青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< August 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 直島・護王神社 | main | 「アンカー展」 >>

「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」展

東京国立博物館で開催中の陽明文庫創立70周年記念特別展
「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」展に行って来ました。



正月2日、新年会を兼ね「博物館に初もうで
丁度この日から始まった「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」展。
ご一緒したはるるどさん達と観終えたあとのまず第一声が「なんて上品な展覧会!」比べてるものでもないのでしょうが、昨年多くの来場者で賑わった「大徳川展」とついつい比較を。「近衞家1000年の名宝」のタイトルは歴史の長さだけを単に示しているのではないことが分ります。

展覧会の構成は以下の通り。
第1章 宮廷貴族の生活
第2章 近世の近衞家
第3〜4章 家熙の世界
第5〜6章 伝世の品


しょっぱなに展示してある「藤原鎌足像」はほとんどスルー。でもこの絵の前で足は自動的に停止。心高ぶります。
重要文化財「春日鹿曼荼羅図

春日大社は学生時代よく訪れた神社。特におん祭りや春日信仰には当時からそれなりに興味関心を抱いていました。今も師走の声を聞くとおん祭りに行きたい病が疼きます。昨年、遊行七恵さん行っていらっしゃったようで、羨ましくそして懐かしくブログ拝見。


実は今、奈良国立博物館で「おん祭と春日信仰の美術」展という特別展が開催されていて、それも前々からやたらと気になっていました。だから余計に「春日鹿曼荼羅図」前の引力が増幅していたわけです。

さて、今回出展されている「春日鹿曼荼羅図」ですが、大変写実的で鹿さんがリアルに描かれているのに驚かされました。特に瞳がつぶらで可愛いんです。この鹿さん。

そういえば暮れに奈良公園で「腹にショルダーバッグ」を巻き付けた天然記念物の雌のシカが保護されたというニュースがありましたね。

なんでも、シカにせんべいをやろうとした際に、財布が入ったバッグをシカが首に引っ掛けた。逃げ回るうちに腹の方に回ってしまったそうです。

無事保護されたようで良かった良かった。奈良で鹿を殺めたりしたらそれこそ一大事ですからね。
 「どうして奈良に鹿はいるの?
和銅13年(710)年藤原不比等が氏神として春日大社を創建する際に鹿島(茨城県鹿島神宮)から勧請した神が白鹿に乗って春日山に入ったという言い伝えから、神の使いとして大切に保護されてきました。ですから昔は鹿を傷つけたり、殺したりするととても重い罪にとわれ、死刑なんてこともあったようです。

閑話休題。
今回の展覧会は国宝「御堂関白記」をはじめとし、「書」が豊富に展示公開されています。書は昔は多少は読めたのですが今は全くと言っていいほど読めません。とらさん曰く「御堂関白記」は読むのが平易な方だそうです。

国宝「御堂関白記」藤原道長筆
以前も「藤原道長展」で述べましたが、この日記、今から丁度一千年前に書かれたものです。レオナルド・ダ・ヴィンチの手稿が今から遡ること約500年前。イタリアに比べ紙にとって決して条件の良くない高温多湿の日本で1000年もの永い年月を経てもかくも立派に現存しているとは驚き以外の何ものでもありません。

たとえ書いてあることは理解できずとも、その悠久の時の流れを感じることは少なくともできるはずです。

展覧会にはこれ以外にも書状や消息、「和漢朗詠集」などが中盤にかけて特に多く展示されています。昔の文字だけだらだらと見せられても飽きてしまいますが、そこは近衛家。ちょっとした書状なども見事な表具で飾られ一つの作品としてしっかりと成立しているのです。表具に使った生地の残りなども展示されていました。


表具裂 紅練緯地蝶模様縫箔」安土桃山時代

現代の感覚だとラッピングや携帯のデコレーションのようなものなのでしょうか。因みにこれは携帯や小物に貼る「ジュエリーストーン」(河島製作所)たまたま同じような模様があってビックリ。


日本の文化の特徴のひとつとして「飾り」という側面を指摘される方がいますが、確かにそうかもしれません。いかにして飾り立てるか。今も昔も、コギャルも公家も変わらぬようです。

