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『東京人』江戸のダンディズム

東京人』4月号の特集は「江戸のダンディズム」


東京人 2008年 04月号 [雑誌]
大江戸八百八町には、老いも若きも、男も女も憧れた
たくさんの「いい男」たちであふれていた。
その魅力は、時代を経ても変わらない。
江戸の「粋」と「意気」の極意が、ここにある。


江戸のダンディズム―男の美学」の著者、関西学院大学教授の河上繁樹氏が「意気地」と「張り」を身上としていた江戸っ子たちの中でも“いき”を体現していた通人たちの、着こなし、色彩のこだわり、髪型そして必携のアクセサリーなどを紹介。


日本橋魚市繁栄図
魚河岸商人たちは、いなせで気風のよさが自慢。「いなせ」は、出世魚のボラの未成魚のイナの背を意味するが、日本橘魚河岸で働く若衆たちの髭が似ていたことから、“威勢のよさ”という意味に転じて使われるようになったという。

毎ページごとにこうした浮世絵(錦絵)や山東京伝が江戸の人々の生活の様子を写し描いた「江戸風俗図巻」など図版もふんだんに用いられています。それらを観ているだけでも1700年代の終わりにタイムスリップ出来そうな気がします。

また、以前「まなざしの共有」と題した記事でご紹介させて頂いた法政大学教授の田中優子氏が「いい男の条件」と題し時代を超越して色褪せることない江戸時代の「いい男」を紹介して下さっています。

まずは何と言っても助六だそうです。
「揚巻の助六 市川團十郎」
花川戸助六

助六の有するダンディズムの要素とは、地味であるが、その地味の際や裏に派手がひそんでいること。そして上品であり同時にm荒っぽくあること。豪快で明るく細かいことを気にしないが、同時に配慮が深い。威張る男には強く、女性には弱い。「おかしみ」を愛し、権威を嫌う。など等。これだけの要素身に付けるのそれこそ伊達には出来そうにありません。

その他には、
「侠客春雨傘」
大口屋治兵衛(暁雨)や山東京伝、恋川春町、小田野直武ほかの名前をあげ、数ページにわたり江戸時代の「いい男」をジャーニーズのタレントを紹介するかのようにリアルに?語ってくれています。

この他にも多彩な執筆者がそれぞれ個性豊かな文章を寄せています。
電車の中で読んでいて危うく下車駅乗り過ごすほど集中し熟読。

そうそう、こんな記事もあります。
「色道大鏡」に見る廓での粋 遊里でモテる男のふるまい
文・渡辺憲司

遊郭に通う男を28ランクに細かくランク付けした
「色道大鏡」二十八品目録 なんてものまであったそうです。
これが絵つきで1から28まで解説されているのですから可笑しくて仕方ないです。
因みに第28 大極品(たいきょくほん)と呼ばれるようになると人ではなく
もう、神仏の領域に達する通人のことだそうです。どんな人なんだろう〜

さて、田中優子氏も江戸のいい男として真っ先にあげていた助六。
歌舞伎の世界では現在でも一位二位を争ういい男の役所。


「揚巻の助六 市川団十郎 三升」

その助六を1月の歌舞伎座公演で演じた十二代目市川團十郎のロングインタビューも掲載されています。『助六由縁江戸桜』の主役に対する思い入れが熱く熱く語られています。ここ数年息子の海老蔵が務めていた助六を五年ぶりに還暦を過ぎた十二代目市川團十郎が演じ話題にもなりました。

市川團十郎のお話も一気に読めてしまいます。実は先日久々に歌舞伎座行ってきたばかりなので余計にのめり込んで読むことできました。

因みに今週号のR25のロング・インタビューも市川團十郎さんです。

「宇宙と歌舞伎は同じこと」市川團十郎
↑webでも記事読むことできます。よ!!成田屋〜〜

歌舞伎とフリーペーパーつながりでもう一つ小ネタを。

東京電力のフリーペーパー「Graph TEPCO」今月号は歌舞伎の特集です。
しかーーし、悲しいことにコストダウンを強いられている東京電力さん、今月号で「Graph TEPCO」を休刊してしまうそうです。。。
詳しくはこちらで。歌舞伎特集も読めます。


