弐代目・青い日記帳 

  
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『ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ』
講談社より刊行となった『ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ 絵本でよむ画家のおはなし』を読んでみました。


ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ 絵本でよむ画家のおはなし
林綾野(著), たんふるたん (著)

作品や書簡から画家の食卓を探り出し、レシピを再現、調理して画家の生活に思いを巡らせる「画家の食卓」シリーズ等の書籍の執筆を続けている林綾野さんが、絵本作家・たんふるたんさんとゴッホの一生に挑みました。

ぼくはヨハネス・フェルメール』、『ぼくはクロード・モネ』に続く、絵本で読む画家のおはなしシリーズの三冊目となります。

「絵本でよむ画家のおはなし」シリーズは、画家の人柄に迫る大人も楽しめる入門書として最良。フェルメールだけかな〜と思っていたら、モネそしてゴッホと書いてくれてほんと嬉しい次第。



林綾野さんは、新たに本を執筆するにあたり、常に残された手紙や資料を時に現地へ赴き徹底的に調べます。そこがありきたりの画家紹介本とは違う点となり輝いているのです。

ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ』でも、ゴッホの心、創作への想い、耳切り事件から37歳で迎えた最期までをしっかりと綴っています。



27歳で画家を目指すようになるまで、牧師の家に生まれたゴッホは誰かの役に立ちたいと暗中模索していた様子を紹介する箇所は、とても興味深いものがありました。

見習いの伝道師として1878年にベルギー南部のボリナージュで目にした過酷な労働を強いられる貧しい人々を目の当たりにしたゴッホ。多くの人を救いたいという使命感に燃えていました。

聖職者を目指していたゴッホが何故、画家としての道を歩むようになったのでしょうか。



知っているようで知らないフィンセント・ファン・ゴッホと出会える一冊が『ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ』です。

東京都美術館で10月24日より「ゴッホ展 巡りゆく日本の夢」が始まります。


ゴッホ展 巡りゆく日本の夢
2017年10月24日(火)~2018年1月8日(月・祝)

「ゴッホ展」会期中にはこんなイベントもあります。

こどもプログラム
紙芝居で知る画家のおはなし
「ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ」
文:林綾野  絵:たんふるたん
演者:庄崎真知子(劇団 銅鑼)
日時:11月5日(日)、11月12日(日) 
各日2回実施(11時〜、14時〜) 場所:東京都美術館 1階 アートラウンジ
定員:30名程度
参加費:無料
http://gogh-japan.jp/event/index.html

「ゴッホ展」と『ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ』この秋は、親子で楽しめそうですね。


ぼくはフィンセント・ファン・ゴッホ 絵本でよむ画家のおはなし
林綾野(著), たんふるたん (著)

【著者プロフィール】
林綾野(はやし・あやの)
キュレーター、アートライター。美術館での展覧会企画、美術書の企画、執筆を手がける。新しい美術作品との出会いを提案するため、画家の芸術性とあわせてその人柄や生活環境、食の嗜好などを研究し、紹介する。これまで手がけた展覧会は「パウル・クレー展 線と色彩」「ピカソとクレーの生きた時代」「熊谷守一展 画家がみつけた小さいいのち 豊かなこころ」など。主な著書に『画家の食卓』『フェルメールの食卓 暮らしとレシピ』『ロートレックの食卓』『セザンヌの食卓 色とりどりのりんごたち』『ゴッホ 旅とレシピ』『モネ 庭とレシピ』『熊谷守一 画家と小さな生きものたち』(以上、講談社)、『浮世絵に見る江戸の食卓』(美術出版社)などがある。

たんふるたん
絵本画家、挿絵画家。水彩、ドローイングによるやわらかな表現で、絵本をはじめとする書籍、装幀、雑誌などでイラストレーションを手がける。画家としての仕事のほかに、広告のアートディレクション、タイポグラフィー、ブランドロゴなどデザインの仕事にも従事している。