とにかく、この展覧会の大きな見どころの一つは「表具」です。

表具
「表具」

その他では、行間に返事を書き添えた「勘返状」や子供が窓ガラスにシールをべたべた貼ったような「源氏物語和歌色紙貼交屏風」、柿本人丸の文字で描かれている「柿本人麻呂像」(詳しくは一村雨さんの記事で)、国宝「大手鑑」、篆書百体で書かれた「百寿」、また江戸時代の近衞家熙が描いた絵の数々。中でも10歳の時に描いたと言われる「鐘馗図」等など、4章まででもお腹いっぱいに。

これに加えて書くの忘れましたが奈良・金峯神社蔵の国宝「金銅藤原道長経筒」もさりげなく展示されています。画像や解説文はこちら

そして一気にたたみかけるように、「第5〜6章 伝世の品」でお宝の数々を惜しげもなく披露しています。眩暈がしそうなほどの展示品の数々。ここだけ観ても、「大徳川展」との違いが明々白々。伝統に裏打ちされた美には勝ち目ありません。茶道具や刀ですら品が感じられるから不思議です。

国宝「大手鑑」(下)が最後の展示室にありましたが、ブランド力をまざまざと見せつけられる一品。また現在三の丸尚蔵館に収められている「本阿弥切」や「安宅切」など本来、国宝であるべき品々も今回展示されています。必見かと。


国宝「倭漢抄 下巻」伝藤原行成筆

先ほど「表具」が見どころと書きましたが、もう一つ加えるならこうした色鮮やかな「唐紙」もまた文字は読めずとも、目を愉しませてくれるものかと。

それでは最後に「今日の一品


表具裂 白襦子地「IHS」文字入りメダイヨン花唐草文様

厳しい鎖国政策の時代にこんな表具持っているだけで……
これ、お隣中国(当時の明)がヨーロッパへ輸出するものとしてイエズス会のリクエストにそってこしらえてものだそうです。それにしてもよく平気で所持していたものです。こちらがはらはらしてしまいます。お公家さんの考えることはよく分りません。


陽明文庫創立70周年記念特別展「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」は
2月24日までです。(陽明文庫

宮廷文学のひそかな楽しみ (文春新書)
「宮廷文学のひそかな楽しみ 」(文春新書)岩佐 美代子


今日の美味

ノースプレインファームの生キャラメル。

北海道へ行って来られたSさんのお土産。
甘さ控えめ。驚くのはその口どけ。
口に入れた瞬間から溶け出します!もちろん、要冷蔵。
キャラメルの概念を覆す一品。有難うSさん。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1254

JUGEMテーマ:アート・デザイン


―見たことがありますか? 道長自筆の日記。
 陽明文庫は、昭和13年(1938)に時の首相近衞文麿(近衞家29代当主)が設立したもので、近衞家が宮廷文化の中心として護り伝えてきた貴重な文書や宝物を収蔵しています。その所蔵品は各所で公開されてきましたが、このたび陽明文庫創立70周年を記念し、20万点にもおよぶその所蔵品の全貌を俯瞰するはじめての展覧会を開催いたします。
 藤原道長自筆の日記である「御堂関白記」(国宝)、名筆の集大成である「大手鑑」(国宝)、美麗な舶来の唐紙に和漢朗詠集を書写した「倭漢抄」 (国宝)をはじめとした陽明文庫の所蔵品に、皇室に献上された作品などを加え、江戸中期の当主で書画、茶道、華道、香道に精通した当時の宮廷文化の第一人者である家熙の作品などを、一堂に集めてご覧いただけるまたとない機会です。
 みやびな公家文化の世界をぜひご堪能ください。
展覧会 | permalink | comments(14) | trackbacks(8)

この記事に対するコメント

そうですか、Takさんも奈良がお好きでしたか。
あの鹿、かわいくもありますが、多分に迷惑な
やつでもあります。

とらさんと、Takさんなら古文書得意そうなので
書もすらすらと読めるのではないかと話していました。
一村雨 | 2008/01/08 5:23 AM
表具裂、キレイでしたね。
「どういうふうに使うんだろう」という会話が耳に入って、ほんとにね〜、しかし公家さんは贅沢だよね〜とひとりごちておりました。
「IHS」、私にはHISに見えました..。
ogawama | 2008/01/08 10:06 PM
こんばんは。
こちらの展示、やはり表具インパクトありましたよね。
雛道具などかわいらしいものもたくさんあって、幅広いジャンルの一流品が揃っている感じでした。
和漢朗詠集粘葉本があったのはうれしかったのですが、草書をかなり忘れている&身についてないことに気がついて反省&今年は読めるようになろうと奮起中です。
しのぶん | 2008/01/08 10:30 PM
@一村雨さん
こんばんは。

