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川村記念美術館リニューアル

3月15日にリニューアル・オープンした川村記念美術館に行って来ました。
(設計者:海老原一郎/海老原建築設計事務所)



千葉県佐倉市にある大日本インキ化学工業株式会社(四月より「DIC株式会社」に社名変更)が運営する川村記念美術館

1990年5月に開館したこの美術館は日本全国の数ある美術館の中でも屈指の存在。レンブラントから20世紀美術までの幅広いコレクションはもちろんですが、ここ川村の高い評価はそれだけでなく、その美術館が建つ「環境」にあります。

都内から特急で一時間、駅から更に無料送迎バスに揺られ20分。自分の場合はほとんど車で出かけてしまいます。佐倉インターから15分程度でしょうか。とにかく「人里離れた場所」に建つ美術館です。

車内から撮影。
ここはもう美術館の敷地内です。この先に300台分の無料駐車場があります。

チケットブースから「森」を抜け一路美術館へ。

森林浴を楽しみつつ、ふと両脇の足元に目を転じるとユキワリソウやカタクリの草花が山里に春を告げるかのようにひっそりと咲き誇っている姿が。
  

森を抜け出ると、眼前には大きな池が目に飛び込んできます。

「白鳥池」と名付けられたこの池には白鳥や鴨などが棲息しています。


今が丁度見ごろの河津桜の奥に見えるとんがり帽子の屋根が川村記念美術館。


右手手前に設置されているのは、スクラップではなく川村記念美術館のご自慢のコレクションの内のひとつ、フランク・ステラの「リュネヴィル
フランク・ステラの初期の作品から体系的に観ることができる日本で唯一の美術館でもあります。ステラ、昔はこんなじゃなかったんですけどね。。。

さて、さて今回のリニューアルでは、膨大なコレクションをなるべく常時展示できるように展示室を拡張・増築したもの。床面積で今までより1.5倍も広くなったそうです。

具体的にはピンクの丸で括った部分が増築された展示室です。


1階に「ロスコ・ルーム」を新設(今まであった「ロスコ・ルーム」は講演などを実施しるレクチャー室となったそうです)

丁度その真上、2階には「ニューマン・ルーム」が新設されました。
この二つの新しい展示室はそれぞれロスコ、ニューマンの作品を常設展示するために設計されたいわばオートクチュール展示室です。

チラシとパンフにあったそれぞれの部屋の写真です。

ロスコ・ルーム


この写真だと明るいのですが、実際のロスコ・ルームは入った瞬間「暗い」と感じるほど。以前のロスコ・ルームと比べても照度はかなり落としてあるように思えます。


ニューマン・ルーム

対照的に2階のニューマンの部屋は大きく窓が取られ、カーテンで閉ざされてはいるものの外光が差し込んでくる大変明るい空間です。その中央に「アンナの光」(アンナは彼のお母さんのお名前)がこれまた自ら光を発し、もうそこに随分長い年月居るかのような顔つきで我々を出迎えてくれます。

因みに上の写真ではカーテンが無く外の景色が見えますが、これはまだこの写真を撮影した際にカーテンが取り付けられていなかっただけだそうです。常時カーテンは閉まっているとのことです。


外部から見た増築されたニューマン&ロスコ・ルーム

 ロスコの「シーグラム壁画」とニューマンの「アンナの光」を常設するために新設された別棟は、作品に対する作家の意図を酌んだ設計。ロスコ・ルームは、七作品に合わせ室内は変形七角形。最小限の照度のため、まるで“洞窟”のよう。対照的にニューマン・ルームは、だ円形の室内中央に巨大な作品が出迎える。左右のガラス窓からは光があふれ、白い壁に飾られた真っ赤な大作を引き立たせている。
川村記念美術館がリニューアルオープン(千葉日報)

「ロスコ・ルーム」の先輩はかつてのテイト・ギャラリーにあった「The Rothko Room」。現在はテイト・モダンに新設されているそうです。

以前テイト・ギャラリーにあった時は2回ほどここで至福の時を過ごす経験をしましたが、新しくなってからはまだ未体験。この夏は必ず!テイトへ。

また、バーネット・ニューマンもニューヨーク近代美術館(Moma)に「アンナの光」と同じような作品がありますが、何と言ってもMOMAではこれが際立って目立っているはずです。

