青い日記帳 

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「日本画満開」

山種美術館で開催中の
「日本画満開 ― 牡丹・菖蒲・紫陽花・芥子 ―」展に行って来ました。



じめじめとした梅雨空を撥ね除けようと、今まさに山種美術館は、花、花、花…まさに百花繚乱状態。15日に幕を閉じたBunkamura「薔薇空間」と入れ替わるかのように「日本画満開」展が華々しくスタート!楽しみにしてたんだ〜これ。


田能村直人「百花」1869年

チラシにも使われているこの作品、全長約40mもある長大な作品。
そこには、ありとあらゆる花々がびっしりと隙間なく描かれています。

大変濃密な空間は、伊藤若冲の「菜蟲譜」(さいちゅうふ)と動植綵絵(どうしょくさいえ)がひとまとめになったような印象を与えます。個々の花々を細かに観ていくのではなく、視野に入る花々がうねりながら(もしくは酔いしれたが如く)作りだす、動的でダイナミックな曲線美に陶酔。

この「百花」はラスボスのような存在ですので、できれば最後にご覧になるのが宜しいかと。最初からレベル上がらないまま対峙してしまうとイチコロです。

さて、もとより日本画の世界では野に咲く花々を四季の移ろいを表す大事な記号として広く用いてきました。いわゆる「花鳥画」の世界。山種美術館の膨大なコレクションの中から「花」だけが描かれている作品約50点をチョイスして展覧会を構成。

当然ながら展覧会の開催期間(6月14日〜7月27日)に適した花々が主として展示されているのも特徴であり見どころ。


川端龍子「牡丹」1961年

そして、今回の展覧会で見つけた楽しみがあります。
同じ花を違う作家さんがそれぞれ競うかのように描いています。
その中でマイベストを選んでみる。例えば「ボタン」は↑に挙げた川端龍子の描いた
牡丹がナンバー1であるという具合に。(実際これが一番良かった)

今日は仕事早く切り上げ閉館時間きにしながら一人であくせくと観てきたのですが、できたらどなたかと連れ添って意見交わしつつ観るのが良いかと。

因みに「牡丹」の次点は福田平八郎の二曲の屏風。花をしっかりと描いているにも関わらずどことなく幽玄な雰囲気の漂う強烈な作品。

「ボタン」の次は「ケシ」

福田平八郎「芥子花」1940年

これやられたら、他の作家さんがどんなに写実的に描こうが相手になりません。これを今の時代に描いたのではなく、昭和15年に描いてしまった福田平八郎に平伏。

山種の牡丹といえば速水御舟の「「牡丹花(墨牡丹)」と「牡丹(写生画巻)」抜きにして語れません。今回も共に展示されていました。でも以前画像と共に紹介したので今回は割愛。詳しくはこちら

奥村土牛の「罌粟」(けし)はチョコレートコスモスのようでした。
惜しくも「ケシ」部門では次点。

お次は丁度今の時季の花「ショウブ」

小林古径「菖蒲」1952年

伊万里焼の花瓶を「土」としてそこからにょきっと生えてきたようにも見えるユーモラスな作品。ベースごと倒れてしまわないか余計な心配まで。

花菖蒲を描いた作品も数多くありました。その中で古径の作品は花の色も模様も豊富で欲張りな自分にとっては申し分なしの一枚。

お隣にこの絵の下絵も並べて展示してありました。絵のサイズは同じなのですが、花の大きさや色が若干違います。本図を描くにあたりいま一度色の配置など考え直したのでしょう。

そして梅雨時にはやはり「アジサイ」

高山辰雄「緑の影」1976年

山口蓬春が描いたベタな紫陽花の絵(「梅雨晴」)も悪くはなかったのですが、高山の独特な世界観を持つこの作品の前では勝ち目なし。

突然「緑の影」観て思いついたのですが高山ってマックス・エルンストの影響とか受けているのでしょうか?どことなく「石化する森」的な印象を受けたもので。

こちらは単品で展示されていました。

奥村土牛「初夏の花」1969年

品種は違うけど今、我が家でも咲いているテッセン(鉄線)の花。
最近ではクレマチスと言った方が話通るかな。

同じツルつながりでこちらも。これ「今日の一枚」に。

速水御舟「豆花」1931年

昔、大好きな田舎のおばあちゃんがこしらえていた、さやえんどう(インゲン)を思い出す一枚。初夏に驚くほどに可憐な花をつける野菜です。そういえばイチゴの花も。



山種美術館で「日本画満開」7月27日まで咲いています。

(チケット半券:速水御舟「バラ写生」)

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 山種美術館、広尾へ移転。
- 弐代目・青い日記帳 | 「山種コレクション名品選展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「山種コレクション名品選展」(後期)
- 弐代目・青い日記帳 | 「春のめざめ」展
- 弐代目・青い日記帳 | 「千住博展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「桜さくらサクラ・2008」展
- 弐代目・青い日記帳 | 「百花繚乱―咲き競う花々―展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「桜さくらサクラ・2006展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「竹内栖鳳と弟子たち展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「子どものいる情景展」


