青い日記帳 

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敬文舎の美術シリーズ「くらべてわかる」

歴史書を扱う出版会社・敬文舎より今年(2019年)に美術シリーズが刊行になりました。


http://k-bun.co.jp/

本好きとしては不覚にもつい最近までこのシリーズの存在をしらず、慌てて取り寄せた次第。

既に2月、7月、10月にそれぞれ1冊ずつ、計3冊が刊行となっています。


『くらべてわかる 若冲VS応挙』
安村 敏信(著)


『くらべてわかる 北斎vs広重』
内藤 正人(著)


『くらべてわかる 国芳vs芳年』
日野原 健司(著)

敬文舎の「くらべてわかる」シリーズは、これまでありそうでなかった美術書です。

普通は絵の全図を掲載し魅力を紹介するものですが、「くらべてわかる」では、部分図を大きく掲載し、二人の絵師の細部の描き方を比べることで、言葉では説明してもピンとこない表現の違いをダイレクトに伝えます。


若冲:裏彩色を多用した変幻自在の楽しさ。
応挙:表面からの彩色一本で変化をつける超絶技法。
『くらべてわかる 若冲VS応挙』より。

一冊だけでなく、三冊の中から同じテーマのものを比べると都合、四人の絵師、場合によっては六人の絵師の技法を見比べることも出来たりします。

若冲が好んで描いた鶏を、応挙はどう描いたのか?そして人気浮世絵師、北斎と広重は如何にして表現したのでしょう。


北斎「軍鶏図」と広重「朝顔に鶏と傘」
『くらべてわかる 北斎vs広重』より。

「絵は並べ見れば、良し悪しがわかる」と普段から仰っている安村敏信先生が著者に名を連ねているだけあり、実に面白い!

でも、クローズアップされた絵の一部しか掲載されていないと、全体がどんな作品なのか分からない…と心配になりますよね。

そこはご安心下さい。まずは何点か対決形式で(「対決展」なんてありましたね〜)部分で見比べてもらい、そのあとまとめて全図をこのように掲載しています。



鶴なら鶴の羽の描写や形のとらえ方。それらが二人の画家でどう違うのか。その部分を延々と見比べてゆくうちに、二人の画家が同じ対象を描いてもまったく違うということが、なんとなくわかってくるのではあるまいか。そうしたうえで全図を見ると、二人の画家のとらえ方の違いというものが、おのずと見えてくる。それこそが絵の見方につながるのだ。
『くらべてわかる 若冲VS応挙』安村敏信(著)より。

3冊に共通している幾つかの対象物から「波(波濤)」を取り上げてご紹介しておきます。六人の絵師による波濤比べとくとご覧あれ!


『くらべてわかる 若冲VS応挙』より。


『くらべてわかる 北斎vs広重』より。


『くらべてわかる 国芳vs芳年』より。

同じ「波」の表現であっても江戸時代の六人の絵師ではこれだけ大きな差が出るものです。こうして比べて見ることで、確かに今まで見逃していた、気が付いていなかった描写や表現の特徴がリアルに分かります。

そして更にそれぞれの絵師たちが、波を通して何を描きたかったのかという、向こう側まで透かして観える気がしてきます。

敬文舎の美術シリーズ「くらべてわかる」かなり優秀であり、これまでなかったアプローチで新たな江戸絵画の面白さ、愉しさを教えてくれます。

3冊で終えることなく、これからもシリーズ継続させて下さい!