バーネット・ニューマン「ブロークン・オダリスク
新生MOMAを設計された谷口吉生氏もこの作品が重くて苦労したと講演会で語っていらっしゃいました。。。

もう1ヶ所。2階の「203企画展示室」が新設されました。
今までは2階の展示室で主に企画展を行っていましたが、今後はここの「203企画展示室」を中心に企画展を開催できるため(それほど広い)2階もかなりのスペースを常設展示スペースとして使えるようになりました。

現在この展示室では「マティスとボナール」展が開催されていました。
こちらの感想はまた後日。(いつになることやら)

展示面積が増え、職員さんの数もバイトを含め増えたようですが、今までの川村美術館の魅力のひとつは、学芸員さんをはじめ職員さんの対応が「環境」に負けず劣らず素晴らしかったこと。これがあったからこそ遠くても「また来よう」と思えたわけで。。。オープンしてまだバタバタしているかとは思いますが、その辺も展示室以上に良いものにしていって頂ければな〜と思いました。


大人が憧れる全国美術館ガイド―一度は行きたい、心満たされる空間

おまけ
ロゴデザインも変わったようです。


おまけその2
「アウラ」復刊希望

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 「マルク・シャガール展」&長谷川等誉「涅槃図」
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リニューアル工事について
当館では、建物の増改築工事のために2007年7月2日から2008年3月14日まで休館させていただいております。
リニューアル後は展示室の床面積が既存の約1.5倍に拡張され、より多くのコレクション作品をゆったりご覧いただけるようになります。

【増改築のポイント】
「ロスコ・ルーム」と「ニューマン・ルーム」
20世紀後半のアメリカ絵画を代表する二人の画家、マーク・ロスコ(1903-70)とバーネット・ニューマン(1905-70)。

彼らの最重要作品を、それぞれの作品のためにデザインされた展示空間でご覧いただけるようになります。

「203企画展示室」
主に特別展や企画展の会場として使用する目的で増設します。

リニューアルオープン時に開催される「マティスとボナール」展の会場はこちらになります。
その他 | permalink | comments(11) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

明日家族で行く予定です。
ニューマンルームが出来たのですね。
期待大です。

いつも貴重な情報ありがとうございます。
レイ | 2008/03/23 1:18 AM
@レイさん
こんばんは。

ニューマン・ルームの前に
ロスコ・ルームを観るという
動線がナイスです。

それに海老原さんの設計した建物も!
Tak管理人 | 2008/03/23 1:32 AM
こんばんわ。
川村記念美術館は行くのに遠くて なかかな足を運びません。
欲を言えば 絶対に観にいきたいという展覧会開催中でしたら
遠くても行きます。たとえば クリムト展なんかだったら喜んで行きます。
tak様 こちら掲示板は芸術と思うことがありましら カキコして よろしいでしょうか?
昨夜 NHKで放映の 北京バイオリン が最終回でした。
takさんは ご覧になっていましたか。
私は このドラマをつぶさにみてはいませんでしたが 大好きでした。
最終回で 主人公のシュオチュンという少年が バイオリンコンテストで演奏したとき 演奏によって 言葉はなくても 自分の気持ちを育ての父親に伝えていました。音楽だけで 心情を伝えられるなんて まさに芸術です。
そして 男子フィギュアスケート世界選手大会で カナダのバトルさんが優勝しましたね。
私は 前から バトルファンで 彼の滑りは 他の選手にない美しさがあって 芸術的です。そして お顔もよい。

では また。
hidamari | 2008/03/23 2:29 AM
おはようございます。

川村記念美術館、昨日行かれたのですね。
私も昨日友人と、川村記念美術館に行こうか府中市美術館に行こうか迷い、リニューアルオープン直後の川村は後日にして府中に行ってまいりました。

「マティスとボナール」の感想もぜひぜひ!
楽しみにしております♪
えりり | 2008/03/23 6:54 AM
Takさん早いですね〜。
狙ってはいるのですが、電車で行くととても遠いので躊躇してます。
常設展示室が広くなったのはうれしいですね。
ogawama | 2008/03/23 8:42 AM
最近、年のせいか自然に触れたいって感じるようになってきた。
川村美術館は遠くて九州からなかなかいけないけど、Takさんの日記で少し行った気になりました。

