青い日記帳 

  
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「奇想の系譜展」
東京都美術館で開催中の
「奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド」に行って来ました。


https://kisou2019.jp

こんなズルい展覧会などそうそうあるものではありません。勿論ズルいというのは良い意味です。The Tabelog Award 2019 [食べログ]に選ばれた「名店」が一堂に会しているようです。

しかも、若冲、又兵衛をはじめとした奇想の画家たちの「一番良い仕事」と呼べる作品を選び抜いて展示しているのですから、文句のつけようが全くありません。江戸名画の熱いシャワーを存分に浴びられます。


伊藤若冲「紫陽花双鶏図」絹本着色 江戸時代中期(18世紀)
米国・エツコ&ジョー・プライスコレクション

美術史家・辻惟雄氏(1932-)が、今から約50前の1970年に著した『奇想の系譜』で紹介した岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曽我蕭白、長沢芦雪、歌川国芳。

彼らは今でこそ、日本美術ブームの牽引役として高い知名度を誇っていますが、当時は所謂亜流で陽の目を見ることの無かった絵師たちでした。

それが、今では辻惟雄先生が光を当てたことにより、一部の作品は重要文化財指定を受けるまでになりました。国宝指定もそう遠い未来ではなさそうです。


曽我蕭白 重要文化財「唐獅子図」明和元年(1764)頃
三重・朝田寺

「奇想の系譜展」の監修者である山下裕二先生がつい最近出された『未来の国宝・MY国宝』の表紙には長沢芦雪の「錦江山無量寺障壁画(和歌山県串本町、串本応挙芦雪館)のうち『虎図』」(重文)が使われています。


未来の国宝・MY国宝

さてさて、「奇想の系譜展」一体どのような展示構成で魅せてくれるのかと、あれこれ予想していましたが、直球勝負で来ていました。あれこれいじらずに『奇想の系譜』のように、作家(絵師)ごとに紹介するスタイルが採られています。

下手にテーマを設けて奇想の画家たちをないまぜで見せることは避け、非常にシンプルに絵師ごとの展示となっています。確かに「混ぜるな危険」であり、単体で十分に魅了させる力を有している絵師ばかりです。


狩野山雪 重要文化財「梅花遊禽図襖」寛永8年(1631)
京都・天球院

展覧会の構成は以下の通りです。

幻想の博物誌:伊藤若冲(1716-1800)
醒めたグロテスク:曽我蕭白(1730-1781)
京のエンターテイナー:長沢芦雪(1754-1799)
執拗なドラマ:岩佐又兵衛(1578-1650)
狩野派きっての知性派:狩野山雪(1590-1651)
奇想の起爆剤:白隠慧鶴(1685-1768)
江戸琳派の鬼才:鈴木其一(1796-1858)
幕末浮世絵七変化:歌川国芳(1797-1861)


しかし、会場入っていきなり、心の準備が整っていないのに、若冲が待ち受けているのは身体にもよろしくないです。ストレッチせずにいきなり全力疾走です、、、

伊藤若冲の最高傑作の一枚である「旭日鳳凰図」(宮内庁三の丸尚蔵館)が、これまでで最も間近で観られるような展示となっています。もうこれだけでお腹いっぱいです。


長沢芦雪「龍図襖」
島根・西光寺

この展覧会では『奇想の系譜』に取り上げられた各絵師の代表作に加えて、今まで展覧会では観る機会の無かった作品も出ているのが大きな魅力となっています。島根・西光寺に伝わる芦雪初めて拝見しました。

また、展覧会準備中に新たに発見された、若冲や芦雪作品、そして海外の美術館が所蔵しこれまで一度も日本に里帰りをしていなかった鈴木其一の「百鳥百獣図」なども出ています。


鈴木其一「百鳥百獣図」天保14年(1843年)
米国・キャサリン&トーマス・エドソンコレクション

辻惟雄先生や山下裕二先生もこの「百鳥百獣図」はこの会場で初めて目にしたそうです。其一の異常なまでの描き込みが息苦しいほど画面全体に展開されています。そして何よりこの色味!

