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森村泰昌アーティストトーク「芸術のココロはどこにある?人間のココロはどこにある」

森美術館で開催された「アートは心のためにある:UBSアートコレクションより」展パブリックプログラム アーティストトーク 第1回:森村泰昌「芸術のココロはどこにある?人間のココロはどこにある?」に参加して来ました。(2008 年2月9日)



昨年夏、横浜美術館で森村泰昌「美の教室、静聴せよ」展を開催した森村氏によるアーティストトーク.

こちらのカタログ(一般書籍)に付いてきた森村氏自身による展覧会の解説CD(会場で貸し出されていたイヤホンガイドと同じ内容)を何度となく耳にしていたので、森村さんの「声」や「語り口」については予習済みでしたが、ご本人にお会いするのはこれが初めてでした。やや緊張。

「美の教室、静聴せよ」 森村 泰昌

今回のトークショーは現在開催されている「アートは心のためにある:UBSアートコレクションより」展に付随するものですが、展覧会に出展されている森村氏自身の作品や他の作家の作品の解説や感想を述べるものではなく、森村氏が用意してきたお題「芸術のココロはどこにある?人間のココロはどこにある」に沿って進行。

以下、森村氏が話された内容をかいつまんでレポート.


ジョナサン・ボロフスキー「アートは心のためにある

「ART IS FOR THE SPIRIT」これを翻訳し「アートは心のためにある」ですが、「心」という言葉は幅広い意味を持ち、英訳しにくい言葉です。

・スポーツマン精神
・心がときめく
・心のふるさと
・心の叫び
・芸術家の心

心とは何なのか?芸術家における心とは何なのでしょう?

難しい問いです。

3つのエピソードから「芸術家における心とは何か」を紐解いて行きましょう。

1:心の対極にあるお金
皆さんは、「お金とはこうである!」と確信をもって言えますか?「己のマネー哲学」はありますか?

2006年の正月番組にライブドアの堀江貴文氏が出演していました。「世の中お金で買えないものはない」と仰っていました。それに対して「人の心もお金で買えるのか」とゲストが反論。

さて皆さんはどう思いますか?どちらを支持しますか?

その時は、自分も人の心はお金で買えるものはないと思いましたが、今はちょっと心が揺れています。まさに心が惑っています。

20世紀までと、今21世紀では何かが違います。
心のあり所が不安定になっているように感じます。
それは3000年前エジプトの人々が心は心臓にあるとした考えから、現代ではコンピューター等の発達により心臓中心の社会から脳中心の世界へ変容してしまっている証かもしれません。まさに現代は電脳社会。

また科学技術の発達により、万能細胞も発見されゆくゆくは心臓も作り出されるようになると、「心臓」をお金で購入して自分の身体に身に付けるということも可能に。

こうなると「心は買える」とはまんざら嘘ではないように思えてきます。

2:アーティスティックな心

美しさを競い合うフィギュア・スケートなどのスポーツは芸術の世界と似ていると思います。

浅田真央選手がまだ15歳だった2005年に「選手生活をやめようかな」と思ったそうです。その原因はお金。聞いた話ですが、年間3000万以上も費用がかかるそうです。この莫大な費用は浅田選手にプレッシャーとして圧し掛かってきたはずです。

美しいもの、アーティスティックなものを作るにはお金がかかります。
芸術の世界でも同じこと。アーティスティックな心にはお金が必要です。

美とお金が生み出す心の葛藤は常に我々が抱えている問題です。

3:フランシスコ・デ・ゴヤ(1746-1828)Francisco de Goya


カルロス4世の家族」Family of Carlos IV(1800-01)

絵画が現代のTV同じように、メディア戦略の手段だった時代に描かれた一枚。

スペイン国王カルロス4世がこの作品をゴヤに描かせた意味はなんだったのでしょう?また王妃マリア・ルイサの思惑もこの絵には見え隠れします。王妃は当時、首相マヌエル・デ・ゴドイと恋仲だったそうです。

この絵は一目観て分かる通り、王妃が中央に描かれています。

・国王や王妃らからの外部のプレッシャー。
・「良いものを描きたい」という内的なプレッシャー。

これが同時にゴヤの心にのしかかってきたはずです。

こうした心の葛藤は常に絵描きにはつきものです。
・「世の中に気に入られる絵を描く」=ポピュリズム
・それとは反対の態度「魂だけは売らん!」=アバンギャルド

後年、マリア・ルイスを観たままにゴヤは描いたそうです。
芸術家としての魂を捨てずしに描いたにも関わらず依頼者を怒らせなかった。
奇跡的なことかと思います。

「美しい」ってなんだろう?―美術のすすめ (よりみちパン!セ 26)
「美しい」ってなんだろう?―美術のすすめ  森村 泰昌

以上、簡単に端折ってまとめてみました。
だいたいこのような内容だったかと思います。

堀江社長→真央ちゃん→ゴヤという話のもっていき方は流石。しっかり90分間、笑いも交えつつ「アートとココロ」の関係を語って下さいました。

東京でお話されるとあってイメージしていたよりも、やや堅苦しい点はありましたが、大変、真面目で誠実な方であることが今回のトークショーを通し得心しました。かみさんの森村氏に対する評価もウナギ登り。

