青い日記帳 

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「館蔵品展 江戸の粋」

大倉集古館で開催中の
「館蔵品展 江戸の粋」に行って来ました。



美術界の江戸時代ブーム、止まることを知りません。
各美術館で浮世絵も含め江戸時代をテーマにした展覧会華盛りです。

大倉集古館も「江戸の粋」と題し小粒ながらも満足度の高い展覧会
今月27日まで開催しています。全て館所蔵品で構成。立派です。


溪齋英泉「遊女と禿図

遊女と禿図(ゆうじょとかむろず)このテーマの浮世絵
今年に入ってからだけでもどれくらい観たでしょうか。
ただ毎度毎度同じ題材で描かれているにも関わらず、
それぞれ全く違った印象を受けるのですから愉快愉快。
溪齋英泉のそれはパッと観、遊女一人をどーんと描いたものだと思いました。
まるで禿が昆虫のように隠蔽擬態をとっているように見えてこれまた愉快。

昆虫といえばこの作品。

「自在置物」蝶、蟷螂、蟹、おまけに鯉。
どれくらい可動するのかためしてみたくなります。
18世紀にこれだけの技術力があったことに驚かされます。
甲冑職人オソルベシ。

この江戸の遺伝子は現代まで脈々と続いているようで
約250年経っても日本人って可動するものにこだわりみせています。
マクロスプラス 1/60 完全変形版 YF-19
マクロスプラス 1/60 完全変形版 YF-19
しかし遠い昔にバルキリーのガウォーク形態見た時はビックリしたな〜
「おぼえていますか」ムード

脱線は早めに修正して…

粋な滝の絵が一枚ありました。
京都四条派の絵師・塩川文麟(1808〜1877)が描いた「瀑布の図
墨の濃淡だけで描いた描かれている滝もそして技法も共に潔い作品。
叩きつけられる水飛沫が朦朧としていながら、それでも全体として大変ダイナミックな仕上がりになっていました。あれで水飛沫が描かれていなかったなら拍子抜けした緩急のない作品になってしまったでしょう。真夏の暑い日に観たい一枚。

逆に「先輩」にあたる円山応挙(1733〜1795)の描いた「波濤図」はイマイチ。
「金刀比羅宮 書院の美」で観た波とはまるでタッチが違いました。

瀑布古松図」(一部)1794年「金刀比羅宮 書院の美」にて公開中。
ここに描かれた波を4,5回描き写した後の締まりがない、緩々な波が描かれていました。1779年作ということを鑑みたとしても「う〜ん」と唸るのみ。
だって波がコンブやワカメのようにしか見えないんですもの。。。

隣に展示されていた工芸品が見事だったので応挙の波もとりあえずご破算に。
「絽色地藤文様図脇差拵」、「四季棚」土佐光孚画それぞれ言うこと無し。
藤文様なんてありきたりのモチーフをあれだけ見事に見せるなんてまさに粋。
二階の展示室にあった「柳螺鈿手箪笥」もこれまた秀逸。お見事!

伊藤若冲の「乗興舟」(じょうきょうしゅう)は今回全幅展示されていますので伏見から淀川を天満橋まで舟で下った旅の様子が拓版画で表現されています。石摺りで「伊藤若冲が相国寺の大典和尚と淀川下りをした折りの感興を絵画化したもの」で白黒反転している大変ユニークな作品です。

↑は京都国立博物館で購入した一冊。
京博所蔵の「乗興舟」は文化遺産オンラインで全て観ること可能です。

現在都内でもう一箇所「乗興舟」が展示されています。日本橋、三井記念美術館「美術の遊びとこころ『旅』展」です。ただしこちらは一部のみ。

それにしても江戸時代に彫られた「乗興舟」の版木が2002年になって伊藤家の縁者、安井家の濡れ縁に使われていたという事実が判明したというのですから驚きです。「乗興舟」これから注目されそうな予感がします。

お江戸の川の様子を描いた趣向の変った作品もありました。
鶴岡蘆水の「両岸一覧
真崎稲荷から佃島(住吉神社)までが川下りをする舟からの視点で描かれています。驟雨におそわれ慌てる人々、場面変って赤色が印象的な花火大会の様子などなど、橋を一つくぐり抜ける毎に場面が変っていくようでそれも大変ユニーク。誇張された橋下なども見ものです。こういう発想が出てくるのは生活が真に豊かな証でもあります。物質的な生活の豊かさではなく勿論精神的な豊かさ所以です。

大津絵」では天狗と像さんが鼻の長さ比べっこしていました!

最後に展示されていた呉春の「漁夫図」なんて8,9人描かれた漁夫の顔がみな同じ!兄弟?それとも「コピペ」?!