「今回の展覧会で誰が一番良かったですか?」と不意に質問され即座に答えることが出来ませんでした。帰宅し図録や『新版 奇想の系譜』を読み返して行くうちに、やはり岩佐又兵衛に行き着きました。

辻惟雄先生が大学院時代から追い求めている絵師であり、『奇想の系譜』のトップバッターを飾る存在です。そして会場でも最も「ギョッとする江戸の絵画」が又兵衛でした。


岩佐又兵衛 重要文化財「山中常盤物語絵巻 第四巻
静岡・MOA美術館

源義経の母、常盤御前が盗賊に遭った場面。常盤御前とお付きの女性では肌着の色が違うのがはっきりと分かります。そしてこの後、常盤御前が殺害される場面では、松葉の描写も情景や心情と呼応するかのように劇的に変化しています。

そして、できればこちらで紹介した『絵は語り始めるだろうか』に収録されている岩佐又兵衛「山中常盤物語絵巻」についての論文も是非目を通してみて下さい。作品の見方が更に変わります。


伊藤若冲「石榴雄鶏図
伊藤若冲「雨中の竹図」東京黎明アートルーム

本来ならこの展覧会で取り上げている8人の絵師それぞれ単独展を開いても、多くの方が訪れるはず。それをまとめて見せるなんて、ズルいを通り越して「暴挙」と言っても過言ではありません。

50年前は美術史で無視されていた絵師たちが、今やスーパースターです。昭和の時代に「発掘」され、平成の時代に「醸成」された時の流れと、評価の潮目を楽しみながら、贅沢な展覧会に酔いしれましょう。

江戸絵画の最大のお祭り「奇想の系譜展」は4月7日までです。これは行かないとね!(なんて言われなくても当然行きますよね〜)


奇想の系譜展 江戸絵画ミラクルワールド
Lineage of Eccentrics: The Miraculous World of Edo Painting

2019年2月9日(土)〜4月7日(日)
休館日:月曜日、2月12日(火)
※ただし、2月11日(月・祝)、4月1日(月)は開室
開室時間:9:30〜17:30(入室は閉室の30分前まで)
夜間開館:金曜日、3月23日(土)、30日(土)、4月6日(土)は9:30〜20:00
(入室は閉室の30分前まで)
会場:東京都美術館
https://www.tobikan.jp/
主催:東京都美術館(公益財団法人東京都歴史文化財団)、日本経済新聞社、NHK、NHKプロモーション
共催:朝日新聞社
協賛:凸版印刷、トヨタ自動車、三井物産
協力:日本航空
企画協力:浅野研究所
特設WEBサイト:https://kisou2019.jp


新版 奇想の系譜
辻 惟雄 (著)

江戸絵画ブームを興した名著オールカラー版

半世紀前に刊行された『奇想の系譜』が、新たに図版を加え、さらに4色で大きく見せられるレイアウトに生まれ変わりました。また、若冲をはじめ江戸の絵師たちに起こった絵画をとりまく状況変化を各章最後に新原稿として追記しています。

岩佐又兵衛、狩野山雪、伊藤若冲、曾我簫白、長沢芦雪、歌川国芳。アバンギャルドな絵師たちの江戸絵画を約130点も掲載。

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| 展覧会 | 22:28 | comments(0) | trackbacks(0) |
「クマのプーさん展」
Bunkamura ザ・ミュージアムで開催中の
「クマのプーさん展」に行って来ました。


https://wp2019.jp/

作家、アラン・アレクサンダー・ミルン(1882-1956)と挿絵画家、アーネスト・ハワード・シェパード(1879-1976)が世に送り出した名作『クマのプーさん』(1926)と『プー横町にたった家』(1928)。

