弐代目・青い日記帳 

  
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『サライ8月号』「くらべる日本美術」
小学館から刊行となった『サライ 2017年 08月号』を読んでみました。


サライ 2017年 08月号

先月号の特集「奇想建築」がとっても充実していてツボでしたが、今月号はさらにピンポイントで琴線に触れる特集を組んで来ましたサライさん。

美術鑑賞の勘所を手引する「くらべる日本美術」の大特集です。

表紙を見て「えっ?!」と思われた方も多いのではないでしょうか。北斎の描いた相撲取りがヨーロッパへ渡るとドガの踊り子に大変身!

そんな馬鹿な〜と思うかもしれませんが、本当のことです。2107年10月21日より国立西洋美術館で開催となる「北斎とジャポニズム展」ではこの二つの作品が堂々と展示されるのです。


「北斎とジャポニズム展」
http://hokusai-japonisme.jp/

ゴッホやモネそれにガレの作品に大きな影響を与えたジャポニズムは、こうした意外な面でも見て取れるのです。

サライ 2017年 08月号』「くらべる日本美術」特集の凄い点は、ジャポニズムをあくまでもフックとし、次から次へとまさかの展開をみせることです。

雪舟とモンドリアン、写楽とエゴン・シーレ、樂茶碗とマルセル・デュシャン、等伯とターナーetc…目次を見ただけでワクワクしてくるでしょ!

【目次】
・ピート・モンドリアン『木々のある風景』
雪舟等楊『秋冬山水図・冬景』
・エゴン・シーレ『自己観察者2(死と男)』
東洲斎写楽『三代目大谷鬼次の奴江戸兵衛』
・第1部解説 くらべることの意義
「くらべることは、美術を愉しみ本質を知るための根本的な作業です」 解説 山下裕二さん(美術史家・59歳)
長次郎『黒楽茶碗 銘 俊寛』
マルセル・デュシャン『泉』
・ティントレット『受胎告知』
『阿弥陀聖衆来迎図』(早来迎)
・葛飾北斎『北斎漫画』十三編
エミール・ガレ『鯉文花器』
・長谷川等伯『松林図屏風』(右隻)
ジョセフ・マロード・ウィリアム・ターナー『日の出、入り江にたつ城(孤愁)』
・第2部解説 似ていることの意味
「モチーフは継承され、変奏される。連続性こそ日本美術の核心です」 解説 山下裕二さん(美術史家)
・くらべる富士山 それは雪舟による、富士と三保の松原を描いた情景から始まった
・くらべる美人 日本人の美意識はいかに変遷してきたか
・くらべる虎 見たことがないのに、なぜ描けたのか
・くらべる仏心 伊藤若冲の「枡目描き」と紺紙金字経
・くらべる大樹 狩野永徳と長谷川等伯
・くらべるモノクローム 伊藤若冲と長沢芦雪
・くらべる鳳凰 伊藤若冲と手塚治虫
・くらべる精霊 岡本太郎と縄文人
・くらべる生命 伊藤若冲と田中一村
・くらべる意匠化 俵屋宗達と田中一光
・くらべる猫 熊谷守一と長谷川「りん」二郎
・くらべるドット 伊藤若冲と草間彌生


伊藤若冲と手塚治虫の鳳凰比べに、岡本太郎と縄文人。この見開きページだけでも満足度120パーセント!しかも使われている画像がどれも美しいものばかりです。

美術の特集を折角していても画像がダメダメだと読む気なくしてしまいますからね。

また、山下裕二先生が雑誌の特集に全面協力しているのもとても珍しいことです。だからこそこんな面白い特集を組めたのでしょうね。


「くらべる美人 日本人の美意識はいかに変遷してきたか」

個人的にはこのページがとても新鮮でした。美意識が変わってきたことは誰しもが頭に入っていても、見開きページで一目でそれが視覚的に分かるようにしたのはこれが初めてではないでしょうか。

