青い日記帳 

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冬子と誠

成山画廊から速達メール便が届きました。

封筒の中には松井冬子さん関連のお知らせが。

2月の下旬に観に行った、松井冬子「Narcissus」
そういえば、この時も成山さんおっしゃっていました。
「今度、松井がNHKの番組で取り上げられますのでよろしくと。」

NHK ドキュメンタリー番組
ETV特集「〜日本画家 松井冬子〜」
養育テレビ 2008年4月20日 日曜日 夜10:00〜11:00



公共放送であるNHKが現存するアーティストさん個人の特集をするのは前代未聞のこと。あの山口晃さんの個展ですら特集できなかったほどです。

「ジャンヌダルク」としての使命以上の働きを見せているように思えます。
松井さん自身まだお若いし、これから先どうなることやら展開が読めません。

時代と共に、そのスタイルを変容させてきた「絵画」というジャンルも
もしかして大きな転換期を迎えているのではないかと思わせます。
これだけメディアの力が強くなるとそれを使いこなせないと作家として
良しにつけ悪しきにつけ、評価されない時代となってしまいました。

何年か前に音楽の世界でも同じような現象が起こっていたように記憶しています。
やたらと「美人バイオリニスト」などと言って持て囃されていたようでした。

個々の個性を尊重し趣向の多様化を好しとして邁進してきた揺り戻し的な現象が、もしかしたら現在起こっていることを紐解く鍵になるかもしれません。

現在の状況が良いのか悪いのかを決めるのは「歴史」です。
しばらく時間が経過するのを待たなくてはなりません。
ただし、それが100年後、200年後という可能性も十分あります。
だとするならば、現状を享受して出来るだけ前向きに捉えるのが良いかと。

NHK ドキュメンタリー番組
ETV特集「〜日本画家 松井冬子〜」
養育テレビ 2008年4月20日 日曜日 夜10:00〜11:00


番組終了後の松井冬子さんに対しての「評価」が楽しみです。
画家、松井冬子(34)。彼女は、昨年女性で東京芸術大学史上初の日本画専攻の博士号を取得、日本画壇のホープと目されている。
彼女の作品には、傷んだ皮膚や内臓、幽霊などが描かれ、一見グロテスクな絵画とも見られる。しかし、その作品が今、美術界内外で注目を集めている。彼女は、死に対する現実感の希薄化、喪失化が現代社会の大きな問題であると捉えている。
番組では、気鋭の画家・松井冬子の創作現場に初めて密着取材を敢行、なぜ彼女は見るものに「痛み」を感じさせる作品を描くのか、なぜ彼女の作品が「美」として強い訴求力を持ち、支持されるのか、「痛みが美」へと変貌する秘密を探る。また、松井の作品に強い関心を抱く社会学者の上野千鶴子、美術史家の山下裕二、美術解剖学の布施英利との対論を通じて、日本画の伝統を受け継ぎながら現代美術として自己の内面を表現し続ける松井冬子の魅力と、彼女が追及する「美」の本質に多角的に迫って行く。


成山画廊限定松井冬子画集限定特装版。
第I巻および第II巻の内容を一冊に網羅。さらに補遺として普及版未収録作品をおさめた函入り上製本。著者サイン入り。版面 300x300mm。200頁超。予価15000円+税 (4〜5月以降刊行予定)

書店での販売はないそうです。限定100部。
予約は成山画廊まで。Tel.03-3264-4871

この他に封筒の中には松井冬子さんの版画販売のお知らせが入っていました。

因みに松井さんが傾倒している上野千鶴子さん。
多数の著書お書きになられていますが、最もお勧めはこちら。
ただし「大人」限定です。
「発情装置―エロスのシナリオ」 上野 千鶴子
序 セクシュアリティの地殻変動が起きている
1 性愛・この非対称的なもの
2 「対」という病
3 「対」という実験
4 「近代家族」の精神分析
5 ヘテロセクシュアルの冒険


さて、さて松井さんおお次は会田誠さん。

今週号の「美術手帖」の特集が会田さん。
美術手帖 2008年 05月号 [雑誌]
美術手帖 2008年 05月号 [雑誌]
美術手帖 創刊60周年記念 リニューアル新装刊

