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【厳選5本】Amazonプライムビデオで観られるアート映画

gooの「いまトピ」に連載しているコラムでも紹介したAmazonプライムビデオで観られるアート系映画。

prime会員なら追加料金なしで(つまり無料!)鑑賞できます。

Amazonプライムビデオで観られるアート系映画30選


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今日は何十本もある映画の中から実際に自分が映画館で観て良かった作品を厳選し5本紹介します。順位不動です。

どれをご覧になっても「ハズレ」はないと思います。


「黄金のアデーレ 名画の帰還」


監督:サイモン・カーティス 
脚本:アレクシ・ケイ・キャンベル
出演:ヘレン・ミレン 、ライアン・レイノルズダニエル・ブリュール、ケイティ・ホームズ

アカデミー賞女優ヘレン・ミレン主演作。ナチスに奪われたクリムトが描いた伯母の肖像画返還を求め、国を訴えた女性の奇跡の実話。

映画「黄金のアデーレ 名画の帰還」レビュー


「ル・コルビュジエとアイリーン 追憶のヴィラ」


監督・脚本:メアリー・マクガキアン
出演:オーラ・ブラディ、ヴァンサン・ペレーズ、ドミニク・ピノン、アラニス・モリセット

それは嫉妬か、愛憎か? 近代建築の巨匠ル・コルビュジエの忘れがたき人ー アイリーン・グレイ。

「ル・コルビュジエ展」


「嘘八百」

監督:武 正晴
出演:中井貴一、佐々木蔵之介

うだつの上がらない古物商と陶芸家を中心に、“幻の利休の茶器”をめぐるだまし合いのバトルをユーモアたっぷりに描き出す。

「茶碗の中の宇宙」


「モネ・ゲーム」


監督: マイケル・ホフマン
出演:コリン・ファース、キャメロン・ディアス

モネの名画の贋作詐欺をもくろむ男と天然カウガールの相棒、そしてターゲットの億万長者が珍騒動を巻き起こす。

コミック『モネのキッチン 印象派のレシピ』


「ミッドナイト・イン・パリ」


第84回アカデミー賞で脚本賞受賞作品

監督:ウディ・アレン
主演:オーウェン・ウィルソン, キャシー・ベイツ, エイドリアン・ブロディ

1920年代のパリを敬愛する主人公がタイムスリップし、自分が心酔してやまないアーティストたちと巡り合う奇跡の日々をつづる。



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Amazonプライムビデオで観られるアート系映画30選

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映画「プラド美術館 驚異のコレクション」

映画「プラド美術館 驚異のコレクション」を観て来ました。


http://www.prado-museum.com/

今から200年前の1819年11月19日に、プラド美術館(王立絵画美術館)が開館しました。(プラド美術館と称されるようになったのは1868年から)

元々は、1875年にカルロス3世の命により、自然史研究室や天文台を含む、科学の丘を建築家Villanueva(フアン・デ・ビジャヌエバ)に依頼したのがプラド美術館のはじまりです。


フランシスコ・デ・ゴヤ「カルロス4世の家族」1800−1801

パリのルーヴル美術館やNYのメトロポリタン美術館と比肩するスペインを代表する国立美術館であるMuseo del Prado.

そのプラド美術館の成り立ち(歴史)と所蔵する名画の数々を紹介するドキュメンタリー映画が「プラド美術館 驚異のコレクション」です。

まずは予告編を見てみましょう。


映画『プラド美術館 驚異のコレクション』予告編

ナビゲーター役を務めるは、俳優のジェレミー・アイアンズ(90年、アカデミー賞主演男優賞受賞)。この映画の高い完成度の一因として彼を案内役に起用したことは万人が納得する点だと思います。

主役から悪役まで務め、普段はアイルランドの400年放置された城を修復して暮らすジェレミー・アイアンズは、歴史とアートを愛する文化人としての側面も持っています。


ジェレミー・アイアンズ(Jeremy Irons, 1948年9月19日 - )