世界一有名で世界一愛されているクマは、全20編の短編から成るこの2冊の児童文学書から誕生しました。


「グングン、くつをひっぱったので……」、『クマのプーさん』第8章、E.H.シェパード、鉛筆画、1926年、V&A所蔵 © The Shepard Trust

キャラクター系の展覧会となるとその需要の過程を紹介するものが多くありますが、今回の「クマのプーさん展」は原作主義に基づき構成されています。

浦安や映画の中にいる黄色いクマのプーさんではなく、シェパードが鉛筆で描いたモノトーンのプーさんを紹介する大人向けの展覧会です。



E.H.シェパードが描いた270点以上にもおよぶ原画や資料は、ディズニーではなく、ロンドンにある古美術、工芸、デザインなどを所蔵する英国国立のヴィクトリア・アンド・アルバート博物館(V&A)が所有しています。

シェパード自らがV&Aに寄贈したのです。この貴重なコレクションを中心として展開しているのが今回の「クマのプーさん展」なのです。まさに原作主義以外の何物でもありません。


「プーとコブタが、狩りに出て…」、『クマのプーさん』第3章、E.H.シェパード、ペン画、1926年、 クライブ&アリソン・ビーチャム・コレクション © The Shepard Trust

展覧会の構成は以下の通りです。

1:さて、お話ははじまります
2:お話は、どうかな?
3:物語る術(わざ)
4:プー、本になる
5:世界中で愛されているクマ




原作者のミルトンは、「Hello」をわざと「Hallo」に間違えるなど、原作の中でプーたちの個性を際立たせる言葉遊びをたくさん散りばめています。

石井桃子訳『クマのプーさん』(岩波書店)では、そのミルトンの英語の原文に込めた言葉の楽しみを、日本語でも感じることが出来る名訳です。今回の展覧会のテキストも石井桃子の翻訳を用いています。

尚、日本における『クマのプーさん』の翻訳の歴史や受容などについては、『MOE』最新号で詳細に紹介されています。


MOE (モエ) 2019年3月号 [雑誌] (展覧会開催記念 いまだから会いたい クマのプーさん/口絵 ヒグチユウコバラエティカード)

絵画ファンにとってもこの展覧会は見逃せないものがあります。原画をただ並べて見せるのではなく、シェパードが用いた技法を丁寧に紹介しているのです。

例えば、筆致による描き分けや天気の描写などは、キャプションを読んでふむふむと深く納得できるものがあります。


「おいでよ、トラー、やさしいよ」、『プー横丁にたった家』第4章、E.H.シェパード、鉛筆画、1928年、V&A所蔵 © The Shepard Trust. Image courtesy of the Victoria and Albert Museum, London

また、シェパードが挿絵を、ミルトンのテキスト(物語)に上手く合わせるように苦心してて描いたことも分かる展示があります。

ミルンが挿絵について、シェパードに細かい指示を書き送っているのです。シェパードもそれに応えるように部屋の図面などを参考にストーリーに矛盾が生じないように描いています。

そして、いつもながらBunkamura ザ・ミュージアムの会場の作り込みは見事です。



V&Aからまとめて初来日を果たした「クマのプーさん」の原画をメインに、プーさんに関する豊富な資料も展示されている文句の付け所の全くない展覧会です。

迷わずに渋谷に行きましょう。混雑する前に。

そして、アートとしてのプーさんに出逢える唯一の展覧会でもあります。「クマのプーさん展」は4月14日までです。是非是非!


「クマのプーさん展」

開催期間:2019年2月9日(土)〜4月14日(日)
*2/19(火)、3/12(火)のみ休館
開館時間:10:00〜18:00(入館は17:30まで)
毎週金・土曜日は21:00まで(入館は20:30まで)
会場:Bunkamura ザ・ミュージアム
https://www.bunkamura.co.jp/museum/
主催:Bunkamura、ヴィクトリア・アンド・アルバート博物館、朝日新聞社、フジテレビジョン
協賛・協力等
[協力]ウォルト・ディズニー・ジャパン、東京子ども図書館、日本航空、岩波書店
Exhibition organised by the Victoria and Albert Museum, London
https://www.vam.ac.uk/
展覧会公式サイト:https://wp2019.jp/

《巡回》
2019年4月27日(土) 〜 2019年6月30日(日)
あべのハルカス美術館(大阪・阿倍野)
https://www.aham.jp/

「クマのプーさん展」公式図録

クマのプーさん 原作と原画の世界 A.A.ミルンのお話とE.H.シェパードの絵


約250種のプーさんが大集合したバンダナ。版権の関係でもう二度と作れない展覧会会場限定オリジナルグッズです。グッズは散財覚悟で!

