青い日記帳 

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「ヴィクトリア アンド アルバート美術館所蔵初公開浮世絵名品展」

太田記念美術館で開催中の
特別展「ヴィクトリア アンド アルバート美術館所蔵初公開浮世絵名品展」に
行って来ました。



先日アップした出光美術館「肉筆浮世絵のすべて展」(後期)の記事で酒井抱一が浮世絵を描いていた!ことを盛んに述べたところ、美術散歩のとらさんから次のようなコメントを頂戴。
太田のV&A展には、酒井抱一のほかに、鈴木其一、渡辺崋山も出ていました。

太田記念美術館は今回パスしようと思っていたのですが
こうなってしまったら観に行くしかありません。
予定を急遽強引に変更し原宿へ。会期終了間近とあって
狭い美術館は大混雑。靴を脱がなくてもよいとのこと。

ポイントを絞って観る事に。
まずはとにかく其一や華山の作品を見なくては!


鈴木其一「団扇売り

「団扇絵」に団扇売りの絵を描いてしまうなんてニクイ。
団扇って江戸時代はこうして販売していたのですね。
「うちわ〜〜うちわ〜」なんて売り声が聞こえてきそうです。

バージョン違いで「金魚売り」なんてあったのかしら?

渡辺華山は「ほおずき」を描いた団扇絵でした。
らしくないといえばらしくない。
そのズレが愉快愉快。

広重の団扇絵も何枚かありました。

歌川広重「東都名水艦 玉川上水の源 小金井堤の間を流

他にも異常なほどの枚数の団扇絵が。なんでもV&A美術館の浮世絵コレクションの大きな特色のひとつはこの団扇絵判錦絵の数の多さだそうです。他に類を見ないとか。V&A美術館やっぱりどこか他と違います。

「畑違い」の美術館が蒐集すると目線が他と違って
面白いコレクションを築くものなのですね。

そうそう、酒井抱一の団扇絵もありましたよ!
作品タイトルまさに夏です。「
一瞬冗談だろ〜と思ったのですが、彼は本気です。
蚊を丁寧に一匹一匹、合計何匹なか、相当数小さく描き込んでいました。

蚊帳とかは浮世絵によく登場しますが、
蚊そのものが絵のモチーフになるとは。

当時は団扇使って蚊を追い払ったりもしたでしょうに
この抱一の団扇絵だと逆に蚊が寄ってきそうな気がします。
尤も、現代のようにこんなもの使うよりよほどましですが。
超音波で蚊をよせつけない! モスキートキラー&LEDライト KE-52
超音波で蚊をよせつけない! モスキートキラー&LEDライト
風情の欠片もありません。

団扇絵の他、フツーの浮世絵もかなり見応えあるもの揃っていました。
メジャーどころでは歌麿とか。

喜多川歌麿「美人五節の遊
五節供のうちの「七夕」を描いた作品。
灯篭がなんとも涼しげ。田舎に行くとこんなのあったな〜

最近注目している絵師、磯田湖龍斎や
魚屋北渓などの秀作にも出逢えて大満足。

魚屋北渓「春ノ山又 其二」に描かれた妖怪は、
今まさに読んでいる最中の↓の本の世界そのもの。
「江戸の妖怪事件簿」 田中 聡
江戸の幕が閉じて、たかだか140年にしかならない。ところが、かつてのこの国には津々浦々、町にも村にも、いや野にも山にも水の中にも妖しきものどもが出没していた。

団扇や灯篭、蚊に加えて妖怪まで登場し梅雨明ける前から夏一色。

その他の作品では、北斎のこんな作品が。

葛飾北斎「露草に鶏
北斎の描く鶏って独特ですよね。
ちょっと目つき悪かったりして。

因みに、リュニーアルオープンした国立科学博物館の日本館で展示されている
鶏の剥製たちのてっぺんに北斎が描いた鶏の絵が鎮座しています。


江戸という幻景
「江戸という幻景」 渡辺 京二

混雑していましたが、行って大正解でした。
とらさん有り難うございます!背中押して下さって。
そうそう、会場ではろるどさんにお会いしました。
その後「合流」し、渋谷へぶらりと。

