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「ふつうの系譜」

府中市美術館で開催中の
春の江戸絵画まつり「ふつうの系譜 「奇想」があるなら「ふつう」もあります─京の絵画と敦賀コレクション」展に行って来ました。


https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
http://fam-exhibition.com/futsu/

毎年恒例となった府中市美術館の「春の江戸絵画まつり」今年で何回目となるのでしょう。

毎回、金子信久学芸員をはじめとするスタッフの皆さんの展覧会にかける意気込みが感じられます。


岸駒「白蓮翡翠図

今年は、辻惟雄先生の『奇想の系譜』のカウンターとして「ふつうの系譜」と称した展覧会。まずはネーミングで美術ファンの心をつかむことに成功しています。

展示されている作品は、一部を除きほぼ全てが敦賀市立博物館所蔵品です。でも「敦賀市立博物館所蔵 江戸絵画コレクション展」ではインパクトに欠けるので、「ふつうの系譜展」としたわけです。


円山応挙「狗子図

そもそも、「奇想の系譜」という言葉がどれだけ認識されているのでしょう。我々が当然だと思っていても、一般的には知名度は決して高くないはずです。

昨年(2019年)に東京都美術館で開催された「奇想の系譜展」も美術ファンには大好評でしたが、タイトルをもう少し工夫する余地があったと思います。だって美術に詳しくない方にしたらどんな展覧会なのか皆目見当がつきません。

と言うことで、「ふつうの系譜展」も普通の人にとっては何の展覧会なのかさっぱり内容の分からないタイトルです。

「奇想」と「ふつう」を会場内でも殊更解説に用いていましたが、そんなことをせずとも敦賀市立博物館の江戸絵画コレクションはとても素晴らしいものなので、少々勿体ない気がしました。


原在中「嵐山図

さて、タイトルについてはこれくらいにして、肝心の展覧会の中身を見ていきましょう。

大きく2つのパートに分かれており、第1章で土佐派から明治に至るまでの日本美術の流れを捉えられるようになっています。狩野派の作品が少し弱いのですが、原在中や岸駒などの優品が出ているのは見応えあります。

展覧会の構成は以下の通りです。

「ふつう」ではないもの
I ふつう画の絵画史
1:専門は「まろ画」土佐派とやまと絵
2:専門は「中国」を見せること 狩野派
3:「斬新」から、あっという間に「ふつう」へ 円山応挙と円山四条派
4:パーフェクトな形 原在中と原派
5:「奇想」と「ふつう」の間 岸駒と岸派
6:「ふつう画」のゆくえ 明治以降の画家
II ふつう画の楽しみ方
1:「精密さ」と「たゆたう感じ」
2:「絵の具の美しさ」と「墨の深さ」


円山応挙の扱いが「ふつう」として良いのかどうか疑問ですが、3D作品ではなくワンコの絵などが目立っていたのでまぁそれはそれでありかなと。長沢芦雪の扱いも同様に。

土佐派や冷泉為恭の作品をまとめて観られたこと、また土佐光孚「花丸文様屏風」のような若冲も吃驚のデザインセンスに長けた花の絵に出会たことは大きな収穫でした。


土佐光孚「花丸文様屏風

また、塩川文麟「柳汀飛蛍図」の縦長の画面左面三分の一に、このように柳の枝葉を配置するパッと目に留まる巧みな構図を用いた作品もあり非常に新鮮でした。

蛍を描いているので夜の情景です。でも不思議と昼間のようにも見えるのです。塩川文麟(1808〜1877)の作品はこれ一点だけしか出ていませんですが、何点かまとめて観たくさせるそんな技量の絵師です。