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| 展覧会 | 23:11 | comments(0) | trackbacks(0) |
「ヒグチユウコ展 CIRCUS〔サーカス〕」
世田谷文学館で開催中の
「ヒグチユウコ展 CIRCUS」に行って来ました。


https://higuchiyuko-circus.jp/
https://www.setabun.or.jp/

毎号楽しみにしている雑誌『MOE』で特集される率の最も高い画家・絵本作家ヒグチユウコ。

初期作品から最新作まで約500点を一気に紹介する初めての本格的展覧会が、世田谷文学館で開催されています。絵本作家としても数多くの著書を出されているヒグチユウコさんにとって、まさにうってつけの会場です。


ヒグチユウコ「せかいいちのねこ」©Yuko Higuchi

仮にヒグチユウコさんの名前は知らなくても、必ず彼女の作品をどこかで目にしているはずです。しかも複数回。それくらい世の中に彼女の作品があふれています。

ネコの絵はよく知られていますが、糸井重里さんの本の装丁も手掛けていたりします。


ほぼ日の怪談。 (ほぼ日文庫)
ほぼ日刊イトイ新聞 (編集), ヒグチユウコ (イラスト)

またつい先日から発売となった、ラデュレとヒグチユウコさんとのコラボレーションによる限定マカロンボックス。2016年に続いて2度目のコラボです。
http://www.laduree.jp/boutique/higuchiyuuko

ヒグチユウコさんの絵は、独特の存在感があるにも関わらず、決して悪目立ちしないので、書籍の表紙や商品パッケージにこのように多く用いられるのでしょう。


ヒグチユウコ「」©Yuko Higuchi

今回の展覧会を通して、洋の東西を問わずありとあらゆる絵画はじめ様々なものを観ている(観察している)成果としてこのような独特な誰にも真似できない世界観を創り出せているのだと、はっきりと分かりました。

江戸時代の絵画からラファエル前派などなど。


初回限定版 BABEL Higuchi Yuko Artworks
ヒグチユウコ(著)

こちらは、2017年に東京都美術館で開催された、ブリューゲル「バベルの塔」展とコラボして生まれた作品が収められた一冊。

この原画も今回の展覧会では展示されています。良いですよ〜ヒグチユウコ版「バベルの塔」。そうそう、会場内に作られた和室空間には伊藤若冲のオマージュ作品も展示されています。


ヒグチユウコ「若冲」©Yuko Higuchi

展覧会の構成は以下の通りです。

1:エントランス
2:初期作品
3:絵本の仕事
4:サーカス
5:『BABEL』より
6:こわい絵
7:和
8:最近の仕事


絵画・イラストだけでなく、展覧会のために作られた立体造形物や映像作品も所狭しと展示されています。

タイトル通り、サーカスのテントも会場に設置され華やかさと不思議な魅力の入り混じった、誰も観たことのない展示空間となっています。


ヒグチユウコ「アリス」©Yuko Higuchi

昔からのファンの人にとっては感涙もの。
はじめて見る人にとっても驚きの連続です。

1階のグッズコーナーと合わせて2時間ほどは居たでしょうか。さらりと見ることの出来ない展覧会です。心して行きましょう。

久々に心の底から「いいな〜」と思える展覧会でした。これがヒグチユウコ・マジックなのでしょうか。人気の一端を垣間見ることができいたく満足しています。

「ヒグチユウコ展 CIRCUS」は3月31日までです。是非!!