「江戸しぐさ」完全理解―「思いやり」に、こんにちは
「江戸しぐさ」完全理解―「思いやり」に、こんにちは
越川 禮子,林田 明大

それでは「今日の一枚

大倉集古館入口付近にいた「カナブン


昼間なのでちょっと動きが鈍っていました「自在置物」と同じ展示ケースに…
なんて冗談だとお思いでしょうが、実際に「自在置物」の展示ケース内に
なんと本物の蜘蛛がいました!!それこそ自在に動きまわりながら。

粋なオオクラ館蔵品展でした。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1082
大倉集古館の所蔵品の中から、その多くを占める江戸時代の作品群を考察していきたいと試みました。「粋」をテーマにした江戸の美術・工芸作品を展観し、屏風絵や名所図絵、書跡、染織品、陶磁器、刀剣または名工による金工品、漆工芸品さらに浄瑠璃本などを通して、創設者・大倉喜八郎の集めた美の重要な一面をご鑑賞頂ければと思います。


展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

こんばんは。
今頃どちらの夜の街で美味しいものにありつかれているのでしょう?お疲れ様です〜
さて、ワタクシ、ちょっと前に行ってましたが、
大倉はいつも楽しいコレクションで、
ワクワクします。
京博と同じ版の乗興舟、がっつり一巻き拝見できて、
嬉しかったです。
2階の絵がなかなか面白く、ぐるっとパスで、
たっぷり楽しみました♪
あべまつ | 2007/07/23 10:15 PM
応挙はかなり?でしたね。まあご愛嬌ということで…。
乗興舟は初めて全て拝見しました。
結構縁のある場所なので、色々と想像するのも楽しかったです。

>この江戸の遺伝子は現代まで脈々と続いているようで
約250年経っても日本人って可動するものにこだわりみせています。

同感です。ちょっと動かしてみたくなりますよね。
はろるど | 2007/07/24 10:59 PM
@あべまつさん
こんばんは。
TBありがとうございます。

私も最近ぐるっとパス持ちました。
あれもう少し持ち運びが楽ならいいのに
なんて贅沢言えませんよね。

明後日から出張で留守します。
今、慌てて5日分の記事書いています。
間に合うかな〜

大倉も大谷もそれぞれ
頑張っていますよね。

@はろるどさん
こんばんは。

かなり????でしたね。
でもあれが真筆なのかもしれません。真の。
我々の眼がまだまだなのかも。

はろるどさんはあの辺お詳しいですものね。
近鉄にご一緒したとき実感!

地獄の7月が終わったら美味しいものでも。
Tak管理人 | 2007/07/24 11:08 PM
お久しぶりです、マチオです。
「江戸の粋」やはり行かれたんですね!
以前、こちらに遊びに来た時はまだ行かれてないんだなぁ
と、不思議に思っていたもので…。

実は私、チケットが当たって、昨日観に行くはずだったんです。
が、体調があまり良くなく、とにかく眠くて断念。
そして、今日もこの暑さなので、断念。

正直、もっと、早く行っておけば。。。
と後悔してます。

Takさんの記事を読んで少し行った気分に。
「瀑布の図」丸みがあって素晴らしいですね。
本物、見たかったなぁ。
マチオ | 2007/07/27 10:46 AM
出張お疲れ様です!
帰宅されたらゆっくりなさってくださいねー!
毎日暑くて体力も消耗しますし。

送ればせながら、この展示の感想を記事にしました。
Takさんやみなさんの評価と違うとちょっと自分が心もとなくなりますが(今回の○山応挙とか)自分の気に入ったものを愛でるのが一番、ということで^^;

乗興舟はすがすがしい楽しさが伝わってくるような、小粋な作品だったと思います!
若冲はこんな表現もするんだぁと感心しました。
はな | 2007/07/28 9:07 PM
@マチオさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

展覧会へ行ってもすぐに記事に
書けないのでずるずる後回しに
なってしまうこと多々あります。
「日記」と題しておきながら
全然日記でなかったりします。

チケットを購入しておきながら
行けずじまいの展覧会私も結構あります。

マチオさんお体の方はもう宜しいのですか?
気を取り直してサントリー美術館へでも。
応挙見られるはずです。(期間限定で)

@はなさん
こんばんは。

帰宅しました〜
寝たいのですが
コメントのお返事だけでもしないと
皆さんに申し訳ないので。頑張ってます。

感想はご自身が思ったことが一番です。
他と違うことに大きな意義があるかと。
仲良しグループに発展がないのを見れば
それは明らかです。違う感想大歓迎!

私も人と違うとよく言われますし。
若冲の石摺画はネガを見せられているようですよね。
愉快、愉快。
Tak管理人 | 2007/07/30 11:09 PM
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泉屋博古館に行ったら、やはりご近所の大倉を訪ねなければ、落ち着かない。 その上、6月から「江戸の粋」という展覧会。 若冲の「乗興舟」も展示されているというし、見に行かねば。
館蔵品展 江戸の粋 ・ 大倉集古館 | あべまつ行脚 | 2007/07/23 10:02 PM
大倉集古館(港区虎ノ門2-10-3 ホテルオークラ東京本館正門前) 「江戸の粋」 6/2-7/27 若冲、広重、狩野派、それに鍋島焼や江戸箪笥までが出品されています。館蔵品にて構成された大倉集古館の「江戸の粋」展です。 まずこの展覧会で最も嬉しかったのは、長さ10
「江戸の粋」 大倉集古館 | はろるど・わーど | 2007/07/24 10:55 PM
これは以前に行ったもので、もう会期も終わってしまったのですが、感想をメモしておきます。 ホテルオークラ併設の大倉集古館で開催されていました。 これに行く前にニューオータニで浮世絵(美人絵)を堪能してきたので、工芸品なども多かったこちらの展示もみて、い
館蔵品展 江戸の粋 | はなことば | 2007/07/28 8:59 PM