青い日記帳 

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「インカ・マヤ・アステカ展」

国立科学博物館で開催中の世界遺産の宝庫中南米三大文明
特別展 失われた文明「インカ・マヤ・アステカ」展に行って来ました。



数年前に定年退職された元上司に原稿の依頼の為久々に連絡をとったところ、以前にましてお元気そうでこちらがたじろいでしまうほど。聞けば長年の夢だった南米の世界遺産を巡る旅を二週間もしてきたとのこと。何とも羨ましいお話。いいな〜退職金たっぷりもらえて…じゃなくて、いいな〜インカ文明の痕跡を実際に見てこられて。

そんな優雅な元上司とは違ってまだまだ働き蜂の如く額に汗しないといけない自分は上野で我慢するしかありません。で、ひとり(+かみさん)と観てもこういうのって面白くないと思い、急遽当日お誘いのメールやら電話をし総勢6名で金曜夜に鑑賞してきました。

カハクの特別展って江戸博同様ハズレが多いので、まぁ一時間もあれば充分だと思って観出したところ豈はからんや、見応え充分。内容も濃い。(尤もインカ・マヤ・アステカそれぞれの文明を紹介するのですから当然といえば当然)一時間では無理。

展覧会会場は名称は「インカ・マヤ・アステカ展」ですが、展示順は「マヤ・アステカ・インカ」これが第一会場。「閉館のお時間が迫っております。第二会場も御座います。なるべくお早めにご覧下さい」と係りのお姉さん急かす急かす。急かされるまま、離れた場所にある第二会場へ向かうと展示品は一切無し。ハイビジョンシアターとショップがあるのみ。鬼のように関連グッツを販売。商魂たくましい。スペイン人の末裔か?っということで、これから行かれる方、第二会場へ急ぐ必要全く御座いません。

また、この展覧会、NHKスペシャル「失われた文明 インカ・マヤ」と連動して開催されているそうで、NHKの番組での取り上げ方も半端じゃないと聞きます。新・日曜美術館でも紹介されたとか。おかげで(その所為で)金曜の夜間なのに妙に人が多くてビックリ。6人で連れ添って来ているグループもいるくらいですからね。。。

NHKスペシャル  失われた文明 インカ・マヤ DVD BOX
NHKスペシャル 失われた文明 インカ・マヤ DVD BOX

さて、さて与太話はこの辺までにして展覧会をさらりと。

まずは「マヤ文明

ヒスイで作られた仮面や石板が何点か展示されていました。

ヒスイ製仮面


王の描かれた翡翠の石板

緑色に輝く翡翠は生命の象徴、ひいては王権の象徴として尊ばれたそうです。
確かオスマントルコも緑色したエメラルドが王権の象徴だったような。

マヤ文明には「マヤ文字」と呼ばれる象形文字のようなものがあったそうで
こちらのお皿の中央や周縁に描かれているのがそれに該当するそうです。

太陽神の四脚土器

マヤの人々はゼロの概念も既に持っていたそうで、20進法を用い10億を超す数字の計算まで行っていたとか。会場で見知った限りでは一塊の文字のように見えても部分部分で何を表しているかが決まっているそうで、組み合わせによって如何様にも表現が可能だったようです。
「マヤ文字」

そしてマヤ文明といえば密林の中にそびえるピラミッド.

「ククルカンのピラミッド」とも呼ばれている「エル・カスティージョ」
東西南北の向きから十数度ずらして建てられており、春分の日と秋分の日になると丁度太陽の光がピラミッドの階段に当たりそのジグザグの影がまるで大蛇のように見える仕掛けになっているそうです。大蛇はケツァルコアトルという神様。この神様が出現すると種まきなど農作業を一斉に開始したそうです。

ジャングルとマヤのピラミッド群ティカル[世界遺産]All About

自然と共に生活してきたマヤの人々も16世紀にスペイン人の手によって滅亡させられてしまいました。(この辺は展覧会では語られていないのが不満)

マヤ文明―失われた都市を求めて
マヤ文明―失われた都市を求めて
クロード・ボーデ,シドニー・ピカソ,阪田 由美子

続いて「アステカ文明

湖上の都市、テノチティトランにまず驚かされ、そして今のメキシコシティーがその場所にあることを知らされ更に驚き、地下鉄の工事をしていたらアステカの大ピラミッドが460年ぶりに姿を表したことにまたまだ驚き。。。とにかくもうほとんど知識ゼロの自分がボーーと見ているだけでも次から次へと驚きの連続。

