青い日記帳 

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隠れ山キャンプファイヤー(鴻池朋子展)

ミズマアートギャラリーで開催中の鴻池朋子展「隠れマウンテン&ザ・ロッジ」の関連イベントとして行われた「隠れ山キャンプファイヤー」



先日の記事で概要を書いたところ、具体的に鴻池さんがどんなお話をなされたのか、もう少し詳しく知りたいというリクエスト何件か頂きましたので、かすかな記憶と解読不能なメモを頼りに「隠れ山キャンプファイヤー」でのトークの内容をご紹介。

『ポケモンカード』などを手がけたゲームデザイナーの大山功一さんと鴻池さんで考えたというユニークな方法でトークは展開。

10数名の参加者はランダムに用意された「過去」「現在」「未来」の紙袋の中から一つ「言葉の書かれた石」を選び、それに沿った質問を鴻池さんらに投げかけていくというちょっと変わったスタイル。

ひとつのテーマが終わったら「次の人」を指名。

司会進行役の坂本里英子さん(セゾン現代美術館学芸員)の仕切りのもと「キャンプファイヤー」はスタート!(はじめ試しに坂本さんが引いた石には「10億年」の文字が)坂本さんから指名を受けたのがご一緒したSさん

まずは過去の袋から。

「雪化粧」
秋田出身なので、雪の日は好き。からっと景色が変わるから。目に入るモノのエッジが取れて丸みがでてくるのも好き。

「見渡すパノラマ」
ミズマの屋上から周りのビルを山々に見立て、パノラマの絵も描いたが(ドローイング)鑑賞者の観方を限定してしまうので展示するのやめた。

見立てについては今の時代はそれが難しい(というか必要ない)物が溢れ過ぎていて見立てる必要が無くなってしまった。CGもあるし。

「世界を閉じ込めようとするもの」
絵本の中で用いたフレーズ。「世界」を区切らないと…


:画像は作家さんとギャラリーの許可を得て撮影掲載しています。

続いて現在

「見えない山頂」
『星の王子様』に「大事なものは目に見えない」とあるけど、大事なものは見たい性分。時代性の違いかな。

「森林限界」
何気ない時に制作意欲が出る。大きな物を作る時に計画的にやらなくてはならないのが嫌。途中でやる気が失せてしまいがち。他に制作意欲が出るとしたら締め切りが迫っている時かな。

「経験と若さ」
想像するのに、経験も若さも関係ない。
想像力は普段家(私生活)でどれだけ遊んでいるか。他愛もない日常で養われる。

「遭難」
遭難というか、迷いたくない。目的地には一発で着きたいタイプ。でも途中で道草は食ってしまうけど…


鴻池朋子さんと新作「隠れマウンテン−襖絵」

最後に未来の紙袋から。

「登頂」
作品が完成する時が大好きな瞬間。そして完成した作品を見てまた感動。

「想像力」
絵を描いているときはあくまでも「作業」想像力が出る時は、偶然性による。

「山頂」
山頂へは行ったことがないと思う。山と言うと子供の頃のスキー体験くらい。
最近は飛行機の中から見る山々に関心がある。

予定していた二時間がこの調子であっという間に終了。
(私は指名されなかったので石を引くことできませんでした。。。)

最後に的外れな質問をちょっと。
「ターナー賞の歩み」展に行かれたそうです。鴻池さん。
映像作品がお気に召したとか。

しかし、こうしてざっと書いた短い文章からも鴻池さんに対して抱いていたイメージと結構「ズレ」が生じませんか?ズバズバとはっきりともの言うタイプの方でした。さっぱりしているというか、拍子ぬけしてしまう程あっさりしていらっしゃいました。

Sさん曰く「あまりにあっけらかんと話すので、作品のファンタジーな感じとのギャップがありすぎて少々戸惑いもしましたが、まぁこれが彼女の制作へのスタンスなんだろうな、と思えば納得。 肩の力を抜いて〈制作は作業〉と言い切るあたり、かっこよさとさりげなさを感じ」たとやはり同じような感想。

因みに今月号の「美術の窓」に
新世代のトップ・アーティストにきく と題し、諏訪敦、町田久美さんと共に鴻池さんのインタビューが掲載されています。このインタビューからもさばさばした感じ読み取れますが実際はその三倍増しです。
美術の窓 2008年 05月号 [雑誌]

大勢の方に向けての所謂アーティスト・トークは苦手と仰る鴻池さん。ご自分の気持ちや思いをダイレクトに伝えたいのでしょう。出来るだけ面と向かって。お洒落なメガネの奥に潜む瞳は「オオカミ」のようでもあり「ナイフ」のようでもありました。

鴻池さんの思索の森の入口をやっと見つけ出せたようなイベントでした。

ミズマアートギャラリー 鴻池朋子展「隠れマウンテン&ザ・ロッジ」会期延長し5月28日まで開催しています。是非!

