青い日記帳 

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「柿右衛門と鍋島」展

出光美術館で開催中の
「柿右衛門と鍋島―肥前磁器の精華」展に行って来ました。



出光さんが焼き物の展覧会をやるのですから生半可な気持ちで出かけてはいけないと心得ていたはずだったのですが、美術館に入ったのが閉館45分前。駆け足で観る羽目に。

焼き物の良し悪し、分類など皆目分からない自分でも丁寧且つ学術的な展覧会構成によって「和のうつわ」を余すところなく堪能することができます。

展覧会の構成は以下の通り。
1.磁器の誕生 −古唐津から初期伊万里へ−
2.赤絵の創成 −初代柿右衛門の挑戦−
3.飛躍する肥前磁器 −寛文時代の色絵−
4.和様の深まり −風雅なるうつわ−
5.中国官窯への憧れ −技法の原点・五彩と豆彩−
6.鍋島の格調 −大川内山・鍋島藩窯の世界−
7.柿右衛門の優雅
8.柿右衛門人形の人形
9.柿右衛門スタイルの広がり −日本初の世界ブランド−
10.古伊万里(金襴手)の華麗−新たなる時代の色絵−
(陶片室で鍋島藩窯跡及び柿右衛門窯跡出土陶片を展示)


江戸時代、17世紀後半に今のスタイルを完成させたといわれる柿右衛門や鍋島。後に西欧向けに日本を代表する工芸品として多くを輸出することになる柿右衛門や古伊万里(金襴手)、主に徳川将軍家への贈答品として高い地位を築く鍋島。

17世紀後期に生まれた柿右衛門と鍋島は、日本の色絵磁器史上の金字塔といわれるやきものです。」出光美術館サイトより。

今回の展覧会は現在まで受け継がれる揺るぎない高いポジションを築いた柿右衛門や鍋島焼の最盛期の作品を展示、紹介するだけではなく、歴史的にいかにしてそれら色絵陶器が誕生したか、大きな影響を受けた中国陶器や桃山時代の「古唐津」(豊臣秀吉による文禄・慶長の役の頃に朝鮮から大量に連行してきた陶工らが技術を伝えた・Wikiより)なども併せて展示紹介されています。


色絵梅花鶯文富士山形皿
形の面白さにまず目を惹かれ、見ているうちに乳白色の上に余白を十分に保ちながら展開する赤絵(色絵)に心奪われます。決して鳥が描かれている訳では…富士山のお山のラインにくっきりと入れられた赤色もよいアクセントとなって目を愉しませてくれます。


色絵花鳥流水文蓋物」柿右衛門
拡大するとご覧になれるかと思いますが、作品名の通り「流水文」が器全体に刻まれています。

「余白」は「余白」のままに最小限の細工で最大の表現効果を生み出そうとする苦心の跡をうかがい知ることができます。僅か21センチの口径の中に広大な地球上の海すべてを表現しているかのようです。


色絵荒磯文鉢」古伊万里
柿右衛門、鍋島に比べるとデコラティブな古伊万里(金襴手)は少々あたりがきつく、じっくり見ることできません。しかしそれでも中には偶然か必然か大変色合いもデザインもバランスの良いものがあったりします。こちらもそんな一枚。

色彩コーディネーター等の職に就く方に一度ご意見を伺ってみたいところ。
個人的に四隅に配置された緑色が用いられている部分に惹かれました。

古伊万里作品の中でダントツに良かったのが「色絵柴束花散文皿」。最後の展示室の端っこにあります。煌びやかな輸出用の古伊万里とは違ったシンプルな絵柄。これ必見です!