「ヒグチユウコ展 CIRCUS〔サーカス〕」

会期:2019年1月19日(土)〜3月31日(日)
開館時間:10:00〜18:00
※入場・ミュージアムショップは閉館の30分前まで
会場:世田谷文学館
https://www.setabun.or.jp/
主催:公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館、朝日新聞社
協賛:東邦ホールディングス株式会社、株式会社ウテナ
後援:世田谷区、世田谷区教育委員会
特別協力:グラフィック社
協力:白泉社、祥伝社、ブロンズ新社、講談社(順不同)
特設サイト:https://higuchiyuko-circus.jp/


ヒグチユウコ画集 CIRCUS

日本のみならず世界から注目されている画家・ヒグチユウコの最新画集。渾身の作品を224ページという大ボリュームで掲載し、更に本書のための描き下ろし作品16ページ(「卑怯な蝙蝠」)も掲載されたファン垂涎・必携の一冊です。

1st作品集「ヒグチユウコ作品集」とはすべて違った作品を収録し、世に出なかった作品、ほとんどファンもみていない貴重な作品も満載です。


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| 展覧会 | 22:00 | comments(0) | trackbacks(0) |
お台場「エプソン チームラボボーダレス」・豊洲「チームラボ プラネッツ」アップデート
チームラボが東京湾で展開する2つの大型鑑賞施設、お台場「エプソン チームラボボーダレス」と豊洲の超巨大没入空間「チームラボ プラネッツ」。


それぞれ、2018年6月21日、2018年7月7日にオープンして以来、連日大勢の人で賑わいをみせています。

一度行っただけでは全てを観ることは不可能、自分も見落としてしまった作品があったりします。また作品自体が常に変化しているので、何度訪れても新鮮な気分で楽しめてしまうのが、この2つの大型施設の特徴でもあります。

オープンからまだ1年も経過していませんが、この冬から春にかけて一部の作品でアップデートが行われます。

まずは、「森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」から。


呼応するランプの森 - ワンストローク、桜 / Forest of Resonating Lamps - One Stroke, Cherry Blossoms
teamLab, 2019, Interactive Installation, Murano Glass, LED, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

3月から4月にかけて「呼応するランプの森」には、桜(さくら)の1色でランプが輝く「呼応するランプの森 - ワンストローク、桜」が。更に、山吹(やまぶき)、裏山吹(うらやまぶき)、青山吹(あおやまぶき)、花山吹(はなやまぶき)、桃(もも)の、5色の春の野山の色で輝く「呼応するランプの森 - ワンストローク、春の野山」が登場。


花の精霊 / Spirits of the Flowers
teamLab, 2018, Interactive Digital Installation


積層された空間に咲く花々 / Flowers in Layered Ultrasubjective Space
teamLab, 2018, Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi


地形の記憶 / Memory of Topography
teamLab, 2018, Interactive Digital Installation, Sound: Hideaki Takahashi

春の季節のあいだ、作品「花の精霊」には沈丁花(3月)や蓮華草(4月)、「積層された空間に咲く花々」には梅(2月〜3月)や牡丹(4月〜5月)、「地形の記憶」には春の景色(3月〜5月)が広がります。

森ビルデジタルアートミュージアム:エプソン チームラボボーダレス
MORI Building DIGITAL ART MUSEUM: EPSON teamLab Borderless


所在地: 東京都江東区青海1-3-8(お台場パレットタウン)
開館時間:
月〜金 10:00 - 19:00
土日祝 10:00 - 21:00
※最終入館は閉館の1時間前
※開館時間はシーズンによって異なります。詳しくはウェブサイトをご確認ください。
休館日: 第2・第4火曜日
※2月は通常と異なり、2月18日(月)19日(火)20日(水)休館。2月12日(火)26日(火)は開館。
公式ウェブサイト:http://borderless.teamlab.art/jp

続いて、「チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com


The Infinite Crystal Universe
teamLab, 2018, Interactive Installation of Light Sculpture, LED, Endless, Sound: teamLab