それでは、「今日の一枚

歌川広重「東海道五拾三次之内 鞠子 名物茶店


広重や北斎のメジャーで状態の良い作品多く出ていた中からこれを選んだのは
山口晃さんのこちらの作品と何となく似ていたから。


この本に掲載されているのでお手元にあるかた比べてみて下さい。
山口晃が描く東京風景―本郷東大界隈
山口晃が描く東京風景―本郷東大界隈
山口 晃

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1054
ヴィクトリア アンド アルバート美術館(以下V&A)は、大英博物館とともにイギリスを代表する国立の美術館として、世界的にその名が知られています。その膨大なコレクションの中には、約2万5000点をこえる浮世絵が所蔵されていますが、今までその全貌は明らかになっていませんでした。しかしこのたび専門的な学術調査により、V&A美術館の浮世絵コレクションが、他にあまり例をみないユニークな内容であることが確認されました。本展では、その中から初公開作品を多数含む優品約170点を選び抜き、世界に先駆けて紹介いたします。歌麿、北斎、広重、国芳など、再び海を越えてイギリスから日本へと里帰りした巨匠たちの作品をお楽しみください。
V&A美術館の浮世絵コレクション  ―2万5000点を誇る世界有数のコレクション
イギリスのロンドンにあるV&A美術館は、かのヴィクトリア女王の夫君、アルバート公によって1852年に設立された、イギリスの優れた美術工芸やデザインを奨励する国立の装飾美術館です。そのコレクションは、ヨーロッパのみならず、世界各国のさまざまな美術品・工芸品が焼く400万点も集められており、その歴史の深さ、また、一日でまわることのできない広大な展示スペースもあわせて、ヨーロッパはおろか、世界各国で広くその名が知られています。

展覧会 | permalink | comments(12) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

こんにちは
後期の抱一団扇は『蚊』だったのですね
私は前期の『紫陽花』を見ました。
V&Aのコレクションはマニアックですよね
玄人肌のTakさんはろるどさん、そしてとらさん向きだったのやもしれません
次回の展示も楽しみです
るる | 2007/06/25 7:10 AM
私も混雑の中、出かけてきました。
やはり、団扇絵のコーナーに参りました。
抱一のようなお大名でも、この世は浮世なんでしょうね。

さてさて、この美術館の狭さと展示方法は何とかなら
ないもののかなぁといつも思います。
一村雨 | 2007/06/25 7:57 AM
みごとな行動力と素早い記事アップに感心しています。
酒井抱一が知ったら、ネット社会のスピードに驚嘆するでしょう。
一方、あのように無数の蚊を描く抱一には、われわれ現代人が驚いています。
はろるどさんとの「出会い」にも驚きました。
この出合い系サイトの管理人は、江戸人「抱一」+平成人「とら」?
とら | 2007/06/25 8:17 AM
@るるさん
こんばんは。

「蚊」が笑っちゃうほど…なんです。
本気?と聞きたくなるくらいに。
「紫陽花」も観たかったなー
やっぱり展覧会パスしちゃいけませんかね。
docomoのように体が二つに分かれてくれればいいのですが。

@一村雨さん
こんばんは。

狭いです。
元々あんなに大勢のお客さんを入れる
美術館ではないのにここ最近
大きな企画展無理してやっています。
もう少し考えないと。

V&Aのサイトで団扇絵大量に
観ること出来ますよー

@とらさん
こんばんは。

とらさんおススメとあらば
なんとしてでも行かねばなりません。
はろるどさんにはビックリしました。

新たな出会い系ブログ誕生?!ですね。。。

描かれた「蚊」の中に血を吸って
赤く染まっているのもいたそうです。
Tak管理人 | 2007/06/25 8:10 PM
抱一の蚊をキンチョーが買ってくれたら、
喜ぶでしょうねぇ。

今回の太田は、畳敷きがゴージャス系、
ガラス陳列は、マニアック系、
でしたね。
団扇シリーズ、面白かったです。
お化けたちもね。
でも、これらは外国の収集。
面白がって生活することに憧れます。
あべまつ | 2007/06/25 10:24 PM
昔ロンドンに滞在してたころ、足しげく通った美術館です。
根付とかも英国の美術館にはいっぱいあって、その細かい技術力、大胆で繊細な造作、浮世絵など斬新な構図などは日本人の私から見ても凄く魅力的で、外国の人から見たらどれだけ新鮮に映っっただろうって誇らしく思えました。