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『天皇のダイニングホール』
思文閣より刊行となった『天皇のダイニングホール―知られざる明治天皇の宮廷外交―』を読んでみました。


天皇のダイニングホール―知られざる明治天皇の宮廷外交―
山鯛介 (著), メアリー・レッドファーン (著), 今泉宜子 (著)

明治神宮外苑にある明治記念館を知らない人はいないはずです。結婚式場やパーティー会場として連日大勢の人で賑わいをみせています。

先日も世界文化賞の授賞式が明治記念館で行われました。
明治記念館で授賞式 バリシニコフ氏「今こそ芸術が重要」


明治記念館
https://www.meijikinenkan.gr.jp/

しかし、明治記念館は初めから結婚式場や会合場所として建てられたわけではないのです。神宮外苑のあんな一等地にあるのですから、尋常ならざる建物であることは容易に想像がつきますが、その正体はその斜め上をいくものでした。

明治記念館は、明治天皇と昭憲皇太后が海外からいらした来賓をもてなすために、宮中晩餐会で使用した「赤坂仮皇居・御会食所」の遺構なのです。

明治14年(1881)に完成した赤坂仮皇居・御会食所(宮内省の木子清敬設計)が、平成の今現在まで残りそして広く一般に利用されているという事実。驚き以外のなにものでもありません。

天皇のダイニングホールでは、赤坂仮皇居・御会食所の歴史を紐解きながら、当時の宮廷外交を白日の下にさらす、読み応えのある一冊です。


赤坂仮皇居会食所・御車寄平面図
東京都立図書館デジタルアーカイブ(TOKYOアーカイブ)」より。

【目次】
序章 明治天皇の御会食にみられる三つの機会とその内容 山鯛介

第一章 交流の建築  山鯛介
〜御会食所のデザインにみる「復古」と「近代」の二面性〜

第二章 食卓の外交 メアリー・レッドファーン(林美和子 訳)
〜明治天皇の洋食器と意匠をめぐる戦略〜

第三章 饗宴の舞台裏 今泉宜子    
〜人物で読む明治宮殿誕生前夜の宮中外交〜


よくよく考えると、明治期に天皇のために設計された宮殿建築が現在まで残っていること自体が奇蹟的なことです。当然ですが、明治記念館をおいて他にはそうしたものは残されていません。

天皇のダイニングホールでは、まず第一章でその宮殿建築について詳しく書かれています。

普段、知る術もない独特の建築様式について丁寧に説明されています。素人の自分にも分かるのは有難い点です。明治という時代は何から何まで変化した時代です。これまで座式だったものが、立式になり、内装もヨーロッパ的なものへと移り変わります。



「第二章 食卓の外交 メアリー・レッドファーン」で紹介されていた、当時使われていた食器がミントン社製だったことにはっとしました。

何故なら、同じ時代に建てられた三菱一号館の床材(タイル)もまたミントン社製だったからです。

それにしても、ゼロからスタートさせ海外の国賓をもてなすための建物やテーブルウエアを全て揃えて行ったのですから、その仕事量はどれだけのものだったのか想像だにできません。



全く知らなかったことを読み進める楽しさを味わえるのがこの『天皇のダイニングホール』の一番の魅力だと思います。

明治記念館の歩みを見ると分かりますが、赤坂仮皇居会食所がそのまま今ある明治記念館となっているわけではありません。

二度も移築されているのにも驚かれるはずです。

そして何よりも興味深いのは建物よりもその「内部」で起こっていた様々なことに尽きます。それを明らかにしているのです。サブタイトルにも納得納得です。→天皇のダイニングホール―知られざる明治天皇の宮廷外交―


天皇のダイニングホール―知られざる明治天皇の宮廷外交―
山鯛介 (著), メアリー・レッドファーン (著), 今泉宜子 (著)

