青い日記帳 

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『週刊ニッポンの浮世絵100』

小学館より刊行となった『週刊ニッポンの浮世絵100(1)』を読んでみました。


週刊ニッポンの浮世絵100(1)』 2020年 10/1 号 [雑誌]

出版不況が叫ばれる昨今、大きな売行きが見込めないじっくり読ませるタイプの本は企画段階でボツに。

気が付けば書店には、話題先行でアパレルブランドとコラボした本の体裁をとっただけでオマケがメインとなっているこんな雑誌ばかりとなっています。


創刊号特別付録「北斎名作マルチケース」

9月17日に小学館が創刊した、ウイークリーブック『週刊 ニッポンの浮世絵100』にも創刊号特別付録として「北斎名作マルチケース」が付いていますが、見てもらいたいのは付録ではなく本の内容です!

全30巻の刊行を予定している中で、絵師50人+50作品=100をメインに合計1500作品以上の名作を紹介。北斎や写楽などよく知られている絵師や作品ほど新たな発見が待ち受けているのです。


東洲斎写楽「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」

これまでに何度となくあちこちで目にした写楽の代表作ですが、紙上に展開される「浮世絵200%ギャラリー」で見るとご覧の通り。これまで見えなかった細部の描写も一目瞭然です。

小学館から2016年に出た北斎原寸美術館 100%Hokusai!』 (100% ART MUSEUM)も驚きの連続でしたが、今回は更に倍に拡大。見え過ぎて困ってしまいます。



そして単に作品を観るだけでなく、他の画家との比較も行いより深く作品の魅力に迫ります。まさか浮世絵の本をめくっていてバスキアが登場するとは!

これまた小学館既刊で宮下規久朗先生が書かれた名著そのとき、西洋では: 時代で比べる日本美術と西洋美術の発展形と言えるでしょう。

これを全30巻にわたり、浮世絵師の紹介や浮世絵のミステリーなど交えつつ展開していくのですから楽しみで仕方ありません。


葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」

世界最高のポップ・アートといわれる浮世絵の魅力を発信すべく作られた中身の非常に濃い読ませるウィークリーブックに仕立てられています。

美術書の「老舗のテーラー」である小学館だからこそ成せる技が詰まっています。


「浮世絵くらべる大図鑑」

江戸が生んだ北斎と若冲。二人が描いた鶏を対決させながら紹介。「水鳥」対決は特に必読!同じような作品のようである部分の描写が違っています。確かにこうして比べることで違いがはっきりするものですね。

ウィークリーブックはどうしてもチープなイメージが付きまといます。しかし『週刊 ニッポンの浮世絵100』は最高水準の印刷技術を用いることで、名作の数々を紙上に美麗に再現しています。

作品画像にしても印刷技術にしても、これまで日本美術全集を筆頭に、日本美術の関連書籍を数多く出版してきた小学館だからこそ可能なこと。見る人が見ればその凄さが分かります。


全巻予約購入特典「立体浮世絵」

この他に、「浮世絵の舞台を歩く」や「浮世絵逸品を買おう!」「浮世絵見るならこの美術館!」など、浮世絵を身近なものとして感じられるコーナーも充実しています。

創刊するにあたり、専門家の視点で浮世絵の名画を見直した結果、今までスポットが当たっていなかった新発見があったそうです。

『ニッポンの国宝100』で得た知識が作品鑑賞に役立っていること実感しているので、次はこの『週刊 ニッポンの浮世絵100』でこれまでとは違った知見を多く得たいと思います。


週刊ニッポンの浮世絵100(1)』 2020年 10/1 号 [雑誌]

創刊号では「葛飾北斎」「三代目大谷鬼次の江戸兵衛」ほかを特集。葛飾北斎の世界屈指の名作「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」の見どころは波でも富士山でもなかった!ことや、北斎はなぜ93回も引っ越しをしたのか、東洲斎写楽の「江戸兵衛」全図解など、初心者から上級者まで誰でも楽しめます。


ニッポンの浮世絵: 浮世絵に描かれた「日本のイメージ」
太田記念美術館 (監修), 日野原 健司 (著), 渡邉 晃 (著)