「プラドは変化と成長を続ける生きた美術館です。」と語り掛ける姿はまるで彼がプラド美術館の主であるかのような錯覚すら起こさせます。

勿論、本編にはプラド美術館館長のミゲル・ファロミールをはじめとし、プラドの多くの学芸員らも登場。それぞれが専門とする絵画、画家について語ってくれます。

話が長すぎると飽きてしまいますが、これがまた丁度いい塩梅で編集されているのと、インサートされる映像に数々の名画が矢継ぎ早に登場するので画面がら全く目が離せません。

また、普段は非公開である修復室の様子もこの映画では踏み込んで伝えています。



フラ・アンジェリコの「受胎告知」などの修復の様子もカメラに収められ、映像として流れます。

美術館のドキュメンタリー映画はこれまでも数多く制作されてきました。内部で働く人(スタッフ)に力点を置いた作品、美術館の改築に至るまでを記録した作品など、実に多彩です。

映画「プラド美術館 驚異のコレクション」はというと、歴史と人物そして所蔵している作品(画家)をバランスよく織り交ぜた作品となっています。



プラド美術館を代表する3代巨匠である、エル・グレコ、ディエゴ・ベラスケス、フランシスコ・デ・ゴヤは当然として、レンブラント、ルーベンス、ティツィアーノ、ムリーリョ、カラヴァジョ、ボス、リベーラ等々。

新型コロナの影響で展覧会に行きたくても行けずにいる人も、この映画で普段は観られないような接写や、名画を誰もいない館内で独占して鑑賞しているような体験が出来ます。

そうそう、建築家のノーマン・フォスター(Norman Foster)も登場します。彼はプラド美術館200周年記念事業「諸国王の間」のリノベーションを担当しているのです。

ノーマン・フォスター自身が改築案について語ります。建築ファンにとっても見逃せない映画となっています。


[STORY]
広大な敷地に膨大なコレクションが収められたプラド美術館を案内するのは、アカデミー賞主演男優賞に輝いた俳優のジェレミー・アイアンズ。歴史物からファンタジー、サスペンスと幅広い作品で活躍する名優であり、プライベートでは400年間放棄されていたアイルランドの城を修復して暮らすという、歴史とアートを愛する知識人の一面も持つ。

毎年約300万人が訪れるプラド美術館は、スペイン黄金時代に生きた王と王女が、自らの意志と審美眼で収集した唯一無二の美の殿堂。他の美術館とは明らかに趣向の異なる美の世界がここにある。プラド美術館全面協力のもと、栄光の時が刻まれた美術ドキュメンタリーが今、幕を開ける!


映画「プラド美術館 驚異のコレクション」は、2020年4月10日(金)より、ヒューマントラストシネマ有楽町、Bunkamuraル・シネマ、新宿シネマカリテ ほか全国ロードショーとなります。

最後に1936年にプラド美術館の館長を務めたピカソの言葉で終わりとしましょう。今の時期にまさにぴったりの名言です。

芸術は日々の生活のほこりを魂から洗い流してくれる。


映画「プラド美術館 驚異のコレクション」

ナビゲーター:ジェレミー・アイアンズ 監督・脚本:ヴァレリア・パリシ 脚本:サビーナ・フェディーリ 
2019年|イタリア・スペイン|英語・スペイン語|92分|カラー | 原題:THE PRADO MUSEUM. A COLLECTION OF WONDERS
配給・提供:東京テアトル/シンカ  

公式サイト:http://www.prado-museum.com/

© 2019 – 3D Produzioni and Nexo Digital

ピカソやダリも愛したプラド美術館開館200周年記念作品!
スペイン王室が慈しんだ美の結晶の数々が!
ナビゲーターはアカデミー俳優のジェレミー・アイアンズ!