塩川文麟「柳汀飛蛍図

明治から大正時代に活躍した円山四条派の絵師、鈴木松年のちょっと変わった対象をモチーフにしたこんな作品も出ていました。


鈴木松年「朝陽蟻軍金銀搬入図

蟻が描かれているだけでも珍しいのですが、タイトルに従うなら蟻たちが運んでいるのは金銀のようです。残念ながらそんな場面に一度も遭遇したことありません。

鈴木松年はどんな意味をこの絵に込めたのでしょうか。風刺画として、現代風の解釈が可能な一枚なのかもしれません。

敦賀市立博物館所蔵の質の高い江戸絵画コレクションを存分に味わえる展覧会です。紹介したように奇妙でユニークな作品も多くあります。勿論、美しい作品も。

四季の美し花々よりも、葉や茎(緑色の部分)の割合が多い、岸恭「四季花卉図屛風」も加えておきます。

「ふつうの系譜展」は6月10日までです。新型コロナウイルスの感染拡大防止のため臨時休館となる場合があります。webや042-336-3371(文化スポーツ部美術館)で確認してから出かけましょう。


「ふつうの系譜」

会期:2020年3月14日(土)〜5月10日(日)
休館日:月曜日(5月4日は開館)
開館時間:午前10時〜午後5時(入場は午後4時30分まで)
会場:府中市美術館
https://www.city.fuchu.tokyo.jp/art/
主催:府中市美術館
公式サイト:http://fam-exhibition.com/futsu/


『日本おとぼけ絵画史 たのしい日本美術』 (講談社ARTピース)
金子 信久 (著)


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Masaya Kushino×伊藤若冲

福田美術館で開催される「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜」展のパノラマギャラリー展示「Masaya Kushino×伊藤若冲」は必見です。

若冲とレディー・ガガとの意外な共通点とは?!


https://fukuda-art-museum.jp/

この奇抜な靴を作ったのは、ニューヨーク・ロンドン・パリなどでシューズデザイナーとして活動する串野真也氏(くしの まさや、1985年-)です。

若冲からインスピレーションを受けて制作した、新作を含む11点(11足)が、まとめて展示されています。




「Masaya Kushino×伊藤若冲」展示風景

制作者の串野氏はあのレディー・ガガの履いた「Stairway to Heaven」をデザインした人として国内外で広く知られています。

まだ35歳という若さでのこの活躍ぶり、今後も彼の作り出す靴から目が離せません。


串野真也(くしの まさや) プロフィール

広島県尾道市因島出身。京都芸術デザイン専門学校を卒業後、イタリアに留学。“Istituto MARANGONI”ミラノ校、
ファッションデザインマスターコースにてディプロマを取得。帰国後、自然からインスピレーションを受け、ファイナルデザインをテーマにした靴の作品を最先端技術や伝統技術などを駆使して製作し、世界に向けて発表しています。
若冲の絵画には若い時より魅了され、鳥などの動物から発想を得た靴のシリーズを制作。そのなかでも、「Stairway to Heaven」はアメリカのトップシンガーであるレディー・ガガが実際に履いた靴で、国内外を問わず高く評価されました。
また、若冲筆の「雪梅雄鶏図」をテーマにした「Bird Witched」はイギリスのビクトリア&アルバートミュージアムの収蔵品となっており、様々な美術館で展示されています。



「Bird Witched」

京都・両足院蔵の伊藤若冲「雪梅雄鶏図」も串野氏の手にかかると、躍動感が増します。

まさに翼の生えた靴そのものです。


伊藤若冲「瓦に鶏図」福田美術館蔵

福田美術館の展示室では、実際の若冲作品とそれからインスパイされ生まれた靴を一緒に観られるまたとない贅沢な展示が実現しています。

若冲の水墨で表した鶏は特に尾っぽの部分で彼の作品か否かの判断が付きます。迷いなくすっと一気に流れるように描いています。


「若冲誕生」展示風景

“伊藤若冲の描く動植物は、本物よりも更に本物らしく、観る者を魅了する。特に鶏の作品は、鶏に取り憑かれたのではないかと思うほどに集中し描写されており、狂気すら感じる。

200年という時間を経てもなお生き続ける伊藤若冲の想いは、多くのクリエイターに創作意欲を与え生き続ける。その想いを感じ受け止める事によって生まれた私の作品もまた、200年先の誰かのインスピレーションに繋がる事を願っている。“−串野 真也




半数以上が初公開の若冲作品で占められる「若冲誕生展」。それだけでも十分満足感あじわえますが、加えて串野氏のデザインした靴も同時に観られるのです。

これは、是が非でも京都・福田美術館行かねばなりません!

