青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< November 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「動植綵絵」だけじゃない「若冲展」 | main | 「清原啓一展」 >>

丸紅コレクション「絵画と衣裳 美の名品展」

京都文化博物館で開催中の
丸紅コレクション「絵画と衣裳 美の名品」展〜ボッティチェリ「美しきシモネッタ」・淀君の辻が花小袖〜に行って来ました。



相国寺で「若冲展」を観た後向かったのがここ。
地下鉄「烏丸御池駅」から徒歩三分の場所にある旧日本銀行京都支店の歴史的建造物(重要文化財)をそのまま残し利用している博物館。明治39年(1906)に竣工したそうです。

外観 内部

ただしこの歴史的建造物は「別館」で作品が展示されている博物館本館は隣接する7階建ての近代的な建物の中にありました。

今回訪れた目的はずばり「ボッティチェリ」
丸紅コレクションのボッティチェリ「美しきシモネッタ」です。
一般公開を滅多にしてくれないので今まで一度もお目にかかることありませんでした。それが今回「若冲展」のついでに観られてしまうのですからラッキーです。
(因みに展示は5月27日までです)

「若冲展」に折角京都へ行ったなら「絵画と衣裳 美の名品展」それに「福田平八郎展」は必ず観ようと心に決めていました。今回、ご一緒したはろるどさんmizdesignさんも異存無し。

でも「『じゃくちゅう』をたっぷり観て胃がもたれているのでこの展覧会はボッティチェリだけでも観るだけでも…」なんて皆で話しつつ会場入り。正直丸紅コレクションとやらをなめてました。軽く思っていました。謝ります。「さらりと流すだけ」なんてとんでもない。見応え充分すぎるほどありました。

特に2フロアあるうちの半分を使って展示されていた「呉服の意匠研究のために収集した近世の小袖や能装束、工芸図案など」はスルーしようとしてもついつい展示品の前で足を止めてしまいました。

鳥取に柳樹文様辻が花染小袖裂
桃山時代のものだそうです。
なんという意匠なのでしょう。
左上部からS字を描き流水の如く流麗に描かれています。
全くの平面的な図柄ですが、背面のひし形の文様によって
それが立体的に所々浮き上がって見えてきます。
赤と青の変な3Dメガネをかけずとも描かれたものが飛び出してきます。

しかしこれは序の口。
他にも様々な意匠が。(菊池契月の「」最高!)
またデザイン画だけでなく本物の着物も多く展示されていました。
着物好きな方、見逃せません。詳しくはこちら

個人的には「木賊に作土文様小袖」が最も気になりました。
江戸時代、友禅染の刺繍で一見地味な意匠ですが「木賊と兎」のモチーフを
想起させる興味深い図案でした。(木賊って鏡を磨くのに使ったそうです)

そして驚いたのが「若冲群鶏図屏風」という作品があったことです。
上野清江によって作られたこの屏風、縮緬地、友禅染で若冲の世界を表現しています。因みに上野はあの神坂雪佳と同時代の人だそうです。

琳派模様―古谷紅麟・神坂雪佳・中村芳中 他
琳派模様―古谷紅麟・神坂雪佳・中村芳中 他
古谷 紅麟,神坂 雪佳,中村 芳中

さて、一つ階を下って第二展示室には「丸紅アート・ギャラリーが収集した日本と西洋の絵画」が展示してありました。普段公開していないそうですが、何処にしまってあるのでしょう?こんなにも。


小磯良平「横向裸婦
流石関西発祥の会社だけあり、関西出身の画家の良品を持っています。
関西へ来ると必ず小磯良平の「いいな〜」と思える作品に出会えます。
これが楽しみのひとつでもあります。

色合いのバランスが取れた秀作です。ルノワールの裸婦のように
もわもわした感じも全くありません。上半身に比べて腰から下が
かなりボリュームあるように描かれている為ぎこちないポーズにも
関わらず、どっしりとした安定感がある作品です。
背景の処理の仕方も良いです。


梅原龍三郎「桜島
嫌いな画家さんなので取り上げること滅多にありませんが
「青」を用いているということで一応ご紹介。
紫芋の焼酎飲みたい。。。

そうそう熊谷守一の「熱海」という作品。超脱力系の作品ですが惚れました。
熊谷にはめっぽう弱い自分です。

残り半分は西洋絵画。


ブラマンク「冬景色
ブラマンクもまた普段はそれほどいいな〜と思えない画家さんですが
この作品に関してはぐっと来るものありました。
何しろ作品自体も大きく迫力がまずあります。
消失点の奥へ続く雪道が、気を緩めると逆に
こちらに迫ってきさえしそうな動的な作品です。

さて、最後に「今日の一枚
お待たせしました。ボッティチェリ作「美しきシモネッタ」です。


1480−85年頃の作品だそうです。

気になったのは頭と胸そして腕に使われている「青色」。特に腕に巻かれた青いスカーフのような布にはどんな意味があるのでしょう。

画像で観ている時にはさほど気にならなかったのですが、実際に観てみると随分と薄っぺらな印象を作品全体から受けました。ボッティチェリの作品もっとボリューム感があるように思えるのですが(特に身体が貧弱)一番違和感があるのが背景の処理。窓枠整合性取れていないように見えます。

