100』で得た知識が作品鑑賞に役立っていること実感しているので、次はこの『週刊 ニッポンの浮世絵100』でこれまでとは違った知見を多く得たいと思います。


週刊ニッポンの浮世絵100(1)』 2020年 10/1 号 [雑誌]

創刊号では「葛飾北斎」「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」ほかを特集。葛飾北斎の世界屈指の名作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の見どころは波でも富士山でもなかった!ことや、北斎はなぜ93回も引っ越しをしたのか、東洲斎写楽の「江戸兵衛」全図解など、初心者から上級者まで誰でも楽しめます。


ニッポンの浮世絵: 浮世絵に描かれた「日本のイメージ」
太田記念美術館 (監修), 日野原 健司 (著), 渡邉 晃 (著)

#おうちで浮世絵がSNSで話題の太田記念美術館で徹底解説!約180点の浮世絵を通して知る、日本の美と日本人の心。


Twitter:https://twitter.com/taktwi
Facebook:https://www.facebook.com/bluediary2/
Instagram:https://www.instagram.com/taktwi/
mail:taktwi(アットマーク)gmail.com

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5991

JUGEMテーマ:アート・デザイン



読書 | permalink | comments(0) | -

「大津絵展」

東京ステーションギャラリーで開催中の
「もうひとつの江戸絵画 大津絵」展に行って来ました。


http://www.ejrcf.or.jp/gallery/

夏に佐倉市にある国立歴史民俗博物館で観て来た「大津絵と江戸の出版」展は、大津絵とは何ぞや?から始まり、作品の種類や受容などを紹介するベーシックな内容でした。

それとは対照的にステーションギャラリーで始まった「大津絵展」は、まるきり違うアプローチで大津絵について紹介しています。



東海道大津宿の追分周辺で旅人のお土産として販売され人気を博していた大津絵を展覧会でどう紹介すべきか。

「東海道五十三次」と関連付けた展示にしようか…といった案もあったそうですが、採択されたのは大津絵蒐集家(コレクター)にスポットを当てる方法でした。

だから、展覧会ポスターに「欲しい!欲しい!欲しい!何としても手に入れたい! 誰がための画かー民衆から文化人へ」と記されているのです。


猫と鼠》『古筆大津絵』より 
笠間日動美術館蔵

美しい浮世絵(錦絵)は江戸時代から蒐集の対象でしたが、大津絵はあくまでも土産物にすぎません。扱いもぞんざいとなり後世に遺されたものは多くはありません。

数百年後にまさか美術館で展覧会が開催されるとは、大津絵を描いていた職人や店の旦那さんが知ったらきっと腰を抜かして驚くことでしょう。

「大津絵」とは?
大津絵は大津宿の追分付近で江戸時代初期から描かれ始めたと考えられています。芭蕉の句「大津絵の筆のはじめは何仏」が知られているように、初期には仏教的な画題が主流でしたが、次第に世俗的で戯画性や風刺画的なものが増えていきます。江戸末期には次第に「大津絵十種」と呼ばれる代表的な画題へと絞られ、それ以外のものが見られなくなっていきます。大津絵は近代になって描かれなくなりますが、その諧謔や素朴な味わいを愛する文化人も少なくありませんでした。近年では海外でも注目を集めつつあります。

青面金剛
静岡市立芹沢げ霹術館蔵

青面金剛(しょうめんこんごう)は江戸時代に流行した庚申信仰の本尊。大津絵でも人気が高く作例も多くみられます。今回の展覧会でも何点か出ています。

初期の作品はこの画像のように表情や持仏などを比較的丁寧に描いていますが、これは珍しい方で、次第に簡略化が進み同じ仏様とは思えないゆるいものもあります。

大津絵鑑賞の楽しみの一つとして、同じ画題のものを見比べられる点があげられます。


鬼の念仏

「大津絵十種」と称される定番の画題(外法の梯子剃り、雷公、鷹匠、藤娘、座頭、鬼の寒念仏、瓢箪鯰、槍持奴、釣鐘弁慶、矢の根五郎)は、今回の展覧会でも何種類も見られるので、まず見比べることから始めるとよろしいかと。


