弐代目・青い日記帳 

  
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町田久美"Snow Day"
西村画廊で開催中の
「町田久美 Snow Day」に行って来ました。



ギャラリーに入るとまずめに飛び込んできたのが、今回の新作の中の一点「ことほぎ」。いままでにないほど「赤色」が画面に占める割合が高い作品です。



「おーーこれが新作か〜」と思うのと時同じくして、視界の中に町田さんが、いつもの黒を基調とした服装で立っていらっしゃること確認。

「『ことほぎ』随分と赤が目立ちますね」と挨拶をした後、早速ご本人に伝えると。「そうですか。白も目立ちますよ」と切り返しが。

右の「女性」の衣装確かに白です。地の色ではありません。
赤白仲良く揃い並んで「寿ぎ」と。


【展覧会会場の様子1】(許可を得て撮影しています

右から「雪の日」「ことほぎ」「空」
「雪の日」なんて縦2m近くもある大作。
この三点の並びだけでも見ごたえ十分。

町田さんとお話していると、突然もう一人、黒衣の人物が闖入。
何と、はろるどさんでした。全くの偶然。
しかもラッキーなことに自分もはろるどさんも今日に限って単独行動中猫2

一枚の作品、たとえば「ことほぎ」(116×145cm)を描きあげるのに、どれくらいの時間を要するのか伺ったところ、「約一か月です」とあっさり返答。

町田さんの作品はご存じの通り、「一見勢いよく引かれたかのような墨線は、辛抱強く幾度も重ねられた細い線でつくられて」ている為、てっきりもっと長い時間を要するのかと思いきや、たった一か月でお描きになられるとは驚き!

意外ですね。と返すと、「でも、朝から晩まで描いてですよ」と、これまたあっさりと発言。えっ!?描き出したらそれ一つに集中して、他の事は何かなさったりしないのですか?と咄嗟に質問し返すと、ご尤もな回答が。

「目の前に谷があります。あちら側に渡る為の綱があります。その綱を渡っている時に集中力切らしたりしませんよね。他のこと考えたり出来ませんよね。それと同じです。私が作品を描いている時は。だから描き始めたらそれだけを徹底します。」

↑このこと、車の運転にも喩えていました。
わき見運転したら、他のこと考えて運転したら事故るのと一緒ですと。

また、下絵もほとんど描かないそうです。頭の中のイメージをそのままに。
描いている途中で変わってくることもしばしばあるそうです。

ちょっと気になっていた絵があったので、そのこともお聞きしました。
2006年高崎市タワー美術館で展示されたこちらの作品。

郵便配達夫

この鶏って、伊藤若冲の作品からですか?
「若い時は、コワイことを知らずに何でもやってしまうものです。この作品もその一つ。今ではもう絶対に描けない作品です。」

正直過ぎる。。。こういうところもひっくるめて町田さんの魅力。


【展覧会会場の様子2】(許可を得て撮影しています

今回の新作の中にはこうした小品もありました。
「バースデー」「イヌ」「2」「通路」「オモチャ」

これらは、大きな作品に比べると記号性がはっきりしているので、わり合いと取っつきやすい作品で、部屋に一つ飾っておくのも悪くないものばかり。

ただ、これらもそこに何が描かれているか、分かってしまうと、前言は撤回したくなります。例えば「2」という作品。犬小屋の中にぼんやりと二つの丸が描かれています。これは一体なんですか?と伺うと。。。

「実家で以前、犬を二匹飼っていました。でも今は二匹とも死んでしまってこの世にはいません。二つの丸は、死んでしまった犬です。」

えーーーと、はろるどさんと共に驚き、再度作品をじっくり穴があくほど観ていると、、、「でも、マリモに見えたら、マリモでもいいんです」と。

うーーん、微妙なフォロー。町田さんナイスです!

因みに「イヌ」も同じような訳で描かれたそうです。

MOTのアーティスト・トークの時は三瀬さんのペースで話進んだので、町田さんのこういったストレートな意見聴き逃してしまいましたが、町田さんイイです!これ以外のお話もとっても興味深く愉しく感心させられ、驚きの連続でした。

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | アーティスト・トーク「町田久美×三瀬夏之介」
- 弐代目・青い日記帳 | 「MOTアニュアル2006」

記事のアップが遅れたのは、お話を書きとめたはずのメモが見当たらなかった為。結局今日になっても発見できないので、後ははろるどさんにお任せします。

今回、新作展となっていますが、過去に描かれた作品も数多く拝見することできます。2005年の「美術手帖」の表紙を飾った「3人」も展示されていました。

【展覧会会場の様子3】(許可を得て撮影しています


美術手帖 2005年 05月号

「町田久美 Snow Day」は8月2日までです。
(この展覧会は今年5月15日までドイツで開催されていた町田久美の個展に出展された作品などを含め公開されているそうです)
kestnergesellschaft: Kumi Machida
↑ドイツ語読めなくても是非チェックしてみて下さい。

最後に「今日の一枚」

画像なくてすみません。「空」という作品です。
【展覧会会場の様子1】の画像の右端に写っている作品。

下方からのアングルの一見不可思議な作品。
でもよく見ると爪がほんのり空色しています。

「空」は「宇宙」への入口。

しかし、町田さんがジオングお好きとは……違うって!


