青い日記帳 

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「アートで候。」山口晃ギャラリートーク

6月1日(金)に上野の森美術館で開催中の「アートで候。」展イベント
山口晃ギャラリートークが開催されました。

5月25日に開催された「会田誠 山口晃 トークショー」の様子はこちら
6月8日(金)に開催された「会田誠トークショー」の様子はこちら
「アートで候。」展の感想はこちらです。


「会田誠 山口晃 トークショー」はお二人を囲んで会田さん8、山口さん2の割合の面白トークを聴かせていただきましたが、今回は無謀にもギャラリートーク。聴衆を引き連れ展覧会会場を練り歩きながら山口さん自身の作品について熱く、時折コミカルに語ってくださいました。

まずは会場入ってすぐの場所に展示してある学生時代の作品から。
石膏デッサン」1990年はご自身曰く「下手じゃないけどフツーに上手い」作品だとか。


洞穴の頼朝」1990年
これを芸大時代に描き自分では自身は会心の出来と思っていたら、当時芸大にいらした絹谷幸二先生が作品を観て「やれやれ、やっちまったな〜コイツ」って顔つきをされたそうです。

絹谷画伯曰く「大家も年をとってくると、こういう古典的な絵描くもんだよ」
(君は若いのだから何もこんな絵を描かずとも。。。)

ところが数年後その絹谷先生から「大師橋圖畫」1992年の絵を褒められて調子に乗ってしまったそうです。細密画の出発点はもしかしてこんな所に。。。

子どもの頃からコタツの上で広告の裏側に細かく細かく他愛も無い絵を描いているのが好きだった山口氏。ここにきて「らくがき調の絵もありでは?」と思ったそうです。

細かい絵を丹念に描いていると、元気の無い時は自分でも疲れてしまうのだとか。
それでも自分の絵が一番好きだと仰っていました。

今様遊楽圖」「今様遊楽図圖下絵」2000年 上下に展示してありますのでてっきり皆さん「今様遊楽図圖下絵」を「下絵」とお思いでしょうが違います。下図じゃありません。実はこれ「今様遊楽圖」を描いた後、トレーシングペーパーをあててなぞっただけです。下絵っぽく見えてその逆です。

↓左端の絵が「今様遊楽圖」です。

会場内の写真提供:上野の森美術館

↑の右側には「四天王立像」が「ラグランジュポイント」を取り囲むように結界を形成しています。あの小部屋の中へは一人ずつしか入れません。昨年中目黒のミズマアートギャラリーで拝見してきた時の記事はこちら(中の様子が知りたい方は是非)

山口さんからのアドバイス「ラグランジュポイントをご覧になられる時は、片目をつぶるとパノラマ画の奥行き増す」そうです。

蛇足:ギャラリートーク開始当初からマイクの調子が芳しくなく、スピーカーがボツボツと不快な音を立てていました。この部屋でトークされている時に新しいマイクが登場。一変して山口さんの美声?が館内に響き渡るようになりました。この状況を喩えて山口さん曰く「マジンガーZがピンチの時に新兵器が到着して形勢逆転した時のようですね!」

「だんだんネタが皆さんと共有できなくなってきているようです……」

山口晃が描く東京風景―本郷東大界隈
「山口晃が描く東京風景―本郷東大界隈」 山口 晃

二階へ場所を移動し「山愚痴屋澱エンナーレ」会場へ。

会場内の写真提供:上野の森美術館

次第にトークのリズムがつかめてきたのか、はたまたヤケクソか、二階へ移動後が更に多弁に。「『山愚痴屋澱エンナーレ』は自分の中の澱を出す為にたまに開催しています。っと言ってもこれが二度目ですが」

エントリーナンバー3「無題」会場入ってすぐにブルブル振動している作品ありましたよね?あれですあれ。何でも山口さんはゲルハルト・リヒターのソフトフォーカスの作品を意識して作ったそうです。「振動マックスにすると見えなくもありません」

また会場内で配布されているこの「解説書」


エントリーナンバー3「無題」についてこのような解説がなされています。

1969年生まれ。群馬県桐生市に育つ。ありふれたソフトフォーカスのペインティングに見えるのは、バイブレーターの震動により細動するタブローである。表層的な模倣を全く異なるシステムにより行い意味を真空化させる事で、我々の目差しは瑞々しくそれらを見つめ直す。その、固定化された動態は、全体視の如き無焦点化を促すかの様だ。