女性像って横向き(横顔)が多いので左右のバランスを鑑みながページレイアウト考えたのでしょうか。とても見やすく一目で頭に入ってきます。

第二特集「青春18きっぷ活用術」もなかなかの優れモノです。そうそう巻末には、東京都美術館で開催中の「ボストン美術館の至宝展」の紹介も掲載されています。

先月号に引き続き買って損なしの一冊です。(買いそびれると大泣きします。)


サライ 2017年 08月号

【大特集】
相似に感動、相違に納得。並べてみれば、見方がわかる
くらべる「日本美術」



日本美術応援団: 今度は日本美術全集だ! (小学館セレクトムック)

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| 読書 | 22:12 | comments(0) | trackbacks(0) |
梶井基次郎『檸檬』
不朽の名作である梶井基次郎の『檸檬』が人気イラストレーター・げみ とコラボレーションし注目を集めています。


乙女の本棚4 檸檬』 (立東舎)

株式会社リットーミュージック(立東舎レーベル)より7月19日に発売になる『乙女の本棚4 檸檬』です。

梶井基次郎の『檸檬』が、書籍の装画やCDジャケットなどで活躍している人気イラストレーター・げみによって、鮮やかに現代リミックス。

全イラスト書き下ろしで贈る、珠玉のコラボレーション・シリーズです。自分の本棚に飾っておきたい。大切なあの人にプレゼントしたい。そんな気持ちになる「乙女の本棚」シリーズの1冊です。


乙女の本棚4 檸檬』 (立東舎)

梶井基次郎は31歳の若さでこの世を去ってしまったこともあり、残された作品は決して多くはありませんが、そのいずれもが「珠玉の」という修飾語がまさにピッタリのものばかりです。

梶井 基次郎(かじい もとじろう) 明治34年(1901年)大阪府生まれ。同人誌「青空」で活動するが、少年時代からの肺結核が悪化。初めての創作集『檸檬』刊行の翌年、31歳の若さで郷里大阪にて逝去した。

個人的に梶井基次郎といえばやはりなんと言っても『櫻の樹の下には』そして次点で『闇の絵巻』かな〜

『檸檬』のように代表作然としているとちょっと距離を置きたくなるものですが、こうして新たなコラボによりこれまでになかった世界観が開けると手に取ってみたくなるものです。


乙女の本棚4 檸檬』 (立東舎)

近代小説の名作と現代のイラストレーターがコラボした「乙女の本棚シリーズ」は『檸檬』が4冊目だそうです。既刊のものもとても興味のある作品ばかりなので、今年のお盆休みにでもまとめて読んでみたいと思います。


乙女の本棚1 女生徒 (立東舎)
著者:太宰治、今井キラ

太宰治の『女生徒』が、ファッションブランドAngelic Prettyなど、乙女心をくすぐる作品で知られるイラストレーター・今井キラによって、鮮やかに現代リミックス。全イラスト書き下ろしで贈る、珠玉のコラボレーション・シリーズです。


乙女の本棚2 猫町 (立東舎)
萩原朔太郎、しきみ

萩原朔太郎の『猫町』が、『刀剣乱舞』のキャラクターデザインなどで知られ、pixivフォロワー21万人超えを誇るイラストレーター・しきみによって、鮮やかに現代リミックス。


乙女の本棚3 葉桜と魔笛 (立東舎)
太宰治、紗久楽さわ

太宰治の『葉桜と魔笛』が、畠中恵原作の人気シリーズ『まんまこと』のコミカライズなどで知られ、色彩豊かな和服イラストで人気のマンガ家・紗久楽さわによって、鮮やかに現代リミックス。

以前紹介した、絵師が描いた世界の名画の本。

日本の萌えと世界の名画がコラボ!「絵師で彩る世界の名画」に大注目!