新書本とくらべてわかるように、かなり大きなサイズの本です。美術館では不可能な細部の比較をたっぷりと楽しんで下さい。江戸絵画、浮世絵がますます好きになること間違いなしです。

両者の個性の違いがはっきりと伝わるよう、絵の一部分をトリミングしたり拡大したりするなどして、その表現の特徴を際立たせている。作品を鑑賞する場合、作品全体を眺めることが一般的であるが、あえて細部に注目することによって、表現の面白さをより深く実感することができる。
『くらべてわかる 国芳vs芳年』日野原 健司(著)より。

安村 敏信(やすむら・としのぶ)
1953年、富山県生まれ。東北大学大学院修士課程(日本美術史)終了。1979年より板橋区立美術館に勤務。同館館長。現在、北斎館館長。主な著書に『若冲BOX FIVE COLORS』(講談社)、『絵師別 江戸絵画入門』(東京美術)、『江戸絵画の非常識』)(敬文舎)など多数。

内藤正人(ないとう・まさと)
1963年、愛知県生まれ。慶應義塾大学大学院修了(美学美術史学)、博士(美学)。一九八八年より出光美術館に勤務し、同館主任学芸員を経て、現在慶應義塾大学文学部教授、同大学アート・センター所長、ほかに国際浮世絵学会常任理事など。美術史家として、江戸時代の絵画史と版画史を専門とするが、特に浮世絵と風俗画全般、琳派などをおもな研究テーマとしている。

日野原健司
(ひのはら・けんじ)
1974年生まれ。慶應義塾大学大学院文学研究科前期博士課程修了。現在、太田記念美術館主席学芸員、慶應義塾大学非常勤講師。 太田記念美術館にて「没後150年記念 破天荒の浮世絵師 歌川国芳」(2011年)、「没後120年記念 月岡芳年」(2012年)、「月岡芳年 月百姿」(2017年)などの展覧会を担当。著書に『月岡芳年 月百姿』(青幻舎、2017年)、『北斎 富嶽三十六景』(岩波書店、2019年)などがある。

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『マンガで教養 はじめての西洋絵画』

朝日新聞出版より刊行となった『マンガで教養 はじめての西洋絵画』を読んでみました。


『マンガで教養 はじめての西洋絵画』
川瀬佑介(監修)、にしうら染 (イラスト)

子供の頃は「漫画なんて読んでないで勉強しなさい!」とよく叱られたものです。その悪者の「マンガ」もひと昔前とくらべると漫画の社会的ポジションは随分と高くなってきました。

大学入試 マンガで日本史が面白いほどわかる本』こうした大学入試の参考書今では書店で沢山めにしますし、東大合格の勉強法まで漫画で読む時代となりました。


マンガでわかる 東大勉強法

気軽に見ているだけの動画コンテンツが彼らの生活の主体となっている昨今、漫画でさえも「読む」という能動的な手段、つまりちょっと面倒なものになっているのです。

要は、今の時代、漫画であってもひと昔前の蔑みの感は微塵もないどころか、逆に若者にとってはそろそろ敷居の高いコンテンツとなりはじめているのです。


『マンガで教養 はじめての西洋絵画』より。

少々前置きが長くなりましたが、今回発刊となった『マンガで教養 はじめての西洋絵画』は、「マンガで教養」と謳っているものの、漫画部分は導入に過ぎず、中身は超骨太な本格的な西洋美術本となっています。

それもそのはず、文章や絵画選定を行ったのは、国立西洋美術館主任研究員絵画・彫刻室長の川瀬佑介氏なのです。

川瀬佑介(かわせ・ゆうすけ)
1977年生まれ。国立西洋美術館主任研究員絵画・彫刻室長。東京藝術大学大学院博士課程修了後、メトロポリタン美術館、長崎県美術館学芸員などで美術史研究を重ねた。専門は17世紀を中心とするスペイン・イタリア美術史。2016年の「カラヴァッジョ展」「プラド美術館展 ベラスケスと絵画の栄光」などを監修。



「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」
2020年3月3日(火)〜2020年6月14日(日)

来年(2020年)に開催される西洋美術の教科書「ロンドン・ナショナル・ギャラリー展」の担当学芸員を務めるのが、この本の監修者である川瀬氏なのです。

『マンガで教養 はじめての西洋絵画』の執筆を川瀬氏に依頼した時から、既に完成度の高い本が出来上がることは明々白々であったわけです。

そして、実際に手にしてみるとまた想像の更に上をいく出来栄えに驚かされました。この分量そしてこの細かい執筆作業をひとりで行うとは!図版に解説を限られた字数で入れることが如何に大変なことか!!

