青い日記帳 

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フェルメールの素顔?!

ちょいと前、ふらりと立寄った古本屋で面白い本を購入しました。
本のタイトルは『GREAT ARTISTS 大芸術家』上中下の三巻セット。


大芸術家(上)』

アマゾンで探しても見つかりません。
それもそのはず、出版社自体も既に存在していません。
(アドアンゲン株式会社)

この本が出されたのが1974年となっています。
今からおよそ35年も前の本です。

で、この少しかび臭い本のどこがユニークというと…
もう一度表紙をご覧下さい。
左上から、ルーベンス、レンブラント、そしてフェルメール!

「大芸術家」の上巻の三人の内のひとりにフェルメールが入っているのです。
しかも驚くことなかれ、自画像が残っていないにも関わらず「顔」が!
オイオイ。。。

しかし、これくらいで驚いてはいけません。
「大芸術家」は三人の画家の伝記を見開き左頁に、右頁にはカラーの絵が。
こんな感じです。

因みにこれはフェルメールの一頁目。
手前の後ろ姿の少年がフェルメール。両脇にいるのが父親と母親だそうです。

何たる想像力でしょう。

まるで17世紀のオランダ、デルフトの町にいた事があるかのような確信に満ちた迷いのない挿絵です。タイムマシンでもお持ちなのかと。

続けます、どうせなら最後まで。

23歳でカタリーナと結婚し8人の子供に恵まれたフェルメール。
幸せ溢れる一家団欒の様子でしょうか。

こうなると、想像力ではなく創造力のなせる業

さて、画家フェルメールはどのような仕事っぷりだったのでしょう。
それをこの絵の作者マーチン・アイチソンは解き明かし示してくれます。

フェルメールのアトリエ風景3連発。
アトリエから「小路」制作中

「ご主人様一休みなさってください」
メイドさんがお茶を運んできてくれたようです。

手前にあるのは…
カメラオブスクラ。
やっぱり使っていたんですね〜(流石タイムマシン!)

「小路」「ヴァージナルの前に立つ女」「音楽のレッスン」が描かれた様子を想像力と創造力によって表しているようですが、どれもみな現存している作品をそのまま描いただけのように感じるのは穿った観かたでしょうか。。。それだけフェルメールの描写力が優れていたことを示したいのかな。そうだね、きっと。

こんな悲しい挿絵も。

「牛乳を注ぐ女」買い叩かれています。棒でつつくな!!

フェルメールの作品は生前はあまり価値を認められなかったと。。。
おいおい本当かい??
「フェルメールは前衛すぎて、当時の人々に理解されませんでした」だそうです。

こちらは更に悲しい一枚。
フェルメールは家族を残し、1675年43歳で亡くなってしまいます。
破産宣告を。。。奥さんが抱えている絵はもしや…
しかもここ「デルフトの眺望」の場所です。

後ろ指さしている男の顔がなんともいやらしい。

で、これで終わりではなく、もう一頁あります。
これですこれ。
誰?これ??
贋作者・バン・ミーゲレンだそうです。(ファン・メーヘレン)
何もフェルメールの伝記の最後にこの人持ってこなくてもいいかと。

私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件
「私はフェルメール 20世紀最大の贋作事件」 フランク・ウイン

ハン・ファン・メーヘレンによって描かれた有名なフェルメールの贋作「エマオのキリスト」を所蔵しているロッテルダムのボイマンス美術館で撮影してきたフェルメールの贋作を紹介している記事はこちら

まぁ、徹頭徹尾「ちょっとずれている」のがこの本の一番の魅力かも。
結構(かなり)楽しめましたでしょ?!

