弐代目・青い日記帳 

  
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フェルメール「牛乳を注ぐ女」を観る前に。
開幕まであと二週間を切った「アムステルダム国立美術館所蔵フェルメール《牛乳を注ぐ女》とオランダ風俗画展」(於:国立新美術館、9月26日(水)から)


フェルメール「牛乳を注ぐ女」初来日!

牛乳を注ぐ女」(「The Milkmaid」)と出逢える日を
今か今かとかと指折り数えて待つ毎日です。

「何度もアムステルダムで観たからいいじゃない」と言われたりもしますが、海外、現地で観る良さも勿論ありますが、それとは別に国内で鑑賞できる良さというものもあります。

現存する作品数が30数点と極端に少ないフェルメール。
所蔵している海外の美術館ではそれぞれ「国宝」扱い。
故に、滅多なことがない限り貸し出ししてくれません。

ましてや「牛乳を注ぐ女」はフェルメールの作品の中でも誰が選んでもベスト3に必ず入るほどの名画。まず日本にやって来ることなどないだろうと思っていました。たとえアスベスト問題で美術館を工事していると謂えども。

どうして台所で女中さんがミルクを注いでいるだけの作品がそんなに凄い凄いと言われるのかいまひとつピンと来ないかと思います。この絵のどこが名画たる所以なのか、詳しいことについては後日書くとして、今日は一冊の本をご紹介。

その本とは…
もっと知りたいフェルメール」小林頼子

今月、東京美術から出る新刊です。
書店には今週末以降にお目見えするはずです。

よくフェルメール関連の本でどれが一番お勧めですか?と質問を受けます。関連本は専門書の類から気楽に読める新書まで数多く出てはいるのですが、フェルメールという画家について、また全作品の解説、そして当時のオランダという国についてなど満遍なくしかも初めてフェルメールに接する人から、フェルメール通の人まで押し並べて満足させる一冊は今までこれ!というものがありませんでした。

フェルメール関連書籍についてはこちらのページにまとめて紹介してあります。

それら全てを網羅し更に年表やコラムなども満載し、美しいカラー写真でフェルメール全作品のみならず当時の他の画家の作品も紹介されています。
掲載図版数は何と170点を数えるボリューム。

以下「もっと知りたいフェルメール」の章立てです。
「絵画の力」を求めて
プロローグ 画家フェルメールの誕生
第1章 物語画家を目指して―模索の時代
第2章 風俗画家への転身―フェルメール・ブランドの誕生に向けて
第3章 成熟の時代―フェルメール・ブランドの深化
第4章 爛熟と再びの模索―時代との対話
エピローグ 遺された家族と作品のその後

より詳細な内容は東京美術のサイトでどうぞ。

ちょこっと中身をご紹介。

フェルメールが2枚しか残していない風景画の中でもこの「デルフトの眺望」は傑作中の傑作。プルーストの「失われた時を求めて」に登場することでも知られています。これも国内で観られたら…贅沢ですね。


右頁に拡大掲載されているのは「窓辺で手紙を読む女
フェルメール初期の作品。2005年に「開催された「ドレスデン国立美術館展」で日本国内でも公開されました。

この作品が描かれたのは1658年−1659年ごろと推定されています。左頁には同時期にオランダで描かれたほかの画家、ニコラス・マース、テル・ボルフ、ファン・ミーリス、デ・ホーホのそれぞれの作品が解説付きで紹介されています。

この「窓辺で手紙を読む女」より一年ほど後に描かれた作品が今回来日する「牛乳を注ぐ女」なのです。

もっと知りたいフェルメール」ではこの作品について4ページも割いて解説がなされています。六本木で実物を観る前にここだけは押さえておきたい鑑賞のポイントとなる点が丁寧に紹介されているのです。


ダウの類似した風俗画の紹介と「牛乳を注ぐ女」のX線写真、赤外線写真も掲載。この一枚を描きあげるのにどれだけフェルメールが試行錯誤したかが手に取るように分かります。足元には描かれるはずだった○○もぼんやりと見えています。

他にも見所、読み所満載の「もっと知りたいフェルメール」
これだけの内容を網羅しお値段たったの1600円!破格値です。

騙すつもりは一切御座いません。
超お勧めの一冊です。

国立新美術館でフェルメールや他のオランダ風俗画を100倍楽しみむ為にも是非。
因みに本の帯に展覧会の割引券が付いています!


同じ小林頼子先生のこちらの発売はもう少し先です。
「牛乳を注ぐ女」 ―画家フェルメールの誕生―
小林頼子


東京美術さんの「もっと知りたい」シリーズは伊藤若冲で一躍名を馳せた大人気シリーズですが、他にも全部揃えたくなってしまう豪華なラインナップとなっています。

もっと知りたいクリムト生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) もっと知りたい歌川広重―生涯と作品 
もっと知りたいクリムト もっと知りたい歌川広重

もっと知りたいミュシャ―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション) もっと知りたい上村松園―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
もっと知りたいミュシャ もっと知りたい上村松園

それでは「今日の一枚

「デルフトの眺望」の描かれた同じ場所に立ってみました。



- 弐代目・青い日記帳 | フェルメール「牛乳を注ぐ女」初来日!
- 弐代目・青い日記帳 | 「牛乳を注ぐ女」あれこれ
- 弐代目・青い日記帳 | フェルメール
- 弐代目・青い日記帳 | 「窓辺で手紙を読む女」の感想
- 弐代目・青い日記帳 | Senses and Sins
- 弐代目・青い日記帳 | 正真正銘の「恋文」
- 弐代目・青い日記帳 | 諸行無常「手紙を書く女」
- 弐代目・青い日記帳 | ちょっと箸休め
- 弐代目・青い日記帳 | 割り切り「リュート」