展覧会レビューはこちらです。見どころは若冲以外にもあります。


「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜」

会期:2020年3月28日(土)〜6月21日(日)
開館時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日:火曜(祝日の場合は翌日)5月5日・6日開館、5月7日休館
会場:福田美術館
https://fukuda-art-museum.jp/
主催:福田美術館、京都新聞


カプセルQミュージアム 伊藤若冲・花卉立体図 若冲の花 [全5種セット(フルコンプ)]


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「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」

加島美術で開催中の
「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」に行って来ました。


https://www.kashima-arts.co.jp/

琳派の絵師として名のしれている、尾形光琳、尾形乾山、酒井抱一、鈴木其一、中村芳中、神坂雪佳などの作品を、ガラスケース無しの露出展示で観られるのが何と言っても加島美術「琳派展」の一番の魅力でしょう。

時節柄咳やくしゃみが出そうな方はマスクをするなり、口にハンカチをあてるなりして拝見しましょう。何かあったらそれこそ一大事です。


酒井抱一「秋草之図

新型コロナの影響で閉館を余儀なくされている展覧会が多い中で、日本美術の優品を間近に観られる好機です。

しかも、今回の「琳派展」に出ている作品はみな、品のよいものばかり。金銀ギラギラ系の作品はなく、花鳥画や雛人形など身近なモチーフを描いた優しいもので占められています。

「優美な琳派展」とでも言えましょうか。


尾形乾山「桜図

展示会場は1階と2階に分かれており、1階では酒井抱一や鈴木其一らその弟子たちの作品をまとめて展示。

白眉だったのは2階の中村芳中の作品群です。優しい琳派の中でも更に上をいく芳中の作品は、やさしさを超えて、ゆるゆるな琳派と言っても過言ではありません。


中村芳中「寒椿画賛」(川上不白賛)
中村芳中「白梅画賛

この他にも良い芳中が多く出ていました。伺ったところによると一点を除いてほぼ初お披露目とのこと。2014年に千葉市美術館で「光琳を慕う―中村芳中」展にも出ていないものばかりです。

天然でマイペースな人のことを指す「はんなり」という京都便がお似合いの芳中。

何かと嫌な話題が多い今のご時世、芳中作品の前でしばしそれらを忘れ彼の世界に没入するのもよろしいかと。あたふたしても始まりませんからね、何も。


2階展示室

手前に展示してあるのは、神坂雪佳「文庫箱 硯箱」です。


神坂雪佳「文庫箱 硯箱」蒔絵

文庫箱はかなりの大きさです。

中や蓋の裏側(内面)のデザインも気になるところです。「観たいな〜」と指を加えていたら画廊の方が「ご覧になられますか」とまさかのお誘い。


文庫箱開閉。

蓋の外には鹿、内側には浪が。


硯箱ってこのようにパーツの組み合わせで出来ているのですね。

雪佳の記した文字も確認できました。

それにしても、平日の昼間、ランチで賑わう京橋界隈のビルの2階でこのようなものを静かに拝見できるとは何て嬉しきことなのでしょう。

「優しい琳派展」は精神的にも思いやりが感じられます。


1階展示室

展示販売会を兼ねた展示会なので、キャプションの下に絵のお値段が記されているのも加島美術「琳派展」ならではのポイント。

普段、美術館や博物館で「この絵いったいお幾ら万円なのかしら…」と思いつつも中々知り得ない「絵の値段」をダイレクトに知ることが出来ます。

中には頑張れば手が届きそうな作品もあったりするので通常の展覧会では味わえないワクワク感も付随されるまさにお得な「琳派展」です。

「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」は3月29日(日)までです。会期中無休、無料で拝見出来ます。是非是非〜〜