因みにこの本、元は英語で書かれているものです。

英文も収録されてりる優れものだったりします。
1974年で定価500円ですから、かなり高価だったかと。
500円札とかまだあった時代ですよね。

こちらは、中巻と下巻。
 
中巻:ダ・ヴィンチ、ラファエル、ミケランジェロ
下巻:ゴッホ、ゴーギャン、セザンヌ

こういった思わぬ掘り出し物に出会えるので古本屋巡りはやめられません。
「今日もいい物あるかな〜」と意気込んで行くとまったく収穫ゼロだったりします。逆に今回のようにほんとついでに立寄った普段行かない古本屋さんでこういった稀少本に出会えるとなんとも言えない嬉しさがあります。

さて、次出逢える本はどんなものだろう。

東京人 2008年 01月号 [雑誌]
東京人 2008年 01月号 [雑誌]
東京人おなじみの神保町特集、2008年度版が登場。
都心であるがゆえの宿命か、古書の町にも変化は目立つようになり、
靖国通り沿いにあったあの店が消え、すずらん通りにあった
レトロな看板建築がなくなり……。


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1220

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フェルメール | permalink | comments(13) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

お、面白過ぎます!
これは掘り出し物でしたね。他の画家の伝記も読んでみたくなります。
ふみ | 2007/12/06 12:30 AM
ご無沙汰しております。

こういった掘り出し物にめぐり会えるのは古書店ならではの楽しみですね。
まるで実際に見てきたかのような挿絵の数々、本当に楽しいです。

デルフトの街を歩くフェルメールの奥さんの服は
シルエットは例の黄色いガウンですが、色は青
頭巾は『天秤を持つ女』や『水差しを持つ女』ですね。

これらの挿絵は「だまし絵」みたいですね。、
どこまでが絵の情景でどこからが画中画か分からなくなりそうです。

千露 | 2007/12/06 9:42 AM
掘り出し物を見つけるのも才能ですね。
呼び寄せたのではないでしょうか
なんて面白さ!このblogで再評価されて
本の向こうのVermeerも笑っているでしょう。
panda | 2007/12/06 5:43 PM
これ、めちゃめちゃおもしろそうですね〜!
こういう笑い、大好きです!(て、作者は笑いを意図してないのでしょうが。)

フェルメールが、すごく人がよさそうにも見えるし、なんとなく腹黒そうな顔にも見える笑顔をしているのが楽しすぎます。
ビバ・イマジネーション!
はな | 2007/12/06 8:10 PM
@ふみさん
こんばんは。

喜んでいただけてこちらも嬉しいです。
他の伝記も似たり寄ったりのゆるい内容です。

@千露さん
こんばんは。

>これらの挿絵は「だまし絵」みたいですね。、
>どこまでが絵の情景でどこからが画中画か分からなくなりそうです。
そうなんです。
まったく仰る通り。
何処までが現実風景で何処が絵画なのか
つかめなくなります。
だまし絵ですね。一種の。
そういった意味ではかなり才能のある絵師さんかと。

子供の背の高さの不自然さとか
突っ込みどころとにかく満載です。

昨夜はこの本一冊酒のつまみにしながら
知人と杯交わしてきました。

@pandaさん
こんばんは。

呼んでいたのかもしれません。
本と服は呼ばれること多々あります。
版権どこかの出版社が持っていたら
是非とも復刊していただけないかと。。。
無理かな〜

@はなさん
こんばんは。

絶対狙ってますって。
確信犯です。
天然でこれだけ笑い取れたら相当です。
でももしかしてそうかも・・・

奥さんが逆にほっそりしていて優しそうですよね。
絵を描いた人の好みではないかと。
映画とはまた随分違った世界です。
Tak管理人 | 2007/12/06 10:47 PM
なんてステキなアリエナイザーぶり!
ほんとスバラシイ掘り出しもの、よい買い物されましたね〜。

そのナイスな本屋さん、今度こっそり教えて下さい!
m25 | 2007/12/06 10:50 PM
すごーい。こんな本が。
フェルメールの笑顔に朝から笑わせていただきました。
他の「大芸術家」もどんなふうに見てきたように描かれているのかしら。
大の | 2007/12/07 9:15 AM
こんにちは
わたしこれを見て、明治神宮の宝物殿というのかしら、
歴代天皇と皇后の肖像画を飾っている展示室のことを
思い出してしまいました。
神武から明治天皇までだったか・・・
フェルメールのこの絵本・・・
なんか怪作というのでしょうか、どういえばよいか。
でもきっと外国の素直な子供さんたちはこうした本で
偉大な芸術家の生涯を知るんでしょうね・・・?(え?)
遊行七恵 | 2007/12/07 12:44 PM
あの〜!!!!!!!