「美術手帖」は今月からリニューアルし内容も一新。まだ全部読んはいませんが、「見る」雑誌から「読む」雑誌に移行するような気合が感じられます。


リニューアルの特集を会田さんに頼んだのは間違いなかったかと。

子分を従えて「ザ・テレビジョン」激似な表紙となっているので
「あれ?いつもと大きく違うな〜」と思えるはずです。


レモンの代わりに「ナマコ」を持って写したそうです。
会田さんや加藤愛ちゃんの涼しげでさっぱりした顔と
各々手に持った「ナマコ」のミスマッチがたまりません。

原案を考えたのはもちろん、会田さん。
はじめは「おにぎり仮面」にしようと描いてみたところ
あまりにも下手くそなので加藤さんにまる投げしてしまったとか。。。

因みに「美術手帖」のロゴも控え目で細く描かれているため
書店店頭で探してもなかなか「美術手帖」見つかりません。

リニューアル後の「美術手帖」は紙質を変えた所為かかなり重量が軽く感じられます。「軽い」というと「安っぽさ」をイメージしてしまいます。
敢えて運びし易いようにとのご配慮でしょうが丁重にお断りしてきました。

インタビュー記事など「活字」がかなり多くその点は驚かされました。
ただ、自分それほど真面目にこういった本の文章読まない人間なので
2004年の「会田誠と山口晃」特集の方に軍配が…


でも良く考えるとこの先、紙媒体が生き残っていくには良質な活字をふんだんに盛り込んでいくしかないのかもしれません。ニッチな読者層を狙い撃ちするかのように。

今回の号にはおまけでエコバックが付いてきました。

会田さんと山口愛さんの合作だそうです。

絵柄的にちょっと(かなり)実用には不向きなので部屋隅にこっそり掛けておきます。

加藤愛さんの作品は昨年の秋、東京美術倶楽部内にある東美アートフォーラムにて開催された東京コンテンポラリーアートフェア2007 (TCAF2007)のミズマのブース内に展示されていました。


「美術手帖」さん赤面しそうな「BT」という略称はどうやら取りやめたようなのでそれは好として、まだまだしっくりこないつくりかと。来月の特集は「京都アート訪問」、その次が「ジャパニーズアーティストファイル」だそうです。

おまけ:『美術手帖』リニューアル記念

会田誠×野口孝仁 トークショー
「『美術手帖』リニューアル号で、編集部と仕事をして思ったこと。」

・2008年4月20日(日)14:00〜15:30(開場13:30〜)
・会場:青山ブックセンター本店内・カルチャーサロン青山
・定員:100名様
・入場料:500円(税込)

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | ギャラリートーク「森山大道×会田誠」
- 弐代目・青い日記帳 | 「会田誠 山口晃 トークショー」
- 弐代目・青い日記帳 | 「アートで候。会田誠 山口晃展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「アートで候。」会田誠ギャラリートーク
- 弐代目・青い日記帳 | 鷹野隆大×会田誠トークイベント「総理に聞く・・・(仮)」

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お知らせ | permalink | comments(10) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんばんは。TBありがとうございます。
リニューアルした美手帖云々はともかく、ナマコとか小道具がまた会田さんらしくて良いですよね。エコバック等々、何かこうツボを見つけてくすぐるのが本当に上手だなと思います。

松井さん、今度は教育テレビでしたか。
実は彼女の個展を一度も見たことがないので、
次回開催された際には是非行きたいですね。(成山にもまだ足を踏み入れたことがありません…。)
はろるど | 2008/04/19 1:06 AM
 どちらも注目する旬の作家ですから、タイムリーな紹介ですね。ミックスドメディア戦略も重要です。
 松井冬子さんは「美術手帖 2008年1月」特集されていましたね。
 (私は買っていませんが)伝説的な完売号として「美術手帖 第55号 2003年 10月号」 海洋堂 /村上隆 「Miss Ko2 Blonde」フィギュアがあったはず。
 今回のリニューアル記念号「エコバック」もお宝アイテムになりますか?
panda | 2008/04/19 9:47 AM
いつも情報、ありがとうございます。
今月の美術手帖、興味しんしんです。
かってみようっと。
ウインバレー | 2008/04/19 11:21 AM
@はろるどさん
こんばんは。

会田さんがあの表紙を考えたのだと知って
納得するとともに、またしてもやられた〜と
思ってしまいました。

今日のトークショーも行きたかったのですが
体がいうこと聞いてくれずに断念。

松井さんは人気先行ですが
まだ若いのでこの先どう化けるか楽しみです。
尤も、今でも十分に「化けて」いますけどね。

@pandaさん
こんばんは。

昨日はお疲れさまでした!
毎度毎度ありがとうございます。

エコバックはお宝にはならないかと。
思いきりもう使ってしまいましたので。
松井冬子さんの号はやはりそんなに
売れたのですね。恐るべし松井人気。
今はこうした戦略も立てやすい時代ですね。

@ウインバレーさん
こんばんは。

美術手帖内容的には充実しているはずなのですが
如何せん安っぽさが否めません。
来月号以降どうなることやら。
Tak管理人 | 2008/04/20 9:40 PM
>番組終了後の松井冬子さんに対しての「評価」が楽しみです。

