青い日記帳 

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「印象派とエコール・ド・パリ展」

日本橋三越本店新館7階ギャラリーで今日まで開催していた
モネ、ルノワール、シャガールを中心に「印象派とエコール・ド・パリ展」に
行って来ました。



吉野石膏株式会社が所蔵するバルビゾン派、印象派、ポスト印象派などの「名画」を山形美術館へ寄託していることは、前々から存じ上げてはいましたが、これだけ質の高いコレクションだとは想像していませんでした。

チラシの表に使われているルノワール、モネ、セザンヌの三作品だけでも大満足ですが、これらを含め全部で75点もの作品が三越で観られてしまうのですからいやはや何とも。。。夢ならさめずにいてほしい。

その中でも「こんな名画が日本にあったのか!」と思わず声を上げてしまうほどの優品がこちらのセザンヌ。

ポール・セザンヌ「サン=タンリ村から見たマルセイユ湾

シカゴにある「レスタックから見たマルセイユ湾」よりも心を掴むものがある作品。建物などは既にセザンヌらしさが出ていますが、まだ空の表現に印象派の名残が若干残っている辺りが、脱皮しかけの節足動物のようです。未完成の美しさにセザンヌファンは萌え萌え。吉野石膏さん一日、否半日でいいからうちにもこれ貸して。最近、展覧会でこんなに興奮したの久しぶりです。

セザンヌはこれ1点だけでしたが、シスレーは4点ありました。

アルフレッド・シスレー「モレのポプラ並木

シスレーといえば「水辺」。でもこの作品の大半は木=緑が占領しています。それなのに木々の隙間から僅かに見える水辺やそれを反射したかのような空の青さが少ないながらもより光彩を放っています。見えないからこそ余計に観ようとして眼を凝らし僅かの青を求めてしまう。行き着くところこの絵も立派な「水辺」の作品。
それにしても何て清々しい作品でしょう。

「モレのポプラ並木」と言えば今年の8月、ニースの美術館から盗難されてしまった同タイトルのシスレー作品思い出させます。記事はこちら(画像あります)

シスレーと共に日本で人気の抜群に高いモネは7点。
チラシの表紙にある「サン=ジョルマンの森の中で」初め「テームズ川のチャリング・クロス橋」「睡蓮」などモネお馴染みの作品も漏らさずコレクションされています。国立新美術館で開催された「モネ展」にも吉野石膏コレクションから数点レンタルされていましたよね。何度観ても良いものは良いです。

クロード・モネ「日傘をさす婦人

印象派美術館
「印象派美術館」 島田 紀夫

吉野石膏の須藤親子のコレクション眼の高さを雄弁に物語る一枚としてあげるなら、ジョアン・ミロの「シウラナ村」ミロがまだ20代の頃描いた風景画。キャプションがなければ100%ミロの作品だと分かりません。こういった珍しく美術史上でも非常に価値の高い作品を「さりげなく」持っているからニクイです。

ルノワールは10点くらいあったでしょうか。
「フィラデルフィア美術館展」を観て以来ちょっとだけ自分の中で評価が高まったルノワールさん。いつもより時間をかけ鑑賞。

オーギュスト・ルノワール「庭で犬を膝に抱いて読書する少女

1987年の作品だそうです。ちょっと人物の周辺がボヤボヤしてきてしまっていますが、色合いと光の表現が見事でした。合格。

他にも名品がごろごろ。山形が羨ましくてたまりません。

眼に見えるものしか描かない、クールベさんはホイッスラーの恋人を略奪愛。

ギュスターヴ ・クールベ「ジョーの肖像 美しいアイルランド女性

ロセッティのモデルさんに何処となく似ているな〜と思い検索してみたら「髪を梳く女たち : ロセッティの「レイディ・リリス」とクールベの「ジョーの肖像」をめぐって」なんて論文もあるそうで、是非とも読んでみたいもの。

ゴッホは1点だけでしたが、観たことないような横長キャンバスに人物。

ヴィンセント ・ヴァン ・ゴッホ「雪原で薪を集める人びと

横長で風景画を描いた傑作は晩年多く残していますが、こんな作品もあったとは。ミレーが描いた農民をそのまま写し描いたような作品。

今日、井出洋一郎先生の「フィラデルフィア美術館展」関連の講演会でたまたま聴いたのですが、「ミュージアム・ピース」とよばれる類の作品があるそうで、それは一般受けはしないけど美術館が選ぶ重要な作品を指す言葉だそうです。まさにこのゴッホの作品などその「ミュージアム・ピース」にぴったりかと。

