青い日記帳 

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「平山郁夫展」

東京国立近代美術館で開催中の
「平山郁夫 祈りの旅路」展に行って来ました。



何故、平山郁夫の作品はたとえリトグラフであっても、あんなにもバカ高い値段が付けられ、そして売れるのか理解不能。また一度も平山氏の絵を観て心動かされたことがないので、これはきっと自分に観る目がない証拠だと常々思っていました。

そんな折、近代美術館で平山郁夫画伯の77歳、喜寿を記念して代表作80点もが竹橋で観られるというのでドキドキワクワクしながらスキップして出かけました(嘘)

あれだけの数の作品を観ると、どうして感動しないのかが分かります。
簡単に言えば絵画が「記号化」されてしまっているから。

シルクロードに代表される風景画のような絵画を見てもそれはマスメディア等を通して既に我々に刷り込まれているシルクロードの「イメージ」でしかありません。年齢層の高い展覧会でした。隣のおばさまたちがズバリ言い当てていらっしゃいました「ねぇねぇ、この絵NHKの番組で昔見たわよね」と。

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平山郁夫「絲綢之路天空
らくだの一行が進んでいるのは、中国で火州と呼ばれ、大地の温度が70〜80℃にも達するという灼勲のトルファンである。平山は1978年に新彊ウイグル自治区を訪れた。その折にスケッチした実景がこの作品のもととなっている。らくだは平山がアレンジして付け加えたものだという。

おばさまたちが期せずして口にした「テレビで見たことある」という一言。鋭いですね〜感服致しました。平山画伯の絵が「記号化」してしまっていることを見事言い当てています。そこには絵画の持つ力が欠如し紋切り型で陳腐化したシルクロードの一風景しか読み取ることができません。

絵画には、人間的想像力と観る者に共感を喚起する圧倒的な力があるからこそ、心を動かされるのであって、マスメディアが反復して伝える記号化した世界とは別の物があって然りかと。

4章から構成された展覧会でしたが特に第2章「玄奘三蔵の道と仏教東漸」と第3章「シルクロード」には上記のような作品のオンパレードでした。「見たことある」ので鑑賞時間を短縮できる点では優れています。

楽することを覚える前の作品はまだ見応えがそれでもあります。
第1章「仏陀への憧憬」


祇園精舎」1981年


入涅槃幻想」1961年

しきりにかみさんが「良い」と脇で言うのでその訳を尋ねると「金が使われているから」だそうです。確かに。そういえばクリムト展でも同じこと呟いていました。平山画伯は桁違いの材料費を投じて作品を制作していること伺い知ることできます。お金持ちはいいな〜

平山郁夫のお釈迦様の生涯
平山郁夫のお釈迦様の生涯
高田 好胤

ところで、このぼんやりとした画風は画伯の特徴なのでしょうか?

「平山郁夫」の文字も朦朧としていました。

ウィキペディア(Wikipedia)で調べてみたら、この事以上に驚く記載が。
外務省などによる日本国外での展覧会開催や日本の在外公館への作品設置などの努力にもかかわらず国際的な芸術的評価は得られておらず、画家としての知名度は日本以外では高いとはいえない。

Wikiに書いてあること鵜呑みにしてはいけないと思い早速調べてみました。
使用したサーチエンジンは「Yahoo!japan」「百度」「Google」
比較対象者は「山口晃」「村上隆」それに写真家「杉本博司」
さて、検索結果(ヒット数)を表にまとめてみると…

解説は不要かと。Wiki正しかったようです。

それでは「今日の一枚


仏教伝来」1959年

シャガールかと思いました。


おまけにもう一枚
「受胎告知」ではありません。

受胎霊夢」1962年 だそうです。
釈迦の母である摩耶夫人(まやぶにん)は、釈迦を身ごもる際、夢で白象を見たと伝えられる。天空の象からはこまかな粒状の光のようなものが摩耶夫人に降り注いでおり、今まさに新しい生命が宿るその瞬間が、黒く塗り込めた夜空のなかに、神秘的にあらわされている。