現代美術批評にありがちな何を言いたいのだかさっぱりわからない風に書いてみたそうです。敢えて。これもまた「作品」かと。

作品番号7「置換性」は消失点の無い日本の屏風絵に消失点を作ってみたり、逆にフランドル絵画から消失点を無くしてみたりした作品。

笑っちゃうのは作品番号10「カラースチールオンリー」モノクロで印刷すると今まで見えていなかった文字(それも英語で卑猥な文字)が突如浮かび上がってきます。自分の作品を雑誌で紹介するときにモノクロで載せるな!

最後に「渡海文殊

会場内の写真提供:上野の森美術館

文殊菩薩から発している白と黒の二本の糸は真向かいの「茶室」に届いています。
茶室の中見ればそれは明らか。

で、どうして糸を出したか?これは自分が考えた通りでした。
「結界のようなものを張りたかったから」「仕切りを作りたかったから」
会田さんの万札と書道教室は強敵ですからね〜

因みに山口さんこの映画三回も映画館でご覧になったほどお好きだそうです。
ムトゥ 踊るマハラジャ
「ムトゥ 踊るマハラジャ」 “スーパースター”ラジニカーント
山口晃ファン、マストアイテムは「ムトゥ 踊るマハラジャ」!
山口晃ライブ・ペインティング
2007年6月15日(金) 18:00〜19:00 参加申込み不要 
※但し当日入場券が必要です。
山口晃によるライヴ・ペインティングを開催いたします。
本展で山口晃が出展している、「山口屋澱エンナーレ 2007」から、(4)で展示している複製絵画を実演します。複数の筆で一時に数点を描く作品は、説明されるより観た方が早い!
山口の饒舌な語りと共にお楽しみいただく(?!) 、本展最終イベントです。

弐代目・青い日記帳
山口晃:関連エントリ
・「山口晃展」
・「モーニング」表紙担当・山口晃!
・二枚の「紫陽花双鶏図」
・根津神社 御遷座300年大祭
・『山口晃が描く東京風景 本郷東大界隈』刊行記念講演(顔写真あり)
・山口晃「ラグランジュポイント」
・「VOCA展2007」
・『受胎告知』だけでは勿体無い。

会田誠:関連エントリ
・ギャラリートーク「森山大道×会田誠」(顔写真あり)
・「GUNDAM 来るべき未来のために展」
・「発見 日本美術」辻惟雄+山下裕二対談
・「東山魁夷《道》への道展」
・笑いトーク・スペシャル「日本美術応援団、展覧会を笑う」
・「笑い展」

山口晃作品集
「山口晃作品集」 山口 晃

「アートで候。」展は今月19日(火)まで。
最終日に会場に行かれるときっといい事ありますよ!

おまけ:
7月28日〜8月26日まで長野県信濃美術館で開催される
「描かれた武士(ヒーロー)たち 武者絵の世界展」に
山口晃さんの作品が出展されます。

天明屋尚さんの作品も!!お近くの方、是非。

ついでに、もうひとつ。
8月17日〜9月17日まで練馬区立美術館で山口晃展が開催されます。
「山口晃 展 こんどは武者絵だ!」
山口晃(1969〜)は、現代美術の中に日本の古典絵画の手法をとりこみ、ユニークな作品をを手がけることで知られる若手作家です。今回では、作家が学生の頃から力を入れている「武者絵シリーズ」に焦点を当て、代表作をはじめ新作の絵画などを展示し、表現の魅力を探ります。


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1044
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この記事に対するコメント

こんばんは。トークショーの記事をありがとうございます。
お二人で手分けされ、全てお聞きなさったのですね!お見事です!!