西洋美術史の流れをポンペイの壁画から20世紀絵画まで約70作品を取り上げ、一点一点見開きで(時に3ページ以上!)丁寧に紹介・解説して行きます。



『マンガで教養 はじめての西洋絵画』【目次】
1作目 西洋絵画の変遷をたどる
西洋美術史年表/西洋絵画の誕生

2作目 時代の名画を観る
<絵画の起源>
『ポンペイ壁画 ディオニュソスの秘儀』/『ナイルモザイク』/『テオドラと従者たち』 ほか

<ルネサンス>
マザッチョ『貢の銭』/ピエロ『キリストの笞打ち』/マンテーニャ『美徳の勝利』/ボッティチェリ『ヴィーナスの誕生』/ダ・ヴィンチ『モナ・リザ』 ほか

<北方ルネサンス>
ファン・エイク『アルノルフィーニ夫妻の肖像』/ファン・デル・ウェイデン『十字架降架』 ほか

<マニエリスム>
ブロンズィーノ『愛の寓意』/パルミジャニーノ『首の長い聖母』/ティントレット『最後の晩餐』 ほか



<バロック>
カラッチ『バッカスとアリアドネの凱旋』/カラヴァッジョ『聖マタイの召命』/スルバラン『聖ペドロ・ノラスコの幻視』/ベラスケス『ラス・メニーナス』 ほか

<ロココ>
ヴァトー『シテール島の巡礼』/フラゴナール『ぶらんこ』/シャルダン『パイプと水差し』

<新古典主義・ロマン主義>
ダヴィット『ホラティウスの誓い』/アングル『グランド・オダリスク』/ゴヤ『1808年5月3日』 ほか

<写実主義>
クールベ『画家のアトリエ』/ミレー『落穂拾い』/マネ『草上の昼食』

<印象派>
モネ『睡蓮』/ドガ『バレエのレッスン』/ルノワール『ムーラン・ド・ラ・ギャレットの舞踏会』

<ポスト印象派>
セザンヌ『リンゴとオレンジのある静物』/ゴーガン『かぐわしき大地』/ゴッホ『ひまわり』/スーラ『グランド・ジャット島 日曜の午後』ほか

<象徴主義・世紀末美術>
モロー『出現』/ロセッティ『プロセルピナ』/クリムト『接吻』/ムンク『叫び』

<現代美術のはじまり>
マティス『ダンス』/ピカソ『アヴィニョンの娘たち』/ミロ『農園』/カンディンスキー『コンポジションVIII』

3作目 西洋絵画をもっと楽しむコツ
絵画の機能と役割/絵画のディスプレイと観客/絵画の裏側/日本の美術館




セザンヌのどこが革新的であったのかも、絵画の部分図やこうしたイラストなども交えて解説しています。これだと混在する様々な視点が一枚の絵の中にあることがとてもよく理解できますね。

各章の冒頭部分に数ぺージ漫画が配置され、ナビゲーションの役割を果たすと共に、いい感じで本文とのメリハリを出すことに成功しています。

西洋美術史の入門書として今出ている書籍の中では最もとっつきやすくもあり、そしてまた本格的な内容のバランスの取れた一冊ではないでしょうか。


『マンガで教養 はじめての西洋絵画』より。

自分は古い人間なので、流行りの動画や画像ではなく文字コンテンツを通してではないと頭の中に入って来ません。逆に若い人たちには簡単そうに見えて実は奥が深いこうした本はある意味で新鮮に感じるのではないでしょうか。

オジサンから学生さんまで幅広い層に読んでもらえる一冊だと思います。

そうそう、『マンガで教養 はじめての西洋絵画』に取り上げている作品の中には国立西洋美術館の常設展で観られるものも含まれています。


クロード・モネ「睡蓮、柳の反映」1916年
旧松方コレクション


『マンガで教養 はじめての西洋絵画』より。

これを読んだら、もうすぐでも西美に実物を観に行きたくなりますよ!

