2007.08.17 Friday
「山口晃展 今度は武者絵だ!」
練馬区立美術館で開催中の
「山口晃展 今度は武者絵だ!」に行って来ました。 上野の森美術館で開催された「アートで候。」から間髪入れず今度は 練馬区立美術館で山口晃さんの個展が開催。(8月17日〜9月17日) 今日は初日の特別鑑賞会にミズマさんからお招きを受け参加。 まだ初日とあって会場はお客さんもまばらですが、夏休みということで 小中学生の姿もあちこちに。熱心にメモを取っていました。エライな〜 レセプションらしいものは特になく、三々五々参加者が作品を見てまわっていました。でも肝心の山口晃さんご本人のお姿が…何でもこの展覧会用の作品を仕上げる為に三日間寝ずに制作に励んでいたとのこと。大層お疲れかと。 無精髭を蓄えたお姿でご本人登場。 こんなことなら栄養ドリンクでも差し入れに持参すればよかったかと後悔。 (「これ飲んでもっと描け〜」と馬車馬のように…それじゃ逆効果か。。。) 因みに↑の作品は8月25日(土)23:00からNHKで放送される「トップランナー」収録時に描いた「ライブペインティング作品」(TRの文字が何処かに記されています)収録は先月行われましたが、Sさんとかみさんはそれに参加。目をハートマークにし焼き付けてきたそうです。雄姿を。来週の土曜日の放送が楽しみです。 チラシ裏面 さてさて、展覧会です。 今日ご一緒した方も口を揃えて仰っていましたが、「アートで候。」よりもはるかに見応えを感じる展覧会です。それは単に作品数が多いだけというだけでなく、山口さんの持ち前の個性が思う存分に発揮されているからだと。上野ではどちらかというと会田誠さんの毒に圧されて山口さんの繊細な魅力が霞んでしまったように感じました。重石が取れて自由に大空を羽ばたいているかのようです。 しかも今回は「武者絵」に的を絞って作品が展示されているので自ずと統一感があり、会上全体もまとまりを持っているかのように思えました。 旧作から新作までずらりと展示されている様は圧巻です。 一つ一つ丁寧に観ていくとどれだけ時間を要するかちょっと通算できません。 ただし、新作「続・無残ノ介」はまだ未完です。 漫画のような連作ものなのですが、所々黒い紙でキャンバスが覆われていました。 そんなことや会場風景もカタログに入れたいとのことでまだ図録は販売されていません。定価1000円と大変お得なお値段なのですが。。。予約は受け付けていました。大竹さんよりも早くできるはずです。9月2日のトークショーには間に合えば… 美術館三階にある企画展示室を二つと準備室も全て使っての展示となっています。 見取り図はこちら。 どれだけ作品数があるかこれだけでもお分かりかと。 これで入場料500円は安い! そして二階の常設展示室を使って今まで山口さんが手がけてこられたCMや雑誌の原画などが紹介されています。「山口晃って誰?」という方はまずこちらの展示室からご覧になるのが宜しいかと。きっと数点は目にしたことおありかと。 山口さんは本やCDの装丁も数多く手がけえていらっしゃいます。 今回はそれらも展示・紹介されています。 全部存じ上げているつもりでいましたが、甘い甘い。 これらの表紙も山口さんの手によるものだそうです。 出世の首―ヴァーチャル短篇集 (角川文庫 つ 2-22) 筒井 康隆 「衣・食・住・楽」暮らしの日本史99の謎 桑原 茂夫 江戸時代を“探検”する (新潮文庫) 山本 博文 帰りに書店に立寄って探そうかと思ったのですが、ビールを飲んでしまったので今日は素直に諦め、また明日にでも。「表紙買い」です! またCMやポスター等で見慣れている山口さんの作品ですが、今回その原画が初公開されているものが多くありファンの心わしづかみ!例えば成田空港第一ターミナル、南ウイング4階にあるこの壁画の原画も初お披露目となっています。 何メートルもある巨大な壁画ですが原画は100cm未満。 驚くべき精密・緻密さで細部まで丁寧に細かく描かれているからこそ これだけ大きく引き伸ばしても鑑賞に堪えるわけです。は〜とため息すら。 また雑誌「ブルータス」の若冲特集号に掲載されていた 伊藤若冲「斗米庵双六」の原画も見られます! BRUTUS (ブルータス) 2006年 8/15号 [雑誌] 何度観ても自然と笑みがこぼれてくる最高の出来。 若冲ラヴな気持ちが伝わってきます。欲しいな〜これ。 他にも以下の作品の表紙絵や挿画が展示されていて興味津々。 風が強く吹いている 三浦 しをん 獏園 澁澤 龍彦 菊灯台 (ホラー・ドラコニア 少女小説集) 澁澤 龍彦 ただし、『菊灯台』の挿絵はエロイものは展示されていません。オトナはがっかり。でもこの展覧会夏休みの子供さん向けでもありますからね。 公共広告機構の「江戸しぐさ」、三越、NHKのCM用原画やパーツも展示。 また会場内で実際にモニターでCMが流されています。 それでは「今日の一枚」 「判官八艘飛乃圖」 かっこ良過ぎます!いままでこれだけ判官・義経を男前に雄雄しく描いた方いらしたでしょうか。そして足元に注目!プーマのシューズ履いています。 弐代目・青い日記帳 山口晃:関連エントリ ・「山口晃展」 ・「モーニング」表紙担当・山口晃! ・二枚の「紫陽花双鶏図」 ・根津神社 御遷座300年大祭 ・『山口晃が描く東京風景 本郷東大界隈』刊行記念講演(顔写真あり) ・山口晃「ラグランジュポイント」 ・「VOCA展2007」 ・『受胎告知』だけでは勿体無い。 ・「アートで候。会田誠 山口晃展」 ・「会田誠 山口晃 トークショー」 ・「アートで候。」山口晃ギャラリートーク ・山口晃ファンの皆さん、科学技術館へ急げ!! 最後にこれから展覧会へ行かれる方、この二冊は必見かと。 これに掲載されている作品が多く展示されています!! 山口晃作品集 山口 晃 山口晃が描く東京風景―本郷東大界隈 山口 晃 この記事のURL http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1109 山口晃(1969年生まれ)は、絵画のジャンルや文化の壁を越え自由な発想と精神で、新たな日本の現代美術の可能性を開拓したことで知られる若手作家です。伝統的なやまと絵の手法を取り込み、古今東西さまざまな事象や風物を融合させ、職人技ともいえる卓越した表現力で独特の風景を描き、国内外で注目されています。 |