須藤親子のコレクション眼は下手な美術館のキュレーターよりもはるかに上をいく優れたものであることあらためて認識。そして称賛。

それでは「今日の一枚


キスリング「背中を向けた裸婦

こんな綺麗な女性の背中が世の中にあるのでしょうか。まるで千疋屋の店頭に箱入りで置かれている上等な果物のようです。触ることは勿論、凝視することさえも許されなそう…でも女性の目がそれを誘引しているかのように妖しく光り口元へ。

全く関係ないのですが、古今集のこの名歌が頭を過りました。
“思ひつつぬればや人の見えつらむ夢としりせばさめざらましを”

こういう絵は「独り占め」したい願望に駆られます。
ポストカード売っていたので小躍り。105円也。かみさんには内緒内緒。

府中市美術館で横浜で観た「キスリング展」が巡回し開催されています。こんな素晴らしいキスリング見せられると、府中までまた観に行きたくなってしまうじゃ〜ありませんか。。。(って最初から行く気?!)

悪魔と呼ばれたコレクター―バーンズ・コレクションをつくった男の肖像
悪魔と呼ばれたコレクター―バーンズ・コレクションをつくった男の肖像
ハワード グリーンフェルド

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1167
19世紀前半から20世紀後半までのフランス絵画の流れを、日本でフランス近代絵画の優品を多数所蔵する吉野石膏コレクションでたどります。吉野石膏コレクションは、吉野石膏株式会社により収集されてきたフランス近代絵画が山形美術館に寄託され、常設展示されているものです。本展ではこの吉野石膏コレクションから、印象派以前のコロー、ミレー、クールベ、ブータン、印象派はモネやルノワールはもとよりピサロ、シスレー、後期印象派のセザンヌ、ゴッホ、次の世代のボナール、20世紀の多彩な表現者であるマティス、ルオー、マルケ、ヴラマンク、ピカソ、ミロ、カンディンスキー、そしてエコール・ド・パリのシャガール、ユトリロ、ローランサン、キスリングなどを一堂に展覧します。いずれの作家もフランス近代絵画の歴史には欠かすことのできない巨匠たちであり、その出品作品も各作家の画業を考える上で大変重要なものばかりです。印象派とエコール・ド・パリを中心にしてフランス近代絵画を一望に見渡すまたとない機会と言えるでしょう。
展覧会 | permalink | comments(13) | trackbacks(4)

この記事に対するコメント

この展覧会良かったですねー。
私はドガの「踊り子たち、ピンクと緑」がお気に入りでした!
ogawama | 2007/10/14 11:42 PM
ああ、東京がもう少し近かったら。。。

よだれが出るほどの美術展だったのですね。せめてもう少し期間が長かったらいけたのになぁ。

シスレーの絵というのは、みてると、自分もその自然のなかにたって、その緑の草いきれを嗅ぎ、木立の間をそよぐ風を感じる、そんな気分にしてくれます。

moko | 2007/10/15 7:55 AM
私も高を括って会社帰りに寄ったら、最後は駆け足状態になってしまいました。でも最後のキスリング、余りに妖しい美しさを放っていて、女の私もしばし陶然。勿論ポスト・カードも購入しましたよ〜
YC | 2007/10/15 12:36 PM
本当に素晴らしいコレクションでした。
バブル崩壊後も数が増えているところなどお見事ですね。
とら | 2007/10/15 6:49 PM
最後のキスリング作品良いですね〜。
このコレクション山形美術館で見て来ます。
いつになるかは分かりませんが。。。
meme | 2007/10/15 8:59 PM
このコレクッション、何気ないけど凄いですよね。

