青い日記帳 

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「ル・コルビュジエ」展パブリックプログラム“私とル・コルビュジエと住宅建築”

アカデミーヒルズ49 タワーホール(六本木ヒルズ森タワー49F)で開催された
森美術館「ル・コルビュジエ」展パブリックプログラム“私とル・コルビュジエと住宅建築” 出演:安藤忠雄(建築家)に参加して来ました。



ル・コルビュジエ(Le Corbusier、1887年10月6日-1965年8月27日)についての安藤さんのお話を聴きに行ったにもかかわらず、終わってみると、安藤さんの人生哲学をすり込まれたように思える講演会でした。

以前、飼っていた愛犬に「コルビュジエ」と名づけてしまうのですからいかに安藤氏がコルビュジエから影響を受けたかが分ります。尤も影響全く受けていない建築家さんなんていないでしょうけど。

1965年、建築家を志し、世界各地を巡った安藤氏がコルビュジェが手がけたフランス、マルセイユに現在でも建つユニテ・ダビタシオンの屋上プール(屋上幼稚園)で無邪気に遊ぶ子供たちに強い感銘を受けたのがスタートと言っても過言ではないそうです。



ユニテ・ダビタシオンに代表されるように、建築はコンセプトがしっかりしていなくてはいけないことは勿論ですが、隅々まで使い勝手も良くなくてはいけないと。

コルビュジエの主張する「新しい建築の5つの要点(ピロティ、屋上庭園、自由な平面、水平連続窓、自由な立面)」(近代建築の五原則)ユニテ・ダビタシオンのピロティーなどをあらためて見ると、建築自体は経年変化で弱まってしまったとしても、そのコンセプト自体は強く残ることが分る。



Le Corbusier: L'Unite D'Habitation De Marseille / The Unite d'Habitation in Marseilles (Corbusier Guides)
Le Corbusier: L'Unite D'Habitation De Marseille /
The Unite d'Habitation in Marseilles (Corbusier Guides)

Jacques Sbriglio

ここら辺までは確かにコルビュジエに沿ったお話が展開されていたのですが
これ以降リートフェルトの話辺りから「安藤節」が炸裂しだしました。

家具作家である(椅子が有名)リートフェルトが唯一手がけた建築が「シュレーダー邸」1920年代のこと。写真集で見ると分らなかったが実際に現地へ行き現物に見て触れて感じたのは印象は「家具がそのまま巨大化したような建築物」ということ。この時建築こそ見てみないと分らないと実感したそうです。

そしてもう一つ。「クライアントがあってこそ」ということ。

これを受け、以降は安藤氏の建築の歴史。
ここから一気に聴衆を「味方」に付け安藤ワールドへぐいぐい引き込んで行きました。要は会場全体が笑いの渦に。。。オソルベシ。

家 1969→96 (住まい学大系)
「家 1969→96 (住まい学大系)」 安藤 忠雄
↑「住吉の長屋」

大阪、神戸で手がけた個人邸宅のお話から光の教会、水の教会の話題へ。
光の教会―安藤忠雄の現場
「光の教会―安藤忠雄の現場」 平松 剛

建築は抽象性をふまえながら、いかに具体的に作っていくかがポイントだそうです。
mizdesignさん曰く「いとも簡単に言うけれど…」大変らしいです。現実は。

ともすれば安藤氏自身のお話に終始してしまうところをタイミングよく、上手い具合に コルビュジエの「ロンシャンの教会」などの話題も合間に挟んでくるからニクイ。
これからヒントを得て直島にある地中美術館を設計。キーワードは「光」

建築は技術よりもイマジネーション。これまた要点だとか。

安藤忠雄の美術館・博物館
安藤忠雄の美術館・博物館

最も会場を盛り上がらせたのは六甲の集合住宅のお話。
「六甲の集合住宅」で検索かければどんな建物かすぐ発見できます。
20年以上の歳月を費やして第一期から第三期まで完成。
現在は第四期として病院の建替えを行っている最中だとか。

ここでもコルビュジエの「斜面住宅」の話題もちらりと絡めたりしてました。
忘れた頃に。。。

因みにコルビュジエから学んだ事は形ではなくその考え方だそうです。

「六甲の集合住宅」は一斉に一期から四期までの建築が決まったわけではないそうです。ただし、次はこうしたいというアイデア(スケッチ)は有していたそうです。いつチャンスが来るか分りません。次から次へとアイデアを潰れても出し続けてゆくこと。建築はアイデアと想いでもあるそうです。

若い人に特に言いたいこと。
それは、自分の人生を面白くするのは自分だということ。
次の時代に今いる自分がどうバトンを渡すか常に考えておくこと。

最後は想いの強い人が残る。

安藤氏御自身は1965年以来ずーとその想いが続いているそうです。
「それが無くなった時、僕は引退します。」

ここで講演会は終了。見事なクローズ.
ぐいぐい引っ張っていかれいつの間にか安藤さんの人生哲学に
以前拝聴した講演会同様どっぷりと浸食されていました。心。

この後、森美術館館長南條氏が司会に立ち質疑応答。

Q:安藤さんの目標はなんですか?
A:地球(社会)に役に立ちたい。
  色々なことに興味がある。瀬戸内海に緑を。電柱の地中化など等。

それと、建築は本ではなく本物を見てみることが大事。
PCで設計すると「ふくらみ」が出てこない。

この他の質問やこの講演会のより詳しい専門的な記事は
mizdesignのブログ「柏をたのしむ@水上デザインオフィス」でどうぞ。

mizさんとは講演会前に「ル・コルビュジエ」展会場でばったりお会いしました。
「ル・コルビュジエ」展これが二度目でしたが(記事書いてません…)
mizさんの解説があって一度目とはまるで違う展覧会のように感じました。
有り難うございました!

因みにこの展覧会イヤホンガイド無料です。

Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2007年 08月号 [雑誌]
Casa BRUTUS (カーサ・ブルータス) 2007年 08月号 [雑誌]

昨年の11月に拝聴した安藤氏の講演会の記事です。併せてどうぞ。
講演会「闘う建築家・安藤忠雄氏と語る」

- 弐代目・青い日記帳 | 「安藤忠雄 2006年の現場 悪戦苦闘」
- 弐代目・青い日記帳 | 東京ミッドタウンの「デザイン」&「アート」

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1083
講演会 | permalink | comments(2) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

こんばんは。
先日はありがとうございました。
ホント、バッタリでしたね。

安藤さんの術中にはまるまいと思っていましたが、六甲の集合住宅の4期の変化球でコロッとやられました。
うーん、常に進化するアンドウマジックおそるべし。
mizdesign | 2007/07/24 2:45 AM
@mizdesignさん
こんばんは。
先日はどうもありがとうございました。
おかげで大変勉強になりました。

イヤホンガイド借りていたのですが
すっかりミズさんの解説に聞き入ってしまい
全くほとんど使うことありませんでした。

安藤さんは、もっていきますねー
会場の聴衆の心わしづかみでした。
Tak管理人 | 2007/07/24 11:10 PM
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