現在、明治神宮外苑の結婚式場として知られる明治記念館の本館は、明治天皇と昭憲皇太后が外国からの賓客をもてなすため、宮中晩餐会で使用した赤坂仮皇居 御会食所の遺構である。

その知られざる歴史をひもときながら、当時の宮廷外交の実態について、「建築」「テーブルアート」「人物」という3つのテーマから読みといていく。


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『週刊ニッポンの国宝100』迫力満点の第2号!
小学館『週刊ニッポンの国宝 100
http://www.shogakukan.co.jp/pr/kokuhou100/

記念すべき第1号(阿修羅像&風神雷神図屏風)は早々にAmazonでも売切れとなり、店舗からも姿を消していきました。

続く第2号は運慶「東大寺金剛力士立像」と長谷川等伯「松林図屏風」。どちらも国宝中の国宝。スーパースター的な存在です。


『週刊ニッポンの国宝100』 2 金剛力士像/松林図

創刊号が注目を浴びると、その後に続く号はどうしても見劣りしてしまうものですが、『ニッポンの国宝』に関してはその心配は全く無用でした。

それどころか、創刊号よりも「迫力」を増した紙面となっているのです。


指先や顔をここまで近くで観る機会はありません。

紙面だからこそ可能な贅沢です。写真も所謂絵葉書的なオフィシャルなものではなく、この本や一冊数万円する『日本美術全集7 運慶・快慶と中世寺院 (日本美術全集(全20巻))』のために新たに撮影したものです。

『ニッポンの国宝』には毎回必ず、原寸大で紹介するページがあります。そこのページに掲載されたこの謎の物体。いったい何だか分かりますか?



東大寺南大門の金剛力士立像(阿形)の人差し指の原寸大写真です。

ここまで近寄って観られないので、一瞬何が写っているのかテキストを読むまで全く想像できませんでした。まさかこれが指とは…。ページ一頁分ですよ!

確かに8mもある巨大仏です。指一本でもこれだけの大きさあって当然と言えば当然なのですが、あらためて示されると、そこにあるものが何なのか見失ってしまうものです。

同じことはこちらでも言えます。


長谷川等伯「松林図屏風」の原寸大です。

赤瀬川原平氏と山下裕二先生が「乱暴力」と表現しそうなほど、荒々しい筆致です。これがあの静かな雰囲気を醸し出す「松林図屏風」だとは、にわかに信じられません。

運慶「東大寺金剛力士立像」に長谷川等伯「松林図屏風」。小学生でも知っているメジャーな国宝ですが、見せ方、切り口によってはまだまだ新鮮な発見の連続であることを『週刊ニッポンの国宝100』 は教えてくれます。

知っているから観なくて(買わなくて)いいや〜ではなく、逆によく知っているからこそ購入すべきシリーズが『週刊ニッポンの国宝』であると第2号ではっきりと分かりました。

次号、第3号もこれまた誰しもが知る2点の登場です。『週刊ニッポンの国宝100 3 燕子花図屏風/金印(2017年10/10号)



そうそう、SNSでも話題になっていますが、第2号の付録は「運慶名作ポストカードブック」です。

運慶と慶派の作品15枚がセットになった超贅沢仕様。ミュージアムショップで購入したら一枚150円×15枚ですから…。因みに15枚のポストカード全てオリジナルデザインです!



迫力満点で、しかも超お得な『週刊ニッポンの国宝100』 。まだAmazonでも扱っているようです。売り切れる前に是非!


