青い日記帳 

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琳派展X「神坂雪佳-京琳派ルネサンス-」

細見美術館で開催中の
琳派展X「神坂雪佳-京琳派ルネサンス-」に行って来ました。



「狩野永徳展」を鑑賞後、血天井で名高い養源院へ。
養源院は、京都国立博物館と七条通りをはさんで真向かいの位置にあります。
蓮華王院三十三間堂の目の前です。昨年訪れた際の記事。(画像あり)

宗達の杉戸絵と血天井を観た後は続いて智積院へ。
狩野派のライバル長谷川等伯一門が描いた国宝「障壁画」がここの見もの。
昨年訪れた際の記事。(画像あり)

狩野永徳展で満腹状態の胃袋に更に宗達に血天井、おまけに長谷川等伯一門の障壁画を詰め込んできたわけで…もう身動き取れないほど充腹。誰が言い出すわけでもなく畳にべたりと座りながら、智積院の池泉鑑賞式庭園をぼーと眺め食休みを。
(2010年には京都国立博物館で「長谷川等伯展」開催)

小一時間は智積院で過ごしたでしょうか。その後、細見美術館へ移動。
神坂雪佳(かみさかせっか)展を開催しているとあっては行かねばなりません。

昨年の5月に日本橋高島屋で開催された「神坂雪佳展」で初めて雪佳について知り、衝撃を受けそれ以来近世の画家の中では最も好きな人物のひとりに。

神坂雪佳は、慶応2年(1868年)京都に生まれ、昭和17年(1942年)77才にしてこの世を去るまで絵画のみならず染織、陶芸、漆器など工芸作品から室内装飾や造園まで実に幅広く活躍の場を有していた作家さんです。

さて、さて展覧会の構成は以下の通り。
1:雪佳の魅力
2:琳派への憧れと古画学習
3:生活を彩るもの
4:図案家・雪佳の活躍


昨年高島屋で初めて対面した時ほどの衝撃はありませんでしたが、狩野永徳・血天井・俵屋宗達・長谷川等伯一門という濃厚な「食事」の後でしたので、とてもさっぱりした上質な「デザート」を頂戴するように雪佳の作品を鑑賞することができました。

以下セクションごとに作品をご紹介。
1:雪佳の魅力

神坂雪佳「十二ヶ月草花図


神坂雪佳「四季草花図屏風
      


  
左が伊藤若冲「動植綵絵」(老松孔雀図)。右が神坂雪佳「白鳳図」。

この他にもみんな大好き「金魚玉図」も。

2:琳派への憧れと古画学習

俵屋宗達・下絵「隆達節断簡

大大大好きな中村芳中の作品も!

3:生活を彩るもの
神坂雪佳・下絵「水の図向附皿
この下絵をもとに実際に作られたお皿も展示されていました。

四代・五代清水六兵衛「水の図向附皿」

神坂雪佳は光琳派に根ざした絵画作品を数多く残しました。しかし、手がけた作品は絵画のみにとどまらず、「展覧会で鑑賞されるだけのものではなく、日常生活に根付く作品を手がけたい」との考えから、デザイナー・プロデューサー・コーディネーターと多才ぶりを存分に発揮しながら、様々な作品づくりに取り組みました。
こちらのサイトでは、雪佳がひいた図案をもとに、清水六兵衛が作り上げた陶器の復刻作品を販売しています。


4:図案家・雪佳の活躍

神坂雪佳「海路

西欧に追いつけ追い越せだった時代、雪佳は圧倒的なヨーロッパ美術に接しても逆に日本の装飾意匠の欧州への強い影響力を再認識し「なんだ、アール・ヌーヴォーなんてのは所詮日本の真似事じゃないか」と堂々と胸を張り宣言。洋行帰りの船から観た波をデッサンし完成したのがこの「海路」。

新美術海 (近代図案コレクション)
新美術海 (近代図案コレクション)

明治開国以降すっかり失ったと思われていた日本人のアイデンティティーを雪佳は亡くなるまでずーと持ち続けていたわけです。時流に流されない京都人の代表的人物。

それでは最後に「今日の一枚

「百々世草」から「八つ橋」

左下に貼り付けたのは2001年にエルメス発行の雑誌「ル・モンド・エルメス」38号の表紙に用いられた「八つ橋」。この号で初めて日本人が表紙に用いられしかも巻頭12ページで雪佳の特集が組まれたそうです。

