青い日記帳 

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「バウハウス・デッサウ展」

東京藝術大学大学美術館にて開催中の
「バウハウス・デッサウ展」に行って来ました。

 バウハウスは、ドイツ・ヴァイマール共和国が誕生した翌年、同国の工芸学校と美術学校を合併させる形で誕生した。「バウ」とはドイツ語で「建築」、すなわちバウハウスとは「建築の家」という意味である。
 初代校長は近代建築の四大巨匠の一人とされる建築家、ヴァルター・グロピウス。グロピウスはロシアの画家、ヴァシリー・カンディンスキーやスイスの画家、パウル・クレー、ヨハネス・イッテン、ハンガリーの写真家、ラスロ・モホイ=ナジや建築家、マルセル・ブロイヤーら当時を代表する芸術家たちとともに、工業技術と芸術を融合させる壮大な試みを行った。
「バウハウス」と聞いて思い出せる事柄はごく僅か。せいぜい、クレーやカンディンスキーといった画家の名や「ドイツにあった学校」程度。

それでも「バウハウス展」と名が付く展覧会が開催されると、行かねばならぬ衝動に駆られるのは、今なおその理念が現代人の生活の中に息づいているからかと。

公式サイトを見ると「本国ドイツのコレクションを基幹とする展覧会は、1995年のセゾン美術館での展覧会以来、国内では13年ぶりの開催」だそうです。

懐かしい〜自分にとっては「バウハウス」よりも「セゾン美術館」に猛烈に反応。かつて池袋にまだ文化があった時代、セゾン美術館足しげく通ったものです。美術館の年間会員に初めてなったのが確かセゾン美術館だったと記憶しています。年会費4000円で展覧会に何度でも、しかも軽井沢セゾン現代美術館も入場出来ました。西武が元気だった時代のお話。

今、鞄の中に入っている辻井 喬(=堤清二)と上野 千鶴子の対談集「ポスト消費社会のゆくえ」の中にセゾン美術館も勿論登場。

もしかして、当時のもの何かあるかな・・・と思い探してみたらありました。ありました。紙もの捨てられない性格なので1995年にセゾン美術館で開催された「モダニズムの源流 バウハウス1919-1933」展1995年4月15日〜6月11日のチラシ。

1919年、ドイツ。第一次大戦後の復興をかけて、民主的な共和政府のおかれた古都ワイマールに、ひとつの工芸美術学校が創られた。「ワイマール国立バウハウス」。二の小さな、けれど全く新しい理念を掲げる学校こそが、20世紀を通じて、モダニズム運動全体に圧倒的な影響を与え続ける原動力になることを、誰が想像しただろう。
「芸術と産業の婚姻」。19世紀以来の夢は、造形教育の実験を大量生産のための合理的なデザイン活動に結び付けた、このラディカルな生産共同体において初めて実現したのである。現代生活の父なる時代、1920年代。都市を中心とした大衆消費社会の始まりを支えたもののルーツがここにある。
表現主義から構成主義へ、手工芸から機能主義への変貌。建築を中心とした総合芸術のユートピア。
彼らは職人であり芸術家であった。教師であり生徒であった。政治の波に翻昇されながら、ナチの台頭によって1933年に閉鎖されるまで、デッサウ、ペルリンと彼らは旅した。美術とデザインの境界を超えて、機械に美的基準を与えた先駆者たちの神話が甦る。


バウハウスって何なの?という人にも自然と高揚感を与えるこの宣伝文句は流石「広告の西武」。>表現主義から構成主義へ、手工芸から機能主義への変貌。建築を中心とした総合芸術のユートピア。 上手いこと言うな〜

今思うと、慌てずにこのチラシやセゾン美術館の会報を読んでから出かけても良かったかと。まぁ、いずれにせよ美術展とは違うので肩の力抜いて観るのが得策。

さて、今回の藝大美術館でのバウハウス展
圧倒的な数の出展作品にとにかく驚かされます。

デザインご専門の方やご興味がある方がご覧になったらどれくらい時間を要するのでしょうか。全く見当もつきません。逆に自分などはごくごくあっさりと「見学」

展覧会の構成もバウハウスの理念に基づいてかシンプル.