#おうちで浮世絵がSNSで話題の太田記念美術館で徹底解説!約180点の浮世絵を通して知る、日本の美と日本人の心。


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『世界で一番美しい駅舎』

エクスナレッジ刊行の『世界で一番美しい駅舎』を読んでみました。

コロナが収束したら飛んで行きたい「世界の美しい駅舎ベスト5」


世界で一番美しい駅舎

2014年に刊行された本ですが、今のこんな時期だからこそ手に取り、果たせない旅の夢を少しでもこの本で想いを仮託してもよいのではないでしょうか。

国内旅行に行く回数が増えた半面、まだまだ海外へ行くことは難しい現状において、『世界で一番美しい駅舎』は心の拠り所として機能します。


アントワープ中央駅(ベルギー)

初めてこの駅に降り立った時の感動は10年経過した今でもはっきりと記憶に焼き付いています。

たかが駅、されど駅。世界中にはその空間に身を置くだけで、心が揺さぶられる駅があるのです。


モスクワ地下鉄(ロシア)

世界で一番美しい駅舎』には、世界23カ国、34カ所の魅力的な駅舎が美麗なカラー写真で紹介されています。

ヨーロッパの巨大なターミナル駅もあれば、アジアの小さなローカル線の駅舎まで実に多種多様な「駅舎美」がページをめくる毎に目に飛び込んできます。


ホアヒン駅(タイ)

紹介されている34の駅舎の中から、自分が独断と偏見で選んだ「ベスト5」を画像と共にこちらのコラムで紹介しています。

コロナが収束したら飛んで行きたい「世界の美しい駅舎ベスト5」

大勢の人が行きかう駅の何気ない日常のひとコマも、今観るとまるで別世界のように映ります。マスクをせず笑顔でお喋りしながら旅を満喫する人々。


アムステルダム中央駅(オランダ)

こんな当たり前の日常すらいつ戻って来るのか分からい今だからこそ、『世界で一番美しい駅舎』を読んで、妄想旅行に出かけましょう!

【目次】
アントワープ中央駅(ベルギー/アントワープ)
リスボン・オリエンテ駅(ポルトガル/リスボン)
マドリッド・プエルタ・デ・アトーチャ駅(スペイン/マドリッド)
ストラスブール駅(フランス/ストラスブール)
キングス・クロス駅(イギリス/ロンドン)
パリ北駅(フランス/パリ)
ストックホルム地下鉄(スウェーデン/ストックホルム)
セント・パンクラス駅(イギリス/ロンドン)
フンガーブルク駅(オーストリア/インスブルック)
ニューヨーク・グランドセントラル駅(アメリカ/ニューヨーク)
アクロポリ駅(ギリシア/アテネ)
金沢駅(日本/石川県)
ルス駅(ブラジル/サンパウロ)
バールジュマン駅(アラブ首長国連邦/ドバイ)
リスボン・ロッシオ駅(ポルトガル/リスボン)
サン=テグジュペリTGV駅(フランス/リヨン)
東京駅(日本/東京)
ホアヒン駅(タイ/ホアヒン)
メルボルン・フリンダース・ストリート駅(オーストラリア/メルボルン)
クアラ・ルンプール駅(マレーシア/クアラ・ルンプール)
ナポリ地下鉄(イタリア/ナポリ)
チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅(インド/ムンバイ)
リエージュ=ギユマン駅(ベルギー/リエージュ)
アムステルダム中央駅(オランダ/アムステルダム)
ウォータールー駅(イギリス/ロンドン)
ハイダルパシャ駅(トルコ/イスタンブール)
ヘルシンキ中央駅(フィンランド/ヘルシンキ)
シルケジ駅(トルコ/イスタンブール)
ミラノ中央駅(イタリア/ミラノ)
モスクワ地下鉄(ロシア/モスクワ)
プラハ本駅(チェコ/プラハ)
サン・ベント駅(ポルトガル/ポルト)
マプト駅(モザンビーク/マプト)
サザンクロス駅(オーストラリア/メルボルン)



リスボン・オリエンテ駅(ポルトガル)

海外の駅舎に混じり、日本の金沢駅と東京駅が入っているのは嬉しいですね。go to使って東京から金沢まで北陸新幹線で出かけてみますか、まず手始めに。



新しい美術館がオープンし、東京から工芸館も移転した金沢。お隣の富山とセットで一泊二日北陸アートの旅でも。

いつかまた海外の美麗な駅を訪れることが来る日まで。


世界で一番美しい駅舎

大聖堂のように荘厳な古典建築から幾何学的なモダン建築、アート作品が展示された美術館のような地下鉄など、国も様式もさまざまな駅舎を紹介。
それぞれの駅にはコンパクトな「トリビア」もついており、映画の中に登場する駅舎や、設計を手掛けた建築家についてなどの情報も掲載しています。