これがきっかけとなり、日本国内でも雪佳に対する見方(というかそれまで忘れ去られたいた)が一転。脚光を浴びることとなり各地で展覧会が開催されました。いつまでたっても「同じこと」の繰り返し。海外が認めてくれないと自国の優れた作家すら見つけることができない……以前高島屋で観た時同様気分マイナスに。それでも尚、雪佳の作品やデザインに勇気付けられること数多。狩野派から琳派の流れをしかと受け止めた上質な「デザート」であること間違いありません。

神坂雪佳 百々世草―近代図案コレクション (近代図案コレクション)
神坂雪佳 百々世草―近代図案コレクション (近代図案コレクション)
神坂 雪佳

この展覧会は12月16日までです。

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 「神坂雪佳展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「珠玉の日本美術 細見コレクション リクエスト展06」
- 弐代目・青い日記帳 | 丸紅コレクション「絵画と衣裳 美の名品展」
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- 弐代目・青い日記帳 | 2006年 展覧会ベスト10
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- 弐代目・青い日記帳 | 笑いトーク・スペシャル「日本美術応援団、展覧会を笑う」

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1185
 明治から昭和前期にかけて京都で活躍した神坂雪佳(1866−1942)。琳派に傾倒しながら、明快でモダンな独自の様式を築きました。雪佳は絵画にとどまらず、染織品、陶器、漆器など、暮らしを彩る様々な分野の装飾、意匠にも手腕を発揮し、図案家としても注目されています。
本展では華やかな草花、ユニークな視点で捉えた動物や人物を描いた絵画、雪佳デザインの工芸作品、また代表作『百々世草』などの図案類を展示するほか、雪佳旧蔵の美術品も紹介し、雪佳芸術の原点にも迫ります。「光琳の再来」とも評され、現代の人々をも魅了する雪佳の世界をご堪能ください。
展覧会 | permalink | comments(14) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんにちは。神坂雪佳 大好きです。
あれはどこの美術館だったかしら、金魚の掛け軸に驚いて,神坂雪佳の名前を知ったのは、それで去年の高島屋には感激しました。去年はまだブログも知らなかったので、今回見せていただき、ありがとうございました。
芸艸堂の〈近代図案コレクション〉シリーズはすてきですね。といってもまだ書店でながめているだけ、やっと一冊「若冲画譜」を買いました。「玄圃瑶華」の全図がでてたので、次は「百々世草」をと思っています。
すぴか | 2007/11/01 10:30 AM
確かにスッキリとした展覧会でしたね。わたしの狩野永徳ー竹内栖鳳ー神坂雪佳ー葛飾北斎というフルコースの中では、さしずめ途中のシャーベット!でした。
とら | 2007/11/01 8:53 PM
>狩野永徳・血天井・俵屋宗達・長谷川等伯一門という濃厚な「食事」の後でしたので、とてもさっぱりした上質な「デザート」

ああ、わかります。
私も先日、京都日帰りツアーやってきました。
三十三間堂→血天井・俵屋宗達→狩野永徳→長谷川等伯一門、というコース。
・・・皆さん、同じようなコースを思いつくんですね。
等伯終了時点で既に4時半を過ぎていたのですが、
このまま帰宅してしまっては、満腹感のあまりゲップがでちゃう!
というわけで、スッキリするために神坂雪佳。
どことなく平面的だけれどベッタリはしていない、
華やかだけれど重すぎず、個展柄でもモダンな雪佳。
これを見たお陰で、気持ちよく京都を去れました。
菊花 | 2007/11/01 11:11 PM
こんにちは、細見美術館いいですよね。コレクションも好みですし、レストランも美味しくてお気に入りです。(笑) ただ近年この時期に京都へ行く機会がなかなかなくて、特に去年は涙を呑みましたが、今年の雪佳も行けそうになくてちょっと残念…
ともあれ、雪佳は以前佐倉で特別展を見ましたが、またあのくらいの規模で東京でも開催してくれるといいですね。
ちひろ | 2007/11/02 7:23 PM
@すぴかさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

金魚今回も出ていました。
真正面から描くか!っと
いつも突っ込みいれたくなります。
愛くるしいヤツです。

芸艸堂さんは雪佳と長い長いお付き合いですね。
こういった売れなそうな本でも地道に
出していただけると大変有り難いです。

@とらさん
こんばんは。
TBありがとうございます。
いつものことながらこちらからTB飛ばないようです。
申し訳ないです。

「シャーベット」仰る通り!
口当たりもよく爽やかでしたね〜

@菊花さん
こんばんは。

>スッキリするために神坂雪佳。
ですよね。
雪佳観ないで帰ると
胃がもたれたまま
新幹線の中で苦しみます。

コテコテのお好み焼きと生ビールを
この後いただいて実際のお腹も満腹にし
帰りの新幹線の中では図録も読まずに
ひたすら眠りとおしました。

お疲れ様でした〜

@ちひろさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

レストランはまだ一度も食事いただいたこと
ないんです。。。次回こそ。
いつも慌しいスケジュール組んでいるので中々。
東京でもまた是非とも開催して欲しいものです。
出光あたりでやってくれないかな。
代わりに抱一貸してあげて!