そして知識としての西洋美術史を少しでも身に付けられたら、これから足を運ぶ展覧会や美術館で出会う作品も違って観えてくるはずです。

川瀬学芸員が世界の名画を語り尽くす、『マンガで教養 はじめての西洋絵画』。最後の章「西洋絵画をもっと楽しむコツ(絵画の機能と役割/絵画のディスプレイと観客/絵画の裏側)」も目から鱗情報満載ですよ!


『マンガで教養 はじめての西洋絵画』
川瀬佑介(監修)、にしうら染 (イラスト)

西洋の名画を楽しむための見方や、おおまかな西洋美術史の流れがわかる西洋絵画の入門書。
古代、ルネサンス、バロックから現代美術のはじまりまで、時代別に代表的な画家と作品をマンガ+解説文で丁寧に紹介します。



キングコーポレーション 2020年 珠玉の名画コレクション カレンダー 壁掛け B3 KC30110

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『ENGLISH JOURNAL 2019年11月号』

株式会社アルクより刊行となった『ENGLISH JOURNAL (イングリッシュジャーナル) 2019年11月号』を読んでみました。


ENGLISH JOURNAL 2019年11月号

どうして、急に英会話雑誌を手に取ったかと言いますと、なんと今月号の特集がズバリ「美術英語」だからです。

【特集】
この秋、大人が身に付けておきたい
教養のための美術英語


暑かった夏が終わり、いよいよ秋が到来しました。秋と聞いて皆さんは何を連想しますか?それぞれに思い浮かぶことがあると思いますが、今回EJでは「芸術の秋」に注目しました。西洋美術を学び作品について理解を深めた後は、日本美術を海外の方にうまく伝えるための美術英語を身に付け、教養を高めましょう。今年は英語でアートに触れて、少し違った「芸術の秋」を感じてみてはいかがでしょうか。

CDが付いているので、読むというより聴くのが主体。なんだか久々に英語のリスニングテストを受けているような新鮮な気分を味わえました。

一冊まるまる美術特集ではありませんが、かなりアートの部分だけ取ってみても骨太なしっかりとした内容となっています。

美術特集の執筆者は、宮本由紀さんと、春原陽子さんです。
https://twitter.com/yukiart777

西洋美術だけでなく、日本美術についても掲載(収録)されています。

「日本の文化や美術を海外の方に伝えることは最高のおもてなしの一つといわれていますが、皆さんは英語でうまく伝えることができますか?」



ENGLISH JOURNAL 2019年11月号』教養のための美術英語 コンテンツは以下の通りです。

part1 西洋美術で英語を学ぼう
1.今後の時代を行く抜くために必要な「リベラルアーツ」とは
2.西洋美術の歴史
3.世界の名作紹介

part2 日本美術を英語で伝えよう
1.自国を知り、伝えるために必要な知識とは
2.茶の湯の文化の変遷
3. 日本の名作紹介

part3 美術を語る英単語・英語表現



浮世絵は当然として、大津絵までも取り上げられています。

大津絵や井戸茶碗をどのように英語で説明しているか興味津々でしょ!