コロナが収束したら飛んで行きたい「世界の美しい駅舎ベスト5」


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『牟田陽日作品集 美の器』

芸術新聞社から刊行となった『牟田陽日作品集 美の器』を読んでみました。


牟田陽日作品集 美の器
牟田陽日 (著)

色絵陶器作家、牟田陽日(むた・ようか)初の作品集。

牟田は、都内の美大を中退し単身ロンドンへ渡り、立体作品やインスタレーション、ビデオアートなど所謂コンテンポラリーアートの制作にあたり、2008年にロンドン大学ゴールドスミスカレッジファインアート科を卒業し、東京でなく石川県へ。

石川県へ移り住んだ理由はただ一つ。九谷焼を学ぶためです。



ロンドン大学ゴールドスミスカレッジファインアート科に在籍中、知人からもらった九谷焼の急須をきっかけに、九谷焼の世界への道が開けたそうです。

石川県立九谷焼技術研修所で腕を磨き、めきめきと頭角を現し、専門家が「時代を代表する陶芸家」を選出するパラミタ陶芸大賞展では大賞を獲得しました。

九谷焼は元々カラフルな焼き物ではありますが、牟田の作り出す作品はカラフルなんて生易しいものではありません。色彩の洪水と言っても過言ではないかと。



昨年(2019年)日本橋三越美術サロンで個展を開催された際も、遠くからもはっきりと牟田作品であることが、その色彩から判別できたほどです。

牟田陽日作品集 美の器』に掲載されている「色と絵の庭」という文章を読み、その鮮やかな色彩の誕生の秘密を知ることが出来ました。

そして何故キャンバスではなく焼物を支持体として選んでいるのかも。
「色に関する知識をつければある程度の色彩感覚を研鑽することは出来るが、無限の色数とその分量や形状を含めた組み合わせ方の中にその人が独自に見出す閃きのような輝かしい色合いがある。そして私には少なくとも油画ではそういった才を感じず、大学合格とともにキャンバスに絵は描かなくなった。」


現在仕事でそれぞれ大成している人に「今の職についたきっかけは何ですか?」と尋ねると、意外なほどスタート地点は別ものであることが多かったりします。

皆さんはいかがですか?

牟田作品が並ぶと当時に飛ぶように売れて無くなってしまう絶大な人気を誇っているのも、もしかして元々彼女が九谷焼を目指していたわけでない点が大きく作用しているように思えてなりません。



キャンバスに色彩豊かな絵画を描くことを辞めた代わりに、凹凸のある土と格闘し今のポジションを築き上げたのです。

葛飾北斎、伊藤若冲、曽我蕭白、サンドロ・ボッティチェリ、オデュロン・ルドン、ピーター・ドイグらに影響を受けているとこの作品集の「牟田陽子を巡る22問22答」で語っています。

龍、獅子、麒麟、鳳凰などの神獣から自然界の動植物まで、古今吏西の図像を奔放に再構築したユニークなモチーフが焼物にひしめいている姿は壮観です。



手びねりのゴツゴツした器に、髪の毛ほどの細密な描線と宝石のようにきらびやかな色彩を駆使した幻想的な世界観が小さな作品に凝縮されています。

江戸時代初期の1655年に開窯した九谷焼(古九谷)ですが、1700年には一度廃窯になってしまいます。それから約120年後に再び窯に火が入り九谷焼は焼かれるようになりました。

ざっくり360年以上の歴史がある九谷焼の中で、今が最も広く注目されている時期なのです。それには機械による大量生産を嫌い昔ながらの手仕事にこだわり作り続けてきたベテランと、若手作家の活躍があるからです。



ド派手な作品だけでなく、こうした小品においても抜群の色彩感覚を発揮できる点が、牟田の力の現れといえるでしょう。

工芸の世界で今もっとも注目を集める、異色の経歴を持つ若手作家の初作品集『牟田陽日作品集 美の器』。驚きと溜息の連続です。

【プロフィール】
牟田陽日(むた・ようか)
陶磁器に彩色を施す色絵の技法を主軸に、日常的な食器、茶器などの美術工芸品からアートワークまで多岐に渡って制作する。現代の自然に対する意識の在りようをアイディアの軸として、動植物、神獣、古典図案等を再構成し色絵磁器に起こしている。近年では、私的体験や感情の動きを色絵にしたシリーズや、愛玩動物をモチーフにした不穏さを含んだ調度品的作品シリーズ等がある。本の美感、工芸、アートの間を相互に交信するような作家活動を目標としている。石川県能美市に工房兼住居を構える。
牟田陽日 official website
Twitter:@yoca_muta

手のひらに楽園を。牟田陽日が生み出す「美の器」


牟田陽日作品集 美の器
牟田陽日 (著)

現代美術から九谷焼の世界へ
異色の色絵磁器作家がベールを脱ぐ!