新しい試みには必ず難癖つけられるものですが、何もせずにいるだけでは進歩しないどころか逆に「退化」の一途を辿るだけです。

小説ではブックカバーを毎年変えるなどしてきましたが、一歩進んだタイプの本が生まれたことになります。



今話題のオンラインゲーム、文豪転生シミュレーション「文豪とアルケミスト(文アル)」の影響で文学作品が多く読まれているそうです。

きっかけはゲームでも絵でも何でも構わないのです。よく「敷居を低くして…」と語っているにも関わらずこうしたことに消極的な動きをみせる方がいるのも面白いものですね。


文豪とアルケミスト コミックアンソロジー』 (DNAメディアコミックス)

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| 読書 | 23:30 | comments(0) | trackbacks(0) |
『塩谷亮画集』
求龍堂より刊行となった『塩谷亮画集』を読んでみました。


塩谷亮画集

1975年生まれ、現在42歳の写実画家・塩谷亮(しおたにりょう)待望の初画集です。

念のため言っておきますが、写真ではなく絵画です。以下全て。


」油彩・板


草音」油彩・キャンバス


晩春近江」油彩・キャンバス 

塩谷氏の凄いところは、人物画でも風景画でも非常に高いレベルでの仕事を一見難なさそうにやってのけることです。

写真で撮るよりも美しく繊細な絵画を描き出す技術は、一朝一夕に身に付けられるものではないことだけは素人の自分にも分かります。

しかし、塩谷氏レベルの写実絵画を描くには単なる努力の積み重ねだけではどうにもなりません。「天才」なんて言葉を使うととてもチープに感じてしまいますが、それ以外に塩谷氏の作品を表現する言葉が見当たりません。

<目次>
WORKS PROLOGUE
塩谷亮〜写実絵画のゆくえ/篠原弘
WORKS 1994-2017
写実絵画の歴史/安田茂美
略年譜
作品目録



去来」油彩・板 

その精密描写ゆえに年に10数枚描くのがやっとというのも納得です。画家としてのキャリアはそれなりにあるものの一枚を描くのに時間を要するため、これまでまとまった画集を出せずにいました。

塩谷氏の全てが詰まっていると言っても過言ではない、総数100点からなる和英バイリンガルの画集です。

写実絵画専門の美術館として有名なホキ美術館で多くの写実画家に混じって展示されていても、塩谷氏の作品はすぐにそれと分かります。

若い頃フィレンツェに滞在し、ダ・ヴィンチやボッティチェリなど古典絵画の模写を通じ古典のリアリズムを学んだだけあり、構図に一ミリの破綻も感じさせません。

それどころか、まさに手を伸ばせばそこに「花」や「人物」に触れられそうになる、見る側と作品との間に奇妙な空気の一体感が生じるのです。


一の滝」油彩・キャンバス 

目の前にある対象を忠実に再現するだけでは、写真に軍配が上がります。絵画には必ず写真とは違う「絵画的な嘘」が存在するものです。

塩谷氏の作品にも「絵画的な嘘」はあるのですが、それがどこなのか何なのか全く見つけることが出来ません。かくれんぼ遊びをしていて声は聞こえどもどこに隠れているのかついぞ分からず日が暮れてしまう。そんな感覚にさせる作品ばかりです。

一枚の作品にとても長い時間と労力をかける塩谷作品ですが、鑑賞する我々も一般的に画集で絵を眺めるのとは違う気持ちでページをめくらねばなりません。そう心して。172ページ目を通すのにひと月は最低でも有するはずです。



塩谷亮画集』次刊は10年後、20年後まで待たねばなりません。それゆえ、作家が納得がいくまで一枚一枚自ら印刷立ち会いし、作品図版の色と調子をチェックしたそうです。

作品同様、画集一冊出すのにも滅茶苦茶時間と労力がかけれれていること容易に想像できます。個展を開けば即完売の塩谷作品。本物は手にすることは出来ずともこの初画集で十分作品の魅力を味わえます。