『週刊ニッポンの国宝100』 2 金剛力士像/松林図

第2号購入者に嬉しいお知らせがもうひとつ。

2017年11月7日(火)に東京国立博物館を貸し切りで行われる「運慶展特別内覧会」の応募について記載されています。


http://www.shogakukan.co.jp/pr/unkeievent/


平安時代末期から鎌倉時代初頭にかけて奈良、京都に拠点を置いた工房を率いて、写実的で力強い数々の仏像を生み出した仏師・運慶。本展覧会は、各地にある運慶の傑作が一堂に集結する過去最大規模の展覧会です。

この展覧会の協力企業である小学館は、9月5日のウイークリーブック「ニッポンの国宝100」創刊を記念して、小学館8誌連合による読者限定の特別内覧会を実施します。

閉館後の夜間貸し切りで、日本で最も著名な天才仏師の作品をゆったり鑑賞できる特別イベントです。


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『吉岡徳仁 ガラスの茶室―光庵』
求龍堂より刊行となった『吉岡徳仁 ガラスの茶室―光庵』を読んでみました。


吉岡徳仁 ガラスの茶室―光庵
吉岡徳仁+Tokujin Book Project (監修)

このブログでも何度も紹介してきた、吉岡徳仁さんが手掛けた「ガラスの茶室ー光庵」

ヴェネチア・ヴィエンナーレ国際美術展Glasstress 2011にて日本文化を象徴する茶室建築プロジェクトとして発表され大きな注目を集めました。

吉岡徳仁「Glasstress2011」



その後、2015年春、京都・フィレンツェの姉妹都市提携50周年を記念し、京都の重要文化財に指定されている天台宗青蓮院門跡境内、将軍塚青龍殿の大舞台にて初めて完成披露となり現在に至ります。

「吉岡徳仁 ガラスの茶室 - 光庵」が青龍殿大舞台に舞い降ります。



標高220メートルの大舞台に建設され、京都市街を一望することができる京都 将軍塚青龍殿と「光庵」の透明なガラスで構築された茶室という小宇宙的な空間から、自然の要素を感知し、自然と一体化可能な茶室。

京都の将軍塚青龍殿にて開催されている「 ガラスの茶室 - 光庵 」の会期もいよいよ2017年9月10日(日)までとなりました。


吉岡徳仁 ガラスの茶室―光庵』は、四季折々の「光庵」の姿を捉えた写真集です。

吉岡徳仁さんの公式サイトに掲載されているオフィシャルな写真とは一味も二味も違った表情を見せる写真が、270ページにわたり掲載されています。

自然と一体化することで時間を知覚化し、日本文化の根源を問う作品として作られ、この地に設置された「光庵」の真の姿をこの写真集からうかがい知ることが出来ます。

Instagramに投稿された写真はそのどれもが、プロ顔負けの写真ばかりです。普段からインスタに写真を多く載せている方たちだけのことはあります。



中にはこんな斬新なショットもあり、オフィシャルな写真が伝えきれない「光庵」の魅力を存分に伝えています。

「光庵」が建つ、京都将軍塚は市内を一望できる展望の良い場所であると共に、京都の人に昔から愛されてきた紅葉の名所でもあります。

四季折々の美しい写真を観ていると、日常の雑念も忘れ去り、どこか違う世界へ羽ばたけるような気持にさせられます。

それと何と言っても『吉岡徳仁 ガラスの茶室―光庵』のサイズが絶妙なのです。


まるで抹茶茶碗を手にしているような感覚です。

Instagramに投稿された美しい写真が集積し、かつての戦国大名を虜にした大名物茶碗と成ったような一冊なのです。

志村ふくみ[染織家・随筆家]、黒沢綾子[ジャーナリスト]のテキストも必読です。

色即是空 空即是色(しきそくぜくう くうそくぜしき)の世界。
この庵は色でもあり空でもある。

志村ふくみ(染織家・随筆家)

吉岡徳仁 ガラスの茶室―光庵』手に取ったら、手放せなくなりますので書店での取り扱いには十分ご注意下さい!