そしてその先に待ち受けていたのがこれ「ガッチャマン」

じゃなくて「ワシの戦士」(あまり変らないか)

とにかく大きい!土偶などの大きさ連想してはいけません。
エリート戦士です。等身大、もしかしてそれ以上。
よくもまぁ地震の多いこの国に長期間に渡って貸してくれたものだと感心。
(因みにこの展覧会2008年6月まで各地を巡回)

「ワシの戦士」や「ジャガーの戦士」(ジャガーが何故か多く登場)が戦う目的はずばり「生贄」。神殿で催される儀式に欠かすことの出来ない生贄を確保してくるのがこれら戦士の役目。「花の戦い」なんて可憐な感じ装ってやってることは人攫い。

そうして連れて来られた生贄は。。。

太陽神をあつく信仰するアステカ人は、太陽の活力を維持するためには新鮮な生きた人間の心臓と血を神に捧げなくてはならないという考えがあったそうで、生贄獲得の為に戦いをしていたそうです。


ミクトランテクトリ神像
死神の胸から腹部にかけてこぼれ落ちそうな物こそ神へ供物「心臓」です。
マギー審司に似ていて怖さ半減。

アステカ文明も同じくスペイン人の手によって滅ぼされてしまいますが、その過程で何人ものスペイン人も生贄にされたようです。。。ヨーロッパ人の心臓や血、神はお好みではなかったかもしれません。

アステカ王国―文明の死と再生
アステカ王国―文明の死と再生
セルジュ グリュジンスキ

最後に「インカ文明

黄金のインカ文明も現存している金製品は僅かだとか。侵略してきたスペイン人が全て溶かしてしまい持ち去ってしまったからだそうです。悪行の限りを尽くしているな〜

これなどは奇跡的に残っているものなのでしょうか。

チムーの金の装身具

インカ文明は他の二つに比べて面積も広大。南米の縦長の地理そのまま。
各都市を結んでいたのが「インカ道」と呼ばれる街道。
南北4000kmの領土をインカ道を張り巡らし街々を結んでいたそうです。

ただし、他の二つの文明と違い文字を持たなかったそうで
文字の代わりに「キープ」(結縄)と呼ばれるものを使用。
紐の色や結び目で数や位置などを伝達したそうです。

キープ

そしてインカ文明のハイライトといえるのがここ

マチュ=ピチュ

標高2400mの峰に築かれたまさに天空都市。
石材などは全て人力で運んだというのですから驚きです。
ここで1000人の人々が生活をしていたそうです。
元上司もしきりと「凄かった〜感動した〜」と連呼していました。
原稿を早く受け取りたかったのですが……

ところで、ここにどうやって物を運んだりしたのかというと
やっぱり先程出てきた「インカ道」を利用したわけで、
マチュ=ピチュの裏手には人ひとりがやっと通れる幅の
インカ道が整備?されているのでありました。

無理だって…こんな場所。。。

それでも、同じく16世紀にはスペイン人によって滅亡へと追いやられてしまったインカ帝国。インカ・マヤ・アステカ文明のそれぞれの特徴は素人には充分過ぎるほど理解できたのですが、どことなく後味の悪い展覧会だったのは、先程も書いたようにどうしてここまで栄えた、そして自然との共生など現代人からすれば学ぶべき点の多い文明が「忽然と」姿を消してしまったのかも最後にしっかりと展示説明すべきだったのではないでしょうか。お土産屋さん作るスぺースがあれだけあるのですから、無理な注文ではないかと。

中学生以下無料ですから夏休みともあれば多くの児童生徒さんも観に来るでしょう。「そして文明は霧のように姿を消した」じゃ〜インカ・マヤ・アステカの人々浮かばれません。それと最後に「見世物」のようにミイラを扱うのもどうかと。

折角素晴らしい展示品が山のように来ているのですから。

インカ帝国―太陽と黄金の民族
インカ帝国―太陽と黄金の民族
カルメン ベルナン

「インカ・マヤ・アステカ展」の巡回先です。
神戸市立博物館:2007年10月3日〜12月24日
岡山市デジタルミュージアム:2008年1月11日〜3月16日
福岡市博物館:2008年3月25日〜6月8日