世界三大美術館とその代表作も6ページに渡り紹介するなど、読み応え&聴き応え十分過ぎる一冊です。

美術特集以外も世界のニュース、ネイティブのトークなど、バラエティー豊かな英語が収録されています。


特別企画
ファッションを語る英語


キアヌ・リーブス

芸術の秋にまさにうってつけの特集がぎゅっと詰まった購入して損なしな一冊です。久々に英語の勉強でもしようかな…


ENGLISH JOURNAL 2019年11月号
【サイズ】B5、172ページ
【付属商品】CD1枚(70分)※CDのMP3ダウンロード提供あり

アルクのサイトから視聴も出来ます。

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ビジュアル書籍『世界をおどらせた地図』

日経ナショナル ジオグラフィック社より刊行となった『世界をおどらせた地図』はもうご覧になられましたか。


世界をおどらせた地図
エドワード・ブルック=ヒッチング (著), ナショナル ジオグラフィック (編集), 関谷 冬華 (翻訳)

「クック船長による太平洋と南極海の調査」「クリストファー・コロンブスの大西洋横断」「ヴァスコ・ダ・ガマがインドへ到達」など、有名な冒険の物語。彼らの一世一代の旅を刻み、あるいは駆り立てた地図の数々。」

「少年と偽り女性として初めて世界周航を成し遂げた物語」「存在しない国を求めてさまよった探検家」など、命知らずな冒険家たちの並外れた物語を詳しく紹介。



世界をおどらせた地図』を彩る地図や図版は、著者が所蔵する稀覯書のほか、世界中のプライベートコレクション、美術商、美術館や博物館の収蔵品などから広く集めたものです。



著者の人脈を駆使した、著者ならではの美しい図版で編まれた贅沢な地図誌はページを無作為にめくるだけでも満足感を得られます。

そして、地図に刻まれた惑乱の時代。あまたの冒険、栄光と敗北の物語を紹介。海賊や探検家が跋扈していた冒険の時代へといざないます。



世界をおどらせた地図』【主な内容】

・コロンブス以前に北米大陸に到達していたバイキング
・ジョン・カボットの北米への旅
・大西洋条約を破ったペドロ・カブラルがブラジルに到達
・マゼランの世界一周航海
・マテオ・リッチと中国でのキリスト教宣教と世界地図
・ウォルター・ローリー卿のエルドラド探しの旅
・クック船長による太平洋と南極海の調査
・女性旅行家の精力的な旅と報告
・北極点到達競争とその果ての悲劇 ほか


未踏の旅路・異境の驚き・一攫千金への欲望・密かな企み・悪党の狼藉など、39のエピソードが地図を彩ります。



この本は、2017年に発売され大ヒットした『世界をまどわせた地図』のシリーズ第2弾となります。興味関心掻き立てることお墨付きの一冊なのです!


世界をおどらせた地図
エドワード・ブルック=ヒッチング (著), ナショナル ジオグラフィック (編集), 関谷 冬華 (翻訳)





世界をまどわせた地図 伝説と誤解が生んだ冒険の物語


天空の地図 人類は頭上の世界をどう描いてきたのか

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『バウハウスってなあに?』

白水社より刊行となった『バウハウスってなあに?』を読んでみました。


バウハウスってなあに?
インゴルフ・ケルン (著), 田中 純 (監修), バウハウス・デッサウ財団 (編集), クリスティーネ・レッシュ (イラスト), 大宮 萌恵 (翻訳)

大宮萌恵「バウハウス創立100周年『バウハウスってなあに?』刊行に寄せて」

ドイツのデッサウにある「バウハウス」。今年で創立100周年を迎えました。カタカナ語なのになぜか親しみの湧くその響き、そしてそれに連なる名声の数々。

アート、建築、デザインを学ぶ際に絶対に避けては通ることが出来ない「大学入試センター試験」のような存在のバウハウス。



あまりにも名が知れているモノに限って、実は詳細は知らないでいたりすること間々あることです。

また、自分の好きなジャンルは詳らかでも、それ以外となるとさっぱり…結局バウハウスの全体像はいつもぼやけ、つかめぬまま。それはまるでドイツの深い森のように…


バウハウスってなあに?』より。

そんな超メジャーな割に実はその中身については断片的にしか知らないという方が多い中(自分ももちろんその一人です)、「こんな本を待っていた!」に相応しい内容です。

バウハウスを紹介する展覧会は資料などとにかく物量が多いのが特徴です。この本も分厚い寺院系の展覧会図録のようかと思いきや60ページほどの鞄にもすっぽり入るとてもお手軽なサイズとなっています。

ページをめくるとその内容もとても親しみやすい展開となっているのがすぐさま理解できます。



建築家を父親に持つ、ロッテとマックスという兄弟が自分たちの住む家「バウハウスーハウス」について、疑問に思ったことを質問していくかたちで進んでいきます。

例えばこんな感じに。

どうしてバウハウスの窓枠は木製じゃないの?