吉岡徳仁 ガラスの茶室―光庵
吉岡徳仁+Tokujin Book Project (監修)

出版を記念して京都でトークショーが行われます。

吉岡徳仁「光庵 - ガラスの茶室」書籍出版記念トークイベント
日程|2017年9月9日(土)
時間|15:00〜16:30:吉岡徳仁によるトークイベント
  |16:30〜17:30:書籍サイン会
場所|京都岡崎 蔦屋書店 3階
住所|〒606-8342 京都府京都市左京区岡崎最勝寺町13
参加費|無料
URL|http://real.tsite.jp/kyoto-okazaki/event-news/2017/08/post-149.html


下記の日時にて、吉岡徳仁さんが将軍塚青龍殿にいらっしゃるそうです!

日時|2017年9月9日 (土)11:00〜12:00
  |2017年9月10日(日)11:00〜12:00
場所|京都将軍塚青龍殿「ガラスの茶室 - 光庵」展示会場

上記時間内に、お着物をお召しになってご来場いただいた方を対象に茶室内を体験していただくお時間を考えております。(雨天の場合は外部からの鑑賞となります)

吉岡徳仁「ガラスの茶室 - 光庵」
拝観時間|9:00〜17:00(受付終了 16:30)
場所|京都 青蓮院飛び地境内 将軍塚青龍殿
住所|京都府京都市山科区厨子奥花鳥町28
アクセス|京都駅より、タクシー20 分 東西線蹴上駅より、タクシー5分


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『アンドリュー・ワイエス作品集』
東京美術より刊行となった『アンドリュー・ワイエス作品集』を読んでみました。


アンドリュー・ワイエス作品集
高橋 秀治 (著)

どれだけ多くの人がこの本が出ることを長年待ち望んでいたでしょうか。日本ではワイエスの画集は出ないだろうと自分も半ば(否8割程度かな)諦めていました。

アメリカの20世紀美術といえば、アンディ・ウォーホルやジャクソン・ポロック、ジャスパー・ジョーンズ、フランク・ステラなど抽象表現主義を発端とした様々な主義・主張のもとに描かれた「イカす」作品が主流です。

壁に彼らの作品のポスターでもいいから貼っておけば「かっこいい」「アートの分かる人」の出来上がりです。ちょいと哲学的な解説でも付けてやれば「評論家」を気取れます。


Andrew Wyeth検索結果画面

そんな時流の中で、ひとり頑なに写実的な絵画をアメリカで描き続けた画家が、アンドリュー・ワイエス(Andrew Wyeth 1917年〜2009年)です。

国内で最初に開催された「アンドリュー・ワイエス展」(1974年、東京国立近代美術館)は年齢的に観られませんでしたが、1995年に愛知県立美術館やBunkamuraザ・ミュージアムで開催されたワイエス展で、初めてワイエス作品にまとめて接しいたく感動したのを今でもはっきりと覚えています。

皆さんの初めてのワイエス体験はいつのことでしょう。

因みに、埼玉県にある丸沼芸術の森ではワイエス作品を多く所蔵しています。「アンドリュー・ワイエス 生誕100年記念展」(2017年9月16日〜11月19日)が予定されています。



さて、今回刊行された『アンドリュー・ワイエス作品集』は普段なかなか観たくても観られないワイエス作品の魅力に触れられる絶好の一冊です。

ワイエスが好きで好きで好きでたまらない人にとってはまさに待望の書。約200ページの大ボリュームでオールカラーで作品を掲載しているのは当然として、一枚一枚に丁寧な解説が付けられています。

これが滅茶苦茶素晴らしく、単なる作品解説の粋を超えています。ワイエスの語った言葉を引用したり、描かれたモチーフが暗示するものを示したりと客観的で的確なテキストです。でありながら、所々に著者のワイエス愛が滲み出ているのが実に素晴らしい!