「琳派展 ― ひきつがれる装飾と簡素の美 ―」

開催期間:2020年3月20日(金・祝)〜3月29日(日)
開館時間:10時〜18時
会期中無休
会場:加島美術 
〒104-0031 東京都中央区京橋3-3-2
https://www.kashima-arts.co.jp/
入場料:無料
作品点数:約25点
主催:加島美術

本展は、華々しくきらびやかなだけではない琳派の側面を多くご紹介いたしております。例えば江戸琳派の大家である酒井抱一による「秋草之図」。秋草は琳派の絵師たちに好んで描かれてきたモチーフです。秋の野の草花のデザイン的な描写や、バランスよく配置された構図は、琳派の装飾的技法の特徴がよく表れています。その他にも桔梗や杜若など、琳派の代表的なモチーフの作品が出展されております。時を経て、同じモチーフを再構築しながら進化してきた琳派の歴史をぜひお楽しみください。


『「琳派」最速入門: 永遠に新しい、日本のデザイン』 (和樂ムック)
竹内 順一 (監修), 名児耶 明 (監修), 安村 敏信 (監修)


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「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜」

福田美術館で開催中の
「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜」展に行って来ました。


https://fukuda-art-museum.jp/

伊藤若冲の没後200年を記念して行われた「没後200年 若冲展」が京都国立博物館で開催されたのが2000年。もう20年も前のことになります。

今ではすっかり若冲の名前も世に知れ渡り、誰も「若沖」なんて言ったりしなくなりました。「若冲展」もあちこちで開催され、もう十分に若冲作品を観たつもりでいました。



ところが、ところが、若冲さんの地元京都にはまだまだ世に知られていない(展覧会に出ていない)作品が沢山あるのです。

「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜」では25作品もの初お披露目となる若冲作品が出ます。半数以上が初見となるのです。

中でも筆頭にあげられるのが「蕪に双鶏図」です。


伊藤若冲「蕪に双鶏図
福田美術館蔵

蕪畑に番の鶏が描かれています。かなり初期(30歳代)の作品らしく、必要以上にくどいほど病葉や枯葉の描写に徹しています。

アクロバティックな鶏よりも、蕪に目が行ってしまうあたり、青物問屋「枡屋」の長男だった若冲らしさが伺えます。



大振りの彩色画が令和の今になっても発見されてしまうのですから驚きです。とある個人からもしかしたら若冲では…と持ち込まれたそうです。

今回の展覧会ポスターや図録の表紙にもこの絵に描かれた鶏冠を真下に向けた雄鶏が用いられており、クローズアップ、トリミングされ精緻な描き込みもはっきりと分かります。

中国絵画には蕪と鶏という題材は無いそうなので、若き日の若冲オリジナル作品と言えます。ただし画面左下の「若冲」の署名は後入れかと。


「蕪に双鶏図」対談

「辻惟雄先生と初公開の若冲みてみた」YouTubeで特別公開!若冲研究の第一人者、辻惟雄先生のご自宅に実物の「蕪に双鶏図」を持ち込み、福田美術館学芸員の岡田秀之氏と絵を見ながら対談しています。

蔵の深い美術館と表現したりしますが、若冲、応挙、芦雪といった江戸絵画に関しては京都の蔵の深さ計り知れないものがあります。


伊藤若冲「蟹・牡丹図
個人蔵

衝立の表裏に蟹と牡丹を描いた作品。画像の画面中央には大きくタラバガニが、脚には子蟹がつかまっています。もう一種はモクズガニだそうです。

展覧会の構成は以下の通りです。

1:伊藤若冲
2:若冲と関係のある人々と絵画
3:若冲と同時代の画家たち

Masaya Kushino×伊藤若冲

若冲とレディー・ガガとの意外な共通点とは?!