おまけ:5月31日にこんなイベントが。
森美術館 初夏のワークショップ
時は未来。六本木にオオカミを放て!『六森未来図』プロジェクト 最終章

風薫る五月をむかえた六本木。最終章となる今回のワークショップでは、ふたたび参加者はオオカミとなって街にでかけ、都会の中に山、河、洞窟、暗闇…といった想像力の森を見いだしてゆきます。古来より人間の奥深くに存在する動物的第六感を目覚めさせ、六本木という超都会に存在する“六森”という超自然の発見を試みるワークショップです。オオカミが見つけた発掘ポイント、語られた物語は、本ワークショップ終了後、アーティストによって『六森未来図』にまとめられ完結します。

狐媚記 (ホラー・ドラコニア少女小説集成)
狐媚記 澁澤 龍彦 (著), 鴻池 朋子 (イラスト)

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この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1386

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「隠れ山キャンプファイヤー」
夕暮れ空の下、隠れ山頂上で行なわれる、アーティストと参加者によるラウンドトーク。キャンプファイヤーを囲むかのように、お互いの距離を少しずつ縮めながら、展覧会や作品制作の秘話、作家と作品と観客の関係性など、山に隠された芸術の謎を真剣に楽しく談議します。
講演会 | permalink | comments(9) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

なるほど、あっけらかんとした方ですね。
「制作は作業」とは、プロっぽくて好感持てます。
個展気に入ったのでこのイベントも参加したかったのですが、土曜日なのでムリでした。
レポートしてくださったTakさんに感謝です。
ogawama | 2008/05/15 12:05 AM
レポありがとうございます。やはり作家さんの言葉を聞くとまた印象も変わりますね。

>想像するのに、経験も若さも関係ない。
想像力は普段家(私生活)でどれだけ遊んでいるか。他愛もない日常で養われる。

こういう言葉はカッコいいなあと思います。一度言ってみたいものです…。

まだ記事にしていないのですが、私が展示を見た時も雨でした。
雨音を聞きながらのテントもなかなか良かったです。もう一度行きたいですね。
はろるど | 2008/05/15 12:28 AM
時差ぼけだったけど、お尻が痛くなったけど、参加して良かったイベントでした!
ご本人ももちろん素敵でしたが、眼鏡も服もオシャレでしたよね。
今考えればわたしの質問が一番ユルかった気がします。
お恥ずかしい…
さちえ | 2008/05/15 1:06 AM
鴻池さんがこういう感じというのは意外ですね。

作家さんご本人のパーソナルと作品の関係って考えてみると面白そうです。

こういうイベントに参加して作家さんと話すのはこういう発見もあるんですねえ。
あおひー | 2008/05/15 6:50 AM
@ogawamaさん
こんばんは。

あっさりさっぱりはっきりと
物言う作家さんでした。

これでもっときちんとレポート
書ければいいのですが
とにかく呆気に取られっぱなしでした。

@はろるどさん
こんばんは。

変わりますね。
特に直接聞くと全然違います。

一応予習と称し、美術の窓も
読んでいったのでしが
はるかにそれを上回る
イケイケな方でした。

女性のファンが多いのも納得です。

@さちえさん
こんばんは。

私も参加して良かったです。
お誘いなければ行っていなかったかも。
久々に体育座りしましたね。
次はまともに質問したいな〜

@あおひーさん
こんばんは。

意外ですよね!
もっと「メルヘン」かと。てっきり。

中々参加できませんが参加すると
大きな収穫あるものです。
Tak管理人 | 2008/05/15 11:07 PM
こんにちは。
レポートありがとうございます。
「想像の世界とこちらを行き来するには体力が要る」といったことを高橋コレクションのテキストでは書かれていたと思うのですが、今回も相当に刺激的な内容だったみたいですね。
明日は代官山に用事があるので、ミヅマで観てきます!
mizdesign | 2008/05/16 12:52 PM
@mizdesignさん
こんばんは。

明日も天気がよさそうなので
山登りには支障なさそうですね。

展示だけだと分からないこと
こんなにもあるのかと
思わされた一日でした。
Tak管理人 | 2008/05/16 11:13 PM
夏にするキャンプファイヤーは

いい雰囲気になりますね。
rau | 2008/05/27 7:41 PM
@rauさん
こんばんは。

最後にキャンプファイヤーしたのは
いつでしょう。
Tak管理人 | 2008/05/28 9:49 PM
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ミヅマアートギャラリーで開催中の鴻池朋子展「隠れマウンテン&ザ・ロッジ」をみてきました。 このチラシのメインビジュアルの作品の実物がどうしても見たかったのです。 ビルに入ると階段のところから物語はスタートしていました。 <山の入口>なる一枚の紙が貼