青い日記帳 

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ボッティチェリの「流麗な線」

サンドロ・ボッティチェリ(1445-1510)の「ヴィーナスの誕生」
言わずもがな、誰もが知る名画中の名画です。

その「ヴィーナスの誕生」のジグソーパズルを買って来ました。


写真、とりわけデジタル画像は真実を伝えているようであって、実は「正確」に事実を伝えていないということ、例えばwebショッピングなどで経験したことおありの方も多いかと。

全く違った写真を使ったらそれこそ詐欺ですが、一万分の一の確率で撮れるか撮れないかのお見合い写真使うのならそれはなんら問題なし。mixiのtop画像に騙されることもよく聞くお話。

実を言うと↑の「ヴィーナスの誕生」ジグソーパズルの画像は何も加工はしていませんので、欺くことにはならないのですが、「真実を写す」という観点からするとかなり欠落している部分があります。

何がどのように情報として欠けているか。それは次の画像で明らかに。

文庫本と並べて撮影してみました。


It is what a small puzzle!

外箱が携帯ほどの大きさしかないこのジグソーパズル、ジグソーパズルの老舗メーカーやのまんが出している「ジグソーパズル・プチ(ジグソーパズルpetit)」シリーズです。

因みにピース数はこれでも204もあります。
ワンピースがどれだけの大きさかというと。。。



吹けば飛ぶよな 将棋の駒にムード ではないですが、ほんとくしゃみでもしたらアウトです。一瞬にして吹っ飛んでいってしまいます。

そうそう、水色のピンセットも付属品。これがないと出来ないってこと。
いやはや、なんとも。。。

十分長いこと楽しめそうです。(苦しみそうです)
これで500円はお買い得だったかな。

完成すると既存のポストカード(100×147mm)と同サイズになるそうです。
完成までの道は困難を極めるでしょうが、完成後は机の上などちょっとしたスペースに気軽に飾ることできるので良いかもしれません。
あくまでも完成したらの話ですが。

アマゾンで探したらちゃんと販売されていました。
204ピース ヴィーナスの誕生 98-278
204ピース ヴィーナスの誕生 98-278
ジグソーパズルプチの新シリーズ!世界の名画シリーズです!!ピンセットを使って組み上げるミニミニパズルです。ピースの大きさは約1センチと極めて小さいですが、完成した満足感は102ピース並!既存のポストカードと同サイズなので、市販のポストカードフレームに入れることができます。

さて、さて↑の画像に写っていた文庫本。表紙が同じ絵なので使いました。
不朽の名著「古寺巡礼」を著した我辻哲郎の「イタリア古寺巡礼」

イタリア古寺巡礼 (岩波文庫)
イタリア古寺巡礼 (岩波文庫)
和辻 哲郎
一九二七(昭和二)年末から三ヵ月余にわたるイタリア旅行で出会った絵画・彫刻・建築の印象を,著者ならではの豊かな感受性とみずみずしい筆致で書きとめた美術紀行.後に「風土」で展開される風土論の萌芽が随所にみられる点も大変興味深い.挿絵が多数収められた,ユニークなイタリア美術案内. (解説 高階秀爾)

この著書の中で当然、ボッティチェリについても語られています。
フィレンツェで観たレオナルドはじめ、多くの作家の作品について述べているなかで最後に登場するのがボッティチェリです。

和辻がボッティチェリの「ヴィーナス誕生」について語っている場面を一部ご紹介。

ボティチェリの「流麗な線」ということについてである。ボティチェリは運動を表現するに妙を得ている。ことにそれを線で現わすのがうまい。西洋のあらゆる画家のうちで、ボティチェリほど巧みに線を駆使したものはない。そういうふうに言われている。これは確かにその通りなのである。写真で見ても彼のひいている線がいかに流麗であるかははっきりわかる。私はそのこと自体を否定する気持ちは少しもない。しかしこの絵は非常に大きい画面の絵である。それをながめるためには一間なり一間半なりの距離を置かなくてはならぬ、ところで、その距離からながめるとなると、問題の線は、決してそうはっきりと眼に映ってくるものではないのである。そうなると彼の流麗な線は、彼の絵を一つの全体として味わうときには、あまり重要な役目をつとめていないことになる。

和辻のいうところの、ボティチェリの「流麗な線」とは多分こういった細部の線の描写をさしてのことだと思います。



なるべく画素数落とさずにアップしたので、よくお分かりになるかと思います。髪の毛一本一本が風にたなびく様子は一種「狂気」に近い感覚すら覚えるほどです。尋常な描き込み具合ではありません。