さて、さて柿右衛門、古伊万里と来て残すは鍋島のみ。
焼き物にとんと疎い自分でも鍋島焼だけは見て分かります(多分)

今年始め、戸栗美術館で開催された「鍋島−至宝の磁器・創出された美−」展の興奮未だ冷めやらぬまま。今回の展覧会では繰り返しになりますが、単に鍋島焼を並べただけではなくその誕生まで遡り歴史的に顧みた展示となっています。

全体の構成ではこちらのセクションがそれにあたります。
4.和様の深まり −風雅なるうつわ−
5.中国官窯への憧れ −技法の原点・五彩と豆彩−
6.鍋島の格調 −大川内山・鍋島藩窯の世界−


岩谷川内山の猿川窯産ではないかと考えられる「色絵唐花文変形皿」(べっ甲細工で拵えたブローチのような横長のやきもの)や鍋島の染付に大きな影響を与えたとされる中国清時代の五彩や豆彩も参考展示されています。


色絵桃文大皿」鍋島
鍋島と言えば「桃」しばしばモチーフに登場します。
手前に陣取った3個の桃たちのふてぶてしいこと。
思わず笑みがこぼれてきてしまいます。いいな〜やっぱ鍋島。

では、最後に「今日の一枚


色絵青海波牡丹文皿」鍋島
これと同じ文様の皿で色が付けられていない「染付青海波牡丹文皿」がお隣同士で展示されていました。青海波の中に赤い牡丹を配すことがいかに斬新か比較するとよく分かります。でも斬新でありながらしっかりとバランスよくどちらも収まっていることに逆に驚かされもします。

色なしでも色ありでもどちらでもイケちゃうなんて鍋島ったら。。。
益々好きになってしまうではないですか!

今度もう一度かみさん連れてゆっくりと時間をかけて観に行きたいと思っています。その前にこちらで少しは予習して。
有田焼(Wikipedia)

「柿右衛門と鍋島」展は6月1日までです。

産地別すぐわかるやきものの見わけ方
産地別すぐわかるやきものの見わけ方
佐々木 秀憲

最後に「今日の美味


東京駅構内「BUZZ SEARCH」の「ストロベリーシャンティ
ロールケーキの美味さ再認識。
ふわふわのスポンジにイチゴ。
お値段も手ごろで懐かしい味存分に楽しめます。

おまけ
財団法人 今右衛門古陶磁器美術館(佐賀県)で開催している展覧会。

鍋島・古伊万里 水の表情展
チラシの美しさに惹かれもらってきました。
デザインに青海波&流水文使うなんて流石。

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 「水と生きる展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「上野の桜」は8日まで。
- 弐代目・青い日記帳 | 「華麗なる伊万里、雅の京焼展」
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江戸時代初期に日本で初めての磁器生産に成功した九州・肥前窯は、現在までおよそ400年にわたり質の高いうつわを生み出し続けています。その製品は、肥前磁器、あるいは伊万里焼(有田焼ともいう)と呼ばれ、今も私たちの暮らしを華やかに彩ってくれています。
肥前磁器の歴史のなかで特筆されるべき出来事は、17世紀中期に達成された革命的な技術革新でした。この結果、品質の飛躍的な向上が計られたのです。中国・景徳鎮窯の技術を導入し、陶工たちの地道な努力によって、薄手で白さが際立つ高品質の素地が開発され、当時の世界最高の品質を誇る格調高く華麗な色絵磁器が誕生しました。
なかでも17世紀後期に生まれた柿右衛門と鍋島は、日本の色絵磁器史上の金字塔といわれるやきものです。柿右衛門は肥前の民間の窯により、主に西欧向けに輸出された高級器で、彼の地の王侯貴族の城や邸宅を美しく飾りました。一方の鍋島は、佐賀藩主の鍋島家から徳川将軍家などへの献上品として、その威信をかけて特別につくられたうつわでした。鍋島の格調高い絵文様は、他の窯の追随を許しません。
このたびは、出光コレクションの柿右衛門と鍋島、ならびに古伊万里などの肥前磁器を一堂に会する初の機会として、当コレクションを中心に、特別出品の名品も交えて、肥前磁器の精華をご覧いただきます。和のうつわのもつ醍醐味を存分に堪能していただけますと幸いです。


展覧会 | permalink | comments(10) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