『残酷な王と悲しみの王妃 2』 (集英社文庫)
中野京子(著)


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映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」の試写会にご招待します。

2020年2月28日公開の、映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」の特別試写会に青い日記帳をご覧の皆さまを抽選でご招待致します。


https://lastdeal-movie.com/

<STORY>
年老いた美術商のオラヴィは、なによりも仕事を優先してきた。家族も例外ではなかったが、長年音信不通だった娘に頼まれ問題児の孫息子・オット―を職業体験のため数日預かることに。

その矢先、オークションハウスである一枚の肖像画に目を奪われる。ひと目で価値ある作品だと確信したが、絵には署名がなく、作者不明のまま数日後のオークションに出品されるという。



「あと一度だけでいい、幻の名画にかかわりたい」―オットーとともに作者を探し始めたオラヴィは、その画風から、近代ロシア美術の巨匠イリヤ・レーピンの作品といえる証拠を掴む。

画家の命である署名がないことだけが気がかりだったが、オークションへ向け資金繰りに奔走するオラヴィ。そんな折、娘親子が自分の知らないところで大きな苦労をしていたことを知るが…。生涯を美術品に捧げた男がたどり着いた、真に値打ちある人生とは―


「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」予告編 2/28(金)公開

先日、事前にこの映画観て来ました。絵画関係の映画だとどうしてもドキュメンタリー映画が多いのですが、「ラスト・ディール」はしっかりと「人間」が描かれている物語性の高い作品でとても惹きつけられました。

人間ドラマが核を占めるので、アートに関心の薄い方にも観やすくなっている作品です。

この映画をきっかけに絵画やオーククション、そして画家レーピンに興味持たれる方も多いはずです。



絵画の本質を見抜くにはどれだけ多くの作品と真摯に向かい合ったか否かをこの映画は静かに教えてくれます。

そして美術ファンであれば、老画商が目を付けた一枚の肖像画が果たして本物かどうか分かるはずです。

さて、映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」試写会に青い日記帳をご覧の皆さまを抽選でご招待致します。



【試写会スケジュール】

日時:2020年2月20日(木)
開場・18:00 開映・18:30
場所:渋谷 ユーロライブ
(渋谷区円山町1-5 KINOHAUS 2F)


応募方法は以下の通りです。

住所、氏名、年齢、お持ちであればブログ名、note(URL)、Twitter、Instagramアカウントを明記の上、下記のアドレスまでメールでお申込み下さい。メールタイトルは「青い日記帳試写会」として下さい。

info@lastdeal-movie.com

応募締め切りは、2月11日まで。12日以降当選者の方に試写状を発送、1週間前には当選者さまのお手元に届く予定です。どうぞ奮ってご応募下さい。



映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」
https://lastdeal-movie.com/

アテネウム美術館(フィンランドのヘルシンキにあるフィンランド国立美術館)、現地ギャラリー全面協力の元制作された映画です。

【キャスト】
ヘイッキ・ノウシアイネン、ピルヨ・ロンカ、アモス・ブロテルス、ステファン・サウク
【スタッフ】
監督:クラウス・ハロ『こころに剣士を』『ヤコブへの手紙』  
脚本:アナ・ヘイナマー


2018年製作/95分/フィンランド
原題:Tumma Kristus
配給:アルバトロス・フィルム、クロックワークス

映画「ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像」は、2020年2月28日からヒューマントラストシネマ有楽町、新宿武蔵野館ほかで公開です。
https://lastdeal-movie.com/

(C)Mamocita 2018


『レーピンとロシア近代絵画の煌めき』


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映画「キャッツ」

映画「キャッツ」を観てきました。


https://cats-movie.jp/

アメリカで公開され映画評論家から酷評されたとネット情報を耳にしていたので、果たしてどんな映画なのか、逆にいつも以上に期待し劇場へ。

劇団四季のミュージカル「キャッツ」を昨年観たばかりだったので、比べたくもなりますが、映画は映画、劇場は劇場。はっきりと峻別して観なければ、それぞれの作品の良し悪しは分かりません。


「自由って、最高。」
テイラー・スゥィフト(ボンバルリーナ)


駅構内などに掲載されているポスターも合わせてご紹介して行きますね。

言わずとしれた、T・S・エリオットによる詩集『キャッツ - ポッサムおじさんの猫とつき合う法』を元にした、アンドルー・ロイド・ウェバーが作曲を手掛けたミュージカル作品。

1983年(昭和58年)から日本でも公開となり、国内のミュージカル上演回数として最多記録を更新中。そんな偉大過ぎる作品を映画化したのですから、はじめからハードル高過ぎて、まともな評価も出来ません。