収録作品の素晴らしさをなるべく損なわないように、画集自体の版型も250×250ミリとかなり大型となっています。一度手にしたら絶対に欲しくなる一冊です。


塩谷亮画集

若手写実画家として第一線で活躍する塩谷亮。
艶やかな肌、滑らかな髪、憂いを帯びた瞳、柔らかな生地、瑞々しい花びら、静謐な景色……。
塩谷が描くのは、忠実な再現ではなく、描写対象が醸し出す空気感。確かな筆力と透明感のある色彩で描かれた世界は繊細で美しい。
細密描写ゆえに年間十数枚と寡作の画家が、長い時間を経てやっとまとめることができた、待望の初作品集。
和英バイリンガル。


【朗報】
塩谷氏の作品も出品される展覧会が上野の東京都美術館で開催されます。

上野アーティストプロジェクト「現代の写実―映像を超えて」

会期:2017年11月17日(金)〜2018年1月6日(土)

塩谷亮
1975 東京都生まれ
1998 武蔵野美術大学造形学部油絵学科卒業
2008 文化庁新進芸術家海外研修員(~2009 イタリア フィレンツェ)
現在 武蔵野美術大学非常勤講師 長岡造形大学非常勤講師、2012~ 二紀会会員、個展多数開催
2017年6月2日からBunkamuraギャラリーで個展「瞬く間にひそむ抒情を求めて」を開催。
オフィシャルサイト:http://www.ryoshiotani.com/


写実絵画とは何か? ホキ美術館名作55選で読み解く

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| 読書 | 21:29 | comments(0) | trackbacks(0) |
『とんでも春画』
新潮社(とんぼの本)より刊行となった『とんでも春画: 妖怪・幽霊・けものたち』を読んでみました。


とんでも春画: 妖怪・幽霊・けものたち
鈴木 堅弘 (著)

2015年に永青文庫、2106年に細見美術館で開催された日本初の「春画展」は当初の予想を大きく上回り、大変人気を博し多くの来場者であふれかえりました。

「春画展」のレビューでも触れた通り、春画が単なる男女のまぐわいを描いただけのエロ浮世絵ではなかったことが一番の発見であり、多くの方を魅了した点でもありました。

様々な機知に富んだ表現は江戸時代の猥雑なエロ本という春画のイメージを大きく変えるものでした。『とんでも春画』にはそんな江戸の人々のちょっとエスプリがぎっしり詰まった研究書です。


歌川国芳「開談百気夜行」1829年頃

「牛の時参り 男根人形をうつ」と題されたこちらの春画。女性らしき人物が藁人形に五寸釘を打ち込む姿を描いた作品に見えますが、よく見ると藁人形は男根、女性の顔は女性器の形をしています。

自分を捨てたにくい「男」を使い物にならぬよう呪いを込めているのでしょう。鬼気迫るものが感じられると共にどこかくすっとした笑いも伴います。また『源氏物語』に登場する六条御息所の姿をこの春画を観ていると思い浮かべてしまいます。

所謂、丑の刻参り、丑の時参り(うしのこくまいり、うしのときまいり)は江戸時代に完成した民間信仰のような呪術。男女のもつれは今も昔も変わりありませんが、さしずめ現代ならわが身を捨てた男への恨みはどのようにしてはらすののでしょう。


喜多川歌麿「歌満くら」1788年

二匹の河童に水中へ連れ去られ手籠めにされている女性の姿が描かれています。それでは地上の女性は助けずにただ見ているだけなのでしょうか?

著者の鈴木堅弘氏は、もしかしたら自分の願望を投影しているのかもしれないとの説もこの本では紹介しています。確かに水中の女性と顔が似ているようにも見えます。

またなぜ二匹の河童なのかということについても触れていたりと、タイトルこそ『とんでも春画』と、とんでもないネーミングですが、内容は実にしっかりとしている一冊なのです。

いつも思うのですが、「歌満くら」ってウォーターハウスの作品とどこか通底するものがありますよね。あっ!それも願望か…


ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス「ヒュラスとニンフたち」1896年
マンチェスター市立美術館所蔵