第1部「デッサウ以前/バウハウスとその時代」
第2部「デッサウのバウハウス」
第3部「バウハウスの建築」




第2部が最も数も多く充実していたかな。(1)基礎教育(2)工房(3)バウハウスの写真と芸術(4)舞台工房などなど。

一通り、デザインセンスの欠片もない自分が一人静かに混雑する展覧会会場を見て感じたことは「懐かしさ」の一言に尽きます。(長々とセゾン美術館の話を前ふりに使ったのもその為。)若い世代の方たちにはバウハウス・デザインがどのように目に映ったか聞いてみたいところです。

第二次大戦前の時代、平面に紙と鉛筆でデザインされ作られたものが、コンピューターに向い仕事をするようになった現在のデザイナーさんや学生さんたちにはどう見えるのでしょう。

あくまでも想像ですが、きっと「新鮮」な驚きをもって向い入れられることかと。
そして4分の3世紀を経た今でも受け継がれるような仕事をする為には、どうしたら良いのかと難題を宿題に出されたのではないでしょうか。

「素人」で良かったと心の底から思った展覧会でした。



バウハウス・デッサウ展」は7月21日まで。
その後、以下の美術館へ巡回するそうです。

2008年7月29日〜9月7日 浜松市美術館
2008年9月13日〜10月19日 新潟市新津美術館
2009年1月25日〜3月29日 宇都宮美術館

今日の一枚」の代わりに有名なこちらでも。


The Bauhaus curriculum

関連イベントとして石塚元太良写真展『イスラエルのバウハウス』もBreak Station Gallery(JR上野駅正面玄関口 ガレリア2F)で開催中です。

 バウハウスで教育を受けた学生らによって、1930年代初頭からイスラエルの首都テル・アヴィヴに計画された近代都市「ホワイト・シティ」。約4000棟ものモダニズム建築が建ち並ぶこの街の景観とその活動は2003年6月に『テル・アヴィヴのホワイト・シティ−近代化運動』としてユネスコの世界遺産に加えられました。

デザインする技術 ~よりよいデザインのための基礎知識
デザインする技術 ~よりよいデザインのための基礎知識 矢野 りん

「バウハウス展」大勢の方で賑わっていました。「デザイン」や「建築」に興味ある方にとってはたまらない展覧会かと。素人として一番良かったのは「初代校長ヴァルター・グロピウス自らが設計したデッサウ校舎の校長室」が再現されていて中に実際に入れたこと。体感型は「ル・コルビュジエ展」でも好評でした。

また近くの上野の森美術館で開催中の「井上雄彦 最後のマンガ展」も大盛況。サンケイさんホクホク顔かと。そうそう展覧会は行けずとも発売中のこちら買い逃すと泣きますのでご注意。
BRUTUS (ブルータス) 2008年 7/1号 [雑誌]
BRUTUS (ブルータス) 2008年 7/1号 [雑誌]

それでは最後に「今日の美味


pandaさんから頂戴したsaint-siffreinの「アソートフルーツゼリー
輸入元:ウイングエース株式会社

5種類の味のフルーツゼリー.一押しはブラックベリーかな。

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 1919年にドイツ、ヴァイマールに誕生した造形芸術学校、バウハウス。
 ヴァイマール、デッサウ、ベルリンと拠点を変え活動し、1933年、ナチスの台頭とともに閉校を余儀なくされたバウハウスは、しかし、75年経った今も、世界中のデザインや建築に大きな影響を与え続けています。
 本展は、バウハウスを広く近代史の中に捉え直したうえで、デッサウ期に焦点を当てるものです。バウハウスの短い活動期間の中で、創設者ヴァルター・グロピウスの理想がより具体化されたのは、デッサウの地においてであったといえましょう。マイスターたちによる基礎教育の成果を示す学生作品から、工房製品、舞台工房の上演作品資料、絵画、写真まで、バウハウスの豊かな活動を紹介します。またバウハウスの最終目標であった建築について独立したセクションを設け、図面、マケット、映像によりデッサウ期の活動を取り上げます。
 出品総数260点余りのうち241点はドイツ、デッサウ市にて活動するバウハウス・デッサウ財団所蔵のコレクションであり、146点が日本初公開となります。