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1136


・注目の画家
2007年秋の展覧会で《牛乳を注ぐ女》が日本初公開されるということもあり、フェルメールへの関心が高まっています。フェルメールという画家は、現存30数点と数少ないながら、静謐で美しい作品を遺し、短い生涯を終えた謎の多い天才というイメージを長く持たれてきました。しかし、本当のところはどんな人物だったのでしょうか?
・決定版
本書は、全作品とともに生涯を解説し、画家の素顔に肉迫する、最も手軽、かつ画集として充実したフェルメール読本です。経済動向に左右されやすい美術マーケットに向けて制作し自ら買い手を開拓しなければならなかった17世紀オランダの状況も踏まえ、風俗画家として時代の変化に向き合い葛藤する姿を追います。
・時代を映し出す画家
フェルメールが描いたのは主に日常の人々の営みであり、誰もが手がけたテーマ、見慣れた風景ですが、彼の手にかかれば、平凡なひとこまが、深い静寂の染み渡るフェルメール独自の個性に輝きます。この独自の型にたどり着くまでの試行錯誤の中に、流行を意識しつつ、画家としての自負を保とうとする姿勢を見ていきます。
・フェルメールの女性像
本書では特に「女性への眼差し」にも注目し、なぜ彼は若い女性ばかり描いたのか、その偏向の背後にはどのような女性観、さらには当時の女性観が潜んでいるのかを読み解いていきます。
| 読書 | 23:13 | comments(4) | trackbacks(2) |
楽しみですね! 何気に国立新美術館、会社から近いんですよー。あそこは、ミュージアムショップもすごくいいです!
『デルフトの眺望』、絵は生で見たことないのですが、そのタイトルの本は読みました。美術関連の本の中でも、文章がドラマティックで読んでいて楽しい、なかなかの名著と思いましたよー。
| 海 | 2007/09/14 1:19 AM |

やはり生で鑑賞するまえに「みどころ」を押さえていくのは大事ですよね。いつも見てから図録を読み「あぁそうだったのか・・・」という順序なので、今回はきちんと読んで行こうと思います。

そういえば昨晩、BS2での衛星映画劇場では、幻のフェルメールのオリジナル作品をめぐるドラマをやっていました。
| Emmy | 2007/09/14 11:12 AM |

小林頼子先生の本を読み、朝カルで講義も聞かせていただいて、数年前のNEW YORKの展覧会に行きました。
得意になって、同居人に説明していたら、目の前に小林頼子先生が・・・・恥ずかしかった!!!!
| gakko | 2007/09/14 6:38 PM |

@海さん
こんばんは。

会社から美術館が近いなんて
羨ましいです!
ここだと結構時間かかってしまうんです。
六本木意外と不便です。

「デルフトの眺望」は是非一度は
本物をハーグでご覧になること
お勧めします。きっと離れられなくなりますよ。

@Emmyさん
こんばんは。

特にフェルメールは一見フツーの生活を
単純にシンプルに描いているだけのように
見えてしまうので予習は欠かせません。

BS2「ヒヤシンスブルーの少女」ですね。
悪いタイミングで観ることできませんでした
かみさんはしっかり観たそうです。

@gakkoさん
こんばんは。

そんな経験されたのですか〜
小林先生とてもお話しやすい
気さくな方ですよね。
先日も都内某所で少しだけ
お話させていただく機会がありました。
| Tak管理人 | 2007/09/14 11:40 PM |










http://bluediary2.jugem.jp/trackback/1136
もっとフェルメール!
 『恋するフェルメール』を読みながら、サブテキストとして持ってくればよかったと思ったのは、「BRUTUS」のフェルメール特集号でした。それまで私がぼんやりとしか意識してなかったフェルメールについて、「フェルメールって、そんな画家だったのか」と知られしめてく
| 海から始まる!? | 2007/09/16 7:28 PM |
恋するフェルメール!
 前回の記事に書いた旅のお供に持っていった本は、雫井脩介『クローズド・ノート』と、もう1冊有吉玉青『恋するフェルメール』でした。
| 海から始まる!? | 2007/09/16 7:28 PM |
編集・執筆を務めた『カフェのある美術館 素敵な時間を楽しむ』(世界文化社)好評発売中です。


青い日記帳(編集)『美術展の手帖』小学館より発売中です。


青い日記帳「出前ブログ」連載中


gooいまトピ連載中

朝日マリオン・コム「ぶらり、ミュージアム」


山下裕二&井浦新トークショー


青い日記帳コラボグッズ

「展覧会に出かける前に準備しておきたい5つのこと。」

「展覧会を何十倍も楽しむために心がけたい5つの秘訣。」

フェルメールへの招待
國學院大學文学部教授の小池寿子先生監修。不肖私(Tak)が編集と一部執筆しました。詳細はこちら

【展覧会レビュー】
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パリ行って来ました
オランダ行って来ました
 

BLUE HEAVEN(本館)

『文藝春秋』に寄稿しました。

『AERA』に載りました。

「マウリッツハイス美術館展公式ガイドブック」編集・一部執筆しました

「ザ・シネマ」に寄稿しました。

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再び日経に掲載されました

「美連協ニュース」寄稿

『アートコレクター』で紹介されました

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