青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< April 2020 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 >>
<< 「ルオー大回顧展」 | main | 「フランスが夢見た日本」 >>

走れる?走ろう。走れ!!

書きたい展覧会の記事沢山あるけど、今日は何を差し置いてもこの話題。
もう、朝から書きたくて書きたくてうずうずしていました。

追記:実際にロンドンで「観て」来ました!→こちら


英国立美術館テート・ブリテンに毎時30秒ごとにランナーが館内を走るという「作品」が登場した。当地のアーティスト、マーティン・クリード氏による「作品番号850」と題された同作品は、7月1日から4カ月間「展示」される。

マーティン・クリードが今回テイトに放った作品は「Work No.850」
「美術館の館内をランナーが駆け抜ける」作品だそうです。

またまた、やってくれました。期待に違わぬ暴挙快挙。
7月13日まで森美術館で開催中の「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」
この展覧会でひと際目だった、否ひと際目立たなかった2001年度のターナー賞を受賞作品「ライトが点いたり消えたり


何も無い展示室の照明が一定間隔で点いたり消えたりするだけの作品。
この空間が作品だと気付かずに素通りしてしまう人多数。

これって一体何なの?
これがアートなの?これでターナー賞??

ランナーが美術館館内を走るまわる作品「Work No.850」もけったいな作品ではありますが、急にこんな作品が生まれたわけではありません。寧ろマーティンのことをちょっとでも知っていれば「これくらいは当り前」と思うはず。

自分も森美術館で行われた「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展」パブリックプログラムアーティストトークに参加しマーティン・クリード本人から話を聞くまでは何が何だかさっぱり分かりませんでした。

彼の言わんとすることの何分の一もまとめられていないかもしれませんが、こちら(アーティストトーク「マーティン・クリード」)に一様まとめてありますので、我慢して読んでみて下さい。何らかの手助けになろうと。



勿論、これがアート作品であるのか否かについては本国イギリスでも侃侃諤諤。
例えばこちら↓

“Is It Art?”
Martin Creed installation in Tate Britain's Duveen Galleries will run and run

しかしそんな周りの反応を嘲笑い楽しむかのようにマーティンは極めてご機嫌。


インタビューにも終始笑顔を絶やすことなく応えています。
(森美術館の時とは大違い。。。)

サービス精神旺盛な(これは森美術館でもそうでした)マーティンは
自らが「ランナー」となって館内を疾走してくれたりまで。


ロイターがこの件について伝えた記事には「クリード氏は声明で、走ることが好きだと述べるとともに、作品について、人生の中で静止の象徴が「死」であるならば「生」は動くことだとコメント。早く走ることはまさに死の対極にあるもので、今回の作品を躍動感の実例だと説明している。」なんてコメントが紹介されていましたが、真に受けてはいけません。

今回の作品について、海外のメディアで発言してるマーティン語録。

Sometimes when you go around museums you feel it's quite a laborious task.

I think it's good to see museums at high speed.
It leaves time for other things.


これくらい軽いノリでなくちゃ。どうせ堅苦しい、もっともらしいこと「言葉」で表現しても、伝わるわけないのですから。


Tate Britain Duveens Commission 2008: Martin Creed Work No. 850
Tate Britain Duveen Galleries
Tuesday 1 July – Sunday 16 November 2008
Admission Free

2008年11月16日まで、テート・ブリテンで「展示」?されるそうです。
かなりのスピードで館内駆け巡っています。気をつけないと!

86メートルあるギャラリー内を30秒毎にランナーがプーマのシューズで疾走。
マラソン中継のように「沿道」で小旗でも振って「鑑賞」しようかな〜

こちらの動画にその衝撃の映像が映し出されています。
驚くほどの速さに目が点になるかも。。。

Art in motion at Tate Britain

「先輩」であるダミエン・ハーストもマーティン・クリードには脱帽?

こんな姿でこっそりテート・ブリテンで「Work No.850」鑑賞しているかも。

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 「英国美術の現在史:ターナー賞の歩み展 ...
- 弐代目・青い日記帳 | シンポジウム"英国現代美術とターナー賞"
- 弐代目・青い日記帳 | アーティストトーク「マーティン・クリード」

現代アートナナメ読み 今日から使える入門書
現代アートナナメ読み 今日から使える入門書
暮沢 剛巳

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1438

JUGEMテーマ:アート・デザイン


For reasons of safety, we ask the public not to run or obstruct the runners.

Work No. 850 centres on a simple idea: that a person will run as fast as they can every thirty seconds through the gallery. Each run is followed by an equivalent pause, like a musical rest, during which the grand Neoclassical gallery is empty.

This work celebrates physicality and the human spirit. Creed has instructed the runners to sprint as if their lives depended on it. Bringing together people from different backgrounds from all over London, Work No. 850 presents the beauty of human movement in its purest form, a recurring yet infinitely variable line drawn between two points.
その他 | permalink | comments(10) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

これ、面白いですね。
美術館の中を走りまわってみたら、普段とは違ったものが見えて
きたりして...(^^;

こんな作品を成り立たせるのはテートブリテンの広さ。

新国立美術館は別格ですが、竹橋の近代美術館なんてよさそうです。
# ただ、天井が低いかな...
横浜美術館の回廊を周回してみるのもいいかも。
lysander | 2008/07/02 11:22 PM
私も、これ、今日ニヤニヤしながらニュース見てました!
こんな馬鹿げた事が出来るのも現代アートならではの
良い所だし、訳わからない事ですね。
私は点いたり消えたり、である意味馬鹿にしているような
マーティンの姿勢が凄く現代アートの一つの姿勢だなぁ、
と思いました。
と、まぁ、こんな難しい事考えなくても、ニヤニヤして
しまった段階でマーティンの思う壺にはまってるのです。