とんでも春画: 妖怪・幽霊・けものたち』をパラパラと斜め読みするだけで、春画のイメージががらりと変わります。

とても読み応えがあり、当時の関連する文献や民俗学的な視点など一枚の「とんでも春画」から、江戸時代の多様な考え価値観が伺えるとても真面目な一冊です。

とんでも春画目次

尋常ならざる春画はなぜ生まれたのか?
答える人=石上阿希[国際日本文化研究センター特任助教]
〈とんでも春画〉の全貌
解説=鈴木堅弘 [京都精華大学非常勤講師]
【1】妖怪
【2】幽霊・死者
【3】神仏
【4】鬼・地獄
【5】動物
【おまけ】奇想天外
〈とんでも春画〉を読み解く 文=鈴木堅弘
1 妖怪春画と江戸文化
2 春画に描かれた〈異形の性神〉――庶民信仰における性器イメージ
3 謎解き、北斎の「蛸と海女」


1〜5までのジャンル分けが上手く功を奏しているように思えます。ただ並べ紹介するだけでは「面白い」で終わってしまいますからね。

江戸時代の人々が興味関心のあったものと絡めて春画にしているのが一番のポイントだと思います。

そして、現代に至るまで多くの人に影響を与えた北斎の「蛸と海女」については、9ページも割いて論考しています。


葛飾北斎「喜能会之故真通」より「蛸と海女」1814年

2013年に大英博物館で「春画展」が開催された際に、海外の方々が最もインパクトのある作品としてこれをあげたそうです。新聞各種メディアでもこの絵が大きく取り上げられました。

この絵の誕生の秘密から、後世また西洋に与えた影響まで丁寧且つ分かりやすく説明されています。会田誠さんも読んだかな〜これ。

それにしても、鎖国を解き明治となって西洋化という名の近代化を推し進めた結果、新たな倫理観にそぐわないつまらないもの、ゲスなものとして排除された春画が、21世紀になりヨーロッパで開催された「春画展」が契機となり、復権を遂げたことは、内心忸怩たる思いもあります。

しかし、それだけが春画復権の要因だったわけではないはずです。時代が求めていたからこそそれが成し遂げられ、そして成功を収めたのです。


絵師不明「陽物涅槃図」

「牛の時参り 男根人形をうつ」で呪い殺された男性のものでしょうか。まわりには悲しみにくれる多くの「女性」たちに混じり、精力剤とされてきたタケノコや卵も描かれています。

「憂き世」を笑い飛ばすべく「浮き世」と置き換え成立した浮世絵です。春画は決して特別なものではなく、逆に当たり前のものだったのでしょう。現代だってそんなに変わっていませんこうした本がベストセラーになるのですから。

とんでも春画』を紹介するにあたり、もっともっと画像も載せたかったのですが、自主規制しました。ほんとバカバカしいものや、まさかこの発想はなかった的なものまで実に多彩な春画がぎっしり紹介されています。

とても評判が良いとのことで手に取ってみましたが、大当たりの一冊でした。


とんでも春画: 妖怪・幽霊・けものたち
鈴木 堅弘 (著)

こわい、あやしい、ばかばかしい! 奇想天外のエロスが勢ぞろい。国貞や国芳による性器頭の妖怪春画から、思わずゾッとする女幽霊との交合図、そして北斎の傑作「蛸と海女」まで。江戸の想像力の極致と呼ぶべき、〈人ならざるもの〉との交わりを描いた計130余点を、気鋭研究者が読み解く。本邦初公開作品も多数収録。あなたの知らない驚きの春画を、胸やけするほど御覧に入れます。

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『広重TOKYO 名所江戸百景』
講談社より刊行となった『広重TOKYO 名所江戸百景』を読んでみました。