これって、今年の馬鹿受け癸韻任靴腓Α!!!
この先何十年Takさんがブログを書かれても、こんな
馬鹿受けするものはなかなか書けないと思います。

お〜い!Takさんに座布団だけでなく敷き布団も敷い
てあげて!!寒いからユタンポも入れてあげて!!
です。
AOKIT | 2007/12/07 10:08 PM
大傑作
絶対確信犯
よく掘り出しました

というワタシも抱いた思いは、↑皆さんもおっしゃっているので、!!!をいっぱいつけたいのですが、我慢します。

それにしてもこの絵柄、なんともレトロチックですね。
昔の絵本はこんな絵ばっかりでしたよね。
こどもの頃持っていた「クオレ物語」とか「偉人伝」とか思い出す画風であります。
Sa | 2007/12/07 11:16 PM
Takさん、こんばんは。
こんなツッコミどころの多い絵本を紹介してくださってありがとうございます!
おなか抱えて笑いました。
向こうの子供向け絵本は、時代考証無視で中世の伝記なのに16世紀風の王様が出てきたりなど、かなりスキがおおいらしいですが、これは絵がレトロでリアルな分、読んだ人がうっかり信じちゃいそうです(^^)
悲しい場面・・・悲しいのになんか笑えてしまいますネ(^^)
しのぶん | 2007/12/07 11:50 PM
おもしろ〜い。
自画像…のあたりから?マークが点滅し始めて
次々と引火していくような。
私も笑い転げてしまいました。

この本の面白さと、Takさんの見せ方のお上手さ。
重ねて楽しませていただいています。

今日もまた見てしまいました。
ヤンバル | 2007/12/08 9:06 PM
@m25さん
こんばんは。

やはり良いモノですよね。
コメントの多さにびっくり。

書いてよかった〜
この記事。

@大のさん
こんばんは。

他の大芸術家も推して知るべし。
似たり寄ったりです。
イマジネーションとクリエーションの融合。
畏れ入ります。はい。

@遊行七恵さん
こんばんは。

明治神宮にそんな場所ありましたか。
そういえば、大人になってから
ちゃんとお参りいったことないかも。
近くにあるとついつい。。。
今度、原宿行ったついでにでも。

神武天皇から描くとなると
これまた並大抵の想像力では描けませんね。
こういう怪しげな絵本って昔ありましたよね。
意外と。未来の世界は…とか。

@AOKITさん
こんばんは。

ツボ、でした。
ど真ん中って感じでしょうか。
笑い転げてしまいますでしょ。
レジへ行くまでにすでに笑いが。

寂しいとき、悲しいとき、辛いときに
この本でも読み返してみます。
きっと自然と笑みがこぼれてくるはず。
しかし、、、すごいでしょ。

@Saさん
こんばんは。

絶対確信犯ですか。
そうですよね。
狙ってますよね。

絵柄がレトロなのと
構図の独自性?も気になる点です。
30年前の絵本って確かにこんな感じだったかも。
妙な郷愁さえ感じさせる秀逸な?絵本です。

これ店頭で見たら買いますでしょ?!

@しのぶんさん
こんばんは。

これ、かなり前に購入していひとり
楽しんでいたのですが、これってもしかして
独り占めしてしまってはいけないのでは?と
思い記事にしてみました。
出版社に問い合わせしようとしたら
既に存在していないので勝手に載せてしまいました。
これだけ反響があるのです。お許し下さい。

復刊ドットコムとかで取り上げられたらそれはそれで。。。

@ヤンバルさん
こんばんは。

そうですよね、、、
上手いこと笑いを調整しています。作者。
小出しにするというか。落としどころを知っているというか。
なんとも手が込んでいます?!

反響が多いので先日飲んだ知人に実物見せたところ
webで見る以上にインパクトあったようです。
古本特有のニオイも中々。
Tak管理人 | 2007/12/08 9:25 PM
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