練馬の個展は楽しみですね。
その美術館にも一度も行ったことがないもので、
もう何も想像もつきません。どんな展示になるのでしょう…。
はろるど | 2007/06/15 12:42 AM
もうすぐ終わっちゃいますねー
至福の1ヶ月でした!
8月もがんばって通いたい所ですが、練馬かぁ、、
でも実は長野も行こうかなー、と目論見中です。
それにしてもトークショー記事、お疲れさまでした!
お二人でコンプリートですね。
あ、でも今夜は、、?
さちえ | 2007/06/15 9:49 AM
@はろるどさん
こんばんは。

山口さんのトークショーは
かみさんと一緒に聞きました。
何せ山口さんの大ファンですので。
私が連れてこられたような感じです。

練馬は聞くところによると
武者絵中心でカッコイイ山口さんの絵で
構成されるそうです。楽しみ楽しみ。

@さちえさん
こんにちは。

昨夜はどうも。(←祝)

練馬思ったよりも駅から近かったですよ。
学生時代に行ったきりです、中村橋など。
近い近い。
長野もチラシを見ると結構いい作品
出るようですね〜うーーん、行きたい。
日帰りできるでしょうか?
ちょっと計画練ってみます。

今夜は仕方ないです。。。頑張って火曜日に。
Tak管理人 | 2007/06/15 10:13 AM
いつも完璧なレポートをどうもありがとうございますm(_ _)m
昨日のライブ・ペインティングにも来て頂いたのかしら、、、?
昨日描いた作品は、今後も展示致します。
いよいよあと3日です。
さてさて、最後には、、、、ひ、み、つ、、、、(*⌒▽⌒*)b
フリーダ | 2007/06/16 6:04 PM
早くも8月の練馬が楽しみになってきました。
表の山口氏も素晴らしいですが、
澱山口も いいですね。
長野・・・長野ね・・・新幹線がありますな。
るる | 2007/06/16 7:21 PM
終了間近の木曜日に見に行ってきましたが、すっかりお二人の作品の虜になってしまいました。

長野も練馬も、すっごく魅力的です。
行きたいなぁ〜。
朱奈 | 2007/06/16 10:08 PM
上野の「アートで候」の方はやっと観てきましたが、山口氏の絵も人となりも素敵だなあと改めて記事を拝見して思いました。

>結界を形成
なるほど、アレは結界だったのですね。

そして、マストアイテムの映画は実は私も大好きで、映画館でも観ました(映画館は盛り上がっていて皆拍手してました)し、ビデオも取って何度も観ています。
なんとなく感覚が合うとおもったら好きなもののポイントが似てるのかもしれません。(嬉しい)
しのぶん | 2007/06/17 2:06 AM
@フリーダさん
こんばんは。

マイクの調子が悪かったのが残念でしたが
それを逆手にとって笑いを提供してくれる
山口さんの懐の深さを知ることができ
まぁそれはそれで良かったかな〜と思っています。

金曜日には伺えませんでしたが、火曜日は多分
行けるかと思います。お話したいこともあるので。

@るるさん
こんばんは。

金曜日はどうもありがとうございました。
裏・山口愉快愉快。
「すずしろ日記」の世界以上。
練馬は必ず伺います。
長野はどうしようかな〜
天明屋さんもあるし・・・

@朱奈さん
こんばんは。

山口さんはともかく、会田さんはちょっと…と
思っていたのですが、本物を観て見方変りました。
ガラリと音を立てて。

夏の長野は「滝の絵」のようなシーンが…
ないない。
練馬は近いですよ!

@しのぶんさん
こんばんは。

山口さんは女性にとにかく大人気ですよね。
今回のギャラリートークも女性の数の方が
多かったと思います。毒ないですからね。

「結界」と書くと何だか聞こえはいいのですが
会田さんの作品をかなり意識してのことだと思います。
初日に行った時、絶対そうだと思っていました。

「ムトゥ 踊るマハラジャ」は三回も映画館で
ご覧になってしまったそうですよ〜
時折山口さん変なステップ踏むのですが
それももしかして映画の影響かな?
Tak管理人 | 2007/06/17 10:55 PM
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以前より気になっていた山口晃氏の「四天王立像」を見るために 上野の森美術館へ… 目に飛び込んだのは二人展の相方、会田誠さんの 「ジューサーミキサー」 ミキサーにかけられた少女達は自主性の無い ただ時代に流され、自らの意志とは関係の無い所で社会に翻弄
アートで候。 @上野の森 | 翠松庵no散歩道 | 2007/06/16 7:13 PM