広重TOKYO 名所江戸百景
小池満紀子、池田芙美 著

歌川広重(1797年〜1858年)最晩年の代表作「名所江戸百景」を一冊でまとめて紹介する本の決定版が出ました。

百景とうたっていながら、あまりの人気のため結局最終的には120図で大揃えとなる「名所江戸百景」を見開き1ページに1作品掲載しています。



掲載されているのは、彫り・摺りともに国内外トップクラスのクオリティを誇る原安三郎コレクションの浮世絵です。

原安三郎コレクションの「名所江戸百景」がどれだけ美しいかは、昨年(2016年)にサントリー美術館で開催された「原安三郎コレクション 広重ビビッド」展が多くのアートファンが絶賛したことからも明らかです。

広重TOKYO 名所江戸百景』に掲載されてる浮世絵も、すべてが貴重な初摺で、保存状態も極めて優れた名品です。退色しやすい紫色や藍色もきれいに残っているので、「浮世絵ってこんなに鮮やかだったの?」と驚かれるかもしれません。


左:「広重ビビッド」展図録
右:『広重TOKYO 名所江戸百景』

「広重ビビッド」展の図録を持っているから『広重TOKYO 名所江戸百景』は要らないかな〜と思ったあなた!それは大きな間違いです。自分も最初はそう思ったので反省の念を込めて…

図録では「名所江戸百景」以外の多くの作品が収録されているため、最小限度の解説に留められていますが、『広重TOKYO 名所江戸百景』では「名所江戸百景」に的を絞り一作品ごとに丁寧で詳細な解説が施されている点が大きな違いです。





ご覧のように全作品に現在の写真と現在の地図が掲載されているので、この作品が現在の東京のどこに当たるのかが一目瞭然です。

江戸から東京へ変わり、まるで別の国のように景色は変わってしまいましたが、作品と写真を比較することで、東京にも「広重が見た景色」がまだ残っていることに気付かされます。



因みに掲載しいてる写真の場所すべてに、著者二人が半年以上かけて作品が描かれた場所の現地取材を行って書いた解説なので江戸名所ガイドとしても使える一冊です。

また地図の中には、江戸時代の屋敷や街道を重ねて表示しているものもあるので、古地図を持ち歩かなくても、江戸時代の景色を想像しながら街歩きを楽しむことが出来るすぐれものです。

広重TOKYO 名所江戸百景【目次】

日本橋・霞が関界隈
両国・浅草・上野界隈
佃島・深川・向島界隈
品川・大森・目黒・新宿界隈
江戸川・隅田川上流・王子界隈


このように「名所江戸百景」に描かれた作品のエリアを5つに分類し地域ごとにわけて掲載しているのも痒いところに手が届く親切編集。



それだけでなく、5つのエリアが色分けされているので小口もご覧の通り!

作品の中に描かれているものも詳しく解説しているのはもちろんですが、江戸城や火の見櫓、遠景の山の名前など、小さく描かれていて見逃してしまいそうなものも紹介しています。

また寺社や石碑など、近くに残る旧跡も紹介していますので、作品を隅々まで鑑賞し、理解しつつ、江戸名所めぐりの旅へ誘う一冊です。



訪日外国人旅行者数が過去最高を記録し、2020年の東京オリンピックに向けより多くの方が東京を訪れるはずです。浮世絵について聞かれた時に我々が何も知らなくては、おもてなしどころではありません。

広重TOKYO 名所江戸百景』は単なる浮世絵本ではなく、「江戸〜東京」の変遷を紹介し過去と現在そして未来をつなぐ役割を果たす一冊です。

美しい浮世絵を片手に、広重の視点で東京を眺めることで、新たな発見があるはずです。画集としてもガイド本としても楽しめること間違いなしです!