こんなレアなものも公開されています。


伊藤若冲「六月四日付藤幸之助宛て書簡
個人蔵

現在確認されている唯一の若冲の手紙です。

作品の代金について記されているそうです。達筆な文字と共に絵も添えられているのが良いですね。


伊藤若冲「群鶏図押絵貼屏風
福田美術館蔵

そういえば、図録に華園力氏(はなぞのクリニック院長)が、図録に若冲という才能を誕生させた背景要因として、1)生まれ持った自閉スペクトラム(AS者)という発達特性。2)18世紀上方文化環境の2点をあげています。

特に自閉スペクトラム(AS者)について多くの紙面を費やし論考を展開されています。若冲作品を解釈するひとつの手立てとして読んでおくのは良いかもしれません。



円山応挙、長沢芦雪、曽我蕭白、池大雅といった同時代に京都で活躍した絵師たちの作品も同時に紹介されています。

そしてこれもまた若冲と同じく、初めて展示される作品が半数以上を占めているのです。



福田美術館の副館長さんや岡田学芸員自ら「頑張りました」と胸を張るだけあるとても充実した内容の展覧会です。

本来ですと3月20日から開催予定でしたが、新型コロナの影響を鑑み3月28日から開催することになりました。

渡月橋を一望できる好立地にある福田美術館。若冲をはじめとする江戸時代に京都で腕を振るった絵師たちに会いに出かけましょう。

「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜」は6月21日までです。是非是非〜
(一部作品を除き写真撮影可能です)


「若冲誕生 〜葛藤の向こうがわ〜」

会期:2020年3月28日(土)〜6月21日(日)
開館時間:10:00〜17:00(最終入館 16:30)
休館日:火曜(祝日の場合は翌日)5月5日・6日開館、5月7日休館
会場:福田美術館
https://fukuda-art-museum.jp/
主催:福田美術館、京都新聞


『若冲伝』
佐藤康宏(著)

【次回展】

「大観と春草 ー東京画壇上洛ー」
会期:2020年7月11日(土)〜9月28日(月)

福田美術館から徒歩数分の嵯峨嵐山文華館では応挙と芦雪の展覧会も開催されます。


「いちからわかる 円山応挙と長沢芦雪」
会期:2020年4月25日(土)〜6月21日(日)
嵯峨嵐山文華館
https://www.samac.jp/

18世紀京都を中心に活躍した絵師、円山応挙とその弟子、長沢芦雪の作品を中心に展示いたします


『かわいい こわい おもしろい 長沢芦雪』 (とんぼの本)
岡田 秀之 (著)


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「VOCA展2020」

上野の森美術館で開催中の
「VOCA展2020 現代美術の展望−新しい平面の作家たち−」に行って来ました。


http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/voca/2020/

新型コロナの影響で閉館を余儀なくされている美術館・博物館が多い中、上野で唯一開催に踏み切ってくれた「VOCA展2020」。

美術館関係者や主催者などの間で多くの時間を費やし議論が重ねられたかと思うと、こうしてオープンしてくれただけでも有難いことです。シンポジウムなどは中止となってしまいましたが。


「VOCA展2020」展示風景。

江上越の作品以外が全て写真撮影可能です。

<VOCA展とは>

今開催で27回目となる「VOCA展」は、平面美術の領域で国際的にも通用するような将来性のある若い作家の支援を目的に1994年より毎年開催している美術展です。今回の『VOCA展2020』を含み、これまでに延べ921人(組)の作家が出展し、ここから大きな躍進を遂げる作家を多く輩出しています。

日頃から親身で公平な立場で作家たちと接触している全国の美術館学芸員、研究者、ジャーナリストなどから推薦委員を選出し、それぞれ40歳以下の若い作家1名を推薦していただき、推薦された作家全員に展覧会への出品を依頼しています。こうしたシステムのため、東京だけでなく全国で活躍する作家たちにスポットがあたることが同美術展の特徴の1つです。


