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「アーティスト・ファイル 2008」

国立新美術館で開催中の
「アーティスト・ファイル 2008―現代の作家たち」展に行って来ました。



文化庁のサイト内にある「国立新美術館 管理運営の考え方」には“数年に1度開催される「トリエンナーレ」のような大型の展覧会を企画していくことも検討する。”との記載があります。この「トリエンナーレ」のような企画展がこの「アーティスト・ファイル」展なのか定かではありませんが、とにかく今年から「同時代に生きる作家たちの活動を、毎年定期的に紹介していく展覧会」を定期的に開催していくそうです。

その記念すべき第一回目の展覧会が「アーティスト・ファイル 2008」

(開館する前は置かない予定だった)国立新美術館の学芸員さんが選んだ8人のアーティストさんの集合個展だと考えて頂ければ宜しいかと。

出品作家:展示順
竹村京(Kei Takemura)
白井美穂(Mio Shirai)
エリナ・ブロテルス(Elina Brotherus)
佐伯洋江(Hiroe Saeki)
祐成政徳(Masanori Sukenari)
ポリクセニ・パパペトルー (Polixeni Papapetrou)
さわひらき(Hiraki Sawa)
市川武史(Takefumi Ichikawa)


どうしてこの8名が選出されたかについてはどこにもきちんとした説明がなされていなので謎のまま。ましてや多様化していく芸術表現を鑑み、先輩格である東京都現代美術館の「MOTアニュアル」展のように毎回一定のテーマを設けないそうです。

現代アートに疎い自分などにしてみれば、ある程度のテーマや枠組みを設定してくれた方がとっつきやすく、鑑賞しやすいと感じるのですが…国立新美術館のサイトにはテーマを設けないことにより「様々な領域から、力のある作家たちを集めたグループ展が可能となりました。また、変化に富んだ展示をごらんいただくことができます。」とあります。

「力のある作家」さんたちなら、同じテーマで展示しても「変化に富んだ展示」が期待できそうなものですが……

自分のような素人にとっては、まとまりのない展覧会にしか見えませんでした。

今回白羽の矢が立てられた8人の作家さんのうち、作品をこれまで観た(しかも忘れやすい自分が名前を覚えていた)作家さんは佐伯洋江さんとさわひらきさんのみ。
佐伯洋江さんは目黒で開催された「線の迷宮凝検に出展されていた作家さんですのでお名前覚えていらっしゃる方も多いのでは。

こういった存じ上げていない作家さんの展覧会は単純に「好き」「嫌い」のいづれかで判断していきながら観ます。あれこれ作品の意味とか考えずに。(どうせ考えても分かりませんので)

「自らの世界を真撃に追求しているアーティストのみが持つ、アクチュアリティを感じることができる」ということは、ダイレクトに自分に「合う」「合わない」のジャッジを下しやすいということです。バッサバッサと「ガンダム無双」よろしく目の前に現れる見知らぬ作品を一刀両断出来る快感を味わえます。

切り捨て御免。
気に入った作家さんとそうでない作家さんに分けるとこうなりました。

【好き】わーい
エリナ・ブロテルス、ポリクセニ・パパペトルー、佐伯洋江、さわひらき。

【嫌い】[:がく〜:]
白井美穂、祐成政徳、竹村京、市川武史。

佐伯さんは文句なし。さわさんは会場を上手い具合に使い「価値」を高めていました。二人の海外の作家さんは共にそれぞれ「物語性」を感じさせる上品な写真作品。

さわひらき

白井さんは宮沢賢治の「注文の多い料理店」をビデオと空間で表現しているのですが、面白さやオチが全く理解不能。大好きな宮沢賢治の作品をあんな陳腐に扱われるとそれだけで腹立たしくなります。1962年生まれの作家さんだそうですがいい年して何やってんだか。

竹村京さんの作品には「美しさ」が感じられないので嫌い。祐成政徳さんは「薬師寺展」で仏像様を拝んだ後なので「力技」的な作品が受け入れられませんでした。市川武史さんは国立新美術館の巨大な展示空間を巧いこと使っていることには拍手。でも嫌いなタイプの作品。

この展覧会の観覧料は1000円。

これだけの規模の展覧会を企画運営されるのさぞかし御苦労の要ることかと。でね、素人からの提案なんですが、観覧料は展覧会会場の出口で支払うシステムにしては如何でしょうか?それも各々支払ってもいいと思える金額だけでokとか。100円の人もいれば2000円の人もいていいのでは。要は「ドネーション制