鬼の行水
日本民藝館蔵

ただ同じ画題の作品を見比べるだけではなく、コレクターの好みや審美眼を比較するのが出来る点が、今回の展覧会の一番大きな要となります。

展覧会の構成は大津絵が描かれた時代順や画題毎ではなく、蒐集家別の展開となっているのです。

したがって、キャプションも普段の美術展とはちと趣きが異なります。



大津絵は全て作者不詳であり和紙に泥絵具という決まった技法が用いられているのでそれらは割愛し、代わりに旧蔵者名や所蔵者が明記されています。

展覧会の構成は以下の通りです。

1:受容のはじまり〜秘蔵された大津絵〜
2:大津絵ブーム到来〜芸術家のコレクション〜
3:民画としての確立〜柳宗悦が提唱した民藝と大津絵〜
4:昭和戦後期の展開〜知られざる大津絵コレクター〜


明治期以降、大津絵に美術的な価値を見出し、コレクションすることでその価値を決定付けたのは当時の画家や文化人たちでした。

富岡鉄斎、浅井忠、梅原龍三郎、柳宗悦、山村耕花、吉川観方そして小絲源太(展覧会にはまだまだたくさんの収集家が紹介されています)。



民藝運動を推進した柳宗悦が、忘れ去られていた大津絵に興味関心を抱いたのは理解できます。しかし梅原龍三郎、小絲源太といった洋画家が大津絵に魅了されたのは何故なのでしょう。

展覧会図録にはその理由について「西洋の視点」を身に付けていたからと説明されています。(マティスやピカソからの影響も考えられます)

吉田憲司によると「ヨーロッパでの滞在の経験を経て、いわば西洋の視点を身に付けた後に、大津絵を『発見』した」のだと。


藤娘」《大津絵図鑑》より 
福岡市博物館蔵

これは大津絵を今我々が鑑賞する上でとても重要な視座であることは間違いありません。

ただのゆるキャラ、キモカワ系の江戸絵画などと単眼で捉えるのではなく、結果的に深い考察が可能な展覧会となっています。

「東海道五十三次」や他の江戸絵画作品と展示したのでは見過ごしてしまっていたでしょう。


鬼の念仏》(看板)北王子魯山人旧蔵
笠間日動美術館蔵

初公開となる作品も多く、大津絵にこれだけまとめて触れられる機会は初めてのことです。

難しく考えなくても大丈夫です。ご自宅にある旅の思い出の何気ないお土産品と同じかそれ以下だった(長屋の壁に空いた穴を塞ぐのに使われたこともあったはずです)大津絵。

日本に残る大津絵を総動員しあまさに「大津絵名品展」という側面もあります。肩の力を抜いて東京駅まで参りましょう。

もうひとつの江戸絵画 大津絵」は11月8日までです。是非是非〜


もうひとつの江戸絵画 大津絵

会期:2020年9月19日(土) 〜 11月8日(日)
休館日:月曜日[9月21日、11月2日は開館]
開館時間:10:00〜18:00
※金曜日は20:00まで開館
※入館は閉館の30分前まで
会場:東京ステーションギャラリー
http://www.ejrcf.or.jp/gallery/
主催:東京ステーションギャラリー[公益財団法人 東日本鉄道文化財団]
企画協力:公益財団法人 日動美術財団
特別協力:公益財団法人 日本民藝館


大津絵 民衆的諷刺の世界』 (角川ソフィア文庫)
クリストフ・マルケ (著), 楠瀬 日年 (イラスト)

江戸時代、東海道の土産物として流行した庶民の絵画、大津絵。鬼が念仏を唱え、神々が相撲をとり、天狗と象が鼻を競う―。奇想天外な世界をいきいきと描くその伝統は、いかに人気を博し、そして消えてしまったのか。多彩な78種の画題をオールカラーで掲載し、愛すべきヘタウマに込められた諷刺と諧謔の精神を解き明かす。柳宗悦や梅原龍三郎、河鍋暁斎、ピカソさえも魅了された大津絵の全貌が文庫オリジナルで今よみがえる。


Twitter:https://twitter.com/taktwi
Facebook:https://www.facebook.com/bluediary2/
Instagram:https://www.instagram.com/taktwi/
mail:taktwi(アットマーク)gmail.com