龍、獅子、麒麟、鳳凰などの神獣から自然界の動植物まで、古今東西の図像を奔放に再構築する色絵磁器作家・牟田陽日。その融通無碍な創作活動の全貌に迫る初作品集。本人による作品解説とコラムも収録。



牟田陽日作品集 「美の器」(芸術新聞社刊)出版記念展
会期:2020年9月9日(水)〜9月15日(火)  
時間:9:30〜20:30 (※最終日は15時閉場)
会場:丸善日本橋店 3階ギャラリー
入場無料

九谷焼に魅せられた牟田陽日氏が、個の絵付けを目指して作ってきた色絵磁器を、一冊の本にまとめました。作品集に掲載された瑞獣や、海、花鳥風月、幻想風景等の代表的シリーズを中心に新作を発表いたします。酒器、茶碗、花器等、約40点を展示販売いたします。


九谷モダン

『九谷モダン』レビュー


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『よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ』

東京美術より刊行となった『よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ: 作品復元プロジェクト』を読んでみました。


よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ: 作品復元プロジェクト
東京造形大学ダ・ヴィンチ・プロジェクト (著, 編集), 池上英洋 (著, 編集)

今年(2020年)1月に代官山ヒルサイドフォーラムにて開催されたダ・ヴィンチ没後500年「夢の実現」展。東京造形大学が教育の一環として行った展覧会。

開催期間は20日程度でしたが、何と1万人を超える来場者に恵まれる大盛況ぶり。レオナルドの知名度の高さだけでなく、展覧会の着眼点が良かったことが成功の大きな要因でした。



造形大学の各学部の先生方と、プロジェクトに参加した学生さんに「ありがとう!お疲れさまでした!!」と心の底から言いたい充実した内容でした。

その後、降って涌いたかのようなコロナ騒ぎで展覧会の記憶も薄れてしまったかもしれません。しかし、「夢の実現展」は終わってはいないのです。

公式サイト:https://leonardo500.jp/

今後、「夢の現実展」はレオナルドの魅力をより多くの方に知って頂くため、日本各地を巡回していく予定です。まずは八王子にある東京富士美術館で9月1日よりスタートしました。


東京造形大学 レオナルド・ダ・ヴィンチ再現プロジェクト
ダ・ヴィンチ没後500年「夢の実現」展


会期:2020年9月1日(火)〜11月29日(日)
休館日:月曜日(祝日の場合は開館。翌日火曜日が振替休館)※9月21日(月・祝)・9月22日(火・祝)・11月23日(月・祝)は開館、9月23日(水)・11月24日(火)は休館
開館時間:10:00〜17:00(16:30受付終了)
会場:東京富士美術館:新館・常設展示室6〜8
https://www.fujibi.or.jp/
主催:東京富士美術館
後援:イタリア大使館、イタリア文化会館、公益財団法人日伊協会、八王子市、八王子市教育委員会、八王子商工会議所
制作・監修:東京造形大学

代官山ヒルサイドフォーラムでの展示を見逃してしまった方にとっては朗報です。そして一度ご覧になられた方もまた新たな発見を求めて何度でも。

レオナルドの偉大さを知るためには、機会を惜しまず何度でも。

よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ: 作品復元プロジェクト』は、「ダ・ヴィンチ没後500年 夢の実現」展公式ガイドブックとして位置づけられています。



執筆陣は池上先生の人脈をフル活用した錚々たる顔ぶれとなっています。

宮下規久朗、布施英利、原元晶、茂木健一郎、藤井匡、田中英道、ラファエーレ・ミラーニなどなど、レオナルドの多面性を紐解くべく各界の専門家が、書き下ろしています。

また「アーティストとレオナルド」では、シンポジウムに出演した、ヤマザキマリ、アントネッロ、森田学、サカナクションの山口一郎、浅葉克己、山岸康之たちがテキストを残しています。


復元された「東方三博士の礼拝

教育研究助成金により出版される学術書なので造形大学や執筆者に印税は一切入らないにも関わらず、どのレオナルド本よりも読み応えのある内容となっています。

レオナルドが手掛けた、絵画、彫刻、建築、機械に加え、現代の視点からメディア・デザインなどにも挑んでおり、単なる復元プロジェクトでは決してありません。



展覧会会場では高い位置に展示されていた「最後の晩餐」も『よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ: 作品復元プロジェクト』なら完璧!