そういえば今九州で抱一展やってますね。
Tak管理人 | 2007/11/02 11:43 PM
これでもか〜〜!!という大作のあとのすっきりとしたデザート♪ 

たしかに♪

私は地元ですから一気に回りはしないコースですが、永徳→雪佳ぐらいならするかも(笑)
以前話したことがあったかもしれませんが私が琳派(というか日本美術)に目覚めたのはなんとこの雪佳さんからなんですよ(笑)


この雪佳展は二日めに行ったんですが なんとか(名前失念)紅琳という高弟の作品も出てましたよね♪ 

| 2007/11/04 2:32 PM
@| | 2007/11/04 2:32 PM | さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

地元とあれば急ぐこともありませんね。
永徳と同日に見ることもないですしね。
雪佳は単体で観るのがいいかもしれません。
ゆったりと時間をかけて。

雪佳さんの文化継承の思いが
ひしひしと伝わってきます。
流されない人に自分もなりたいですが
どうやらそれは無理そうです。。。
Tak管理人 | 2007/11/04 4:36 PM
こんばんは
永徳とは別な日に出かけました。
御所―大観勅題画―茶道具―雪佳・・・他。
ほのぼのした気持ちになるのがいいですよね。
ところで、去年辺りから高島屋のお歳暮のギフトブックの表紙に雪佳作品が使われてます。
今年は軒端の白梅でした。
ちいさい楽しみになりました♪
遊行七恵 | 2007/11/04 6:25 PM
京都でこの展示を開催しているおかげで、
静岡の三島にて《細見コレクション》を見れましたo(^▽^)o
酒井抱一、鈴木其一満載で感動のひとときでしたあ〜
でも、いつか本当の細見美術館に行ってみたいです
るる | 2007/11/04 8:46 PM
@遊行七恵さん
こんばんは。

永徳と一緒じゃないほうがいいですよね。
きっと。
ほのぼの感は中村芳中に通ずるものありますね。
二人展とか開催してくれないかな〜
高島屋さん粋なことしてくれますよね。
広告にも使われていたりして。
雪佳さん偉大です。立派です。

@るるさん
こんばんは。

細見コレクションは実に充実していますよね。
見応え十分です。
細見美術館で見るよりも良かったかもしれませんよ。
因みに今回の出光美術館の月報は抱一についてです。
Tak管理人 | 2007/11/05 9:51 PM
2007/11/04 2:32 PMの書き込みは十六夜でした。
名前を入れるのをすっかり忘れていました。。。
失礼しました。

高島屋のお中元お歳暮のポスター三シーズン目になりましたね♪

私はこの夏のポスターになった八橋の風呂敷GETしてしまいました。。。^^; 
十六夜 | 2007/11/06 7:37 PM
@十六夜さん
こんばんは。

コメントの内容からきっと
十六夜さんだろうな〜と
思っていました。

八橋の意匠は琳派の流れをくみつつも
見事にアレンジされていて素晴らしいと思います。
Tak管理人 | 2007/11/07 11:00 PM
こんばんは。TBをありがとうございました。

>上質な「デザート」を頂戴するように雪佳の作品を鑑賞

まさに仰る通りですね。シャーベットをいただく感覚で楽しみました。おしることは少し違いますよね。(すみません、よく分からないことを言っています…。)

デザイナーとしての雪佳の魅力に改めて開眼しました。
この魅力はもう不滅でしょうね。
はろるど | 2007/11/17 11:47 PM
@はろるどさん
こんばんは。

シャーベット感覚で。
まさにお口直し。
すっきりした後味が雪佳の特徴。

高島屋のお歳暮の広告も
まさに誂えたようにデザイン決まっています。
筋を一本通した人が放つアウラは違いますね。
Tak管理人 | 2007/11/19 8:18 PM
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神坂雪佳 京琳派ルネサンス @細見美術館 | Art & Bell by Tora | 2007/11/01 8:55 PM
細見美術館では神坂雪佳展が開催されている。 外国以外で最初に雪佳を評価したのはこの美術館だと思う。 来年この細見美術館は開館10年を迎えるが、それ以前は雪佳の作品を見る機会といえば、京都国立近代美術館に少しくらいある
神坂雪佳 京琳派ルネサンス | 遊行七恵の日々是遊行 | 2007/11/04 6:18 PM