弐代目・青い日記帳 

  
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「国宝 風神雷神図屏風展」

出光美術館で開催中の
「国宝 風神雷神図屏風 ―宗達・光琳・抱一 琳派芸術の継承と創造―」展に
行って来ました。



この展覧会の為にお色直しを着々と進めてきた出光美術館。
エレベーターホールから受付、ミュージアムショップまで刷新。
サイトまでリニューアルして以前より格段に見やすくなりました。

何でも俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一の「風神雷神図屏風」が一堂に会するのは
今までに三回しかないそうです。(明治36年、昭和4年、昭和15年)

昭和15年最後に現在の京都国立博物館で顔を合わせてから
なんと66年もの年月が経過しています!

以前からこのブログでもちらほらと告知してきましたが
その実に66年もの歳月を経て三者揃い踏みとなる展覧会が
「重陽の節供」の今日、九月九日から出光美術館で始まりました。

展覧会の開催日を狙って行くことは滅多にないのですが
これだけは絶対に今日行くんだ!とカレンダーに○してありました。

嬉しいことに毎日夜7時まで開館しています。
今日も仕事終えてから行く事できました。
しかも会期中は無休です。流石66年ぶり。

出光美術館開館四十周年の成せる技。

但し、期間が極めて短いので要注意です。
今日から10月1日までしか観られません!

宗達、光琳、抱一。共に個性の強い絵師たちです。
それ以上一緒の空間に置いておくと喧嘩でも……

さてさて気になる展示会場はこんな感じでした。


いつも壺とか展示してある一番大きな展示室が二分割され、
入って右手に宗達の風神雷神(1)
中央に作品の解説があって次に光琳の風神雷神(2)
で、お隣に抱一の風神雷神(3)が肩を並べるように展示されていました。

今日はお客さんの数、それほどでもなかったのですが、
きっと混雑すると宗達の風神雷神は大変観辛いと思います。
引いて屏風全体を眺めるように観ること結構大変かと。

スペース的には光琳や抱一の作品前の方がゆったりしています。

欲を言うなら「宗達」「光琳」と横並びで展示して欲しかったです。
というのも、先月の読売新聞にこんな驚きの記事が載っていたからです。

風神雷神図屏風、宗達作を光琳が敷き写し…先達に学ぶ 
 江戸時代の俵屋宗達(生没年不詳)、尾形光琳(1658〜1716)、酒井抱一(ほういつ)(1761〜1828)という琳派を代表する3絵師が描き継いだことで知られる作品「風神雷神図屏風(びょうぶ)」をめぐり、先人・宗達の作品を、光琳が薄い紙で絵柄をトレースする「敷き写し」の技法で学び、自身の作品を描いた可能性が高いことが分かった。
 3作品は絵柄が類似し、17世紀前半の宗達の絵を18世紀初めに光琳が、その光琳の絵を19世紀前半に抱一が学んだとされる。
 3作品を一堂に展示する東京・出光美術館「国宝 風神雷神図屏風」展(9月9日〜10月1日)のため、同館の内藤正人・主任学芸員と図録デザイン事務所が画像処理ソフトを使い、実寸と同比率で3作品を重ね合わせたところ、宗達と光琳の風神・雷神は体や衣を描く線などがぴったり重なった。光琳は宗達の絵を忠実に写し取ったとしか考えられないという。
 光琳は、宗達作品よりも屏風を大きめに仕立て、余白を広げた上で、黒目の入れ方や一部の配色を変えている。このため両作品の印象は微妙に異なり、「敷き写し」とは分かりにくかった。内藤さんは「光琳が宗達作品を学びつつ、どう変えようとしたか、逆に創作意図がよく分かる」と話している。


解説パネルで説明されてありましたが、
本当に見事に二人の作品は重なり合います。
宗達がこの屏風絵を描いてから7,80年後に光琳は、
「敷き写し」の技法=トレースしたのです。

三者の作品を並べて見比べてみると。。。


小さくてよくこれでは分からないかもしれませんが、
一番下の抱一の雷神などかなり宗達のものと比べると崩れているのが分かります。
真似の真似ですから仕方ありません。

狩野派の絵は主に先達の作品を模写し形式を踏襲していったため
結局は「つまらないもの」になってしまった歴史がたった三人の絵師による
「風神雷神図屏風」から伺い知ることできます。

期間中に展覧会へ行けない方、朗報です。
この展覧会の図録が大変優れものです。
風神、雷神それぞれの絵柄をプリントした透明シートが挟んであって
宗達と光琳、光琳と抱一の作品を比較できるよう工夫されています。
展覧会会場内にあった説明パネルもそのまま図録に収められています。
顔、手、足、目、髪、角、腹、雲、天衣、連鼓等などパーツごとに
三者の作品の違いをつぶさに比較研究されてあります。

で、おいくらだと思います?

これで何と!驚きの1500円(安〜〜い)

それに何と今なら今回別室で展示されている三者の他の作品を収録した図録
「琳派芸術の敬称と創造」まで付いて来ちゃいます!(別冊です)

ミュージアムショップで販売されていました。
電話して問い合わせてみて下さい。
「購入方法につきましては下記までお問い合わせください。」とサイトにあります。
03-3213-9402(出光美術館)

今回「風神雷神図」だけの展示だけと思いきやあにはからんや、
尾形光琳の初公開となる「唐子布袋・松・梅図」「立葵図」も展示されています。

個人的にお勧めはこれ。

尾形光琳「大黒天図」
かわいいですよね〜
大黒さんニコっと笑ってます。

最後に「風神雷神図屏風」を観て一番気になったこと。
それはこれ。

臍です。ヘソ。
ここポイントです。また真面目に光琳も抱一もこの変なへそ真似して描いています。
それがなんかおかしくて、ほのぼのしちゃいます。しかも微妙に違うし。

他は…爪が長い。アンクレットをはめている。短足。
顔は同じようであっても雷神さん色白なのでいい人そうに見える。くらいかな。

66年ぶりの邂逅を思う存分楽しめる展覧会です。

でも、混雑必至なのでお出かけの際は充分ご注意を。
もう一度↑の会場案内図見て下さい。

赤いラインを引いてある箇所ありますが、そこにディズニーランドなどで
アトラクションを待つ長蛇の列を仕切る為の赤い布テープありますよね。
あれが既に設置されていました。並ばせる準備は万端です。

その為に皇居を眺めることができるスペースに椅子一列しか置いてありません。

そして、更に出光美術館の怖い点は、美術館内で並びきれなくなると。。。
エレベーターの外にも並ぶことになります。ムンク展の時そうでした。
空いていそうな時間を狙って早めに行かれるのが宜しいかと。

1000ピース 風神 雷神 61-281
1000ピース 風神 雷神 61-281

展覧会の構成です。
・風神・雷神の降臨
・草木図にみえる、琳派モティーフの継承と創造
・掛軸の作品にみる、琳派の先人顕彰と古画学習

すぐわかる琳派の美術
「すぐわかる琳派の美術」 仲町 啓子

追記
この展覧会の図録ですが美術館まで行かなくても購入できます。

図録代金1500円と送料600円。
合計2100円を郵便振替でお近くの郵便局から以下の口座まで振り込んで下さい。

00170-7-566759
(財)出光美術館出版物係

通信欄に「風神雷神図屏風展図録」と記入して下さい。

一週間ほどでお手元に届くとのことです。

お問い合わせ: 03-3213-9402(財)出光美術館




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