ただ繰り返しますが、ミュージカル「キャッツ」と映画「キャッツ」はストーリーは基本同じであっても、エンターテインメントとしてはまるで別物と考えた方がよいかと。


「私を支えるのも、傷つけるのも、美しい思い出。」
ジェニファー・ハドソン(グリザベラ)


「キャッツ」は「オペラ座の怪人」や他の作品のように明確な物語展開があるわけではありません。基本的に、猫に扮した俳優が踊り唄う場面が次々と展開します。

映画でも大筋では変わりないのですが、ひとつだけ大きな違いは、ヴィクトリアを「案内役」として主人公的なポジションに配置している点です。

フランチェスカ・ヘイワード演じるヴィクトリアの存在は、映画「キャッツ」ならではの大きな見どころのひとつです。Instagram@frankiegoestohayward


「誰かに必要とされたくて、ここまで来た。」
フランチェスカ・ヘイワード(ヴィクトリア)


英国ロイヤルバレエ団でプリンシパルダンサーを務めているだけあり、踊りはピカイチ。そしてとにかく可愛らしい!一緒に観た女性もフランチェスカ・ヘイワードに惚れ込んでいました。

「キャッツ」は知らない人でも名曲「Memory」(メモリー)は何度も耳にしたことがあるはず。グリザベラの十八番の名曲を映画では、ヴィクトリアも熱く歌い上げます。ここ見どころです!


「わがままで、ヘソ曲がり。それがオレの生き方。」
ジェイソン・デルーロ(ラム・タム・タイガー)


映画で初めて「キャッツ」をご覧になる方は、是非事前にどんな話なのか調べてから行きましょう。どんなストーリーなのか知らないと「つまらない」と感じてしまいます。(ミュージカルも映画も)

そう、歌舞伎が各演目の筋書きを知らないのと楽しめないのと同じく。

ヴィクトリアの他にも、マジック猫(手品師)のミストフェリーズという猫がいい味出していました。「メモリー」は別格として、「Oh!Well I never was there ever A cat so clever as magical Mr.Mistoffelees」と次第にテンション上げて行きながら歌う彼の姿には、忘れてしまった勇気をもらえました。


「ずっと見守ってきた。あなたをー」
ジュディ・デンチ(オールド・デュトロノミー)


ミストフェリーズのマジックで助け出された長老猫のオールド・デュトロノミーを演じるのは、映画「007」などでお馴染みのジュディ・デンチ!

映画版『キャッツ』、元祖キャストのジュディ・デンチが出演へ

観終えてから知ったのですが、1981年にウエスト・エンドで公演されたオリジナルのミュージカルでグリザベラ役を演じていたのがデンチだったそうです。

ロングランならではの「いい話」。何故それがいい話なのかは、映画を観てのお楽しみです。

最後にもう一度。歌舞伎と同じで事前にストーリーを頭に叩き込んでから観に行かないと楽しめませんよ!


『キャッツ』日本版予告

世界中で愛され続けるミュージカルの金字塔「キャッツ」が待望の実写映画化!最高峰の製作陣と、多彩なジャンルから集結した珠玉の超豪華キャストが贈る極上のエンターテインメント。映画『キャッツ』2020年1月24日(金)全国ロードショー

因みに、吹替版もあります。世界中で吹替の許可が下りたのは日本とドイツだけだそうです。

字幕版で観てしまった後に教えてもらったので、次はファーストデイ辺りに吹替版で鑑賞します。


キャッツ - オリジナル・サウンドトラック


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映画「エッシャー 視覚の魔術師」

映画「エッシャー 視覚の魔術師」を観て来ました。


http://pan-dora.co.jp/escher/

美術に全く興味の無い人でも、エッシャーの作品は何度も目にしたことがあるはずです。しかもチラ見ではなくかなり興味関心を持ちそれこそ目を皿のようにして見たことでしょう。

<だまし絵>で知られるオランダ人版画家・画家のマウリッツ・コルネリス・エッシャー(1898年〜1972年)の作品は確かに老若男女国境を問わず人々を惹きつける魅力に溢れています。


Maurits Cornelis Escher(1898年6月17日〜1972年3月27日)

しかし、初めから目の錯覚を利用した(だまし絵)を描いていたわけではありません。映画「エッシャー 視覚の魔術師」では、展覧会や関連書籍からでは分からないエッシャーの全貌が丁寧に編まれています。