アステカ・マヤ・インカ文明事典 (「知」のビジュアル百科 36)
アステカ・マヤ・インカ文明事典 (「知」のビジュアル百科 36)
エリザベス・バケダーノ


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http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1098
 中米のマヤ文明とアステカ文明、南米のインカ文明・・・・・中南米に栄えた三大文明は、今でも多くの謎と伝説に満ちています。密林にそびえるピラミッドの王朝「ティカル」、湖上に浮かぶ都市「テノチティトラン」、天空の都「マチュピチュ」。この地域は『世界遺産の宝庫』として世界中の人々から注目されています。
 およそ2万年前、アジアと陸続きであったアメリカ大陸は、人類進化の最後の段階でようやく足を踏み入れた新しい大地でした。新大陸に渡った最初の移住者たちは、日本人と同じモンゴロイドでした。この人々はアジア、ヨーロッパ、アフリカの旧大陸とは独立して、異なる環境や歴史の過程の中、豊かな多様性を持った文明を発達させました。農耕生活や神々の崇拝、国家の建設、数や暦の体系作りなど、旧大陸との共通点も多く見られる一方、マヤやアステカでは鉄器を持たず、またインカでは文字を持たなかったにもかかわらず、当時の旧大陸に劣らぬ文明を築いています。 本展は、NHKスペシャル「失われた文明 インカ・マヤ」と連動して開催するもので、世界初公開となるマチュピチュの遺物やアンデスのミイラをはじめ、展示品のほとんどが日本で初めて公開されます。また、これらの貴重な品々をとおして、新大陸に生きた人々と文明の全体像を描き出し、人類のつくりだす文明の多様性と普遍性を紹介するとともに、複雑な現代社会を人々が生きることの意味を考えます。
展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

こんばんは^^。連投失礼します。

私も先週行ってきました。
楽しかったです。
どの時間に行っても混んでるんですかね〜^^;。
マチュ・ピチュ行ってみたいです。

TB送らせていただきました。よろしくお願いします。
shamon | 2007/08/07 7:51 PM
その節はお世話になりました

「第2会場へお急ぎくださ〜い」って、

羊の群れみたいに追い立てられて行った先が

デパ地下の特産品売り場みたいで、「科博」恐るべし!!

でも楽しかったですね。
わん太夫 | 2007/08/07 8:53 PM
6人のツアーでしたか。4時ごろまでは東博にいたのに、折角のお誘いメールを見逃して残念でした。

マヤ文明のピラミッド、チェチン・イッツァには行ったことがあります。なんでこんな森の中に!というところです。

ここにも神に犠牲をささげる習慣があったらしく、その遺物が残っていましたが、これには目を背けました。
とら | 2007/08/08 9:18 AM
@shamonさん
こんにちは。
TBありがとうございます。

混雑しているようですよ。
何分待ちなんて看板まで用意されていました。
でもあれだけの貴重な品々が来ているわりには
展示方法やらイマイチでした。
そこがカハクの特別展の限界かと。

@わん太夫さn
こんにちは。

突然のお誘いご迷惑おかけしました。
展覧会行くのいつもこんな思いつきなもので。。。

しかしあの第二会場は酷いですね。

主たる展示品が泣いています。

@とらさん
こんにちは。

ご迷惑おかけして申し訳御座いません。
日曜日にお会いできること楽しみにしております。

チェチン・イッツァに行かれたのですか!
それは凄い!!
映像で観ても確かに森の中に忽然という感じを受けますが
現地へ行って実際に体験されるとそれ以上の驚きがあるのでしょうね。

神への生贄の習慣は侵略者にマイナスのイメージを
よけい与えてしまったようですね。

Tak管理人 | 2007/08/08 12:45 PM
お久しぶりです。
「インカ・マヤ・アステカ展」が神戸にやって来たので、
先日私も行ってきました。
インカ王の身代金としてかなりの金を持ち去った
というスペイン人の暴挙を知ったとき、
私はすごく悲しい気持ちになりました。
インカ王が可哀想すぎますねぇ……。(泣)
ちょこぱん | 2007/10/10 5:05 PM
@ちょこぱんさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

スペイン人の当時の価値判断や
ヨーロッパ全体のものの考え方が
現在とは大きくかけ離れているとはいえ
暴挙には変りありませんよね。
「歴史」もしっかり展示してこそ
バランスの取れた展覧会になろうかと思います。
Tak管理人 | 2007/10/11 11:53 PM
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