「多様化していく芸術」を見せるのであれば、観る側だって価値の多様化を訴え、好きな額を払えばいいはずです。それこそ美術館が言うように現代は価値観様々ですから。価値観を測る最もブレのない物差しが「お金」だと思います。

これ取り入れたらきっと話題になりますよ〜
いいじゃないですか、国立なんだからそれくらいやっても。

折角の企画展も閑古鳥鳴いていたら寂しいじゃありませんか。
あんなだだっ広い真っ白な空間で。

「アーティスト・ファイル 2008」展は5月6日まで開催しています。
(ご一緒した、とらさんはるるどさんの記事)

最後に「今日の一枚」これしかないので。

祐成政徳「Friendship REVISITED



「現代アートビジネス」(アスキー新書 61) 小山 登美夫
アンディ・ウォーホルの作品に80億円もの高値が付くのはなぜか?世界の富が現代アートに集まる今、「作品の価値」に基づいた健全なマーケットこそが、芸術文化の底力となる―。種も仕掛けもあるアートビジネスの世界を、奈良美智、村上隆を世に出したギャラリストがすべて教えます。


それでは最後に「今日の美味


ショコラティエ イナムラ ショウゾウの「生チョコレート
念願のイナムラ ショウゾウのチョコを口にすること出来ました。
(私:2つ、かみさん:4つ)
ogawamaさん感謝感謝です。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1366

JUGEMテーマ:アート・デザイン


「アーティスト・ファイル」展は、現在の一そしてこれからの一美術動向を、国立新美術館が独自の視点で切り取って、毎年定期的に紹介していく、新しい展覧会プロジェクトです。特に決まったテーマを設けることなく、推薦する作家、紹介したい作家を持ち寄ったなかから、今回は、エリナ・ブロテルス、市川武史、ポリクセニ・パパペトルー、佐伯洋江、さわひらき、白井美穂、祐成政徳、竹村京の8名の作家を選び出し、グループ展を構成しました。
写真、映像、インスタレーション、ドローイングと、8名の作家たちが用いる表現メディアは様々です。また、それぞれに扱っているテーマも異なっています。しかしながら、その作品からは、今日の社会や文化、政治的状況を、踏まえながら、自らの世界を真撃に追求しているアーティストのみが持つ、アクチュアリティを感じることができるのではないでしょうか。
交通や通信の飛躍的な発展を背景として、さまざまな物語や価値観が並び立つ新たな風景が、21世紀を生きる私たちのまわりには広がっています。「アーティスト・ファイル」展は、このような現代にあって、多様化していく芸術表現の豊かさに触れる機会となることでしょう。
展覧会 | permalink | comments(14) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

>(開館する前は置かない予定だった)国立新美術館の学芸員さん

え?!
学芸員不在で誰が企画立てることになってたんでしょう。
コレクションを持たないのに美術館と名乗るなんて
こっぱずかしいと思ってましたが、
まさかほんとに箱だけの施設にするつもりだったと
いうことなんでしょうか・・・?!

サイトにメールアドレスどころか
美術館としての電話番号すら載せてないのには
びっくりしました。
(久々に見てみたらFAXだけ追加されてました。
 なんていうかもう・・・。)
しかも電話がハローダイヤルって・・・
そんなんで対応出来ると思う感覚に
開いた口がふさがりませんでした。
仮にも国立の最新の施設なのに。
m25 | 2008/04/24 11:38 PM
@m25さん
こんばんは。

仰せのとおり。
箱だけを作る目的で作られたようですよ。
贅沢ですよね。(と他人事のように)

海外から作品を借り受ける際などに
学芸員さんいないとまずいので
やっと置くことにしたとか。

血の通う美術館に育つまで
まだまだ時間はかかるでしょう。
だって森の中の美術館にする予定だそうですから。

まだ周囲に植えた木も弱々しいです。
Tak管理人 | 2008/04/24 11:51 PM
こんばんわ。
いろいろ美術展情報をいただいているので お返しの私のお奨め情報をお知らせいたします。
新宿三井ビル1階にエプソンのギャラリーがありまして 6・1日まで(休館日にご注意)三好和義 写真展をやっております。
モッロコを撮った写真で こちらを観た人はきっと モロッコの奥深さ 美 そして人としての共通点を感じるのはないかと思います。
お試しあれ。ちなみに入場無料です。
hidamari | 2008/04/25 12:21 AM
イナムラショウゾウにショコラもあったんですね。
そこに反応してしまいました。
イナムラといえば、イチゴロールが食べたくなります。
ともりん | 2008/04/25 1:05 AM
『ドネーション制』 すばらしいご提案です。