とにかく多彩な画像(再現画像もバッチリ!)と丁寧過ぎる解説がびっしり詰め込まれた一冊。加えて豊富なコラムも読みごたえ十分です。

末席を汚すかのように、私も一頁だけ誌面を頂き文章を寄稿しています。

よろしければ是非お手に取ってみて下さい。魅力を語り尽くせないほど充溢した内容の一冊です。


よみがえるレオナルド・ダ・ヴィンチ: 作品復元プロジェクト
東京造形大学ダ・ヴィンチ・プロジェクト (著, 編集), 池上英洋 (著, 編集)

未完や欠損状態の絵画、巨大建築の設計図、機械や彫刻のデッサンなど、万能人ダ・ヴィンチが生前やり残したさまざまな「夢」を、500年後の今、現代のテクノロジーを用い完全な形で再現を試みた画期的プロジェクト。さらに、ダ・ヴィンチにまつわる長年の謎や議論について、そのあらましと興味深い最新知見を紹介。他分野の識者による考察も多くの示唆に富み、コンパクトながら類のないダ・ヴィンチ入門書。
「ダ・ヴィンチ没後500年 夢の実現」展公式ガイドブック。



よみがえる天才2 レオナルド・ダ・ヴィンチ』 (ちくまプリマー新書)
池上英洋(著)

五〇〇年も前に生きたその人は名画を遺し、近代文明の夢を描いた「万能人」と呼ばれる。しかしその素顔は、不遇と失敗に苦しんだ青年だった。一生涯を通じて苦悩しつづけた「天才」のドラマを追う。


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『荒木経惟、写真に生きる。』

青幻舎より刊行となった『荒木経惟、写真に生きる。』を読んでみました。


荒木経惟、写真に生きる。
荒木経惟 (著), 内田真由美 (編集)

今更説明の必要もありませんが、荒木経惟(あらき・のぶよし)さんは、世界で最も知られる現代日本を代表する写真家です。

1940年に東京の下町で呱々の声をあげた荒木氏も、今年(2020年)の5月25日に80歳の誕生日を迎えられました。

ずーーと第一線で走り続けているのでまさか傘寿のお祝いをするお歳だとは少し信じがたいものがあります。



荒木経惟、写真に生きる。』の冒頭48頁に渡り、撮り下ろしの「傘寿いとし」がまず掲載されています。

荒木氏の作品にしばしば登場するミニチュアの怪獣を、今の状況下で見るとこれまでとは全く違ったものに思えてきます。

古びた人形や果物などを象徴的な「記号」として用いる荒木氏の写真は、コロナ禍において一体どんなメッセージを我々に発しているのでしょうか。

と、同時に「傘寿いとし」は、80歳を迎えた荒木氏の今の内奥があらわれ、切なくなるような作品でもあります。



本編は荒木氏自身が語る12章の「写真人生の出会い」で構成されています。

本書の原稿を書くにあたり新たにインタビューを行ったとのこと。これまで語ることの無かったエピソード満載です。圧倒的なそのボリュームに度肝を抜かれます。

【目次】
・傘寿いとし
・荒木経惟 写真に生きる 写真人生の出会い
01序章:被写体に育てられた。アラーキーが撮った名優たち。―樹木希林・笠智衆・中村勘三郎
02:写真が好きだった親父。写真との最初の出会い。
03:陽子との出会い。俺を写真家にしてくれたのは陽子。
04:無名の俺に最初に声をかけてくれた。恩師、桑原甲子雄さんとの出会い。
05:本人に会うより先に写真を見て嫉妬した。森山大道さんとの出会い。
06:最初から惚れた。『写真時代』編集長、末井昭さんとの出会い。
07:二人とも親父が職人で下町の生まれ。ビートたけしさんとの出会い。
08:愛猫・チロとの出会いと別れ。自分の脳のフィルムに刻み込んだ。
09:世界のARAKI、世界の美術館との出会い。30カ国以上の国で個展を開催。
10:俺が世界で一番好きな写真家、ロバート・フランクとの出会い。
11:500冊を超える写真集。撮ることは、脈打つこと、呼吸すること。
12:ずっと撮ってる草間彌生さん。嬉しかった「荒木さん、バンザーイ!」
・荒木経惟を知るための年譜 ドキュメンツ荒木経惟