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5990

JUGEMテーマ:アート・デザイン



続きを読む >>
展覧会 | permalink | comments(0) | -

「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』ARでたどる聖徳太子の生涯」

東京国立博物館にて「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』ARでたどる聖徳太子の生涯」が開催されます。


5G仕組み概要
5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」アニメーションより(合成)

「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』ARでたどる聖徳太子の生涯」は、東京国立博物館、文化財活用センター、KDDI株式会社が音頭を取り、「5G」やAR(拡張現実)などの先端技術を活用して文化財の魅力を引き出すイベントです。

第5世代移動通信システム「5G」やAR(拡張現実)などの先端技術を活用して文化財の魅力を引き出すことで、文化財の保護に加えて新たな鑑賞体験を提案する共同研究プロジェクトを発足させたのが昨年(2019年)9月。

コロナの影響で実働が遅れましたが、この秋東京国立博物館法隆寺館にてようやく開催される運びとなりました。


魔法のグラス使用イメージ

9月29日から開催となる「5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』ARでたどる聖徳太子の生涯」は、共同研究プロジェクトの第1弾。まだまだこれから先も続いていきます。

まず今回は、1面あたり18億画素の高精細画像と5Gの高速大容量通信技術やAR(拡張現実)技術を組み合わせることで、かつて奈良・法隆寺の東院伽藍(とういんがらん)に位置する絵殿の内壁にはめこまれていた東京国立博物館所蔵の国宝『聖徳太子絵伝』の魅力の新たな鑑賞体験を提供。

使用するのは2種類いずれかのツールです。


魔法のグラス


魔法のルーペ

これらを使い、1面あたり18億画素という高精細・大容量画像やARを用いて制作した『聖徳太子絵伝』コンテンツが、5G高速低遅延な通信を活用することで、ストレスなく、より分かりやすく鑑賞することが可能となるそうです。


魔法のグラス使用イメージ

1069年に絵師・秦致貞(はたのちてい)によって描かれた国宝『聖徳太子絵伝』は、聖徳太子の生涯を描く絵伝のなかで最も古い作品です。

「36人の子どもの話を記憶する」「憲法十七条をつくる」などの太子にまつわる58の事蹟(エピソード)が10面に描かれています。


国宝「聖徳太子絵伝」(太子1歳、部分)
平安時代・延久元年(1069) 全10面のうち第1面 東京国立博物館蔵


太子誕生(1歳、研究員が監修し作画したイラスト)
5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」アニメーションより

現在は東京国立博物館が所蔵している大変貴重な作品ですが、長い年月を経て画面はいたみ、展示ケース越しでは細かい描写を鑑賞することがかないません。

また、作品保存の観点から、年に1カ月ほどの限られた期間のみ展示しています。


魔法のルーペ

5Gスマートフォンを「魔法のルーペ」として複製画パネルにかざすと、スマートフォン画面に高精細画像がパネルとぴったり重なって表示されます。

58のエピソードから鑑賞したいものを選択すると、解説とナレーションにより「絵伝」をさらに深く知ることが可能です。

1面あたり18億画素の高精細・大容量画像が5Gによりスムーズに拡大縮小でき、肉眼では見ることが難しいディテールまで鑑賞することができます。


国宝「聖徳太子絵伝」(太子27歳、部分)
平安時代・延久元年(1069) 全10面のうち第3面 東京国立博物館蔵


黒駒で空を飛んで富士山へ(27歳、研究員が監修し作画したイラスト)
5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」アニメーションより

実際はもっと鮮明に「見え過ぎて困る!」ほどはっきりと魔法のグラスヤルーペ(スマホ)に映し出されるはずです。

ARグラス「NrealLight」では、東京国立博物館の研究員が監修し、分かりやすく作成したアニメーションを通じて、直観的で新しい文化財鑑賞体験も出来るとのこと。


浮遊する太子(11歳、研究員が監修し作画したイラスト)
5Gで文化財 国宝「聖徳太子絵伝」アニメーションより

未知の領域なので、リリースを読んだだけでは何が行われ、どんだけ凄いのかはっきり分かりませんので、始まったら早速トーハクで体験してきてます!