広重TOKYO 名所江戸百景
小池満紀子、池田芙美 著
協力/中外産業株式会社(原安三郎コレクション)

最高の初摺で楽しむ江戸の名所

歌川広重の最晩年の代表作<名所江戸百景>を、描かれた地域別にまとめた一冊。
掲載するのは、彫り・摺りともに国内外トップクラスの「原安三郎コレクション」。全てが初摺で、保存状態も極めて優れているので、広重が表現しようとした形や色を鑑賞することができる。
描かれた場所の現地取材を行い、作品全てに現在の写真と地図を掲載しているので、江戸名所めぐりにも役立つ。


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美術館のなかのひとたち(1) (バンブーコミックス) (JUGEMレビュー »)
黒田 いずま
美術館で働く学芸員の近江さん。個性豊かなメンツが解説、展示、監視などの仕事を通して、日々様々な工夫をしながら楽しく来館者をお出迎えする日常をユーモラスかつ鋭いツッコミで描いた作品。
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PENTAX Papilio 6.5×21 双眼鏡
PENTAX Papilio 6.5×21 双眼鏡 (JUGEMレビュー »)

普段は単眼鏡で済ませていますが、どうしても隅々まで観たい作品の場合はこの双眼鏡を使ってます。
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西洋美術史入門・実践編 (ちくまプリマー新書)
西洋美術史入門・実践編 (ちくまプリマー新書) (JUGEMレビュー »)
池上 英洋
美術史の実践方法が最後にまとめられています!世界が変わる、名画の見方。前作「西洋美術史入門」からさらに一歩奥へ。池上英洋 著

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ウォーターハウス夢幻絵画館 (ToBi selection)
ウォーターハウス夢幻絵画館 (ToBi selection) (JUGEMレビュー »)
川端 康雄,加藤 明子
夏目漱石をイチコロにしたウォーターハウスの文学性と蠱惑的な魅力を余すところなく紹介!

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池永康晟画集 君想ふ百夜の幸福
池永康晟画集 君想ふ百夜の幸福 (JUGEMレビュー »)
池永康晟
日本画の異才“池永康晟”がベールを脱ぐ!

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すゞしろ日記 弐
すゞしろ日記 弐 (JUGEMレビュー »)
山口 晃
画家・山口晃のエッセー漫画第2弾。

面白きことも無き世を、面白く!

画家・山口晃の“どーでもいいけど楽しげなこと”満載
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OLYMPUS ダハプリズム防水単眼鏡 ギャラリースコープ Monocular I 6×16
OLYMPUS ダハプリズム防水単眼鏡 ギャラリースコープ Monocular I 6×16 (JUGEMレビュー »)

観劇・美術鑑賞・セミナーなどの知的シーンや、コンサート会場・ファッションショーなどで大活躍!
軽いのでいつも持ち歩いています。
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モチーフで読む美術史 (ちくま文庫)
モチーフで読む美術史 (ちくま文庫) (JUGEMレビュー »)
宮下規久朗
宮下規久朗先生の最新刊!絵画に描かれた代表的な「モチーフ」を手掛かりに美術を読み解く、画期的な名画鑑賞の入門書。カラー図版150点を収録した文庫オリジナル。
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日本美術図解事典―絵画・書・彫刻・陶磁・漆工
日本美術図解事典―絵画・書・彫刻・陶磁・漆工 (JUGEMレビュー »)

「これ一冊で日本美術を鑑賞する際の知識が全て揃う」
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アイテムで読み解く西洋名画
アイテムで読み解く西洋名画 (JUGEMレビュー »)
佐藤 晃子
西洋絵画を鑑賞する際に必要となる宗教画,神話画の50のアトリビュートを紹介。ありそうで無かった絵画ファン待望の一冊。
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美術鑑賞手帳
美術鑑賞手帳 (JUGEMレビュー »)