因みにとっても有り難いことに、この展覧会の音声ガイドは平山郁夫大先生自らが自作について語るという前代未聞のもの。なんでも自分自分なのですね。

この展覧会は10月21日まで。その後、広島県立美術館へ巡回するそうです。
お楽しみに〜あっかんべー

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1138
今年、平山郁夫画伯は、77歳の喜寿を迎えられました。また絵を学びはじめてから60年にあたります。本展は、これを記念し、その画業を回顧するものです。
 平山画伯は、はじめ、仏教に関する伝説や逸話にもとづく抒情性豊かな作品で大きな注目を浴びました。その後、玄奘三蔵のインドへの求法の道やシルクロードを旅し、そこで繰り広げられた雄大な歴史の流れに感銘を受け、風景としての歴史画ともいうべき独特の画風をつくりあげました。それは奈良・薬師寺の玄奘三蔵院の大壁画となって大きな実を結ぶことになります。近年は日本の文化にも大きな関心を寄せ、日本各地に取材した作品に新しい境地を切り開いています。
 こうした平山画伯の旺盛な制作活動の根底にあるもの、それは、広島での被爆を経たうえでの、生きること、生かされていることへの問いかけと、その経験から導かれた平和への切実な祈りです。その想いが率直にあらわされた《広島生変図》、《平和の祈り―サラエボ戦跡》などの作品を見るとき、平山画伯が60年にわたる制作活動において表現しようとしてきたものに、私たちは改めて気づかされるのです。
 この展覧会では代表的な作品のなかから約80点が出品されます。「仏陀への憧憬」、「玄奘三蔵の道と仏教東漸」、「シルクロード」、「平和への祈り」の4章構成で、平山画伯の芸術の軌跡をたどります。
展覧会 | permalink | comments(11) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

こんばんわ。
あの馬はやっぱりシャガールですよね〜。
年齢層が高めでうーんて感じでした。
あおひー | 2007/09/16 12:23 AM
おはようございます。

いつもながら、精力的な更新すごいですね!!
コメントしようと思いながら、読ませていただくだけで精一杯。^^;

平山郁夫の作品、私も、なぜか好きになれない、漠然とした、拒否感があったのですが、記事を読ませていただいて、合点がいきました。(^^)

平山郁夫の作品を集めて、展示している、佐川美術館が近くにある、琵琶湖にはよく行くのに、一度も行く気になれない。^^;、他の画家の絵なら、まだ一度はよってみるのでしょうけど。。。
moko | 2007/09/16 8:58 AM
ずいぶん前に、神奈川の近美で「前田青屯(せいそん)とその弟子達」と言う展覧会がありました。
平山作品もいくつか出ていました。
偉大な師匠と並べるのは・・・・と・・・・思いましたです。
gakko | 2007/09/16 9:36 AM
うわあ…完膚なきまでにたたきのめされてる、という感じです…;_;
でもそうなると、私の目にはどううつるだろう、と、ある意味こわくて、ある意味楽しみにもなってきます。
なんて、そんなこと行ってる前に、この展示いけるのかしら、私?
はな | 2007/09/16 11:37 AM
Takさんは平山郁夫、好きじゃないだろなーと何となく感じていたので、
今日の本文読んで、ニヤニヤしてしまいました。すみません…
あと、会田誠さんの「一日一善!」を思い出しました。

この展覧会、割引券をやたら目にするなあ…と思っていました^^
某区役所の教育委員会の窓口なんかにも置いてありました。
「大先生」なだけに、入場者数の目標値も高いのでしょうね。
よめこ | 2007/09/16 11:10 PM
けちょんけちょんですね〜
友人の日本画専門の美術の先生も
この人の絵、どこがうまいのかさっぱり分からない。
流行り廃りで、情緒に流されてしまってるって言ってた
ことを思い出しました。
でも、私は好きですよ〜
一村雨 | 2007/09/17 6:16 AM
@あおひーさん
こんにちは。
TBありがとうございます。

シャガールです。きっぱり。
好き嫌いはいけないと思い
行ってきました。収穫もボチボチかと。

@mokoさん
こんにちは。

泳いでいないとマグロは死んでしまうそうです。
記事を毎日書かないと…
寝る前に歯磨きするのと同じ感覚で書いています。

平山郁夫は良くも悪くもあれだけ
知名度もあり認知度も高いのですから
「政治家」としては大成功をおさめていますね。

画家・平山郁夫を見たくて竹橋まで
足を運んでみました。記号、記号の連続でしたが
行っただけのことはありました。

佐川美術館からも貸し出されている作品がありましたよ!