素人なので思い切って言っちゃいますと、ボッティチェリの絵ってもっと漫画のような印象受けます(特に顔)、でもこれフィリポ・リッピのような丹精な顔してます。どうもその点が馴染めませんでした。まぁこれからもっとルネサンス期の作品を実際に観てみないと何とも言えませんけどね。修行が足りません。

何はともあれ、念願の丸紅コレクションを拝見できほんと幸運でした。
これもひとえに若冲様様です。

図説ボッティチェリの都フィレンツェ
「図説ボッティチェリの都フィレンツェ」 佐藤 幸三

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1015
日本を代表する総合商社・丸紅株式会社は、美術、工芸、染織など、幅広い分野にわたる数多くの作品を所蔵し、それらは企業コレクションとしては希有の、優れた社会的価値を有する内容となっています。
丸紅コレクションには、大きく分けて二つの分野があります。
 一つは、時代衣裳など染織分野の所蔵品。同社の前身である丸紅商店の京都支店が、呉服の意匠研究の参考資料とするために、収集したものです。淀君の小袖裂をはじめとする近世の小袖や能装束、近代の卓抜な意匠の着物、著名画家や工芸家による図案など、染織史を辿る上で欠かせない貴重な作品群となっています。
 加えて、日本および西洋の優れた絵画も特筆すべき内容を誇っています。イタリアルネッサンス期の名作・ボッティチェリ「美しきシモネッタ」をはじめとする西洋画は、総合商社が展開する多彩な事業の一つとして開設した丸紅アート・ギャラリーが、かつて収集したもの。他には印象派の作品など近代西洋絵画の数々の優品が含まれています。また日本の絵画は、洋画を中心に著名作家の作品を数多く所蔵し、特に関西発祥の同社ならではの、大阪・京都ゆかりの作家の貴重な作品が見出されるのも同社コレクションの特色になっています。
本展覧会では、コレクションの精華約200点を選んで一堂に紹介し、通常は非公開のこれらの貴重な作品を鑑賞する機会としたいと考えています。
展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

Takさんへ

大好きな若冲の今世紀最大かも知れない展覧会に先行プレビューで見れて良かったですね。その熱き感動がブログからヒシヒシと伝わってまいりました。

>梅原龍三郎〜嫌いな画家さんなので取り上げること滅多にありませんが…。

>ブラマンクもまた普段はそれほどいいな〜と思えない画家さんですが

はっはっは。同感です。いやぁなかなか言いにくいことをハッキリと言われるので爽快でした(特に前者)
シルフ | 2007/05/18 1:23 AM
こんばんは。
貴重な情報ありがとうございます。
京都には2回、承天閣には3回行く予定ですので、是非立ち寄るたいと思います。
masa | 2007/05/18 10:54 PM
私も、ボッティチェルリを見たい一心で、この展覧会見てきました。
この展覧会は、急に企画が決まったそうで、準備不足で、訳のわからないところも多かったですが、私はひたすらボッティチェルリを見に行ったので、満足しました。
来週の月曜日、あさって、また若沖見てきます。
gakko | 2007/05/19 6:31 AM
@シルフさん
こんばんは。

若冲気合入れすぎました。
疲れが今頃になってどっと出てきています。

ルノワールに師事した時点でもうマイナス。
それをさらに悪化させたような作品は
鑑賞に堪えません。以下略。

近美でもいつもスルーです。

@masaさん
こんばんは。

ボッティチェリ期待度が高かったせいもあり
ちょっと肩透かしくらいましたが
展覧会はとてもよいできかと。是非!

@gakkoさん
こんばんは。

>この展覧会は、急に企画が決まったそうで
そうなのですか〜
それにしては充実していましたね。
あるところにはあるものです。
着物好きのgakkoさんにはたまらない展覧会でしたね。

若冲再観ですか!羨ましい〜
Tak管理人 | 2007/05/19 11:28 PM
こんばんは。お返事が遅れて失礼しました。
早々のTBをありがとうございます。

あれだけのコレクションが普段非公開というのは勿体ないですね。
ボッティチェリだけでも、損保ジャパンのゴッホのように公開すれば良いと思います…。(それとも何か後ろめたい部分でも…。)

いつかヴラマンク展というものがあればご一緒しましょう。
きっとTakさんもヴラマンク好きに!
はろるど | 2007/05/23 9:07 PM
@はろるどさん
こんばんは。

半強制的にお連れしてしまい申し訳ないです。
ボッティチェリがもう少しもう少し。。。
丸紅さん普段はいつも何処に置いてあるのでしょう。

ブラマンク展、昔渋谷で見た記憶あります。
またやってくれれば。。。
Tak管理人 | 2007/05/23 9:54 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/1015
この記事に対するトラックバック
京都文化博物館(京都市中京区三条高倉) 「丸紅コレクション 絵画と衣装 『美の名品展』 - ボッティチェリ『美しきシモネッタ』・淀君の辻が花小袖 - 」 4/13-5/27 副題を含めると非常に長々しいタイトルがついていますが、ようは普段は非公開だという丸紅のコレク