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特別展「広重が描いた日本の風景」

神奈川県立歴史博物館で開催中の
特別展「歌川広重没後150年記念 広重が描いた日本の風景」に行って来ました。



平日に休みが出来たので、先月の鬱憤を晴らすが如く丸一日美術館巡りをすることに。躊躇することなく舵を切った先は「横浜」。

観たい展覧会がタイミングよく3つ同時に開催されています。
・横浜美術館の「森村泰昌―美の教室、静聴せよ」展
 2007年7月17日から9月17日まで
・横浜そごう美術館の「キスリング展 モンパルナスその青春と哀愁」
 2007年7月26日から8月26日まで
・神奈川県立歴史博物館の特別展「広重が描いた日本の風景」
 2007年7月28日から8月19日まで

車は使わず今回は電車に揺られ横浜へ。
みなとみらい線の一日乗車券を購入し観光気分でいざ。

ところが駅改札付近やホームなどが平日なのに妙に人が多い。
スーツ姿のサラリーマンではなく、普段着姿の若者が。
中には浴衣を着ている女子まで。まさか、これは…悪い予感。

切符を買ったときにもらった団扇を見てみると…
「第22回神奈川新聞花火大会」本日開催!!

この花火大会みなとみらい地区で催されるとのこと。
時間が経つにつれ駅周辺は改札規制通行規制がかかるらしいので
とりあえず、混雑しない前にみなとみらい駅へ最初は横浜美術館へ決定。

横浜美術館の森村さんの感想はまた後日アップすることにして
今日はその次に行った広重の展覧会のことでも。


神奈川県立歴史博物館は馬車道駅の目の前。
建物自体が国の重要文化財という立派な博物館。
元は横浜正金銀行本店として使われていたそうです。

さて、さて展覧会ですが、前期が8月19日まで
後期が23日から9月17日までに分かれています。

前期では「東海道五十三次」が、後期では「六十余州名所図会」がそれぞれ揃いで展示されます。私が行ったのは前期にあたりますので「東海道五十三次」。欲を言うならば「六十余州名所図会」が観たかったな〜と。

図録を見てみても何だか後期の方が充実しているように思えます。
他人の芝生は青く見えるとは言いますが…

そんな中でもハッと目を惹く作品も何点もありました。
例えばこれ。

相州江之嶋岩屋之図

山の色の組み合わせが「東海道五十三次」の箱根を描いた作品に似ています。
実物とは乖離していながらも何故だかリアルに見えてしまうから不思議です。
波打ち際でなにやらしている集団が三組描かれています。
これまた声が今でも聞こえてきそうなほど臨場感に溢れています。

広重と歩こう東海道五十三次
広重と歩こう東海道五十三次
安村 敏信,岩崎 均史

続いてこちら。

近江八景 比良暮雪

近江八景シリーズは金沢八景シリーズ同様、中国の瀟湘八景を念頭に置き制作された作品だそうです。詳しくは、神奈川県のサイト内にこんな素晴らしいページがありますので是非ご参照あれ。

この近江八景シリーズは「東海道五十三次」や「金沢八景」とは違い縦長の版に描かれています。これが意外と新鮮。縦長であることを存分に生かして手前のかなり高い位置から俯瞰するような構図に揃えそれぞれの名所を描きだしています。

どうしても余ってしまう空の部分(作品上部)にはこんな洒落た意匠も。

キラキラとラメを施したよう。女子高生の携帯の装飾に通ずるものあります。

こちらは「東都名所」シリーズ

東都名所 吉原仲之町夜桜

遠近法?頑張って用いているな〜と感心しつつも目線は別の所へ。
中央の桜の木からお月様の縦のラインがこの作品のポイントかと。
拡大してみると…

遠近法だけでなく影の付け方もきっと会得したはず。
お月様を欠いてでも桜の影を、そして二階のあかり窓にも影が。

解説に書いてありましたが、吉原って桜の時季になるとわざわざ桜の木を植えたのだそうです。銀座・資生堂「ロオジエ」の先をゆく企画。流石吉原。

同じ「東都名所」シリーズでもひと目見てあそこだ!と分る作品も。
これすぐに分りますよね、何処だか。

東都名所 御茶之水之図
釣りをしている人が描かれています。現在でも電車からちょっと先ですが市ヶ谷フィッシュセンターで釣りしている人の姿見えます。地形も変わっていなければ、そこで行っていることも江戸時代とさして変らぬようです。

広重の諸国六十余州旅景色―大日本国細図・名所図会で巡る (古地図ライブラリー)
広重の諸国六十余州旅景色―大日本国細図・名所図会で巡る (古地図ライブラリー)
森山 悦乃,松村 真佐子