草間彌生さんの写真を一番多く撮影されているのが荒木氏であることは間違いありません。

まだフジテレビギャラリーがあったころの草間さんの個展(1986年)で撮影した写真から、直近のものまで。ただし、この本は写真もさることながら、荒木氏の独り語りのようなテキストが一番の魅力です。

大切な人との「出会い」をテーマに構成された12章には、お父さん、陽子さん、チロ、ビートたけしさん、草間さん、世界の美術館など実に多彩。

人はひとりでは生きられず「ご縁」によって生かされていると教えられてきましたが、まさに、それぞれが荒木さんの写真人生にかけがえのない方であり佳きご縁です。

1997年にウィーンで開かれた荒木の展覧会「TOKYO COMEDY」(東京コメディー)に、偶然にも居合わせた自分も荒木氏には他の写真家さん以上の「ご縁」を勝手に感じています。



「アラーキー」というイメージが先行しがちな荒木氏ですが、彼の写真家としての活動、どういう点が世界的に評価されているのか、また自身の人柄などが、文章から自然と伝わってきます。

自分を虚構化し「アラーキー」というキャラで振舞う荒木氏の、真の素顔が垣間見られる一冊です。


忘れてはいけない存在!愛猫・チロ。

「チロがくの字に体を曲げて、丸くなって寝ている写真あるだろう、陽子と。寝ている姿も可愛くてね。形がね。もうやんなっちゃう。残っている写真っていうのも。やっぱりね、ロスがないって言っても、これで、またね、なるんだよね。自分の写真に泣かされてるんだよ。」

本書に登場する森山大道さんや桑原甲子雄さん、ロバート・フランクの他にも、多くの写真家(東松照明、木村伊兵衛、濱谷浩、田中雅夫、山岸章二など)たちのテキストは、日本の現代写真の流れも辿るかのようでもあります。

巻末には荒木氏0歳から80歳までの年譜ドキュメンツ荒木経惟」も掲載されています。

傘寿を迎え益々精力的な活躍が期待される荒木氏。今の状況下で撮りためた写真を公開する展覧会が開催される日を夢見ながら読んでみて下さい。


荒木経惟、写真に生きる。
荒木経惟 (著), 内田真由美 (編集)

荒木経惟が語り尽くす、60年間の写真家人生。

アラーキーの愛称で知られる、日本を代表する写真家、荒木経惟。
1960年代からエネルギッシュな活動を始め、国の内外で多数の展覧会を開催、高い評価を得ている。最愛の妻・陽子、愛猫チロ、女性、花、空、風景、東京の街、食事、人妻、緊縛ヌード、市井の人々…。
ひとりの写真家とは思えない多彩で圧倒的な量の写真は、これまでに500冊を超える写真集、著作となり、その制作意欲は尽きることがない。

2008年に前立腺癌の手術、翌々年には妻亡き後、荒木に寄り添い続けたチロが亡くなり、2013年には右目網膜中心動脈閉塞症により右目の視力を失うこととなった。

「私は写真というのが人生、写真人生だからね。
撮ることも見ることも写真に生きるという感じだからさ」。

歩んできた写真人生のさまざまな人との出会い、そして現在の心境とは。
荒木が60年間に撮影した写真の数々とともに語る12章。
巻頭には撮り下ろし写真による48ページのグラビアを、さらに巻末には生い立ちから現在まで80年間を網羅した写真入り年譜を収録。



荒木経惟、写真に生きる。

荒木経惟(あらき・のぶよし)
1940年東京都生まれ。千葉大学工学部写真印刷工学科を卒業後、電通にカメラマンとして入社。1964年《さっちん》で「第1回太陽賞」を受賞。1971年に妻・陽子との新婚旅行を収めた『センチメンタルな旅』を自費出版。1990年代以降、世界各地で多数の展覧会を開催、日本を代表する写真家として国内外で高い評価を得ている。


愛しのチロ


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