日本に巡回してほしいなぁ、この「作品」!
KIN | 2008/07/02 11:26 PM
Takさ〜ん☆
だれも、まだ、やったことない☆!
。。。ってことを見つけることが<現代美術>の掟。(笑)
のようですね。。。☆
rossa | 2008/07/03 1:10 AM
管理者の承認待ちコメントです。
- | 2008/07/03 5:44 PM
毎時30秒ごとにランナーが館内を走るという発想が凄い!
しかも、マーティン・クリード氏自ら館内を疾走って!!
ぜひ、小旗を振って観賞してきてくださ〜い(笑)
コンドル | 2008/07/03 11:24 PM
@lysanderさん
こんばんは。

それが狙いか!
しかしこの人ったら。。。
やることなすこと
自分のツボにはまります。

横浜美術館はいいかもしれませんね。
それと東博本館の二階とかも。

@KINさん
こんばんは。

テートがこういうのやらせてくれるから
まずもってそこが凄いしエライ!
言葉での説明を全く受け付けない
そんなクリエイティブ?な作品??ばかりです。
いきなり嘔吐したりとか。

クリストが建築物を梱包していた時代と比べ
余計な講釈がなくなり、すっきり楽しめますよね。

@rossaさん
こんばんは。

鉄則ですよね。
今度ここの美術館行ってきます。
そして実際に見逃さないように観てきます!

@コンドルさん
こんばんは。

マーティンってホント子供のような人です。
走っている動画観るとかなりのスピードですよね。
一緒に走ってはいけないそうなのでやはり小旗で。
Tak管理人 | 2008/07/04 9:22 PM
Takさん、こんにちは。
このような行為を作品として、アートとして発表しているのが面白いし、許可を与えた美術館も凄いなって思います。
理論とかは横に置いておいて、単純に面白いですよね!
一般的に、美術館では人に迷惑をかけないように静かに鑑賞し大きな声で話さない、写真禁止、作品を触らない、走らない! などの『鑑賞時の注意・約束事』というのがありますが、そんなのを完全無視っというか、逆手にとっている作品ですよね。(^^
走っている人を見かけて、もちろんソレが『作品』であるなど関係無しに、マネをして走り出す・追いかけようとする子供たちとかが出てくることも想像すると、面白いことになりそうだと思います。
30秒ごとに走るランナーは一日に何人いるんでしょうね? きっと、その走ると言うことを『仕事』として行い、給料も払われていることでしょう。
幾ら位なんでしょうね?
そして、このような形には残らない『作品』(パフォーマンス)を提示した作家自身には幾らの報酬が支払われているんでしょう?
そんなことを考えると、本当に変で(良い意味で)面白い、冒険精神の高いアートの形だなっと思います。
じゃむ | 2008/07/05 12:16 AM
@じゃむさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

理論とか後付けですから、結局は。
それでも単なる思いつきでもなさそうです。
彼の場合。
大変クレバーな方という印象を
強くトークを拝聴して感じました。

森美術館の方とも先日お話しましたが
彼ならこれくらい普通。とか。

以前、彼は「嘔吐」させた映像を
作品としました。でも彼は吐きませんでした。
曰く
「だって、辛いから」

夏にもしかしたらテイトに行けるかもしれません。
そうしたら、「目撃者」となってきます!
Tak管理人 | 2008/07/06 11:23 PM
Takさん、こんにちは。
世の中色々と暗いニュースが目立っているように思っているんですけど、Takさんの記事なんかを読んでいると自然と勉強になって、笑えたり、疑問をもてたりと楽しい時間を過ごすことが出来ます。
記事が丁寧で、短い記事にも情報が良い具合に詰め込まれている感じです。

「嘔吐」させた映像は私も拝見しました!
夜遅くに酔っ払った人が道端で吐いたりとか、もしくは体調を悪くした学生がクラスで授業中に突然吐いてしまったりという場面に遭遇したことはあっても、真っ白で綺麗な空間に突然現れてゲホゲホぉ--っていうのはサスガに初めて見て、驚いたことを覚えています。
そのギャップが印象的でした。

マーティン・クリードは子供の遊び心を持ったまま大きくなって、それらを作品として見せている気がします。
マーティン・クリードの作品の数は膨大で、全てを見ているわけではないですが、基本的に形として残らないパフォーマンス的な作品を作ることの方が多い作家なのでしょうか?
もっとも作品は写真だとか、ビデオだとかで、なんらかの『形』として残っているとも言えるんですが。
興味があるので調べてみたいと思います。
じゃむ | 2008/07/07 7:16 PM
@じゃむさん
こんばんは。
ご丁寧なコメントありがとうございます。

マーティンはクレバーな作家さんだと思います。
注目させる力と、批判をかわす力、
そしてなによりも納得させる力に長けています。

難解な言葉を連ねて御託を並べるだけの
現代アーティストが多い中、「失語症」的に
振る舞うのは、大変賢く最良の選択肢かと。

下手な小説家は毎月のように新刊本出しますが
逆に村上春樹など、何年もかけてやっと新作を
書きあげます。それにどことなくだぶります。

>記事が丁寧で、短い記事にも情報が良い具合に詰め込まれている感じです。

素人の気楽なところでして、一次情報を
適当に咀嚼し好き勝手に解釈し記事に
まとめることができます。

時間の制約もまたいい刺激となっています。

続けられる限りなんとか頑張りたいと思っています。
Tak管理人 | 2008/07/08 8:30 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
トラックバック機能は終了しました。
この記事に対するトラックバック