さて、さて話を「東京人」に戻しましょう。
江戸しぐさなども今回の号には掲載されていますが
そうなると忘れてはいけない人物がいます。

そう、山口晃氏です。

現代の絵師山口晃に聞く 絵師のダンディズムとは
無茶苦茶真面目に答えています。今まで伺った山口さんのお話の中で最もまっとうで隙のないお話かと。(いつも隙だらけというわけではないですよ、、、決して)

英一蝶、葛飾北斎、歌川広重などの作品を紹介しつつ、「個性を強調するアバンギャルドな面が江戸の絵師のダンディズムのように思われがちですが、自己を矯正するところからダンディズムは生まれてきた」と語ります。ごもっとも。何でもokなんて今も昔も間違った考えです。

そんな山口さんが強く推す絵師が歌川国芳!
 
猫の当字 なまづ」 「みかけはこはゐがとんだいヽ人だ

右の絵はアンチンボルドの図版を蘭学者経由で観たのかもしれませんね。と述べていらしゃいます。そういえば昔こんな記事書いたことありました。

左の絵は猫大好き人間だった国芳らしい作品です。
大の大人がこういう絵を描くのがいい!と山口氏。

山口晃さんも大プッシュの絵師、歌川国芳ですが
先月、東京美術出版から待望の本が出たばかりです。
もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
「もっと知りたい歌川国芳―生涯と作品」 悳 俊彦

文化文政、江戸文化の爛熟期から幕末にかけて活躍したチャキチャキの江戸っ子浮世絵師国芳は、大胆奇抜な発想と抜群のテクニックで、江戸庶民のニーズに応え多彩な絵をものした。その膨大な画業を年代とテーマでたどる。武者絵や怪奇絵だけじゃない、庶民とともに生きた天才エンターティナーの愛すべき素顔と、驚きの作品群。



猫ちゃんも沢山載っています。また世間を動物を用いて風刺した戯画も多数収録。

100ページ弱のオールカラーの中に著者自ら収集した国芳の錦絵、浮世絵がこれでもか〜と掲載されています。華々しい人生に思える国芳も意外や意外、苦労人で絵師としては遅咲きだったことこの本で初めて知りました。

今日ご紹介した「東京人」と合せてどうぞ
(ってアマゾンの手先か!)
東京人 2008年 04月号 [雑誌]
東京人 2008年 04月号 [雑誌]

おまけ:
江戸時代なんて興味ないわ〜という方。
これなんて如何?
TITLe (タイトル) 2008年 04月号 [雑誌]
TITLe (タイトル) 2008年 04月号 [雑誌]

「雑食」の私は両方買って来ましたけどね。

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 十年一昔。二十年は。。。
- 弐代目・青い日記帳 | 「谷口吉生のミュージアム」
- 弐代目・青い日記帳 | おとなの美術館
- 弐代目・青い日記帳 | 山口晃「ラグランジュポイント」
- 弐代目・青い日記帳 | 横浜美術館開館記念日「ミュージアム・フェスタ」
- 弐代目・青い日記帳 | フェルメールの素顔?!


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この記事に対するコメント

まさに「東京人」「TITLe」の組み合わせでAmazonで購入しちゃいましたよ。
Amazonの思うツボです。
山口さんは写真が古いものだったのだけが残念ですが、記事は良かったですよねー
「猫の当字」は見てて飽きません。
子犬バージョンもあればいいのに。
さちえ | 2008/03/06 11:25 PM
「みかけはこはゐがとんだいヽ人だ」
この絵、以前テレ東の「美の巨人」でやってるのを見ました。
こういう斬新な発想ってすごいな〜って思いましたよ。


サッチャン | 2008/03/07 9:06 AM
こんにちは。
この手の特集に弱いです。
Takさんの記事を拝見する前に手に入れてしまってました。
髷の話や、着物の話、当代団十郎の助六話、等々
良いものテンコでした。
あべまつ | 2008/03/07 10:31 AM
コロナブックスの新刊『猫の絵画館』(平凡社,二〇〇八年三月)にも国芳の作品がおおく載っていますよ.
ちょっとお知らせまで.
ひでかず | 2008/03/07 8:59 PM
お正月の歌舞伎は、団十郎さんの‘助六’でしたノ。
その日は、パラパラと拍手があり、振り返ったら
あの‘小泉さん’でした。
ハンサムな、SP(かしら) 2,3人とともに〜

先程、私もアマゾンに‘東京人’を、注文しました。

そして昨日は、松井今朝子氏の
‘吉原手引草’をやはりアマゾンから〜。(オモシロイ!)