それでは「今日の一枚

真景東海道五十三驛繪画 袋絵



「袋絵」は付属品の一部。
「東海道五十三次」シリーズは保永堂が揃い物の画帖として販売したもの。
いうならばセット販売です。そのバラバラの作品を入れてあったのがこの袋。
そしてただの袋ではなく、それに粋な絵まで描かれていたわけです。
「袋絵」の他にも付属品は何点かあるそうですが(今回は題字も展示)
現存しているのは稀だということ。実際私もこれ初めて見ました。

几帳面な人でないかぎりこういった付属品って捨ててしまいますからね。
プラモデルの箱とか解説書とか。因みに自分は捨てられない人間で、
こういった「つまらないもの」が溜まるいっぽうです。。。

おまけ:横浜そごう美術館へ立寄ったらゲゲゲの鬼太郎の展示販売会が。
原作者の水木しげる氏が描いたその名も「妖怪道五十三次」が展示されていました。


これが中々バカに出来ない出来具合で、思わずこちらの本買ってしまおうかと思ったほど。広重の作品を充分生かしつつ妖怪たちがそこかしこに描きこまれています。江戸時代の旅人はきっとこの中のどれかは京都に着くまでに目にしていたのかもしれません。まだ電気も無く「闇」があった時代ですから。

水木しげる 妖怪道五十三次
水木しげる 妖怪道五十三次
水木 しげる

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浮世絵師 初代歌川広重(1797〜1858)がこの世を去ってから2008年で150年となります。美人画や歌舞伎絵が中心であった浮世絵の世界で、1830年代前半の広重や葛飾北斎の作品により、風景画が人気を確立しました。この展覧会では、広重の名所絵師としての生涯を方向づけたといえる揃物「東海道五拾三次(保永堂版)」(前期)と、名所を描いた晩年の揃物「六十余州名所図会」(後期)を軸に、日本の風景を描いた作品を紹介します。

展覧会 | permalink | comments(5) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

・横浜美術館の「森村泰昌―美の教室、静聴せよ」展
・横浜そごう美術館の「キスリング展 モンパルナスその青春と哀愁」
このふたつはチェックしてました。でも、これ以外にもあったんですね。
広重は以前どこかで展覧会をみましたが、とてもよかったです。
いってみたいですね。
ウインバレー | 2007/08/05 7:44 AM
こんにちは。

私は先々週に横美、先週にそごう→神奈川県美と二度に分けました。
こちらの展示ですが、学芸員の方も、「実は後期のほうがいいですよ」と仰ってました。もう一度出かける積りです。
とら | 2007/08/05 8:49 AM
地元なのに先を越されてしまいました。
何時もながらのパワフルなTakさんの行動力に感動・・・・
この江の島は凄いワイルドですね。
ぼんやり暑さにヤラレテないで前期にも行こうと思います。
そうそう、昨日行った太田に懐月堂安度の絵巻がありました。
るる | 2007/08/05 3:19 PM
「第22回神奈川新聞花火大会」、8/1だったのですね。
横浜勤務なのですがこの日は欠勤日で、気付きませんでした。
さて森村泰昌展は行かねばと思いつつ仕事のある日は無理なので、いつにしようか迷っていました。
いい情報頂いたので、広重展後期に合わせて23日以降にしようと思います。
キスリング展は8時までやっていますから、もっと早くに...。

ogawama | 2007/08/05 8:39 PM
@ウインバレーさん
こんにちは。

博物館のすぐ近くで現代アートの展覧会も
開催されていました。横浜の夏熱いです。
広重は何度見ても新鮮な驚きや発見があります。
後期もできれば行きたいのですが。。。

@とらさん
こんにちは。

学芸員の方もそうおっしゃっていましたか。。。
サイトで情報少なすぎますよね。
横浜電車一本で行けるのですが、、、どうしよう。

@るるさん
こんにちは。

限られた時間で貪欲に見てまわっているので
こういうことになってしまっています。
本来ならゆっくりとせめて一日二つくらいに
抑えたいのですが。。。

太田もまたよさそうですね。いつも行くの遅くなるので
お化け待たせないようにしないと!

@ogawamaさん
こんにちは。

そうなんです!キスリングが8時までなので
ついつい欲張ってしまって3つも。
キスリング一押しかもしれません。
森村さんの展覧会はイヤホンガイドを装着し
授業を受ける?形式です。試験もあります。

花火大会は見ずにせっせ帰路に着きました。
Tak管理人 | 2007/08/06 10:05 AM
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 明年は広重(1797-1858)がこの世を去って150年。これにちなんで、あちこちで広重展が開かれている。  この数ヶ月でも、「名所江戸百景」展がニューオータニ美術館と東京藝大大学美術館で開かれていた。  今回はいよいよ本番。「歌川広重没後150年記念」と銘うっ