今年、東京ステーションギャラリー他で開催された「メスキータ展」は、一部のコアな美術ファンの間では話題となりました。

このサミュエル・イェスルン・デ・メスキータ(1868−1944)も映画の中に登場します。エッシャーの師であり、ナチスによって殺されたのち、エッシャーが作品をアトリエから取り戻してきたことでメスキータ作品を21世紀の我々も観ることが出来るのです。

床に散乱した作品には軍靴に踏みつけられた足跡がはっきりと残っていたと、劇中でエッシャーが語っているのを聞くと、まさに命がけの行動だったのです。



それにしても、作品先行でエッシャーほどその生涯について知られていない画家も珍しいのではないでしょうか。劇中にも登場しますが、彼が生前中より作品のコピーが出回り、手を加えられ今風に言うなら「拡散」しました。

1960年代後半にアメリカ合衆国で一世を風靡したカウンターカルチャーであるヒッピーたちにとりわけエッシャーの作品は持てはやされたのです。

エッシャー自身もそのことを知っていたのも面白い点です。映画の中ではどのようにコピー作品に対して策を取ったのかも紹介されています。



ところで、エッシャーって50歳を過ぎた頃まで仕事に就いていなかったってご存知でした。好きなように絵を描いてその日暮らしをしていたのです。

父親が日本にも技術支援として明治時代にお抱え外国人として招聘されたほど、名の知れた人物であったためエッシャー自身は働かずとも親の資産で家族を養っていけたのです。

奥さまとの出会いの場面はロマンティック。子どもたちによる語りは時に辛辣で笑ってしまいます。第二次世界大戦が終わった後、ようやく自分で稼がねばならず版画制作により一層打ち込む姿も人間臭くて良い感じです。



映画の中でエッシャーは何度も「Wonder」という言葉を使います。「不思議」というより「わくわく」「ドキドキ」といった感覚で用いているようです。

〈だまし絵〉もその観点から見直してみるとただの錯覚を利用した絵にとどまらず、より幅が感じられませんか。

そして何より、彼自身が自分は画家ではなく数学者であると述べている点も見逃せません。若い頃、イタリアで生活していたエッシャーですが、旅行で訪れたスペインのアルハンブラ宮殿で目にした幾何学模様のタイルに目を奪われます。


アルハンブラ宮殿

今回のこの映画を、荒木義明氏(日本テセレーションデザイン協会/数学者)が応援していらっしゃるのもなるほど納得がいきます。

エッシャーはアルハンブラ宮殿で目にした敷詰模様(テセレーション)に生き物を加えることで、オリジナリティを発揮、そしてそれが数々の有名な(だまし絵)作品へと発展して行ったのです。



劇中では彼の日記、書簡、二人の息子へのインタビューなど家族や収集家の証言等を手掛かりに、創作の足跡を丹念に辿り、彼の立体的な作品を、CGアニメーションを用いてさらに斬新な表現へと導くなど、これまで以上のエッシャー体験が出来る映画です。

またエッシャーから多大な影響を受けたロック・ミュージシャンのグラハム・ナッシュへのインタビューや、タイルなど我々の日常生活にまで及ぶ影響と、エッシャーの創造力の源泉を探るなど、新たなエッシャー像が見出せるはずです。

この予告動画を観ただけでも「ワクワク」してきます。


ドキュメンタリー映画 『エッシャー 視覚の魔術師』予告編

他にも新しい発見の連続であっという間に上映時間が過ぎてしまいました。ドキュメンタリー映画でこんなにも時間が短く感じたのは初めてです。

眠くなるどころか、目がらんらんと輝いてきます。2019年の締めくくりに、2020年の一本目に映画「エッシャー 視覚の魔術師」を!


映画「エッシャー 視覚の魔術師」
http://pan-dora.co.jp/escher/

2019年12/14(土)〜アップリンク渋谷、アップリンク吉祥寺にてロードショー、全国順次公開

©All M.C. Escher works © the M.C. Escher Company B.V.- Baarn – the Netherlands


エッシャー ミニカレンダー 2020

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