日本の良さを、この博物館で再認識したといってもいいかも…。
西洋美術もいいけれど、ちょうど人生の折り返しの今、日本画の良さが心に沁みます。

ああ、東京にいたらぜひ行きたいのに…。
でもタカさんのおかげで、少しだけ行った気分。
いつもありがとうございます。
アマポーラ | 2007/06/25 10:43 PM
あっ、Takさんがタカさんになちゃってました。
ごめんなさい。
アマポーラ | 2007/06/25 11:02 PM
@あべまつさん
こんばんは。

キンチョーが蚊取り線香の
おまけであの団扇をくれたら嬉しいです。

>今回の太田は、畳敷きがゴージャス系、
>ガラス陳列は、マニアック系、

まさに、そうでしたね。
ガラス陳列のマニアック度はかなり
高かった感じがしました。
もう少し観やすいと嬉しいのですが。。。

お化けを「お化け」として信じ
生活営めていた当時が羨ましくてたまりません。

@アマポーラさん
こんばんは。

何度も行かれたことがあるのですね。
羨ましいです!
もし次にロンドン行ける機会あれば
必ずや行ってみたい美術館のひとつです。
いいなーーー

西洋画を主として見てくると
その揺り返しで日本画に強く惹かれるようになります。
そしてそこが終の棲家と。
中々西洋画に振り子は戻りそうにありません。

>Takさんがタカさんになちゃってました。
お気にせずに。
(^^ゞ
Tak管理人 | 2007/06/26 10:09 PM
こんばんは。先日はありがとうございました。
偶然も偶然でしたね。楽しかったです!

結局色々見ましたが、やはり蚊の印象が強いですね。
それにしてもV&A美術館、25000点の浮世絵コレクションとは凄まじいです。
170点とは言わずにもっと見せていただきたいです。(今度は別の場所で…。)
はろるど | 2007/06/26 10:27 PM
@はるるどさん
こんばんは。

前回のギメもそうでしたが
作品は超一級品なのに
場所があれでは台無しです。
(何て言うと太田に怒られそう)

思い切って近美とかで。
それか東美館でも。

また近いうちに飲みましょう。
展覧会&ビールはやめられません。
(って来週もそうだ!)
Tak管理人 | 2007/06/26 10:36 PM
Takさん、こんにちは!
こちらのブログでこの展示のことを知って会期を調べたらぎりぎり!ということで、あわてて飛び込んできました^^;
いつもこちらにはほんとにお世話になってます!
これだけの数の浮世絵を一度に見たのは私ははじめてかもしれません。文字通りで当たり前のことなのですが「浮世絵は浮世の絵なのだなあ〜」なんて思いながら見てきました。生き生きざわざわした感じがとてもよかったです^^
はな | 2007/06/27 5:16 PM
@はなさん
こんばんは。

私以上の行動力お持ちですね!!
素晴らしい。
そして行った甲斐もあったかと。

>生き生きざわざわした感じ
初見でこれを感じ取れるなんて凄い感性。
江戸時代の人の生活って今と比べると
色々と不便で物足りないもの多かったでしょうが
人々の生き生きざとした様子など
とても羨ましく思えてしまいます。
Tak管理人 | 2007/06/28 10:58 PM
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出光で、とても美しい肉筆画を見て、江戸の文化度の高さに改めて深い敬愛を持ったわけだが、今日は、その流れを英国、ヴィクトリア&アルバート美術館が持つ浮世絵の名品達を鑑賞してきた。英国で、これらの絵がどのように愛されてきたのか、興味がそそられた。
太田記念美術館(渋谷区神宮前1-10-10) 「ヴィクトリア アンド アルバート美術館 所蔵初公開浮世絵名品展(後期展示)」 6/1-26(会期終了) 会期末の駆け込みで見てきました。「ヴィクトリア アンド アルバート美術館(V&A美術館) 所蔵初公開浮世絵名品展」です。
太田記念美術館で開催されていた(この記事を書いている時点でもう会期は終わっています)「ヴィクトリアアンドアルバート美術館所蔵 初公開浮世絵名品展」に行ってきました。 説明書きを転載します↓ ヴィクトリア アンド アルバート美術館(以下V&A)は、大英
浮世絵太田記念美術館 | はなことば | 2007/06/27 5:00 PM