鹿さん可愛いのですが
ちょいと人間に慣れすぎかと。

学生時代に読まされたのですが
今は全くといっていいほど読めません。
いかにいい加減だったかがよく分ります。

@ogawamaさん
こんばんは。

表具裂だけでも
立派な展覧会できてしまいそうです。
ほんと贅沢です。

>「IHS」、私にはHISに見えました..。
うまい!!どこかで使わせてもらいます。

@しのぶんさん
こんばんは。

鎧などがないのが徳川展との大きな違い。
他はそれなりに共通する物があり
雰囲気の違いなどを楽しめました。

私はもう読むことあきらめて
唐紙の美しさや表具だけに
主眼絞ろうかと思っています。。。
Tak管理人 | 2008/01/09 12:24 AM
鹿は117「春日権現霊験記絵巻」渡辺始興も可愛いですよ。(兎や鳥も)動物がとても上手い絵師です。
仮名は初心者なので、読みに挑戦しては下の答えで確認する..事ばかり。「美の壺」表具編 役に立っています。


panda | 2008/01/09 12:31 AM
@pandaさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

そうでしたね、絵巻物にも描かれていました。
あの絵巻、つい最近描かれたかのように
真新し発色で驚きました。

習った時のテキストがあればいいのですが
引越しの時に処分してしまったかな〜
Tak管理人 | 2008/01/09 10:38 PM
こんばんは
やっと行って来ました。もうホントによかったです。
「お久しぶり〜」な御所人形たちや、「よ、読めないヨ〜(汗)」な書などなど・・・
それにしても「家熙表具」すばらしかったです。
豪華絢爛で明るくて。
そしてTakさんのあげられていた「IHS」を見て「おおっ」でした。なんだかすごいです。
けっこう大きいですよね、本当に「はらはら」でした。

来週末、京博で100匹わんちゃん(by若冲)見てきます♪

遊行七恵 | 2008/01/16 9:44 PM
@遊行七恵さん
こんばんは。

表具の美しさ。
バラエティーの豊富さ
目を見張るものがありました。
これだけで展覧会開催できちゃいそうです。
あるところにはあるものですね。
当然ですが。

京博の誘惑を断ち切れません。
無理するかもしれません。。。
Tak管理人 | 2008/01/16 10:08 PM
こんばんは。
いやー疲れました、カタログは重たいし、それ持って平常展示も観たので。
しかしおっしゃるように「大徳川展」とはえらい違いですね、お客さんが少ないのもよろしかった/笑。
国宝八件、重要文化財59件ですか、歴代の天皇直筆の書がいっぱいあってそれだけでもう感銘!
ミュージアムショップに行ったら、よそでやった陽明文庫の展覧会のもっとコンパクトなカタログ売っていて、そちらを買えばよかったかと後悔、TAKさんはカタログ買われましたか?
oki | 2008/01/18 9:59 PM
@okiさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

カタログは購入しませんでした。
ほとんどの展覧会で買うことありません。
フェルメールと若冲だけは特例ですが。

大徳川展と遜色ない展示品ですが
お客さんの入りはいまひとつですね。
もったいないです。
こんなお宝があるのに。。。
Tak管理人 | 2008/01/18 10:37 PM
こんばんは。
新日曜美術館で放映された後だったので、
ドキドキで行ってきましたが、
案外空いていて、助かりました。

表具裂と御所人形、我ら婦女子はそちら方面に
額をつけてきました。
本当に愛らしかったです。
京都の宝鏡寺に行きたくなりました。
「家熙の世界」には驚き、
鳥羽上皇とか、お公家さんたちの面相をみて、
みんなふっくらしもぶくれで、
いい暮らししてんだろうなぁと
卑しい感想つぶやきました。
あべまつ | 2008/01/22 11:05 PM
@あべまつさん
こんばんは。

