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「コレクションの新地平」

ブリヂストン美術館で4月13日まで開催されていた
「コレクションの新地平 20世紀美術の息吹」展に行って来ました。



幅広く質の高いコレクションを誇るブリヂストン美術館。
場所柄(東京駅から歩いてすぐ)東京までたまたま出て来られた方が、そのコレクション目当てに空いた時間に訪れるということも多いそうです。

コレクションの中でもとりわけ、1900年前後の作品は安定した人気があり、たとえば「ブリヂストン美術館へ行けば『すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢』に逢えると思い定めて来館される方も多くいらっしゃるそうです。

1876年
オーギュスト・ルノワール「すわるジョルジェット・シャルパンティエ嬢

ところが、年に何日かは「特別展」を開催していて、お目当ての「常設展示作品」が観られないこともあります。ブリヂストンビル2階の限られた展示スペースしかありませんから致し方ないことなのですが、「常設作品が観られず残念だった」との声が多く寄せられるそうです。

とりわけ一昨年開催された「プリズム:オーストラリア現代美術展」の時はお客様のそうした声が多かったとブリヂストン美術館館長である島田紀夫氏から伺いました。印象派を中心とする常設作品を期待して来られた方にはオーストラリアのましてや現代アートは…

裏を返せばそれだけブリヂストン美術館のコレクションは是非観たいと思わせる質の高い、価値のあるものだということになります。常設展示は年間を通して観ることができ、特別展は別の場所でという案もあるとかないとか。

さて、今回の展覧会は石橋財団創設者 石橋正二郎氏の後を継いだ石橋幹一郎氏が蒐集した20世紀美術作品を一堂に紹介する展覧会。

総数100点。
1909年のモンドリアンの作品から世紀をまたいで昨年描かれた作品まで。

1909年
ピート・モンドリアン「砂丘

今でこそ「20世紀の巨匠」などと称されている作家さんでも当時はどこの馬の骨とも分からない絵描きであったりもしたはずです。この展覧会の感想一言で表すなら「コレクターとしての先見性の見事さ」に尽きるかと。

最も分かりやすい直近の例で示すならやはりザオ・ウーキーを早期から見出していたことでしょう。趙無極=ザオ・ウーキー(Zao Wou-ki)

三年前の記事「趙無極氏の絵画が昨年、香港のクリスティで、中国人画家の油絵としては史上最高値の230万ドルで落札された。
参照:バブルな中国

早くから「東洋生まれ西洋育ち」であるザオの表現力に着目し、国内で最大のザオコレクションを有するまでに至ったそのまさに先見性は一企業人としての領域を軽く超越するものがあります。

そして、2004年に開催された「ザオ・ウーキー展

これほど現代作家個人の展覧会が注目され称賛されたのは今までなかったのではないでしょうか。この展覧会で「ブリヂストン美術館=ザオ」という図式が確立され、現在の彼の人気を後押ししています。

そしてまたブリヂストン美術館は次なる作家さんに注目しコレクションに加えています。前記の「プリズム:オーストラリア現代美術展」に出品されたイマンツ・ティラーズ(1950-)やキャサリン・ペチャリ(1940-)

そしてオーストラリアと言えば、エミリー・カーム・ウンワリイ(1910-1996).「春の景色」という作品は是非とも今後「常設」として毎度毎度見させて頂きたいほど感動的な一枚。

彼女の大規模な回顧展が丁度、今年開催されます。

エミリー・ウングワレー展 アボリジニが生んだ天才画家
国立新美術館 5月28日〜7月28日

こうしてこれからも益々そのコレクションを充実したものにしていくことでしょう。因みに今回の展覧会では第1室と第2室を「常設展示」にあてセザンヌやピカソそれにレンブラント等など創設者 石橋正二郎氏の人気のコレクションも合わせて観ることができました。

(やっぱりここの美術館に来たらセザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール」観て挨拶して来ないと…)

財団法人 石橋財団のサイトには
ブリヂストン美術館設立のいきさつについてこう書かれています。
「人類にとって貴重なコレクションは一人で愛蔵すべきものではない。進んで公開し、戦争で荒廃した世相に希望と潤いをあたえたい」。1950年(昭和25年)アメリカ旅行の折、各地の有名美術館を歴訪し、それらの施設が文化の向上にも非常に大きな力をもっていることを痛感するに至り、この考えはさらに強まっていった。