また「ワイエスって誰?」という人にとっても最良の入門書となるはずです。多分もうこの先これ以上のワイエス本は出ません(出せません)ので、ある意味でバイブルのような一冊なのです。



アンドリュー・ワイエス作品集』【目次】

prologue:ワイエスという画家
part1:ペンシルヴェニアー深く大地に根ざして
part2:メインー厳しい自然とつましく生きる人びと
part3:内的世界の広がりーワイエス家三代の伝統
epilogue:晩年


ウォーホルがNYで夜な夜な夜な華やかなパーティ―を開いていた頃、故郷ペンシルヴェニアと夏の家があったメイン州を行き来しながら土地の人々や自然豊かな田舎の風景をテンペラで描き続けたワイエス。

ひたむきに、頑なに70年に渡りそれらの土地やそこに生きる人びとを描いた作品は、リアリズム絵画や写実画とい枠に収まり切れない、大きな物語性をはらんでいます。

パッと観て、こんな自然の中で過ごすこと憧れるわ〜、めっちゃリアルじゃん!からワイエス作品に魅力を感じたら最後、その先に果てしない物語が待っているのです。

ワイエス作品がとりわけ日本で人気が高い理由は、そんなところにあるのではないでしょうか。『アンドリュー・ワイエス作品集』はその物語を読み進める指南役として絶対なくてはならぬ一冊です。

夏の終わりにこんな素敵な本に出逢え幸せです。


アンドリュー・ワイエス作品集
高橋 秀治 (著)

20世紀アメリカを代表するリアリズムの巨匠ワイエスの本格画集。

《著者》
高橋 秀治
愛知県美術館副館長を経て、現在岐阜県陶芸美術館館長。愛知県美術館時代、ワイエス展を手がけ、生前のワイエス本人とも親交があった。ワイエス亡きあとのワイエス家にも、日本におけるワイエス研究の第一人者として厚い信頼を寄せられている。


アンドリュー・ワイエス作品集』にはこんな異色の作品(「想像の世界」)も掲載されています。

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画家・山口晃の“どーでもいいけど楽しげなこと”満載
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OLYMPUS ダハプリズム防水単眼鏡 ギャラリースコープ Monocular I 6×16
OLYMPUS ダハプリズム防水単眼鏡 ギャラリースコープ Monocular I 6×16 (JUGEMレビュー »)

観劇・美術鑑賞・セミナーなどの知的シーンや、コンサート会場・ファッションショーなどで大活躍!
軽いのでいつも持ち歩いています。
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モチーフで読む美術史 (ちくま文庫)
モチーフで読む美術史 (ちくま文庫) (JUGEMレビュー »)
宮下規久朗
宮下規久朗先生の最新刊!絵画に描かれた代表的な「モチーフ」を手掛かりに美術を読み解く、画期的な名画鑑賞の入門書。カラー図版150点を収録した文庫オリジナル。
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日本美術図解事典―絵画・書・彫刻・陶磁・漆工
日本美術図解事典―絵画・書・彫刻・陶磁・漆工 (JUGEMレビュー »)

「これ一冊で日本美術を鑑賞する際の知識が全て揃う」
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アイテムで読み解く西洋名画
アイテムで読み解く西洋名画 (JUGEMレビュー »)
佐藤 晃子
西洋絵画を鑑賞する際に必要となる宗教画,神話画の50のアトリビュートを紹介。ありそうで無かった絵画ファン待望の一冊。
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美術鑑賞手帳
美術鑑賞手帳 (JUGEMレビュー »)