色・大きさ・開花順で引ける季節の花図鑑
色・大きさ・開花順で引ける季節の花図鑑 鈴木 路子

それでは最後に「今日の美味


グリル・シュクルの「オムライス
地元の洋食屋さんの自慢の一品。
以前ここにあったラーメン屋も美味しかったけど、シュクルになってからの方が行く回数増えました。ハヤシライスやハンバーグステーキどれをとっても美味い!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1427

JUGEMテーマ:アート・デザイン


MoKuJi
花を愛でる心は、古今東西を問わず人々に共通するものでしょう。とりわけ四季の変化に恵まれた日本では、折々に多様な花々が満開を迎えます。自然に対する細やかな感性で花を愛でる我が国では、調度品や衣装の装飾デザインにおいてもユニークな文様が生まれています。特に日本画の世界では「花鳥風月」や「雪月花」のテーマのもとに、それぞれの画家が豊かな感性によって、花に自らの思いを託してきました。

本展覧会では、特に春から夏の花を描いた日本画約50点を通して、その美しさと魅力が、それぞれの画家によってどのように表現されてきたかを探ります。にじみの効果を生かした表現によって、墨の中に色を感じとることができる速水御舟晩年の《牡丹花(墨牡丹)》。古伊万里の壷に生けられた花の、気品と澄んだ色彩が魅力の小林古径の《菖蒲》。裏彩色で描かれた福田平八郎の《牡丹》が誘(いざな)う幽玄な世界。そして、雨上がりの瑞々しい紫陽花を描いた山口蓬春《梅雨晴》に漂う澄んだ空気――。

花の絵画が満開となる会場で、日本画家たちの鋭い観察力と感性が織りなす、かぐわしき花の香りを感じていただければ幸いです。
展覧会 | permalink | comments(6) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

こんばんは。

素晴しい展覧会で、全くうきうきしてしまいました。

こちらのを読んでからでは恥ずかしいですけど
TBしてみます。

きれいなもの、大好き!
すぴか | 2008/06/22 12:16 AM
お花の日本画のみの展覧会ですか、
しかもちゃんと今の季節のお花の絵を選んでるんですね。
そういう気遣いっていいな♪
季節感を大切にする日本のいい文化そのものの展示なんですね。

芥子の花の絵は70年近く前の絵とは思えないです。
私の中の日本画のイメージと随分ちがいます!
福田平八郎さんですね。
サッチャン | 2008/06/22 10:44 AM
こんにちは。
梅雨時にいいですね。
わたしも連日の雨に呆としがちで、明るい色が観たくなり名古屋ボストン美術館のモネ展を観に行きました。
田能村直人の『百花』、観たいです。
ほんのわ | 2008/06/22 5:22 PM
@すぴかさん
こんばんは。

山種もテーマによって良し悪しありますが
今回はもうベストに近いのではないかと。

花は大好きです。
そして描かれた花も
特に日本画の花が好きです。
生き生きとしています。

@サッチャンさん
こんばんは。

西洋絵画にも花は登場しますが
皆、花瓶に活けられた「切り取られた花」
日本画は自然に生きる花をメイン。
時に野に咲く花よりも花らしく見えるのは
やはり日本人の小さいものを愛でる心の現れかと。

福田平八郎さんは要チェックです。
竹橋の近代美術館にある瓦の絵など秀逸。
一度京都で回顧展を見てからすっかりファンになりました。

@ほんのわさん
こんばんは。

名古屋ボストン美術館まだ一度も訪れたことありません。
モネ展開催していると友人から聞きwebでチェック。
一度名古屋を中心に美術館行脚してみたいものです。

秋と冬の花の展覧会も期待したいところです。
Tak管理人 | 2008/06/23 12:17 AM
《百花》見てきました。リストの裏に花の名前が並んでいましたが、それをみてもいちいち同定できないのが悲しいですね。明治の人のほうが、博物学ではずっと上ですね。
花卉画の好みはひとソレゾレですね。美人の好みのように・・・・。わたしの好みをTBします。
とら | 2008/06/25 9:35 PM
@とらさん
こんばんは。

千秋を除き同じコースで私も観て来ました。
花の名前が中々出てこないまたは
全く知らない花があることが悔しいです。
美術ブログやめて花ブログにでもしましょうか。

TBありがとうございます。
こちらかお返しできないのが残念です。
Tak管理人 | 2008/06/25 10:03 PM
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日本画満開〜牡丹・菖蒲・紫陽花・芥子〜 山種美術館に行ってきました。(6/17)                             2008年6月14日〜7月27日 華やかなチラシです。 チラシに使われているのは、田能村直入の《百花》です。最後
日本画満開 山種美術館 | すぴか逍遥 | 2008/06/22 12:18 AM
 家には、山種美術館が日本橋茅場町にあったころに買った立派なハードカバーの図録がある。そのトップに出てくるのが田能村直入の《百花》。今回は、これを見るために行ったようなものである。 第2室の中央のガラスボックス内に鎮座している《百花》はそれほど大きな