 短時間の滞在でも しっかり名品押さえてますね。
鍋島の手書き文様の厳格なまでに正確さ美しさ その一品。
 柿右衛門がヨーロッパで最初の磁器マイセン焼を発明させた影響力.. 知るべし!明治は文明開化なんてうたってましたが、江戸文化の西洋に与えた影響って凄いじゃないか!という一例ですね。(浮世絵もしかり)
 
panda | 2008/04/16 12:19 AM
ほんとうに焼き物は日本が世界に誇れる文化の一つですね。
Takさんの紹介でますます見たくなりました。
そのうえ、開催時期を見ると6月1日まで。
うまくいけば行けます!(笑)
心配なのは込み具合だけ。
OZ | 2008/04/16 2:54 PM
45分でつぼを押さえた鑑賞をなさるTakさん!
カタログは買われない主義なのでしたよね、興味深い論考もあるのですがー。
ドイツやイギリスやフランスを魅了したのはその柿右衛門の磁器のなんだったのでしょうか?
あす発売の「美術手帖」情報を。
すごいことになってます、表紙が「ザ・テレビジョン」です!
oki | 2008/04/16 10:01 PM
@pandaさん
いこんばんは。

意外と時間限られていた方が
うまく見ることできるのかもしれません。
根がだらしないので。時間制限必要かも。
明治以降日本がすっかり忘れてしまった部分ですよね。
卑下しているならまだしも、自国の文化を正当に
評価できないのも困ったものです。。。

@OZさん
こんばんは。

出光美術館さんですから
単なる展示で終わらないだろうとは
思っていましたが、ここまでとは!
解説等じっくり次回は読んできたいと思います。

ここ、駅からも近いし狙い目ですよ!是非。

@okiさん
こんばんは。

水曜講座があるのでそれに出席したいのですが
どうもスケジュールが合いそうにありません。
やはり焼き物とは縁遠いのでしょうか。

柿右衛門だけということはないと思います。
「美術手帖」そんなに凄いのですか!
リニューアルするとは聞いていたのですが。。。
Tak管理人 | 2008/04/16 10:30 PM
行ってきました!
出光美術館!
Takさんの日記を読んでいて
「焼き物」の展示やってるんだ〜って。
でも、難しそうだなって。
鰻屋さんの割引券がなかったら二の足を踏んでいたかも…

行ってみて説明はしっかりしてるし、
古い時代から展示されてるし、
とっても分かりやすかったです。
なにより、こんなに磁器が美しいってはじめて知りました。
同時にすごく自分の国の技術に対して誇りを持ちました。
特に桃の絵の器は点描で微妙な色の変化を表現してて
目が吸い寄せられてしまいました。

で、私、焼き物ってよくわからないんですが、
絵付けと染付けってどう違うんですか????
サッチャン | 2008/04/30 11:59 AM
@サッチャンさん
こんばんは。

行かれましたね!
出光さんいいでしょ。
引越しする前のサントリーさんのようで
狭いながらも充実した内容でいつも
楽しませてくれます。
接客も当然丁寧で親切ですし。

私も焼き物はさっぱりわかりません。

ただ観て綺麗だ〜とか
これ家でも使えるかな〜とか
そんな程度しか考えていませんので。

それに一歩足を踏み入れると
とっても深そうな世界なので。
Tak管理人 | 2008/04/30 11:01 PM
こんばんは。お返事遅くなりました。TBありがとうございます。
肥前焼は一度まとめて見たいと思っていましたが、今回はその絶好の展覧会で満足できました。比較することで、それぞれが相互に補完しあうような関係になっていたのが興味深かったです。

それにしてもMOAは鍋島も良いものを持っていますね。
普段から出ているのでしょうか。やはり一度は行かなければ…。
はろるど | 2008/05/22 1:35 AM
@はろるどさん
こんばんは。

鍋島だけしか興味関心がなかったのですが
仰る通り比較し展示することで
双方の違いがより鮮明になり
偏った見方も修正が多少はできたように思えました。

MOAはフツーに仁清とかも展示されていますよ。
一日うん十万円の経費がかかる長い長い
エスカレーターでのぼりつめた先に名品がごろごろ。
熱海駅からはタクシーが便利です。
Tak管理人 | 2008/05/22 9:34 PM
ご無沙汰しております
最終日にやっと観ることができました。
感激しました!

wataru | 2008/06/03 1:20 AM
@wataruさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

間に合いましたか!
良かったです。
これタイトルちょっと地味ですが
内容はとても充実していましたね。
さすが焼き物の出光さんです。
Tak管理人 | 2008/06/03 5:35 PM
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