青い日記帳 

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ホルベインの広告

油絵具、水彩絵具、アクリル絵具、パステル、色鉛筆など、色材の総合メーカー
ホルベイン工業(株)が『芸術新潮』に定期的に出してる広告は、毎回エスプリがきいていて見る者を楽しませてくれます。

隔月で『芸術新潮』の表表紙裏に掲載されているので何度か目に留まり
「おおっ!」とその完成度の高さに思わず声をあげた方も多いのでは?

例えば『芸術新潮』1月号(2004年1月1日発行)に掲出されたこちらの広告。

ルーブル美術館の特集号でしたが、本屋で立ち読みして
まず最初にこの広告が目に飛び込んできて、そのままレジへ直行しました。

↓この作品を題材にしていることがひと目で分ったからです。

ヨハネス・フェルメール「窓辺で手紙を読む女」1658年頃

1600年代にフェルメールによって描かれた「手紙を読む女」が、時を経て
2004年にホルベインさんによって「メールを読む女」になり生まれ変わりました。
フェルメールの作品が持つ品の良さや静けさを一切損なうことなく、
現代版に創り上げたホルベインさん。壁の光のコントラストなど泣かせます。

一昨年拙サイトにこの広告写真の掲載許可のお願いをホルベイン(株)さんにしたところ、以下のような大変丁寧且つ有り難いお返事を頂戴できました。

「メール拝受いたしました。どうもありがとうございます。
さて、画像引用は、Tak様のようなご使用方法であれば、差し支えございません。この広告シリーズは、敢えてビジュアルについては一言の説明も入れてないこともあり、見て分かる人は分かるでしょうし、出典を知らない人には純粋に写真の美しさを楽しんでもらえれば良いし、厳密にもとの作品をなぞっているわけでもなく、極端な場合、特定の絵画作品を原典としていない時もあります。要するに解釈の仕方は見た人に委ねているのです。今後も、皆様の役に立つ良いサイトを制作していただきたいと思います。よろしくお願いいたします。」


2000年から現在までの広告の画像は全て以下のサイトで拝見できます。
ホルベインの広報広告活動
『芸術新潮』以外の雑誌広告や『美術手帖』に連載している「ホルベイン 画家たちの美術史」も全て拝見することができます。なんて気前がいいのでしょう!

先程のご紹介したホルベインさんからのお返事に書かれてありましたが、この広告は「見て分かる人は分かるでしょうし、出典を知らない人には純粋に写真の美しさを楽しんでもらえれば良いし、厳密にもとの作品をなぞっているわけでもなく、極端な場合、特定の絵画作品を原典としていない時もあります。」この点にまた一層の楽しみが付加されていると思います。

十七世紀の最も優れた情報伝達ツール「手紙」を現代の「ケータイ」に置き換えてしまうセンスの良さ。この広告を考えていらっしゃる方に脱帽です。

西洋絵画だけでなく日本人の作品をモチーフにした広告もあります。


これなら有名ですし、今「旬」ですからすぐに分りますよね。

黒田清輝の「湖畔

ただ、比べてみると確かにそっくりそのままというわけではありません。
女性の艶っぽさは同じでも、前者からはより旅情性が強く感じられます。
「湖畔」は箱根の芦ノ湖を描いた作品ですが、ホルベインさんは何処かな〜

ホルベインの広報広告活動
ここのサイトこうして拝見しているだけでも何時間も何度も楽しめます。
有り難や。有り難や。

それでは、「今日の一枚」ならぬ「今月の一枚



↓この裏面です。
芸術新潮 2007年 05月号 [雑誌]
芸術新潮 2007年 05月号 [雑誌]

今月号の広告については何も説明要りませんね。
上手いこと両腕消えているように見えます。


解説の代わりに、清岡卓行「手の変幻」より。
 パロス産の大理石でできている彼女は、十九世紀の初めごろ、メロス島でそこの農民により、思いがけなく発掘され、フランス人に買い取られて、パリのルーブル美術館に運ばれたと言われている。そのとき彼女は、その両腕を、故郷であるギリシアの海か陸のどこか、いわば生臭い秘密の場所にうまく忘れてきたのであった。いや、もっと的確に言うならば、彼女はその両腕を、自分の美しさのために、無意識的に隠してきたのであった。よりよく国境を渡ってゆくために、そしてまた、よりよく時代を超えてゆくために。このことは、僕に、特殊から普遍への巧まざる跳躍であるようにも思われるし、また、部分的な具象の放棄による、ある全体性への偶然の肉薄であるようにも思われる。

絵具の事典
絵具の事典

今後もホルベインさんの広告要チェックです!!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1006
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この記事に対するコメント

フェルメールの絵は素敵ですね。この写真はフェルメールに似ていると思いましたが、ケイタイとはわかりませんでした。りんごか梨でもむいているのかと思ってしまい、残念ながら見ても分かりませんでした(笑)。
パレット | 2007/05/08 11:57 PM
東京芸大周辺はためく幟が騒がしい、「油一」もホルベイン。

芸大お墨付き、油絵用絵の具
http://www.niigata-nippo.co.jp/pref/index.asp?cateNo=1&newsNo=232454
産学共同開発 藝大ブランド油絵具「油一/YUICHI」発表
http://www.geidai.ac.jp/guide/120th_anniv/yuga_01.html
katute | 2007/05/09 3:37 PM
思わず笑っちゃいますね。

でも、ミロのビーナスは腕の処理はどうしたんでしょうね(〃⌒ー⌒〃)ゞ
わん太夫 | 2007/05/09 10:38 PM
@パレットさん
こんばんは。

果物を手にしているようにも見えなくないです。
ホルベインさんが仰っているように
見る方の想像力でいかほどにも楽しむことできますね。

@katuteさん
こんばんは。

藝大ブランド油絵具もホルベインなのですね。
なるほど〜
絵具といえばホルベインなのでしょうか。

@わん太夫さん
こんばんは。

ミロのビーナスの腕は黒くて長い手袋しています。
お見事!!
Tak管理人 | 2007/05/10 11:38 PM
ホルべインの広告がパロディになっているとは!

全然気がつきませんでした。

家にあるバックナンバーを調べてみると・・・なるほど!

ご教示有難うございました。

それにしても、このミロのビーナスはいいですね。美しい!

HONKY | 2007/05/10 11:45 PM
@HONKYさん
こんばんは。

こういうセンスある広告中々
お目にかかれませんよね。
「分る人にはわかる」なんて所も
ニクイものです。
Tak管理人 | 2007/05/11 8:17 PM
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