イタリアで現物を最近、間近でご覧になって来られたlysanderさんならこの身震いするような感覚きっとまだ感触として身体に残っているのではないかと思います。

写真やデジタル画像は「真実」を見せてくれているようで、実は「正確」に事実を伝えていないということ、「ヴィーナスの誕生」一枚とってみてもよくお分かりかと。

ヴィーナスの向かって右側に描かれている
時の女神ホーラの足元だってこの通り。

足指フェチの曾我蕭白に通ずる艶めかしさがあります。

今度フィレンツェ、ウフィッツィ美術館訪れることが出来たらこの足の指から、ヴィーナスの髪の毛、眉毛、顔の皺、足もとの花々に至るまでつぶさに観察鑑賞し写真が伝えきれない「真実」を観て来れたら。っと松の内にぼんやりと『チェーザレ』読み返しながら考えたりしていました。

ところで、ジグソーパズルって普通外枠から作って行きますが、ジグソーパズル・プチシリーズだとどうもそうはいかないような気がしてきました。。。この部分のピース探すだけでも一苦労です。かみさんに任せてしまおうかな。。。

図説ボッティチェリの都フィレンツェ
「図説ボッティチェリの都フィレンツェ」 佐藤 幸三


それでは最後に、「今日の美味

食べたことないのですが、こんなチョコレートがあるそうです。

ボッティチェリ・チョコレート
Botticelli...The Art of Chocolate.

カナダのDynamic Chocolates社が出しているチョコレート.
どなたかカナダ行かれる方いません?

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1252

JUGEMテーマ:アート・デザイン


Fine art inspires fine chocolate. Botticelli's chocolate masterpieces are meticulously crafted, inspiring the same classical perfection as many a famous artist. Our chocolatiers' chocolate masterpieces are created using traditional methods and only the most pure ingredients. Proven technology, age-old expertise and the strictest standards set Botticelli apart. Satisfaction is guaranteed in each and every bite.
その他 | permalink | comments(3) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

Takさん
こんばんは

ボッティチェリの線については辻邦夫の『春の戴冠』でも再三描かれています。
曰く、
・強靭な描線(リネア)
・明晰で優美な線
・明確な、凛々しい描線(リネア)
・燃えるような線描
# その他数え切れないくらい...

あと、ボッティチェリがこんなことを語る場面もあります。
『線一本で画家のすべてが現われるんだ』

『春』や『ヴィーナス誕生』はどちらも観る悦びにあふれた作品でした。
そこはかとなく香ってくる幸せな空気...
それは色からくるのだろうと思ったのですが、線の力も大きいのでしょう...

そこら辺は、また、今度お会いするときにでも...
では、今年もよろしくお願いします。
lysander | 2008/01/06 2:22 AM
 今年もよろしくお願いします。
 
 ウフィッツィ美術館でフィリッポ・リッピの作品を見て、ボッチィチェッリが描いたのかと現場では思いましたが、後で調べたら、ボッチィチェッリのほうが師匠のフィリッポ・リッピの影響を受けているように思いました。どちらの作品も線や色彩や雰囲気までも似ています。ボッチィチェッリはこういう描き方をこの時期はしていたのではないでしょうか。「ビーナスの誕生」より前は、普通の宗教の絵などがあり、まだ線を強調していませんでした。

 フィレンツェの美術館ではボッチィチェッリの作品は本当にたくさんあり、色々な描き方をしていたように思います。

 意外だったのが「受胎告知」で、ガブリエルの大げさな動きが印象に強く残りました。メディチ家の没落が影響した頃の作品でしょうか。ちょっと不安な感じの絵でした。

 そういえば、ミュージアムショップに「ビーナスの誕生」の大きなジグソーパズルがたくさんありました。人気があるのでしょうね。
パレット | 2008/01/06 9:43 PM
@lysanderさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

かなりこの記事
lysanderさんに影響受けて書いています。
ネタにするつもりじゃなかったパズルを
引っ張り出して来たりして。。。

イタリアの誘惑。
「チェーザレ」読んだだけでは治まることありません。
(よけいに火がつくとも)

辻邦夫の『春の戴冠』の引用ありがとうございました。
探して読んでみたいと思います。

それでは12日に!!
今年もどうぞ宜しくお願い申しあげます。

@パレットさん
こんばんは。

ボッチィチェッリよりも
リッピの方が好きです。
ただきちんと実物みながら
比較したことないのですが。。。

ウフィッツィ美術館を訪れた時は
今よりも相当絵画に関する知識
劣っていたので、きちんと見てこれなかったことが
悔やまれます。尤も今行ってもさほど変わらないと
思いますが。。。進歩のあとなし。

ただ唯一感じたのはボッチィチェッリの
作品が大変「フラット」な印象を与えたことです。
下種な言葉でいえば漫画っぽいといいますか…

きちんと見る眼を養ってから
またウフィッツィ訪館したいと思います。

今年もどうぞ宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2008/01/07 11:07 PM
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文庫ドラムカン | 文庫ドラムカン | 2008/01/10 10:23 PM