光の立体物の集合体によって表現された宇宙空間が、全方位に無限に広がるインタラクティブな作品「The Infinite Crystal Universe」には、新しい宇宙の構成要素が追加されました。チームラボのエキシビジョンアプリ「teamLab」を使い、スマートフォンから、宇宙の構成要素を投げ込むと空間は創られていき、永遠に変化してきます。



人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity
Drawing on the Water Surface Created by the Dance of Koi and People - Infinity
teamLab, 2016-2018, Interactive Digital Installation, Endless, Sound: Hideaki Takahashi

移ろいゆく季節とともに、作品「人と共に踊る鯉によって描かれる水面のドローイング - Infinity」の花々は、2月28日までの期間限定で、冬の装いに変化します。

無限に広がる水面を泳ぐ鯉は、水の中の人々の存在に影響を受け、また他の鯉の影響を受けながら泳ぎ、人々にぶつかると、寒椿やサイネリアなど、冬の花々に変化し散っていきます。一年を通して、咲いていく花々は季節とともに移り変わります。

チームラボ プラネッツ TOKYO DMM.com

所在地:東京都江東区豊洲6-1-16 teamLab Planets TOKYO
開館時間:
平日 10:00〜22:00、土日祝 09:00〜22:00
※最終入館は閉館の1時間前
公式ウェブサイト: planets.teamlab.art/jp/

豊洲市場直送のスペシャルコラボメニューもあります!


5種魚介のブイヤベース ブレッド付

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| 展覧会 | 23:49 | comments(0) | trackbacks(0) |
「六本木クロッシング2019展」
森美術館で開催中の
森美術館15周年記念展「六本木クロッシング2019展:つないでみる」に行って来ました。


https://www.mori.art.museum/

2004年以来、森美術館が続けてきた「六本木クロッシング展」では、多くの現代アーティストを知ることが出来ました。

3年に一度、日本の現代アートを紹介する「六本木クロッシング展」も今回で第6回目となります。今回は、1970-80年代生まれを中心とした日本のアーティスト25組の作品が並びます。



「六本木クロッシング2019展」のテーマは「つないでみる」。様々な場面で「分断」を強く意識させられる現代人が、今最も求めているのが「つながり」です。

孤独や分断はひとりでは感じることはありません。他者の存在があって初めて露見してくるものです。

言うまでもなくSNSがこれだけ盛況なのは誰もが「つながり」を求めているからに他なりません。その盛況ぶりはどう考えても異常としか思えない状況にあるのは数字を示す必要も特にないかと。


津田道子「王様は他人を記録するが」2019年

『鏡の国のアリス』の主人公のように、次々と起こる不条理な出来事に対して寛容に受け止める心の余裕など、現代人には欠片も残されていないばかりか、疑心暗鬼を日々募らせる一方です。

「つながり」は求めれば求めるほど指先から遠ざかる、風がなく晴れた暑い日に見える「逃げ水」のようです。

現代アート作品は観てもよく分からないかもしれませんが、「六本木クロッシング2019展」では「つながり」を念頭に置いておけば、分からないどころか、めっちゃ面白い展覧会となります。

25組のアーティスト作品の中には意味不明の作品もありますが、それはスルーで。皆と分かり合えないのと同じことです。


花岡伸宏

【出展アーティスト】※アーティスト、アーティスト・グループの姓のアルファベット順
アンリアレイジ(2003年設立、東京拠点/森永邦彦:1980年東京生まれ)
青野文昭(1968年宮城生まれ、宮城在住)
万代洋輔(1980年東京生まれ、東京在住)
土井 樹+小川浩平+池上高志+石黒 浩×ジュスティーヌ・エマール
(土井 樹:1989年兵庫生まれ/小川浩平:1982年愛知生まれ/池上高志:1961年長野生まれ/石黒 浩:1963年滋賀生まれ/ジュスティーヌ・エマール:1987年クレルモン=フェラン〔フランス〕生まれ)
毒山凡太朗(1984年福島生まれ、東京在住)
榎本耕一(1977年大阪生まれ、神奈川在住)
花岡伸宏(1980年広島生まれ、京都在住)
林 千歩(1988年愛知生まれ、神奈川在住)
平川紀道(1982年島根生まれ、東京在住)
ヒスロム(2009年結成、京都拠点)