それぞれの方の感動具合によって 
違った拝観料が支払われるのは かなり面白いと思います。
真珠 | 2008/04/25 8:03 AM
コメント有難うございました。
良い作家さんの作品が、まずい作家さんの作品で足を引っ張られている展覧会でした。

国立新美術館に学芸員がおられるとは驚きました。そうするとハコモノの問題ではなく、ナカミの問題ということになりますね。会計検査院だけでは、こういったナカミの監査は難しいでしょう。

ご提案の「ドネーション制」は良いですね。それによって学芸員や管理者が観客によって評価されますし、赤字をだすような悪い結果であれば、会計検査院も「税金の無駄遣い」としてチェックできるでしょう。
とら | 2008/04/25 8:27 AM
モディリアニ展のときにこの展覧会やってるのは知ってましたが、高いし面白くなさそうだったので見ませんでしたが。やはり。。。


国立新美術館はオープン前からいろいろ問題が多く、国の美術に対する考え方が露呈してる美術館ですよね。
諸外国に対して恥ずかしい。国は税金で貸し画廊を作って運営してるの買って感じです。しかも日展が幅をきかせてるし。
学芸員なんて居たんですか?企画展を企画してるのは彼らなの?
この美術館にかんしては、よくわからないことだらけです?
レイ | 2008/04/25 11:02 AM
現代アートはまず好きか嫌いか、に賛成です。
意味合いは無理に読み取る必要も無いし、読み取ると
しても「好き」のその後で良いと思いますし。

それぞれの学芸員さん同士のリレーションがしっかり
していれば、あえてテーマ無し、と言うのもありだと
は思います。ターマに縛られずとも学芸員さん同士で
意識して一つの展覧会を作り上げれば良いのですから。
もちろんその分、苦労はあると思いますが。
そのテーマ無し、が個々に勝手にやる言い訳になって
しまうと、公的な機関で、有料でやる展覧会としては
苦しいですよね。
作家がその箱に合うか、作品をその箱でどう見せるか、
は作家さんの力量もありますが、企画側の学芸員さん
の力量でもあるわけですからね。

そう言う意味でもドネーション制なり、で評価基軸が
欲しい所ですね。

そんな事言ってる間にこれ見に行かなければ・・・。
KIN | 2008/04/25 2:01 PM
「切り捨て御免。」
かっこいー、Takさんらしいです!
褒めるところは褒めておいて辛口、こういう記事はかえってあの地味な展覧会に足を運ばせるきっかけになると思います。
さすがの筆力。
イナムラ、ショコラティエは夏は休業しそうなので(シェフ自身暑い時にチョコは食べたくないと言っているらしい)、その前に機会があったらチョコレートケーキをお持ちしますね。
私ケーキはさほど好きではないのですが、ショコラの純粋な味に感動しました。
ogawama | 2008/04/25 10:23 PM
こんばんは。そもそも入場料ではペイできないわけですから、実験的にドネーション制をやってみるのは良いかもしれませんね。仰るように、それだけでも話題がとれそうです。

他の方のブログを拝見してもこの展示の評判は良くありませんが、やはり全体を通してどうなのかが見えて来ないからなのかなと思いました。またKINさんも仰るように作家と箱をどう合わせて見せるかが、言ってしまえば殆ど失敗していたと思います。もちろん初回なので仕方ない部分はありそうですが…。

4、5年、試行錯誤のスタイルで開催していってダメなら打ち切り、と言うくらいの緊張感は欲しいです。(開催ありきでは意味がありませんので…。)
はろるど | 2008/04/25 10:46 PM
まず、チケットはチケット売り場ではなく、会場入り口で購入してくださいというのからしてやる気を疑いますね。
僕が行った時もがらがら、先入観としてこの手の展覧会は面白くないという思い込みが観客にはある。
その思い込みをどうやって打破するのかが美術館の営業なのでしょうが、国立ということでそういう営業戦略は無に等しいですね。
oki | 2008/04/25 10:55 PM
@hidamariさん
こんにちは。

