10月17日(水)に放送された『相棒 シーズン11』第2話「オークション」で山種美術館が大事なシーンで登場しました。
ロケが行われたのは2012年7月28日〜9月23日の期間開催されていた「
美術館で旅行!―東海道からパリまで―」展の展示会場。
実際の撮影風景は山種美術館さんのサイトで紹介されています。
人気ドラマ『相棒season11』(テレビ朝日系、10月放送開始)のロケが行われました。(2012年09月04日)
シーズン11より登場した石坂浩二さん演じる甲斐峯秋警察庁次長(杉下右京の新しい相棒、甲斐享(成宮寛貴)の父親)が、杉下右京(水谷 豊)特命係 係長・警部と山種美術館で密かに会う場面。
『相棒 シーズン11』キャスト相関図
警察庁のキャリア官僚、甲斐峯秋(石坂浩二)がある絵をじっと見入っていました。その絵がこちらの奥村土牛の作品です。

奥村土牛「
輪島の夕照」
山種美術館蔵
「奥村土牛ですね。」と杉下警部こと水谷豊さんが石坂浩二さんに語りかけます。しかしこの展覧会には奥村土牛の名品「那智」や「鳴門」も展示されていたにも関わらず、どうして「輪島の夕照」(土牛の作品としてはマイナー)が撮影に使われたのでしょう。
脚本を書いた戸田山雅司氏それとも監督の近藤俊明氏の思い入れのあった作品なのでしょうか。因みに「輪島の夕照」は昭和49年、土牛85歳の時に描かれた作品です。(再興第59回院展)

奥村土牛「
鳴門」(左)「
那智」(右)
美術館の場面で杉下右京が画面に現れるのは丁度この辺りからでした。そして「輪島の夕照」前に佇立する甲斐峯秋の元へ歩み寄ります。
そこで先ほどの「奥村土牛ですね。」と語りかけます。甲斐はどうやらこの作品が大のお気に入りのようでこう応えます「何度も何度も塗り重ねられた、あたたかい色が好きでね。」

末の息子と出かけた能登曽々木への旅から5年後に、当時の写生をもとに制作された作品。この地には直径2mの穴のあいた「窓岩」や、15mの断崖から海へ落ちる「垂水の滝」、奇妙な形が地蔵の姿に見える「千体地蔵」などの名所も多い。画面の半分以上を占める空は、何十回と塗り重ねた絵具が絶妙な色を生み出している。土牛が何時間も落日の空を凝視し、とらえた色彩の変化が巧みに表現されている。黄色、オレンジ色、朱色へと刻々と移りゆく時の流れが伝わってくる。
山種美術館展示室キャプションより。
なるほど、なるほど。この絵が選ばれたわけも分かる気がしますね。
この絵に関するやり取りを枕にし、二人は本題へ入っていきます。まだ2話目、二人でゆっくりと話しあう場面はこれが初めて。その大事な場面の導入に落ち着いた心和む優品として奥村土牛の「輪島の夕照」はまさにうってつけだったのでしょう。
杉下右京が「こちら(美術館)へはよく?」と尋ねると、甲斐はすかさずこう返しています。「
せっかく君と会うんだ、どこか落ち着ける所をと思いここを選んだ。」と。
そう山種美術館は都会(広尾)にありながら、まさに「落ち着ける所」なのです。都内に数多ある美術館の中から今回のロケでここが選ばれたのも作品同様合点がいきます。

「相棒」ではこの展示室一番奥から撮影されていました。
※画像は美術館の許可を得て撮影したものです。
番組途中、終了後に山種美術館での展示室での撮影について@srozakiさんが積極的にツイートして下さいました。
@srozaki ほとんどの美術番組が強烈な光を使っているのに、「相棒」では展示室と展示ケースの雰囲気に違和感なく、撮影用照明の映りこみも感じませんでした。監督さんのこだわりがあったのでしょうか。
それに対し、監督の@toshiakikondo (近藤俊明)さんからお返事が!
@toshiakikondo 撮影用の照明機材の写りは「バレ」といって、ドラマでは見せないのが基本です。(^^)
Twitterスゴイ!!
因みにオークションハウスとして登場したのは何と群馬県高崎市にある「ザ・ジョージアンハウス1997 別邸ロイヤルクレストハウス 」だそうです。
http://www.georgian.jp/

相棒オフィシャルFacebookページ
現在、山種美術館では「竹内栖鳳展」を開催中です。
↓
「【特別展】 没後70年 竹内栖鳳―京都画壇の画家たち―」
会期:2012年9月29日(土)〜11月25日(日)
会場:山種美術館(東京都渋谷区広尾 3-12-36)
http://www.yamatane-museum.jp/
主催:山種美術館、日本経済新聞社
Twitter、Facebook、ブロガーさん特別内覧会(写真撮影可)を10月20日に開催致します。
詳細はこちらです。ご興味ある方是非。右京さんが立っていた同じ場所で写真が撮れるチャンスです!
Twitterやってます。
@taktwi
この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=3028