美術鑑賞の楽しみをさらに広げるこれまでになかった手帳です。ミニガイドと書き込み式の鑑賞の記録ページが一緒に。

自分もお手伝いさせて頂きました。レビュー→こちら
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画家の食卓
画家の食卓 (JUGEMレビュー »)
林 綾野
画家たちが楽しんだ26のレシピを再現。クレー、フェルメール、セガンティーニ、メムリンクの暮らしと創作現場を巡る旅。
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美術品はなぜ盗まれるのか: ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い
美術品はなぜ盗まれるのか: ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い (JUGEMレビュー »)
サンディ ネアン
とかく扇情的に扱われる美術品盗難。だが実際は、麻薬や犯罪に絡む危険な裏社会と結びつく場合が多い。事件に巻き込まれた学芸員の立場からその実態を訴え、問題点を考察する一書。 レビュー→こちら
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江戸の献立 (とんぼの本)
江戸の献立 (とんぼの本) (JUGEMレビュー »)
福田 浩,松井 今朝子,松下 幸子
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日本美術全集2 法隆寺と奈良の寺院 (日本美術全集(全20巻))
日本美術全集2 法隆寺と奈良の寺院 (日本美術全集(全20巻)) (JUGEMレビュー »)
長岡 龍作
法隆寺金堂内陣は、普段は大変暗い上に太い円柱に加え、金網が廻らされており、その詳細はなかなか見ることができません。今までに撮影された写真も鮮明さということでは満足のゆくものではありませんでした。今回は最新の撮影技術により、南面(正面)のみならず、北面(背面)からも撮影。その結果、全く見たことがない写真を目の当たりにすることになりました。仏像の質感と量感、豊かな色彩に感嘆し、感動をおぼえる一冊となっています。
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山口晃 大画面作品集
山口晃 大画面作品集 (JUGEMレビュー »)
山口 晃
8年ぶり、待望の最新作品集。11月26日発売!予約しないと!!

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運慶: リアルを超えた天才仏師 (とんぼの本)
運慶: リアルを超えた天才仏師 (とんぼの本) (JUGEMレビュー »)
山本 勉,ヤノベ ケンジ,橋本 麻里,みうら じゅん
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知識ゼロからのキリスト教絵画入門
知識ゼロからのキリスト教絵画入門 (JUGEMレビュー »)
池上 英洋
池上英洋先生が易しく紐解く『聖書』の世界。レビュー→こちら
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芸術家の家: 作品の生まれる場所
芸術家の家: 作品の生まれる場所 (JUGEMレビュー »)
ジェラール=ジョルジュ ルメール,ジャン=クロード アミエル
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フェルメールへの招待
フェルメールへの招待 (JUGEMレビュー »)

不肖・私がフェルメール30作品の解説執筆と全体の編集に携わった一冊です。オールカラーB5版。96ページから成る、これまでにないフェルメールパーフェクトガイドです。主に「フェルメール初心者」に向け丁寧に噛み砕いた表現で綴られているので、美術の専門用語を知らずともフェルメール作品について一通りの知識を得ることが出来ます。

お手に取って頂ければ幸甚です。よろしくお願い致します。
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偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件
偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件 (JUGEMレビュー »)
レニー ソールズベリー,アリー スジョ
来歴さえあれば、たとえ贋作でも「ほんもの」になる。詐欺師は驚くべき方法で美術史を捏造した。美術界を震憾させた事件を追うドキュメンタリー。レビュー→こちら
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フェルメールの食卓 暮らしとレシピ (講談社ARTピース)
フェルメールの食卓 暮らしとレシピ (講談社ARTピース) (JUGEMレビュー »)
林 綾野
林綾野さんの待望のフェルメール本!レビュー&インタビュー→こちら
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ヴァチカン物語 (とんぼの本)
ヴァチカン物語 (とんぼの本) (JUGEMレビュー »)
塩野 七生,藤崎 衛,石鍋 真澄
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野兎の眼
野兎の眼 (JUGEMレビュー »)
松本 典子
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Vixen 多機能単眼鏡 マルチモノキュラー4X12 1105
Vixen 多機能単眼鏡 マルチモノキュラー4X12 1105 (JUGEMレビュー »)

掌に収まる単眼鏡は、必要なときにサッとポケットなどから取り出して使える便利な、美術館・博物館必須アイテム。
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日本美術のことば案内
日本美術のことば案内 (JUGEMレビュー »)
日高 薫
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日本美術鑑賞の際に、よく出てくる言葉を満載。絵画、彫刻、工芸品などの具体的な写真をふんだんに使い紹介
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