「大徳川展」に比べ名前にインパクトありませんので
それほど混雑しないのでしょうか?
でも、展示されている作品は大徳川展に勝るとも
劣らぬ名品ばかり。驚かされます。


表具がほんとうに見事で
途中からそればかり
観ていたように思えます。
こういった新鮮な驚きが
あるから展覧会通いは
やめられません。。。
Tak管理人 | 2008/01/24 5:17 PM
Takさん、こんにちは!
質量ともにいっぱいの宝物でしたね。
さすが1000年の歴史です…。
私も表具いいと思いました。
この蝶のモチーフのジュエリーストーンの画像、よくみつけられましたね〜!
どんぴしゃという感じです。
今も昔も蝶文様は人の心をとらえるのだなあと思いました。
はな | 2008/01/25 1:32 PM
@はなさん
こんばんは。

>蝶のモチーフのジュエリーストーンの画像
見つける!ときめたらとことんやりますので。
諦めの悪い男です。
この記事のアップが遅れた一番の理由は
実はこの画像がなかなか手に入らなかったことにあります。
こんなことばかりに力注いでどうする・・・
Tak管理人 | 2008/01/25 6:25 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック
今日から始まった「宮廷のみやび 近衞家1000年の名宝」を観に、東京国立博物館に行って来た。 この展覧会は、近衞家の陽明文庫の創立70周年を記念して開催される特別展。 〜2/24まで (前期は1/27まで、後期は1/29〜2/24)
宮廷のみやび 近衞家1000年の名宝 | Blue Bleu Blu | 2008/01/08 11:20 AM
今年はアートレビューをためないように、ということなのですが、書いてるうちに「ああ、アレもコレも是非紹介したいっ!!」という気持ちが...
「宮廷のみやび」「博物館に初もうで」 | ライトオタクなOL奥様の節約入門日記 | 2008/01/08 10:31 PM
'96年3月に裏千家の茶道資料館で『陽明文庫の雛』展を見ている。 五摂家の近衛家のお雛様が見れると言うので、喜んだ展覧会である。 そのとき...
宮廷のみやび  近衛家1000年の名宝 | 遊行七恵の日々是遊行 | 2008/01/16 9:34 PM
“近衛家1000年の名宝展”(1/2〜2/24)を開催中の東博で出かけたのは図録
宮廷のみやび 近衛家1000年の名宝 | いづつやの文化記号 | 2008/01/18 11:06 PM
「ご隠居、話は前後しますが、平常展の前に見に行った、平成館の特別展を取り上げておかないといけませんね。」 陽明文庫創立70周年記念「宮廷のみやび―近衞家1000年の名宝」  会期 1/2〜2/24(一部の展示品は、1/2〜1/27、1/29〜2/24) 東
陽明文庫の名品@東京国立博物館 特別展 | 南風録ぶろぐ | 2008/01/20 11:11 PM
東京国立博物館で開催中の「宮廷のみやび 近衛家1000年の名宝」に行ってきました(会期:前期・1月2日から27日まで、後期・1月29日から2月24日まで)。 藤原鎌足から連綿と続く藤原家・近衛家にゆかりの宝物を京都は陽明文庫などから出品です。 いや、なんという
宮廷のみやび 近衛家1000年の名宝 | はなことば | 2008/01/25 1:29 PM
火曜日、近衛家のお宝を見てきた。大体、近衛家という恐ろしい名家のコレクションを目の前にできるということの凄さをあまりにも知らなさ過ぎる。そうだけれど、違う切り口ででも鑑賞は可能だと思って楽しんできた。
宮廷のみやび  ・東京国立博物館 | あべまつ行脚 | 2008/01/25 5:06 PM
東京国立博物館・平成館(台東区上野公園13-9) 「陽明文庫創立70周年記念特別展 宮廷のみやび - 近衛家1000の名宝 - 」 1/2-2/24 > 一度、三が日に初もうで展と合わせて拝見しましたが、先日、また改めて楽しんできました。古くは道長、頼通へと繋がる、かつての五
「宮廷のみやび」 東京国立博物館 | はろるど・わーど | 2008/02/04 12:30 AM