ちょっと鳥肌が立つようでした。

普段なかなかお目にかかれないコロー、クールベ、ミレー、

さらにさらに、ミロ、カンディンスキー、

もう言葉が出ません。

そう考えると、安田火災海上保険だったときに購入した

ゴッホの「ひまわり」

損保ジャパン美術館が金科玉条のようにして展示してあるのは、

滑稽にさえ感じてしまいます。

そんなわん太夫は、「拗ね者」なんでしょうか・・・
わん太夫 | 2007/10/15 10:19 PM
@ogawamaさん
こんばんは。

ドガのあの左側に無意味に空いたスペースが
とても気になってしまいました。。。

@mokoさん
こんばんは。

私も初め、チケットを三越さんから頂戴した時
印象派の何枚かで適当に…なんて邪推したのですが
大きな間違いでした。ゴメン。

シスレーの絵は仰る通りすの中にいても
一番気持ちの良い風景を描きますよね。
そこが好きにさせる要因かな。

@YCさん
こんばんは。

侮っていましたね。。。お互い。
キスリングのカードは今、PCのすぐ脇に飾ってあります。
フェルメールの真珠の耳飾りの少女の
ポーズとだぶるところありますね。

@とらさん
こんばんは。

お見事ですね!立派だと思います。
コレクションを開始したころと随分と
絵画の値段も変ってきているはずです。
山形が羨ましくてたまりません。

@memeさん
こんばんは。

私もいつになるかは、分かりませんが
このキスリングと今一度対面したいと
願ってやみません。素敵過ぎます。
影との対比もまた、良いですね。

@わん太夫さん
こんばんは。

いやはや、単純に凄いです。
その一言。
ただ集めればいいってわけでもありません。
どれだけ質の高い作品を収集できるか。

損保ジャパンと比べては可哀想かと。
あれはなんていうか。。。
企業メセナとは違うような気がします。
貸し出しもしてくれませんしね。

Tak管理人 | 2007/10/15 11:02 PM
こんばんは。キスリング出ておりましたね。きっとこれはTakさんお好きだろうななどと思いながら見ておりました。府中への巡回は是非見に行きたいと思います。好きな美術館なのできっと好感度もあがるかと…。

それにしてもこの質の高さには驚きました。大満足ですね。
はろるど | 2007/10/16 9:52 PM
@はろるどさん
こんばんは。

質高すぎです。
噂に違わぬ充実ぶりでした。
海外にそのまま出しても
全く問題ないですね、これなら。

記事には書きませんでしたが
シャガールも体系的に集められているようで
驚かされました。無理して行って良かったです。
Tak管理人 | 2007/10/16 10:39 PM
大変ご無沙汰しております。
実はこのブログ僕の前のパソコンだと画面が真っ白になってしまうのです!
Windows Vistaに買い換えましたのでこれからちょくちょく訪れることができると思います。
TAKさんがおっしゃるように山形はシャガールも充実していまして、上野の森「シャガール展」でも山形からたくさん出品されておりました。
シャガールが自画像を絵の中に描きこんだのを三越のこの展覧会で知り、ついつい自画像ないかなと探してしまいました/笑。
カタログを見ますとこんな素晴らしいコレクションが福岡と東京だけしか巡回しないのですね。
早く山形は所蔵品を手元に戻したいのかな?
oki | 2007/10/18 1:00 AM
@okiさん
こんばんは。

こちらのブログの所為で
ご覧いただくことができず
大変申し訳御座いませんでした。
以前も同じようなお問い合わせが
あったのですが、原因がいまひとつ
はっきりせずに今に至っております。

サイドに貼り付けているブログパーツを
少し整理すればよいとのことですので
暇が出来たらすこしいじってみたいと思います。

フィラデルフィア展にシャガールの自画像
一点出展されていました。
Tak管理人 | 2007/10/18 10:47 PM
凄いコレクションでしたね!ビックリしました!!
会場がもっと素晴らしかったら長居したのですが。。。
今度は美術館で鑑賞したいです♪
モネ、ルノワール、シャガール、タイトル通り、本当に充実していましたね!特にシャガールの部屋は凄かったです、シャガール君、だんだん気になる画家になってきました!(^_^)
りゅう | 2007/11/28 10:47 PM
@りゅうさん
こんばんは。

会場混雑していましたね。
それにしても日本人印象派大好きですね。
それに比べてセザンヌの人気のなさ。。。
自分にとってはゆったり観られていいのですが。

シャガール確かにあれだけあるとぐぐっと
迫り来る物ありますね。上野も行かないと!
Tak管理人 | 2007/11/28 11:28 PM
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