 「痛みが美に変わる時〜画家・松井冬子の世界〜」というタイトルからメディア戦略だなあという感じがしました。

 私は80年代に上野さんの本を読みましたが、ジェンダーを取り上げ社会学者として有名な人だと思います。松井さんの絵がジェンダー化された絵というような内容でしたが、題材が女性、臓器などを使っているために女性学を表している絵だと位置づけているのでしょうか。上野さんが松井さんにもっと幸せになってねと言っていましたが、松井さんの受け答えではその意味がわかりませんでした。もっと踏み込んだ話し合いだったのでしょうか。

 モチーフが女性、臓器、骨などの組み合わせなので、観る人の中には女性の痛みを感じる人もいると思いますが、そういった女性の痛みが主題の絵なのでしょうか。

 私にはそうは見えなかったけどなあ。まあ、テーマをつけたTV番組にすると効果は大きいですから、みんなそう思ってしまうのでしょうけど、制作過程からはテーマの深みがあまりえぐり出されていなかったようにも感じます。画家はどんな悩みもハンディーもすべてを含めて作品にしていくので、画家に幸せになってねというのも違和感があるように思いました。

 素人感想でした。
パレット | 2008/04/20 11:43 PM
こんばんわ!

takさんの番組紹介により 松井冬子さんという画家を初めて知り 番組を拝見いたしました。
松井さんの作品はスペインの有名な女流画家(ごめんなさい 名前がでてきません)の絵の作品に似ていて それに日本画の繊細な美しさを取り入れていて 実力を感じます。
番組の最後の方で 対談相手の女性大学教授が 松井さんに 「松井さんが幸せになって そうゆう作品をみたい 」とおっしゃていたが 私もそれに尽きると思いました。
でも 注目したい画家です。


hidamari | 2008/04/20 11:56 PM
TBさせていただきました。
しっかり60分堪能しました。
意外に男っぽいサバサバした雰囲気の方なんですね。
今までは本人の美貌と作品のギャップをわざと誇張しているのでは?と思ってましたが、話を聞いてるうちに「なるほどな」という気になりました。
臓器を見て「美しい!」とつぶやく姿が印象的でした。
どんなものにでも美を見出すのってスゴイ。
解剖も素手だったし…
でも見ようによってはYさんのおっしゃる通りやっぱりニュー●ーフ?
さちえ | 2008/04/21 9:22 AM
@パレットさん
こんばんは。

上野さんの本は私もかなり読んでいます。
松井さんとでは話がどうも合わないというか
格が違いすぎて同じ土俵で話できていないようでした。
無理もないことかと。

松井さんが最近上野さんの著書を読んでいることは
前回の展覧会で知りました。
それをどう生かしてくるか、どう受けこたえるか
楽しみだったのですが、まだ時期尚早だったようです。

私は女性の痛みを表している作品とか
感じ取れませんし、そう見たこともありません。

テレビですからほんの一面しか伝えられません。
そこをどう解釈し咀嚼するかはこちら側の問題です。
いずれにせよ、これで議論が以前に増して盛んになることでしょう。

@hidamariさん
こんばんは。

スペインの画家さんの名前分かったら教えて下さい。
同じような作風の画家さんいらっしゃるものですね。

松井さんはこれからがきっと今まで以上に大変でしょう。
いろいろな面で。

上野さんはただならぬ慧眼の持ち主ですので
それを見越して「幸せになってほしい」と
語りかけたかのかもしれません。

@さちえさん
こんばんは。
TBありがとうございます。

「エッジが効いている」とよく以前から
絵を表現するときに使います、松井さん。
今回も2,3回番組内で発言されていました。

山下先生相手になんとかなっても
上野先生相手ではどうにもならないこと
我が身のように感じ取り痛々しく思いました。

ネズミさんに合掌。
Tak管理人 | 2008/04/22 10:56 PM
凄い中身の濃いブログですよね。

NHKの松井冬子は家族で見ましたよ。
良かったよ。
若い女のこのファンが多い訳だ。

画集早速予約しなきゃ!明日成山画廊行ってコヨッと。。

美術手帳はもちろん買いました。
レイ | 2008/04/23 12:20 AM
@レイさん
こんばんは。

中身は濃くないんです。。。
ただ毎日記事なんとか更新しているだけですので
薄っぺらです。

美術手帖は既に売り切れていて
入手困難なようですね。

画集も価値でるかもしれません。
絵は購入できませんが、画集なら何とか。
Tak管理人 | 2008/04/24 11:29 PM
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