青い日記帳 

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日のあたる白い壁

美術館にいくのが好きです。

と江國さんは、前書きの一行目に記しています。
その本のタイトルは「日のあたる白い壁」
文庫本化されお求め易い価格で発売中です。


「日のあたる白い壁」 江國 香織
表紙の絵は児島虎次郎「睡れる幼きモデル

「出会った絵について書くことは、でも勿論私について書くことでした」ドラクロワ、ゴッホ、マティス、荻須高徳、小倉遊亀、オキーフ…etc.。
古今東西の27人の画家の作品をとりあげ、「嫉妬しつつ憧れつつ」自由に想いを巡らした、美しくユニークなエッセイ集。
愛らしい小品から名作まで、画家たちの様々な作品を鑑賞しながら、江國香織その人に出会う―二重の楽しみが味わえる、宝物のような一冊。


一時、江國さんの作品を貪るように読み漁った自分にとって
この一冊はまさに「宝物のような一冊」。珠玉のエッセイ集。

23人の画家さんについて江國の想いが綴られています。
・ゴーギャンのオレンジ―ゴーキャン「オレンジのある静物」
・完璧に保存される物語―カリエール「想い」
・体の奥がざわめくなつかしさ―ホッパー「海辺の部屋」
・祖父の家―児島虎次郎「睡れる幼きモデル」
・ボナールのバスタブ―ボナール「浴槽」
・ポケットに入れて―ドラクロワ「花の習作」
・うつくしいかたち―東郷青児「巴里の女」
・あの怠さ―パスキン「昼寝」
・意志的な幸福―カサット「劇場にて」
・ユトリロの色―ユトリロ「雪の積った村の通り」
・宗教のような、音楽のような―ゴッホ「夜のカフェテラス」
・同化するということ―荻須高徳「カフェ・タバ」
・セザンヌのすいか―セザンヌ「すいかのある静物」
・過渡期の人・マネ―マネ「海にとび込むイザベル」
・あるべき場所のこと―グレコ「聖アンデレと聖フランシスコ」
・ひらがなのちょうちょ―ルドン「ちょうちょ」
・豪胆さと繊細さ―小倉遊亀「家族達」
・プリミティブという力―ムンク「お伽の森の子供たち」
・かつて持っていたくまのぬいぐるみ―ワイエス「グラウンドホッグ・デイ」
・豊かさ、幸福さ、まっとうさ―マティス「ヴァイオリンのある室内」
・インタレスティングということ―カラヴァッジョ「聖トマスの懐疑」
・見知らぬ絵―カーシュテン「赤い台所」ほか
・オキーフの桃―オキーフ「桃とコップ」

23のエッセイ中にはメジャーな作品から初めて目にする作品まで。

セザンヌ「すいかのある静物
セザンヌの水彩画が好きだなんてかなりの通かと。
お会いして美術談義に花を咲かせる妄想まで。つい。

この他に「絵のための絵−憧れの画家バルテュスに会いに」という文章も収録。
二人の交わす会話が秀逸を極めています。自分だったらきっとタジタジのはず。

冒頭で紹介した前書きの続きに江國さんはこんなことも書かれています。
もし私に美しい絵をかく力があったら、この本をかくことはなかったと思います。
様々な時代に様々な場所にいた、そしていたさまを見せてくれている、美しい画家たちに嫉妬しつつ憧れつつかきました。


美しい絵も描けないし、流麗な文章も書けませんが
嫉妬はせずにある種憧れを抱きつつ読みました。憧憬の念にかられながら。


「日のあたる白い壁」 江國 香織

23日には帰ります。ちょっと出かけてきます。
直島 瀬戸内アートの楽園 (とんぼの本)
直島 瀬戸内アートの楽園 (とんぼの本)
秋元 雄史,安藤忠雄 ほか


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1113
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この記事に対するコメント

ついに直島に行かれるのですね!?
日差しが強い中歩き回るのは大変でしょうが、楽しんできてください。
レポート楽しみに待っています。
かっきー | 2007/08/21 9:52 AM
全然知りませんでした。児島虎次郎の表紙が、またいいですね。
この人も「美の巨人たち」でそのすごい人生を知ってから、
好きになった人です。この本さっそく買ってみます。

>お会いして美術談義に花を咲かせる妄想まで。つい

大きな目の、スタイリッシュな佳人だしね(^_^)>江國さん。
ぜひ実現させてください。
秋津(Arthur-co. in mixi) | 2007/08/21 12:17 PM
日のあたる白い壁.
スペインの海岸沿いにある白い家なみを
連想しました。
23日まで、お出かけされるのですね。
楽しんできてください!
コンドル | 2007/08/21 4:38 PM
いいですね〜
自分の好きな作家がどんな絵を好きなのか知るのは嬉しく、その絵について書いているなんてもっと嬉しいです
江國さんの本は読んでいませんが、絵に付いての本なら読んでみたくなりますね

直島憧れながら未だに行けず・・(^^;
えみ丸 | 2007/08/21 5:48 PM
この本、私も最近読みました!!
私にとっては知らない美術作品ばかりだったので、
新たに美術館めぐり、芸術鑑賞をするときのガイドブックのようになりそうです。
江國さんの文章を読んで、美術品を鑑賞するのも、経験を積めば積むほど面白みが出てくるんだなぁ〜と思いました。
由松 | 2007/08/21 6:51 PM
私も読みました!
知らない絵がたくさんありました。
絵の印象とか自分が思ったことを言葉で表現できるってスゴイですよね〜
私はいまだに美術館めぐりの感想をうまく書けないです。(^^;;

直島、いいですね♪
私も行ってみたいです。
あんどぅ | 2007/08/22 9:17 PM
@かっきーさん
こんばんは。

ただいまです。
行って来ました!直島。
想像以上の島でした。
これから写真アップします。

@秋津さん
こんばんは。

書店で逢いました。予告なしに。
こんな本があったのか〜と感激。

全てシンクロするわけではありませんが
江國さんが書くと妙に心に届きます。
見習うべき点山ほど。

@コンドルさん
こんばんは。

スペインの白い壁。
丁度テロが起きた時だったのでキャンセル相次ぐ中
スペインへ行ったこと思い出しました。

直島、道後温泉と遅い夏を満喫してきました。
心なしか今日の外回りも楽だったような…

@えみ丸さん
こんばんは。

「デューク」というシンプルで分りやすい小説あります。
こういう小説が今書ける人って貴重かと。
それから江國さん読むようになりました。

念願叶って直島へ。言葉にできない感動があります。

@由松さん
こんばんは。

美術鑑賞も経験大事ですが、全く無くても
それなりにあってもそれぞれ楽しめます。
無いよりはあった方が良いでしょうが
純粋に絵を観られなくなったりもして。

こういう手軽な本があると良いですよね。
他の作家さんにも是非出して欲しいです。

@あんどぅさん
こんばんは。

お早い!!さすがです。
>自分が思ったことを言葉で表現できるってスゴイですよね〜
そうなんです。ここが一番羨ましいポイント。
作品を見ても表す言葉が見当たらず
ただ「凄い、凄い」としか言えない自分が情けないです。

直島、夏はちょっと暑いかもしれません。
涼しくなったら是非。
Tak管理人 | 2007/08/24 9:37 PM
「モンテロッソのピンクの壁」と同じノリでは無いのねw
猫背。 | 2007/08/31 12:16 PM
@猫背。さん
こんばんは。

「モンテロッソのピンクの壁」とは違いますね。
Tak管理人 | 2007/08/31 11:02 PM
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江國香織の「日のあたる白い壁」を読む! | とんとん・にっき | 2007/09/08 10:25 PM