5Gで文化財 国宝『聖徳太子絵伝』ARでたどる聖徳太子の生涯

会期:2020年9月29日 (火)〜2020年10月25日 (日)

開館時間:9:30〜17:00
(入館は閉館の30分前まで、会期中の金曜・土曜は21:00まで開館)
入館とコンテンツ体験の両方にオンラインによる事前予約 (日時指定券) が必要となります。
http://adp.au.com/eden/
休館日:月曜日
会場:東京国立博物館 法隆寺宝物館
(東京都台東区上野公園13-9)
https://www.tnm.jp/
観覧方法:入館とコンテンツ体験の両方にオンラインによる事前予約 (日時指定券) が必要となります。
主催:東京国立博物館、文化財活用センター、KDDI
協力:NHKエデュケーショナル

展覧会公式サイト:http://adp.au.com/eden/


Twitter:https://twitter.com/taktwi
Facebook:https://www.facebook.com/bluediary2/
Instagram:https://www.instagram.com/taktwi/
mail:taktwi(アットマーク)gmail.com

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5989

JUGEMテーマ:アート・デザイン



展覧会告知 | permalink | comments(0) | -

「TAGBOAT×百段階段」展〜文化財と出会う現代アート〜

ホテル雅叙園東京内にある東京都指定有形文化財「百段階段」にて現代アートの展覧会が開催されています。


漁礁の間

昭和10年に建てられた旧目黒雅叙園3号館:通称「百段階段」

99段の階段廊下で結ばれた各部屋はそれぞれ趣向が異なり、各部屋の天井や欄間には、当時屈指の画家や大工によって創り上げられた美の世界が広がっています。

そんな「百段階段」とアジア最大のオンラインギャラリーを運営する株式会社タグボートとのありそうでなかった現代アート展。

これまでとは一味も二味も違う「百段階段」と出会えます。


星光の間

「TAGBOAT」がセレクトした30名の新進アーティストによる独創的なアート作品が文化財を舞台に新たな世界感を創り上げています。

はじめにこの企画を耳にした際、あの空間に果たして現代アートがマッチするのか少し懐疑的でした。

これまで生花やお雛様などの展覧会を多く開催してきた「百段階段」に、果たして尖がった作品の展示をどう展示するのかと。


草丘の間


天井の間

画像をご覧になっただけでお分かりのように、不安は全くの杞憂でした。

逆に、めちゃくちゃ合うじゃないですか!現代アート作品!!どうしてこれまでやらなかったのかが不思議なくらいです。

若い方へこれがきっかけで「百段階段」の存在や魅力を知ってもらえるまさに好機。


十畝の間

現代アートと、昭和初期に当時屈指の画家や大工によって創り上げられた美の世界の融合を体験することの出来る稀有な機会とも言えます。

参加アーティスト / 五十音順
Aira / AKI / ayaka nakamura / Limo / TARTAROS JAPAN / 石井七歩 / 石川美奈子 / 伊藤咲穂 / 大槻 透 /カネコタカナオ/鴨下容子 / 神田さおり / 小池正典 / 後藤夢乃 / 榊 貴美 / 塩見真由 / 田村久美子 /坪山 斉 / 友成哲郎 / 西島雄志 / 橋本 仁 / 濱村 凌 / 早川モトヒロ / ヒロ杉山 / 廣瀬祥子 / ホリグチシンゴ /前田博雅 / 柳田有希子 / 山口真人 / 渡邉 光



「TAGBOAT × 百段階段」展〜文化財と出会う現代アート〜【メイキング動画】

絵画作品のみならず、漉き和紙によるインスタレーションや、写真、デジタル作品、そして立体的な作品など、幅広い表現力を持つ新進気鋭の作家が「百段階段」に集っています。

昭和-平成-令和と時代を越えたコラボレーションを体感しにホテル雅叙園東京「百段階段」へgo!!(学生さんは特別にワンコイン500円で入館できます)


「TAGBOAT×百段階段」展 〜文化財と出会う現代アート〜

開催期間:2020年9月11日(金)〜10月11日(日)
開催時間:日〜木曜日・祝日 10:00〜17:00
金・土・祝前日 10:00〜20:00 ※最終入館ともに閉館30分前
会場:ホテル雅叙園東京 東京都指定有形文化財「百段階段」
https://www.hotelgajoen-tokyo.com/100event/tagboat
主催:株式会社タグボート・ホテル雅叙園東京

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=5988

JUGEMテーマ:アート・デザイン



展覧会告知 | permalink | comments(0) | -