@gakkoさん
こんにちは。

藝大卒のgakkoさんとしては心中はどのようなものかと。
藝大で開催していた自画像展に行ってきましたが
その時もちょっとだけ平山画伯のことを
思い浮かべてしまいました。

@はなさん
こんにちは。

>完膚なきまでにたたきのめされてる、という感じです…
そうですか〜
大先生ですから叩かれてなんぼかと。
会田誠さんが「郁夫」とサインを入れ
似たような作品を描いているのご存知ですか。

あれは「感動」ものです。

@よめこさん
こんにちは。

展覧会って多くの方がご尽力なされ
開催していらっしゃるのであまり
悪く書いてはいけないと思いつつも。。。

>会田誠さんの「一日一善!」を思い出しました
あれは「名作」です。

身銭切ってしっかり見ておこうと
今回の展覧会は始まる前から考えていました。
敬意を表して?!

@一村雨さん
こんにちは。

>けちょんけちょんですね〜
そうですか〜(二度目)

需要があるのはある意味大事なことですよね。
画家さんというよりも政治家っぽくて
ストイックさがゼロな点も作品に影響しているのでしょう。

画集のようなものがショップでバンバン売れていました。
人気者です。
Tak管理人 | 2007/09/17 12:41 PM
こんにちは
自腹切ってゆくのはイヤですが、たとえば美術に無関心なオバサマ方をお連れするには、一番良い展覧会だと思います。
というのも、多くのそうした方々などは、TVなどで見る他はあまり何も知らず、しかしこの画家ならというのがありますから、まず間違いなく喜ばれます。
そこがやはり政治家であり、ショーバイ人であると思います。
しかし、こうした政治家であり商売人がいないと、アフガン遺跡復興基金とか、そんなのが出来ないのもあるので、がんばって長生きして、そちらの面で辣腕を振るってほしいです。

しかしずっと以前、『前田青邨大居士来迎図』だったか、先生が森の中の切り株に座すのを、阿弥陀如来たちが来迎する図があるのを見たとき、これはこれでエエと思いました。
パフォーマンスであろうとも、あれほど仰々しい大作を「先生のために」拵えたのは、他にいないのですから。
追善供養として、えらいものだと感心いたしました。
遊行七恵 | 2007/09/17 2:30 PM
@遊行七恵さん
こんばんは。

自腹切って行きました。
自腹切らないとちゃんと観られないと思って。
払っただけの「価値」はありました。
芸術の秋、フェルメールに負けないように
頑張ってほしいものです。
そしてこれを機に世界へ羽ばたけ!

コメント短めですみません。
Tak管理人 | 2007/09/18 6:01 PM
自腹をきらずに行って来ました。
結局15分位でひと回りして出てきました。
私は20分ぐらい居ようかと思ったのですが、同行のプロらしき人が10分もあれば良いというので、中を取って15分ということになった次第です。
重い図録をもらったので、そのうちに・・・???です。
とら | 2007/09/24 7:43 PM
@とらさん
こんばんは。
TBありがとうございます。
そしてお帰りなさいませ。

ヨーロッパは如何でしたでしょうか?
また近々お会いした時にゆっくり
お話でも聞かせて下さい。

図録や関連書籍が飛ぶように売れていて
画伯の偉大さをまざまざと見せ付けられました。
Tak管理人 | 2007/09/24 8:46 PM
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「平山郁夫 祈りの旅路」 うーん、どうなんだろうなと思いつつ東京国立近代美術館へ行ってみました。 正直、あの作風はどうなんだろう?自分としてハマるポイントが見出せるんだろうか。。。 なんて、気持ちで行ってみたものの、後半からエンジンがかかってきて堪能
 誘われて内覧会に行ってきた。今回の展覧会はこの画家の77歳の喜寿記念展で、代表作83点が並んでいる。大作が多いのに展示場が非常に広く感じられるのは、ゆったりとした画風のせいなのだろう。もちろん既に観た作品も少なくないのであるが、このようにまとめて観られ
平山郁夫 祈りの旅路 @東京国立近代美術館 | Art & Bell by Tora | 2007/09/24 7:37 PM
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平山郁夫 祈りの旅路 @東京国立近代美術館 | 徒然なるまままに | 2007/09/27 1:41 AM
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平山郁夫 祈りの旅路 | Verdure 4F | 2007/10/08 11:19 PM