そうそう、最後に森村さんご自身にとってお金とは何か?という問いの答えをご自身の新作で提示されトークショーは終了。展覧会会場の壁にコツコツと釘止めして「質問はなしですよ〜」と場を離れて行かれました。

初めて森村氏のお話を伺ったのでこちらも多少緊張してしまいました。
出来るならまたこうした機会が都内であれば是非参加したいものです。

そして次回はあれこれと質問を森村氏にぶつけてみたいと思います。
森美術館さん、討論会形式で会期中にもう一度開催してくれません?

おまけ:SHUGOARTS シュウゴアーツにて開催している森村さんの展覧会、森村泰昌展 「荒ぶる神々の黄昏/なにものかへのレクイエム・其の弐」

今月16日まで開催しているそうです。

「アートは心のためにある:UBSアートコレクションより」展は4月6日までです。

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おまけのおまけ
第2日本テレビと「Nike+」がタッグを組んだ新感覚なキャンペーンサイト「RUN! with YOUR NEW FRIENDS」このキャンペーンサイトでは、藤崎マーケットがNike+を装着し、「ラララライ体操」を1時間続けると二人は合わせて何卅ったことになるのか、というちょっと馬鹿げた、しかし言われてみればかなり気になってしまう疑問が、クイズとなって出題される企画が行われています。

(「Nike+」とは、NikeとAppleのコラボレーションによって生まれたサービスで、このサービスに対応したNikeのシューズに専用のセンサーをセットし、走った距離やスピードなどのデータを「iPod nano」に記録できる優れもの)

現在、キャンペーンサイトにおいては、プロデューサーが藤崎マーケットにオファーを出す模様を撮影した動画を放送中(クイズの重要なヒントが隠されています)

正解者の中から、抽選でNIKEiD(Jasari + iD) 【 http://nikeid.jp 】がもらえるこのクイズの回答受付期間は2月24日(日)まで。答えは、実際に藤崎マーケットが1時間「ラララライ体操」を続けるイベントで明らかになるそうです。


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1293




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この記事に対するコメント

Takさ〜〜ん☆
さすが、Takさん☆!森村氏をしっかりキャッチなさってますね。。。ほんと誠実な語り口(笑)。。。TVの森村氏な感じかな?
rossaは、ミニスカのコスプレの森村氏の印象が強いのですが。。。そういうスタイルの時にも、おっしゃっていたのは、とても誠実な<心>のことでした。
ムーブメントを起こす人。ってとても興味深いです☆
rossaも行きたかったです・・・・☆
rossa | 2008/02/13 11:22 PM
後でじっくり考えると、ためになるトークショーでしたよね。

さすが、森村さん。聞き手にもしっかり考えさせるような構成になっていて。

横浜美術館の展覧会をイメージしていたのですが、こういうのもありかなと思いました。
レイ | 2008/02/13 11:24 PM
Takさん、こんにちは。
私もこの講演会に申し込んでいたのですが、風邪で参加できず、
内容フィードバックできてうれしいです。
最初、講演のタイトルから、芸術から影響刺激を受ける対象としての心についてというものも期待していたのですが、
主に芸術創作にかかわる心というテーマのお話だったようですね。
森村氏の本物にお会いしてみたかったです。
やはり、何か人の心を捉えるものをお持ちの方なのかなあ?
ウルトラマリンブルー | 2008/02/14 1:10 PM
@rossaさん
こんばんは〜☆

森村さん東京でお話するとあって
若干緊張気味でしたよ。
やっぱりアウェーでは話難いようです。
是非とも関西で、こういった類の
講演会聞いてみたいものです。

森村さんの宜しくお伝え下さいね。

@レイさん
こんばんは。

そうですね。
聴き終えた時はなんだかなーーと
微妙な感じでしたが、じわじわと
後になってしみこんでくる感じです。

癖になるかも。。。

@ウルトラマリンブルーさん
こんばんは。

いかがですか?お身体の具合は?
寒暖の差が激しいですから
風邪召されている方多いようですね。

絵のことを中心に語るのではなく
芸術家のココロについてのお話でした。
独特のオーラ発していました。
かみさんも見えた?!そうです。

どうぞお大事に。
Tak管理人 | 2008/02/14 11:08 PM
Takさん
TBありがとうございました。

こういうアーティストの肉声っていいですよね。
森村さんの話も機会があったら聴いてみたいです。
lysander | 2008/03/07 1:24 AM
@lysanderさん
こんばんは。

森村さんておかしなこと?していますが
根はとっても真面目でいい人だと思います。
そう思わせる何かがありました。
かみさんは格好いいと言っていました。
Tak管理人 | 2008/03/07 11:13 PM
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