目「景体」2019年

飯川雄大(1981年兵庫生まれ、兵庫在住)
今津 景(1980年山口生まれ、バンドゥン〔インドネシア〕在住)
磯谷博史(1978年東京生まれ、東京在住)
川久保ジョイ(1979年トレド〔スペイン〕生まれ、ロンドン在住)
前田征紀(1971年生まれ、京都在住)
前谷 開(1988年愛媛生まれ、京都在住)
目(2012年結成、埼玉拠点)
佐藤雅晴(1973年大分生まれ、茨城在住)
杉戸 洋(1970年愛知生まれ、愛知/東京在住)
竹川宣彰(1977年東京生まれ、埼玉在住)
田村友一郎(1977年富山生まれ、静岡在住)
土屋信子(神奈川生まれ、神奈川在住)
津田道子(1980年神奈川生まれ、神奈川/東京在住)
佃 弘樹(1978年香川生まれ、東京在住)
山内祥太(1992年岐阜生まれ、神奈川在住)

さてさて、気になった作家・作品を何点かご紹介しておきますね。


磯谷博史「花と蜂、透過する履歴」2018年
磯谷博史「母親の子、祖母の孫」2019年

六本木ヒルズを支える柱に2600メートルもの真鍮製のチェーンを巻き付けています。一部には母親と祖母が使っていたネックレスも用いられており、本来起こり得ない巨大建造物との交わりが鈍い輝きと共に不思議と観る者を魅了します。

そしてもう一点、床に置かれた夜釣りで使用する灯り。オレンジ色に輝く中身は何と蜂蜜!イカ釣り漁船が海上で使う明りに蜂蜜を満たし地上約230m(53階)に置くとクマでなく人が吸い寄せられていきます。


飯川雄大「デコレータークラブ―ピンクの猫の小林さん―」2017年

蛍光ピンクが塗られた巨大な猫。これは写真映えするといざiPhoneを構えてどこから撮ろうとしても、必ず「邪魔」が映り込んでしまい、ピンク猫の全体像をスッキリ収めることができません。

部分だけしか見聞きせずに全体を語るようなことは、日常会話レベルだけでなく学問の世界にも及んでいる昨今。また他人に自分の全ては決して見せない我々の借りの姿がこの不敵な笑みをもらすピンク猫です。


竹川宜彰「猫オリンピック:開会式」2019年

猫好きには1300匹もの猫が集う「猫オリンピック」も必見。この作品が制作された背景や経緯は、さして深いものはありませんが、数の力は絶大です。


川久保ジョイ「アステリオンの迷宮―アステリオンは電気雄牛の夢をみるか?」2019年

アステリオンとはアメリカ最大の新興企業向け株式市場、ナスダック指標の今後20年の予測グラフだそうです。人工知能によってはじき出されたその予測グラフが巨大な森美術館の壁面いっぱいに描かれています。

「描かれている」というのは、間違いであるとキャプションを見て気が付きました。このグラフは壁を削って作り出したものなのです。


川久保ジョイ「アステリオンの迷宮―アステリオンは電気雄牛の夢をみるか?」(部分)

「ちょっと何言ってるか分からない」と思われますが、これまで森美術館で開催され色を塗り重ねられてきた壁を削り「色」や「模様」を出しています。そう絵画ではなく、研磨されたギャラリーの壁面自体なのです。


林千歩「人工的な恋人と本当の愛-Artificial Lover & True Love-」2016/2019年
「社長室にみたてた空間に、陶芸教室を営む既婚のAIロボット「アンドロイド社長」が、人間の女生徒と恋に落ちるというユーモア溢れる設定の映像が流れるインスタレーションです。」
石黒浩と池上高志によるアンドロイド「オルター2」が近くに展示してあるので、比較せずにはいられませんが、圧倒的に今回はこちらに惹かれました。