バウハウスの窓枠はスチール製だね。それはグロピウスが建築時に工場をお手本としたからだよ。工場の建物には木製の窓枠なんてめったにない。スチール製の窓枠なら長い時間をかけてニスを塗る必要もないし、腐ることもないし、とにかく長持ちするからね。



建築家の父が子供たちのバウハウスにまつわる疑問に答えながらお話は進んでいきます。と同時に「そうだったのか!」の連続で、読み手も一緒にバウハウスについて自然と学んで行ける内容なのです。

それと個人的にこれは良いな〜と感じたのが、写真でなく絵を用いている点です。

家具や建物、デザインの写真はそれこそ山ほど残っているでしょうが、敢えてそれは使わずに絵を用いたことで、一冊の本として統一感が保たれているのです。


バウハウスってなあに?』より。

子供たちの50の質問と素敵な絵を通して、分かっているようでよく知らなかったバウハウスの全体像をつかめる良書です。

バウハウス100周年を記念して日本国内でも展覧会をはじめ、イベントや様々な関連商品も発売になっています。

日本でバウハウス100周年を祝うbauhaus100 japan公式サイト
http://www.bauhaus.ac/bauhaus100/

まずは、『バウハウスってなあに?』でバウハウスとは何ぞやについて易しく学んだ後、展覧会へ出かけましょう。

Was ist das Bauhaus?


バウハウスってなあに?
インゴルフ・ケルン (著), 田中 純 (監修), バウハウス・デッサウ財団 (編集), クリスティーネ・レッシュ (イラスト), 大宮 萌恵 (翻訳)

建築家の父が子と一緒にデッサウのバウハウスを訪れ、50の疑問にやさしく答える初のバウハウス入門絵本。磯崎新氏・深澤直人氏推薦!

「バウハウス」を知っていますか ?2019年はバウハウス創立100周年。バウハウスなくして、アート・建築・デザインは語れません。本書はバウハウス・デッサウ財団による、初の入門絵本です。
ドイツ郊外に住むロッテとマックスのきょうだいが、建築家の父と一緒にデッサウを訪れ、バウハウス校舎を見学しながら様々な質問をし、父が一つ一つ丁寧に答えていきます。
バウハウス工房って何だったの?/どうしてバウハウスには曲線の飾りがないの?/どうして白いの?/どうしてデッサウに建っているの?といった造形的なことや歴史的背景に関するものから、バウハウスってIKEAにもあるの?/どうして今でもこんなにたくさんの人がここにやって来るの?といった現在に至ることまで、質問は50個。バウハウスの理念や当時の様子、バウハウス製品の特長も楽しく学ぶことができます。カラフルでおしゃれなイラストにも、バウハウスの秘密がたくさん隠れています。
ユネスコ世界文化遺産にも指定されているバウハウスのことが、この1冊でよくわかる!巻末に人名解説と用語解説、バウハウス年譜付き。磯崎新氏、深澤直人氏推薦!


「開校100年 きたれ、バウハウス ー造形教育の基礎ー」

新潟市美術館 2019年8月3日(土) 〜 9月23日(月)
西宮市大谷記念美術館 2019年10月12日(土) 〜 12月1日(日)
高松市美術館 2020年2月8日(土) 〜 3月22日(日)
静岡県立美術館 2020 年4月 11 日(土) 〜 5月 31 日(日)
東京ステーションギャラリー 2020年7月17日(金) 〜 9月6日(日)

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