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特別公開:岡本太郎「明日の神話」

東京都現代美術館で特別公開中の
岡本太郎「明日への神話」を観て来ました。



昨年(2006年)夏、汐留の日本テレビゼロスタ広場で公開された壁画「明日の神話」
いつでも観に行けると高を括っていたらいつの間にか展示終了。ポロリ

それでも、あまりがっかりもしませんでした。
何故ならどの岡本太郎の作品観てももピンと来るものなく、
今まで消化不良のまま取り立てて感激もせずにいたから。

なので、汐留へ観に行かなかった「明日の神話」が
東京都現代美術館の常設展示室3階で特別展示されていると
知ってからもその気持ちは変ることありませんでした。

因みにMOTでは4月27日から「明日の神話」公開していました。
行く気さえあればすぐに行けたわけです。猫2

で、それでは何故今回MOTへ行き観て来たのかと言いますと…
正直「ついで」でした。会田誠氏の作品が同じく常設展に
展示されているとのことでそれを観たいが為に出かけたついでに。

ところが、「マーフィーの法則」が如く何かのついでで
観に行った作品ほど豈はからんや良かったりするもの。
今回もまたその法則にしかと一致。観に行って大正解でした。
わーい


東京都現代美術館の三階にこの縦5.5m,横30m!もある巨大な作品は、展示室ごと別の空間に衣替えしてしまったように圧倒的な存在感を示し「支配」しています。

不思議なのは鑑賞者の誰しもが、静かにこの作品と向かい合っていたことです。
これだけの空間にこれだけの作品があれば、普段の絵画鑑賞よりもリラックスし
口も滑らかに感想の一つでも言いたくなるものですが。。。

かくいう私もしばし呆然。


そして描かれているのが「原爆が炸裂した瞬間」というのですから、もう言葉もありません。中央の不気味なガイコツが原爆のキノコ雲なのでしょう。四方八方に伸びた骸骨の手足は烈火の如く猛烈な勢いで左右両側に一気に閃光を走らせ同時にそこに存在した生きとし生けるものを悉く炎で包み込み、一瞬に消し去るまさにそんな「瞬間」が30mの幅をいっぱいに使って描き出されています。


逃げ惑う命あるものを弄ぶかのように猛火が襲いかかります。

立ち枯れた木々から炎がくすぶっているようにさえ見えますが、焼かれた人間たちです。


上空では、死神たちが不気味な顔でほくそ笑んでいます。


最も印象的だったのが向かって左側の描かれたこの場面。会場へ入るとまずこの位置から鑑賞することになります。初め、何の知識もなくこの壁画と対面しこの場面を観た時に、「マティスの『ダンス』のようだ」と思ってしまいました。

ここだけトリミングして観るとまるで別世界を描いた作品のように思えます。
かつてバーンズコレクション展で観たマティスの「生きる喜び」のようにさえ。

いやはや、岡本太郎おそるべしです。
今まで彼の作品からどうして感じ取れるものが無かったのかしばし巨大壁画の前で考えました。出した答えはこうです。美術館に展示するキャンバスの大きさでは小さ過ぎたのだと。彼の内包するエネルギーを出し切り表現するにはこれくらい(縦5.5m,横30m)のスペースが必要なのだと。スケールが違うとはまさにこの事。
いやはや、岡本太郎おそるべしです。

またこの展示室にはこの壁画の下絵も展示されています。

Aが「明日の神話」下絵(第0号)です。
Bはそれを赤外線写真で撮影したもの。

この下絵(第0号)は、「昨年秋に岡本太郎記念館のアトリエで白塗りの状態で発見された」ものだそうです。

そうそう、壁画の裏側ものぞくことができます。

人の何とちっぽけなこと……

岡本太郎の作品を心の底から、好きになった記念碑的な一枚?です。
まだご覧になられていらっしゃらない方、これは必見かと。
来年の4月13日まで公開していますが、善は急げです。

岡本太郎 「明日の神話」 再生への軌跡
岡本太郎 「明日の神話」 再生への軌跡

隣の展示室では「未来への飛翔」と題され
八谷和彦の「エアボート」や、ヤノベケンジ「アトムスーツ」なども展示されています。そして会田誠の「スペース・ウンコ」「スペース・ナイフ」も……

一階では7月1日まで「2007年度のMOTコレクション第1期」と題し2006年新収蔵作品を中心に展示がなされています。MOTさん奈良美智購入したのですね。。。それに会田誠「たまゆら」も。(会田誠「美しい旗」は高橋コレクションからの寄託となっていました)

とにかくこれだけ観られて(本当はまだあります「トーキョーワンダーウォール公募2007入選作品展」や「MOT × Bloomberg PUBLIC 'SPACE' PROJECT」等など)たったの500円は安い!!