展覧会 | permalink | comments(7) | trackbacks(5)

この記事に対するコメント

うわー、このセゾン美術館でのチラシ懐かしい!
私も過去のチラシ集を漁れば、これ出てくるはずです。
ちなみに同じくセゾン美術館でその2年後にやった
デ・ステイル展も秀悦でした。

しかし、デザインでも何でも時代を超える物を残すっ
てのは本当に大変な事なんだなぁ、と(オヤジっぽい
コメントで締めて見る)。
KIN | 2008/06/17 11:57 PM
 ナチスの功罪で閉校後ゆえ、世界に広まったのも歴史の妙ですね。
 今 Zaha HadidがMobile Artで バウハウスの規律を脱却したカタチを展開している今!比較してみたいです。
コンピューターがなかった時代の設計する手腕の過程。
panda | 2008/06/18 12:20 AM
美術館に行くのが年に5〜6回以下だったころにこのセゾン美術館のBAUHAUS展に行きました。
そしてさがしたら、そのセゾン美術館のチラシとチケット半券がありました。(私も捨てられない人)

そのころは東武の展覧会には興味が湧かなかったが、セゾンは4〜5回行ってました。

今回の展示も2日目に行きました。そして3階に上がってすぐの構成と安定度の演習のところの紙の折り曲げの作品を作ってみました。
平面の紙を立体にする楽しさみたいなのを味わえました。
ともみすと | 2008/06/18 3:27 AM
こんばんは。
私も5月末に行ってきました。
展示数も多く見応えのある展覧会でした。
デザイン系が好きなのと、バウハウスの教育に興味があったので、じっくりと時間を掛けて鑑賞しました。
palpal | 2008/06/18 8:49 PM
@KINさん
こんばんは。

書くネタに困って
必死になって探しだしました。
セゾンでやったバウハウス展は
わくわく感ありましたよね〜

興奮したこと今でも覚えています。
しかし、展覧会行って懐かしさを
感じている自分もかなりのオヤジです。

@pandaさん
こんばんは。

時代がどう左右するかはほんと
分かりませんよね。
一地域で留まってしまう可能性も
十分にあったわけですし。。。

パソコンをメインで使う今
あらためてこの展覧会新鮮に見えたでしょう。

@ともみすとさん
こんばんは。

おおーーセゾン美術館仲間がここにも
いらっしゃいましたか〜
天井の低い独特の雰囲気を持つ美術館でしたね。

しかも半券をお持ちとは!!

そういえば、東武もありましたね。
学芸員さんもいらしたのに突如閉館。。。
池袋に文化が戻る時は来るのでしょうか。

>平面の紙を立体にする楽しさみたいなのを味わえました。
これ大事ですよね。
パソコンのモニター上ではこの感覚味わえません。

@palpalさん
こんばんは。

デザイン系がお好きとあらば
この展覧会はたまらないもの
あったのではないでしょうか。
グッツとかも魅力的でしたよね。
図録がお弁当箱のようでした。
Tak管理人 | 2008/06/19 12:00 AM
こんにちは
この記事と先日のブロガーさんだけの展覧会記事とを、どちらもとても楽しませてもらいました。
あの紙による構成と安定度の研究・・・あれにはびっくりでした。「学校でやったゾ〜〜♪」でしたよ。

セゾン・・・バレエ・リュッス展が懐かしいです。
東武もまたベルリンの東洋美術とか見ましたし。
ちょっと泣けましたよ。
(なにしろそれがなくなってから、池袋には殆ど足を向けなくなったのです)
遊行七恵 | 2008/06/29 4:55 PM
@遊行七恵さん
こんばんは。

学校でやりましたよね〜
まさに。
お堅いイメージがあれで
払拭されます。

それにしても贅沢な先生たち。
世界一受けたい授業です。
理解するのは難しそうですが…

>池袋には殆ど足を向けなくなったのです
私も同じです。
あそこの街は死んでしまいました。
Tak管理人 | 2008/06/30 6:21 PM
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バウハウス・デッサウ展 | 遊行七恵の日々是遊行 | 2008/06/29 4:47 PM