大人がゆっくり寛げそうな美術館ですね。
こんなくつろいだ気持ちで芸術を味わう…。
なんて贅沢な時間でしょうね。
ピノコ | 2008/03/23 9:04 AM
こんにちは
二度ばかり行きました。歴博からの送迎バスに揺られましたが、緑の中を疾駆するバスにちょっと「・・・どこへ行くの?」な不安をも懐きながら。たどり着いたら素晴らしい場所なので「わっ♪」でしたが。
改装中、名品が神戸などに来てました。
とても楽しみましたよ、展示場所が変わっても名品は名品だと思いますが、その名品を常に展示する空間が装いも新たになった、と言うのは素敵ですね。
また行きたいと思います。

Takさんの「マティスとボナール」展感想が楽しみです♪
遊行七恵 | 2008/03/23 1:18 PM
Takさん、こんばんは。

川村記念美術館が改装していたのを知りませんでした。

実はカタクリの写真にひかれてのコメントです。
Takさんのページを見ていたらカタクリを見に行きたくなりました。
明日、どこかに見に行ってこようかな。


merion | 2008/03/23 8:13 PM
@hidamariさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

川村は遠いですよね。
私でも躊躇してしまいます。
ただドライブがてら高速飛ばしていけば
意外とすぐなので結構行っています。

ただし帰りの渋滞が難儀なのですけどね。

スケートは女子も男子も健闘したのでしょうか。
どうもテレビの前でゆっくり番組を観られなくなりました。
ネットの悪影響?でしょうか。

@えりりさん
こんばんは。

あやうくニアミスでしたね。
府中は私の家からだと逆に遠くなってしまうので
いつも二の足踏んでしまいます。
とても良さそうですよね、今の展覧会。

感想は。。。
気長にお待ちください。

@ogawamaさん
こんばんは。

S嬢とともに車でいかがです?
私も出しますよ、誰か誘って。
あそこは大勢で行くのも宜しいかと。
ただし、他に見るところが。。。

@ピノコさん
こんばんは。

こちらの会社、慈善事業のような感じで
美術館運営なさっているように思います。
あれだけ広大な敷地をいつ行っても
奇麗に手入れされているのですから驚きです。

更に今回美術館スペースも拡張するとは!
頭下がります。
何かの機会に行くことできたらよいですね。

@遊行七恵さん
こんばんは。

遠いですよね。
送迎バスは「近道」通ることあるので
ここはどこ?感覚味わえます。。。

改装中に巡回していたようですね。
名古屋で桂田さんもご覧になられたはず。
基本的な展示場所は変わらずに
作品の良さを最大限に活かせるようにした
リニューアルのようです。

@merionさん
こんばんは。

改装というか増築ですね。
前々から少しずつはやっていたようですが
一年クローズして本格的にリニューアル。

山道にひっそり咲く花々はいつも通り。
ここは美術館だけでなく自然散策も楽しめますよね。
Tak管理人 | 2008/03/24 12:22 AM
沢山好い展覧会を見ておられ感動!、私もいろいろみておりましたが、昨年大病に見舞われ、このとこ足が遠のいております、また関西に居住のせいもありますが、良い展覧会・演劇は首都圏で無いと無理、だから毎月の様に上京しておりましたが・・、いろいろPCで情報を得て、何とか心を癒しております、今後ともいろいろ教えて下さい、2月は川村美へ「ロスコ」展を見に行きます、先年ヒューストンのロスコ・チャペルを訪問した感激を呼び戻したい物です、併し現在のネット時代に、メルマガやHPの充実を計らない美術館が何故こんなに多いのでしょうか何時も疑問におもっています。
ぴっころ | 2009/02/08 5:14 PM
@ぴっころさん
こんばんは。

「ロスコ展」は今年の前半で
最も奇蹟に近い展覧会かと思われます。
こういう展覧会を見逃すとあとあと
いくら悔やんでも悔やみきれません。
準備着々と進んでいることでしょう。
開会が今からとても楽しみです。
早めに行こうと思っております。
会期が長いのも嬉しいことです。

webに関してはそれぞれお考えがあるのかと。
アパレル業界など消極的だと聞きます。
Tak管理人 | 2009/02/08 11:50 PM
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