一見、荒唐無稽な設定ですが「アンドロイド社長」という語呂や非常に性的なイメージがあちこちに散見する作品は、堅苦しく難解な現代アートとは一線を画しています。

渋谷慶一郎さんが同作品内のメイン映像の音楽の作曲を担当しているのもこれまた佳し。


アンリアレイジ「A LIVE UN LIVE」2019年

サカナクション、ライゾマティクス・リサーチとのコラボなどを展開するアンリアレイジの新作。この服、生きているように変化します。あることがきっかけで。

「六本木クロッシング展」にどの作家を出すか学芸員さん自身が、実際に個展やギャラリーに足を運んで選んだだけあり、25組それぞれ見応えがあります。

現代アートはとても身近なテーマを扱っているので、ハマってしまうとこれほど面白いものはありません。心動かされる作品・作家たちに必ず出逢えるはずです。

「六本木クロッシング2019展:つないでみる」は5月26日までです。是非是非〜


森美術館15周年記念展
「六本木クロッシング2019展:つないでみる」


開催期間:2019年2月9日(土)〜 5月26日(日)
会期中無休
開館時間:10:00〜22:00(最終入館 21:30)
※火曜日のみ17:00まで(最終入館 16:30)
※ただし4月30日(火)は22:00まで(最終入館 21:30)
※「六本木アートナイト2019」開催に伴い、5月25日(土)は翌朝6:00まで(最終入館 5:30)
会場:森美術館(六本木ヒルズ森タワー53階)
https://www.mori.art.museum/
主催:森美術館
協賛:株式会社大林組、公益財団法人現代芸術振興財団
協力:シャンパーニュ ポメリー
制作協力:株式会社 七彩
企画:椿 玲子(森美術館キュレーター)
山拓一(森美術館アソシエイト・キュレーター)
熊倉晴子(森美術館アシスタント・キュレーター)


音声ガイドナビゲーターは秋元梢さんです。


[アンリアレイジ]トートバッグ A LIGHT UN LIGHT TOTE BAG Black

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【お知らせ】

↑単眼鏡紹介記事書きました。

おかげさまで重版となりました!


いちばんやさしい美術鑑賞』 (ちくま新書)


編集・執筆を務めた『カフェのある美術館 感動の余韻を味わう』(世界文化社)12月に発売となりました。


編集・執筆を務めた『フェルメール会議』10月2日発売です!

編集・執筆を務めた『カフェのある美術館 素敵な時間を楽しむ』(世界文化社)好評発売中です。


青い日記帳(編集)『美術展の手帖』小学館より発売中です。


青い日記帳「出前ブログ」


gooいまトピ連載中

朝日マリオン・コム「ぶらり、ミュージアム」

びゅうたび連載中


山下裕二&井浦新トークショー


青い日記帳コラボグッズ

「展覧会に出かける前に準備しておきたい5つのこと。」

「展覧会を何十倍も楽しむために心がけたい5つの秘訣。」

フェルメールへの招待
國學院大學文学部教授の小池寿子先生監修。不肖私(Tak)が編集と一部執筆しました。詳細はこちら

【展覧会レビュー】
「2018年 展覧会ベスト10」
かみさんが選ぶ「2018年 展覧会ベスト10」
プロが選ぶ「2018年 ベスト展覧会」
読んでおきたい10冊のアート関連本

パリ行って来ました
オランダ行って来ました
 

BLUE HEAVEN(本館)

『文藝春秋』に寄稿しました。

『AERA』に載りました。

「マウリッツハイス美術館展公式ガイドブック」編集・一部執筆しました

「ザ・シネマ」に寄稿しました。

トークショーに出演しました

日経に掲載されました

朝日新聞に掲載されました

再び日経に掲載されました

「美連協ニュース」寄稿

『アートコレクター』で紹介されました

Yahoo!カテゴリ絵画に登録されました

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