美術鑑賞の楽しみをさらに広げるこれまでになかった手帳です。ミニガイドと書き込み式の鑑賞の記録ページが一緒に。

自分もお手伝いさせて頂きました。レビュー→こちら
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画家の食卓
画家の食卓 (JUGEMレビュー »)
林 綾野
画家たちが楽しんだ26のレシピを再現。クレー、フェルメール、セガンティーニ、メムリンクの暮らしと創作現場を巡る旅。
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美術品はなぜ盗まれるのか: ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い
美術品はなぜ盗まれるのか: ターナーを取り戻した学芸員の静かな闘い (JUGEMレビュー »)
サンディ ネアン
とかく扇情的に扱われる美術品盗難。だが実際は、麻薬や犯罪に絡む危険な裏社会と結びつく場合が多い。事件に巻き込まれた学芸員の立場からその実態を訴え、問題点を考察する一書。 レビュー→こちら
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江戸の献立 (とんぼの本)
江戸の献立 (とんぼの本) (JUGEMレビュー »)
福田 浩,松井 今朝子,松下 幸子
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日本美術全集2 法隆寺と奈良の寺院 (日本美術全集(全20巻))
日本美術全集2 法隆寺と奈良の寺院 (日本美術全集(全20巻)) (JUGEMレビュー »)
長岡 龍作
法隆寺金堂内陣は、普段は大変暗い上に太い円柱に加え、金網が廻らされており、その詳細はなかなか見ることができません。今までに撮影された写真も鮮明さということでは満足のゆくものではありませんでした。今回は最新の撮影技術により、南面(正面)のみならず、北面(背面)からも撮影。その結果、全く見たことがない写真を目の当たりにすることになりました。仏像の質感と量感、豊かな色彩に感嘆し、感動をおぼえる一冊となっています。
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山口晃 大画面作品集
山口晃 大画面作品集 (JUGEMレビュー »)
山口 晃
8年ぶり、待望の最新作品集。11月26日発売!予約しないと!!

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運慶: リアルを超えた天才仏師 (とんぼの本)
運慶: リアルを超えた天才仏師 (とんぼの本) (JUGEMレビュー »)
山本 勉,ヤノベ ケンジ,橋本 麻里,みうら じゅん
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知識ゼロからのキリスト教絵画入門
知識ゼロからのキリスト教絵画入門 (JUGEMレビュー »)
池上 英洋
池上英洋先生が易しく紐解く『聖書』の世界。レビュー→こちら
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芸術家の家: 作品の生まれる場所
芸術家の家: 作品の生まれる場所 (JUGEMレビュー »)
ジェラール=ジョルジュ ルメール,ジャン=クロード アミエル
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フェルメールへの招待
フェルメールへの招待 (JUGEMレビュー »)

不肖・私がフェルメール30作品の解説執筆と全体の編集に携わった一冊です。オールカラーB5版。96ページから成る、これまでにないフェルメールパーフェクトガイドです。主に「フェルメール初心者」に向け丁寧に噛み砕いた表現で綴られているので、美術の専門用語を知らずともフェルメール作品について一通りの知識を得ることが出来ます。

お手に取って頂ければ幸甚です。よろしくお願い致します。
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偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件
偽りの来歴 ─ 20世紀最大の絵画詐欺事件 (JUGEMレビュー »)
レニー ソールズベリー,アリー スジョ
来歴さえあれば、たとえ贋作でも「ほんもの」になる。詐欺師は驚くべき方法で美術史を捏造した。美術界を震憾させた事件を追うドキュメンタリー。レビュー→こちら
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フェルメールの食卓 暮らしとレシピ (講談社ARTピース)
フェルメールの食卓 暮らしとレシピ (講談社ARTピース) (JUGEMレビュー »)
林 綾野
林綾野さんの待望のフェルメール本!レビュー&インタビュー→こちら
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ヴァチカン物語 (とんぼの本)
ヴァチカン物語 (とんぼの本) (JUGEMレビュー »)
塩野 七生,藤崎 衛,石鍋 真澄
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野兎の眼
野兎の眼 (JUGEMレビュー »)
松本 典子
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Vixen 多機能単眼鏡 マルチモノキュラー4X12 1105
Vixen 多機能単眼鏡 マルチモノキュラー4X12 1105 (JUGEMレビュー »)

掌に収まる単眼鏡は、必要なときにサッとポケットなどから取り出して使える便利な、美術館・博物館必須アイテム。
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日本美術のことば案内
日本美術のことば案内 (JUGEMレビュー »)
日高 薫
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日本美術鑑賞の際に、よく出てくる言葉を満載。絵画、彫刻、工芸品などの具体的な写真をふんだんに使い紹介
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