写真展の情報ありがとうございます。
モロッコですか〜
フェルメールを完全制覇した後、
のんびりと行ってみたい気はします。

@ともりんさん
こんにちは。

店舗は別のようです。
やわらかく後味の良い上品な味でした。
イチゴロール…うーん食べたい。

@真珠さん
こんにちは。

ドネーション制なんてこと
普通の展覧会では全く思いつかないのですが
今回はこれに限るなと直観的に。美術館さんご検討を。

@とらさん
こんにちは。

観方感じ方は様々ですから好き嫌いあるにせよ
どうも選ばれた作家さんの「質」のバランスが
悪かったように思えてなりません。

テーマを決めないことを声高に叫んでいるので
仕方ないかもしれませんが、1000円取るなら
ある程度まともな作品見せてくれないと。。。

おっしゃる通り「税金の無駄遣い」になってしまいます。
これでは。

@レイさん
こんにちは。

ご判断正しかったかと思います。
観なくていい展覧会です。
(見るべき作家さんは何人かいますが)

日展他公募展を開催する目的で
こんな大きな箱作ってしまうのですから
地方の赤字美術館のことなんて言ってられません。
笑ってしまうのは公募展目的で作っておきながら
審査室がすごく狭くて陳腐なこと。
中途半端な「森の中の美術館」です。

@KINさん
こんにちは。

資生堂ギャラリーで内海さんの個展を
開催したとき、空間の使い方の見事さに
圧倒され感激しました。
もちろんそれに見合った作品でもあったので。
空間を生かすことは大変難しいことだと思います。
ここのホワイトキューブを生かすには
作品だけの力では無理なのではないでしょうか。

それを逆手に取るように、さわひらきさんは
見事に使いこなしています。流石です。
逆転の発想。
ブラックキューブ。

対照的なのが、祐成政徳さんと竹村京さん。
ダメなものはほんとダメだなものだと。

感想楽しみにしています。

@ogawamaさん
こんにちは。

観て来た直後だとこんなに冷静に?
書けなかったでしょうね。
がっくりきていましたので。
この後飲んだお酒のペースが速かったこと。
でも観に行って良かったと思います。今は。
こういうことをあそこの美術館はやりたいのかな〜とか
色々わかったので。

いつもいつもお心遣いありがとうございます。
恐縮至極。

@はろるどさん
こんにちは。

ドネーション制良いでしょ!
思いつきにしては。
こういった展覧会にこそ導入を。

絶対に話題になりますよね。
まずは観てもらわないと
作品の良し悪しわかりませんからね。
作家と箱との相性とか。

でも学芸員さんにある種「謙虚さ」がないと
中々実行は難しいでしょうね。
で、来年もやるのかな??

@okiさん
こんにちは。

西洋美術館や東博などはあれこれ
自前で「見せ方」工夫してやっていたり
エプソンをスポンサーに付けたりできますが
ここは如何せん何も持っていないので苦しいですよね。

「この面白さなんてわかるわけない」と思っているのでしょうが。
しかし、注文の多い料理店の作品は最悪でしたね。
Tak管理人 | 2008/04/26 10:31 AM
ご返信ありがとうございます。
写真を撮ることを趣味にしている私の知人に 三好和義写真展を
お教えしましたら 早速 観に行かれて よい写真があったねと二人で 意気投合しました。しかも その知人は 三好さんの写真集を何冊も持っているファンだったのです。
大きなサイズの写真があったりして 被写体のよさがよく伝わっきて 風景だけでなく 人物写真もあり 心奪う写真です。
私は ロートレック展以来 心にひっかかる展覧会に出会っていなかったので 三好展はヒットです。
写真を撮ることは全然好きではなかったのですが 撮る価値があると感じたものは撮ってみるもよいかなという気がしてきました。
そのためには 被写体さがしが必要になりますが 
そして そのエプソンギャラリーに三好さんがいらして トークをされて 私はちらっと拝聴 拝見いたしまして 三好さんは写真の感じとは全く違い 穏やかな少年のお坊さんのようでした。失礼でしたら ごめんなさい。 
私 この写真展 あと何回観るかな
では また。
hidamari | 2008/04/27 1:37 AM
@hidamariさん
こんにちは。

相当お気にいりのようですね。
好きな作家さんなり写真家さんなりに
出会えるというのはこの上もない幸福ですよね。

私のようにあちこちに手をだしていると
中々この人!と定めることできませんが。

トークショーなどを通じて
その作家さんのお人柄や
人間性を垣間見ることできると
また一段と作品もよく見えたりするものです。
Tak管理人 | 2008/04/28 12:12 PM
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