1952年(昭和27年)石橋コレクションの常設展示美術館として、ブリヂストン美術館を開設した。ちなみに、往時、洋画を集めた個人美術館は、倉敷市の大原美術館が唯一とされていた。 東京・京橋のブリヂストンビル(設計 平田重雄氏)2階に開設されたブリヂストン美術館は、社会的に大きな反響を呼んだ。


創設者の志の高さと熱意があってこそ、ここま充実し、安定した人気のある美術館になったはず。これからも気軽に上質な名画を楽しむことが出来る東京駅前の美術館として在り続けてて下さい。

「コレクションの新地平 20世紀美術の息吹」展に出展されていた作品の中には既にブリヂストン美術館コレクションの重要な一翼を担っている作品も数多く含まれていました。創設者の蒐集した作品と同じ評価を受け、これを目当てにやって来られるお客さんも今後増えていくことでしょう。

最後に「今日の一枚

1963年
ジャン・フォートリエ「旋回する線

この作品も幹一郎氏のコレクションだったとは!
ザオにしてもフォートリエにしてもストライクゾーンが僭越ながら自分とかなり近いものがあるように思えます。大原の「人質」も好きですが、メッセージ性の低いこちらの作品が長く絵の前に佇んでいることができます。

おまけ:ブリヂストン美術館ホールでこんな催し物も。

古代ギリシャのアングルハープ 復元と演奏
2008年 5月30日(金)
開場:6:00 開演:6:30
レクチャー:木戸敏郎(元国立劇場演出室長)
演奏:西 陽子 (箏曲者)
曲目:三輪眞弘作曲「蝉の法」
定員:130名(先着順)
前売券:2,000円 当日券:2,500円

それでは最後に「今日の美味


昨日の「薬師寺展オフ」にご参加くださった、わん太夫さんから頂戴したロイヤルパークホテルの「オレンジケーキ
今日はどこへも出かけなかったので三時のおやつにいただきました。
かみさん共々感謝感謝です!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1361

JUGEMテーマ:アート・デザイン


石橋幹一郎没後10年を記念して、彼が愛好したフォートリエ、ザオ・ウーキー、ポロック等の第二次世界大戦後の抽象絵画を中心に、ブリヂストン美術館所蔵の20世紀美術のコレクションを展示いたします。カンディンスキー、レジェ、堂本、白髪、そしてイマンツ・ティラーズやキャサリン・ペチャリらのオーストラリアの現代美術を含む、約20点の新収蔵作品も初公開!ブリヂストン美術館の新地平を暗示させる、20世紀美術から現代にいたるコレクションをご堪能ください。
展覧会 | permalink | comments(4) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

いつも楽しい企画ありがとうございます

お口に合いましたか ♪ d(⌒o⌒)b♪

松井冬子の番組を見ていました。

とてもきれいな方ですね。

画家としての技量は相当なものと推察されます。

あとは見る側の趣味の問題かと
わん太夫 (^u^) | 2008/04/20 11:52 PM
アングルハープ・・・非常に気になるイベントです・・・
筝曲者による演奏ということですが、実際アングルハープが用いられていたピタゴラス以前の古代ギリシアでは、どんな演奏が行われていたんでしょうね。
T.S | 2008/04/21 8:28 AM
ここは外国からのお客様も多いですよね。
いつ行ってもお目当ての絵に出会える常設展示を大切にした珍しい美術館ですね。
しかし開館直後は特別展も多く開かれ、現代美術の特別展が多かったとか。
今の館長さんは島田さんというのですか、この館長さんになってから雰囲気変わりましたね、図録も頻繁に作るし、次回も大型の特別展ですね。
oki | 2008/04/21 11:11 PM
@わん太夫さん
こんばんは。

こちらこそ参加していただき
ありがとうございました。
またいつもおいしいお菓子
頂戴し恐縮です。感謝感謝。

松井冬子については
また落ち着いたら書きます。

@T.Sさん
こんばんは。

そうなんですよ〜
音楽に疎い自分でもこうしたイベントは
とても気になってしまいます。
想像の世界無限に広がるようです。

@okiさん
こんばんは。

島田先生は高名な美術史家の方です。
印象派関係の本多数出されています。
とてもお話も分かりやすくユーモアのセンスも
持っていらっしゃる方です。
御苦労多いかもしれませんがブリヂストンには
がんばってほしいものです。
Tak管理人 | 2008/04/22 11:01 PM
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