9日からは、大相撲春場所がはじまります!

歌舞伎、お相撲、浮世絵などは、
伝統美、様式美、庶民性の象徴とおもいます。
すばらしい魅力の江戸時代のバロック(!?)
花 | 2008/03/07 9:29 PM
いつもご紹介くださる本、雑誌は参考にさせていただいています。
今朝も駅でR25を入手してきました☆
「TITLe」 は購入していましたが、明日早速「東京人」も探してきます!!
みけらんじぇろ | 2008/03/07 9:43 PM
Takさんも雑誌に目がないようですね!
僕もそうで毎日のように雑誌コーナーうろついています。
今日は「版画芸術」という雑誌というか本を購入。
版画にまつわる疑問が実によくまとめられています。
あと今週号の「アエラ」に「芸術新潮」は「芸術をライブ感のある味付けにして料理する」実に「アヴァンギャルド」な雑誌だと出ていましたよ!
oki | 2008/03/07 10:05 PM
@さちえさん
こんばんは。

そのふたつのコンボはかなり効きますね。
逃げ道なしといった感じです。
あの古い写真はダンディズムを意識してでしょうか。
かみさんはあの顔苦手だそうです。
贅沢なこと言いだしました最近。

@サッチャンさん
こんばんは。

西洋にも日本にも
ああいった発想でしかも
実際に作品にしてしまう人が
いるんですね〜飽きさせません。

@あべまつさん
こんばんは。

ほんとてんこもりでしたね。
買って得した気分です。
雑誌は買い逃すと二度と手に入らないような
恐怖観念に襲われてついつい。。。

@ひでかずさん
こんばんは。

おーーそうでしたか。
かみさんが猫好きなので早速観てみます。
たまにはプレゼントしてもいいかな。

@花さん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

お正月歌舞伎座行かれたのですね。
一度団十郎さんの助六を
花道脇で観てみたいと思っています。
成田屋〜

アマゾンはついついクリックしてしまいます。
でも本はいくらお金を使ってもいいと
小さい頃から親に育てられてきたので
この年になっても本の出費は「べつばら」感覚です。

買い損ねると泣きますしね。

お相撲だけはまだ一度も行ったことありません。
やはり観ておかないといけませんかね。

@みけらんじぇろさん
こんばんは。

東京人は表紙の色が派手で目立つので
書店でもすぐに見つかるかと。
R25も逃すと手に入らないですよね〜
webでも全部読めますが紙マニアなので。

@okiさん
こんばんは。

そうなんです。
雑誌に限らず本にはめっぽう目がないたちです。
「アエラ」はたまに明後日の方向から
美術特集というか記事を掲載しますよね。
あれどうなのでしょう。
フェルメールの特集もやったことありました。

「版画芸術」は特集が良い時だけ買っています。
滅多にありませんけど。
Tak管理人 | 2008/03/07 11:09 PM
Takさんの切り口はとても魅力的ですね。
推薦されると、必ず売上upしますね...
(netと相乗効果で紙媒体ガンバレ)

団十郎丈は江戸の華を再現する平成のイイ男です。
無間地獄から生還し還暦越え さらに。
歌舞伎座の助六 本当に粋でしたよ。
panda | 2008/03/08 9:54 PM
@pandaさん
こんにちは。

こんなブログで取り上げたくらいでは
売上に貢献なんてできませんって。。。
紙媒体は今でも強いです。
一冊くらいは売上アップになっているかな。それでも。

団十郎さん、病の床からよくぞまぁ
復帰なされましたよね。
雄姿をこの目で拝見したいものです。
Tak管理人 | 2008/03/09 10:50 AM
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