あわせて読みたい

マルレーネ・デュマス展」は別料金。
再度観て来ましたが、一層「ジャリジャリ」した砂抜き出来てないアサリの味噌汁、もしくはボンゴレスパゲッティのような?展覧会です。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1048

2007年4月27日(金)15:30から、岡本太郎の巨大壁画《明日の神話》を常設展示室3階にて展示いたします。

この《明日の神話》は、岡本太郎がメキシコ人の実業家の依頼を受け、メキシコシティのホテルのために1968〜69年に制作されました。
しかし、依頼者の財政悪化などにより設置の機会を得られないまま永らく行方不明になってしまい、2003年9月に30数年の時を経てようやく発見されました。

この《明日の神話》とあわせ、昨年秋に岡本太郎記念館のアトリエで白塗りの状態で発見された、《明日の神話》の下絵(第0号)も展示いたします。

2006年夏に東京・汐留で公開され、多くの方に強い衝撃を与えたこの《明日の神話》を、再び皆様にご覧いただける大変貴重な機会です。
展覧会 | permalink | comments(5) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

こんばんは。
私は明日の神話は二度目でした。
う〜ん、どうもまだその魅力に気が付けないでいます…。

久々(何年ぶりでしょうか。)の新収蔵品もあって、
今回のコレクション展は上々でしたよね。
スゥも空間にぴったりの美しい作品でした。

こちらの記事にリンクさせていただきました。宜しくお願いします。
はろるど | 2007/06/20 12:31 AM
Takさん、こんばんは。
岡本太郎美術館は好きで、オブジェや彼の著作は面白い名と思っているのですが、絵には確かにそれほどピンとこなかったんですが、この絵は迫力ありますね。
記事を拝見して、観にいってみようかな、と思いました。
私も、「あまり興味のない展覧会ほど、行くと発見があって面白い」という法則があるので、なんとなくわかります(^^)
しのぶん | 2007/06/20 10:38 PM
@はろるどさん
こんばんは。
TBありがとうございます。

日テレが騒いでいる時は
どうも観に行く気になれませんでした。
今回展示室に収まった岡本太郎の壁画は見事でした。
圧巻。
欲を言えばもっと下がって全体を観られれば良いかと。

新収蔵品のキャプションに驚きました。
予算ついたのですね〜
「現代」の名が廃りますからね。

@しのぶんさん
こんばんは。

岡本太郎のオブジェもこの前の展示室に
展示されていますのでお時間あれば是非。
会田誠の絵を観に行ってまさか
岡本太郎の記事を書くことになるとは
正直思ってもいませんでした。
こうした「ハプニング」決して
嫌いではありません。逆に好きかも。
Tak管理人 | 2007/06/21 11:05 PM
こんにちわ。
TBありがとうございました。
喧噪の中で見るのも良かったのですが、今回のように静かな室内のほうが冷静に鑑賞出来ました。
さて、争奪戦が話題に登ってますが、ひとの行き交うところに置くのと、こういった室内に展示するのとどっちがいいのか?
結果が気になるところです。
あおひー | 2007/07/19 7:11 AM
@あおひーさん
こんばんは。

日テレで公開されたとき観にいけなかったので
今回の展示はとても有り難いです。
それに常設展示で他にも見応えある作品
ずらりと揃っていますからかなりお得かと。

争奪戦の行方は気になるところですが
常に最良の状態を維持できる自治体や
美術館に収めて欲しいと願います。
Tak管理人 | 2007/07/21 10:43 PM
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東京都現代美術館(江東区三好4-1-1) 「常設展示・MOTコレクション(2007年度第1期)/岡本太郎『明日の神話』」 4/27-7/1 現在開催中のMOTコレクション(常設展)が充実しています。以前、汐留でも展示されて話題を呼んだ岡本太郎の「明日の神話」とのコラボレーショ
高橋コレクション様様です。 美しき旗に大和のりを用いた自家製絵具を使っているそう。 凛々しく強き少女とはため旗 その向こうの現実。 ガンダム世代ならでは、戦争を知らない分  冷徹に戦争を予感もさせて怖い。 大正期エログロナンセンスが流行っていた  その時
◆会田誠「戦争画RETURNS たまゆら 美しき旗」 | mit MUSEUM | 2007/06/20 11:58 AM
現在、企画展はお休みの東京都現代美術館に行ってきました。 きっと、空いてるだろうなという目論みと、特別公開の岡本太郎「明日の神話」が見られるということで行ってきました。 企画展のところにシャッターが降りてて、いつもより閑散としてました。 こういうのも
「明日の神話」/岡本太郎    3月7日(土) 時々    汐留で復刻後公開されてから約3年(「岡本太郎/明日の神話」)。その後様々なところで誘致の話があったが、結局昨年11月、渋谷のマークシティの通路に決まった。 「てんがらラーメン/渋
「明日の神話」/岡本太郎 | 京の昼寝〜♪ | 2009/03/16 10:42 PM