VOCA賞

Nerhol(田中義久・飯田竜太)「Remove

今年度、VOCA賞を受賞したのは、Nerhol(田中 義久・飯田 竜太)。その他にも菅実花(VOCA奨励賞)、李晶玉(VOCA奨励賞)、黒宮菜菜(VOCA佳作賞)、宮本華子(VOCA佳作賞)、浅野友理子(大原美術館賞)とそれぞれ賞が贈られています。

ただ、賞を取った作品が必ずしも自分の好みに合うかどうかは別ですし、他の作品にめちゃくちゃ心奪われることもあります。

なので、毎年のことですが「VOCA展」は、好きな作品を3点見つけよう!と心に決め観るのが理想的。


高本敦基「組み立て式の社会」(パターンとコントラストの隙間)

我々の日常風景のひとコマを写した写真の中にあるいくつもの記号。その一つ(例えば横断歩道のストライプや工事現場にある三角コーン)に目を付け、画面に反復させ描いていきます。

人間疎外を増幅させる記号社会を逆手にとるかのようなユニークかつ美しい作品です。画像は一部だけですので、是非会場で他の作品もご覧になって下さい。


増田将大「Moment’#37

ゲルハルト・リヒター的な作品に見えつつ、かなりよく考えられていて、しばらく見ていると入れ子構造になっているのが分かります。

キャプションにも「その時の光景と投影された像の虚実のイメージが、入れ子構造のように積み重ねられ、画面上に捉えがたい光景色が生み出されている。」とありました。

この作品をどのような手段方法を用いて描いているかは、ここでは種明かしせずにおきます。伊庭靖子さんが好きならきっと惹かれる作品です。


今村文「お花のえ きく、りんどう、百日草

花の絵は評価が甘くなりがちな自分ですが、これは花を差し引いたとしても良い作品でした。引きだとトンドに薄っすらと何かが描かれているようにしか見えません。

でもタイトルが「お花のえ」なので、ぐっと近寄ってみると…確かにお花だらけではないですか〜



しかもかなり凹凸がある画面です。懐かしのおやつ「モコモコ」の表面のようです。

これ、蜜蝋画技法を用いているからだそうです。顔料を混ぜた蜜蝋を溶かしながら描いていくとのこと。

モコモコの正体は絵具が重層化したものだったのです。我々人間も単体では生きていけず多くの命の上に生を重ねています。そんなことを感じさせる宗教画のようです。あっ!だからトンドなのかな。



それと、側面にもお花がみっちりと描き込まれています。個人的にはこの絵が一等賞(Tak賞)でした。

・40歳以下の若い作家
・平面作品の新作


以上の2つの条件があることにより「VOCA展」では、こうして自分の好きな作品を見つけながら鑑賞することが出来ます。

あなたが選ぶ「VOCA展2020」は果たしてどの作品でしょう。


Nerhol(田中義久・飯田竜太)「Remove」(部分)

冒頭で紹介した「VOCA賞」受賞したNerhol(田中義久・飯田竜太)の作品ですが、その凄さは横からのぞき込んで初めて分かります。

どうなっているか理解できますか??是非会場で!!

「VOCA展2020」は3月30日までです。上野公園桜も見ごろを迎えています。自粛疲れにはアートが一番です。是非是非〜


「VOCA展2020 現代美術の展望−新しい平面の作家たち−」

開催期間:3月12日(木)〜3月30日(月)
開館時間:10:00〜18:00
※最終入館は17:30
会場:上野の森美術館(東京都台東区上野公園1-2)
http://www.ueno-mori.org/
公式サイト:
http://www.ueno-mori.org/exhibitions/main/voca/2020/


山内マリコの美術館は一人で行く派展 ART COLUMN EXHIBITION 2013-2019』 (Bros.books)
山内 マリコ (著)


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