アート・トップ 2008年 07月号 [雑誌]
アート・トップ 2008年 07月号 [雑誌]
この本、珍しく町田さんのお写真たっぷり載っています。
舟越桂さんとの対談は必読。庭園美術館「舟越桂 夏の邸宅」へ行かれる前に。そして、高崎市タワー美術館「町田久美 ことばを超えて語る線」へ行かれる前にも。

あおひーさんと、KINさんは既に高崎行かれたそうです!早っ!

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1449

JUGEMテーマ:アート・デザイン


2008年7月1日(火曜)より8月2日(土曜)まで「町田久美 Snow Day」を開催いたします。現在もっとも注目されている作家、町田久美の第3回目となる待望の新作個展です。
ハノーバーのケストナーゲゼルシャフト(kestnergesellschaft)で開催された個展(2/22~5/15)も好評裏に終わりました。

この度の個展では、ケストナーゲゼルシャフトでの個展に出品した大作「雪の日」を含めた新作10点を発表します。
町田久美は自意識の葛藤や社会的な違和感、他人とのコミュニケーションの中に潜む不安など、無意識に誰もが経験しているとらえどころのない感覚の隙間を見事に記号化し、モチーフに描き出します。こちらに背を向けて、親密そうに寄り添う二人の人物の耳と耳がピアスで一つに繋がれている様子を描いた「ことほぎ」では、<親密さ-疎遠さ>や<不安-安心感>などの相反する両極の感情の混在を呈示します。その他「レンズ」(2007年、53.5x45.5cm)や「とまり木」(2007年、100x80cm)などこれまで以上に深みを増した町田独自の作品世界にご期待下さい。
また、6/28から8/24まで高崎市タワー美術館で「町田久美 ことばを超えて語る線」を開催しますので、併せてどうぞよろしくお願い致します。

| 展覧会 | 22:52 | comments(12) | trackbacks(6) |
自分の線描を谷の綱に例えるなんて・・・
もう町田さん素敵すぎます!!!

そうだ、脚なんて宇宙空間では邪魔でしかない!

| KIN | 2008/07/13 11:27 PM |

@KINさん
こんばんは。

メモ失くしてしまったので
うる覚えの記憶で書きました。
とにかく町田さん素敵過ぎます!

充実の個展でした。
| Tak管理人 | 2008/07/13 11:32 PM |

Takさん
こんばんは

『2』は犬だったのですね...
# わたしは『うニ』かと思ってました...(^^;

個人的には小品、『通路』では散々いじめられたので、
『オモチャ』ということで...(^^;
| lysander | 2008/07/13 11:48 PM |

こんばんわ。
今、我が家の玄関には「日本画ってなあに」と「町田久美─日本画の線描」のポスターを縦に並べています。かなりいいですよ。玄関開くと即、町田久美!

「2」はあの黒いのがルドンみたいですごく意外でした。
かつて飼われてたワンちゃんだったのですね。

>しかし、町田さんがジオングお好きとは……違うって!
ここ笑いました(笑)

期間中にもう一度行ってこようと思います。
| あおひー | 2008/07/14 12:41 AM |

Takさんも素敵ー♪
写真もいいけど、町田さんへのつっこみが・・。
| ogawama | 2008/07/14 11:00 PM |

こんばんは。自分も町田さんのお話を聞くのに夢中でメモをし損ねたのですが、何とかこちらの補完となるような感想を書きたいと思います。遅れてすみません…。

それにしても高崎と日本橋が偶然ということからして驚きですよね。久々に、言葉の一語一語に重みのあるお話を聞いた様な気がしました。
| はろるど | 2008/07/15 1:29 AM |

@lysanderさん
こんばんは。

毬藻にみえました。。。
でも最初はかっちりと描かれた
犬小屋ばかり観ていて中の丸ふたつが
中々目にとまりませんでした。

えーー「通路」でしょう〜

@あおひーさん
こんばんは。

どっぷりつかっていますね〜
町田さんに。
丁度電話した時、確か高崎からの
帰りでしたよね!

雪の方もワンちゃん関連です。
やはり亡くなった犬を描いていらっしゃるそうです。

ジオングは流石にご本人には聞けませんでした。。。

@ogawamaさん
こんばんは。

町田さんこの記事読まれたそうです。。。
穴があったら入りたい。。。

@はろるどさん
こんばんは。

はるるどさんなら、脳内メモで十分でしょう。
あの後、買いものしてしかも飲んでしまったので
折角お聞きした記憶も曖昧ですよね。

言葉は一語一語選んで慎重に話されているように
思えました。いずれにせよ、貴重な時間でしたね。
| Tak管理人 | 2008/07/15 9:54 PM |

“雪の日”に漂う不気味さは拙ブログに載せ
ました北斎の笑うはんにゃが手につかんで
いる子供の生首の怖さにちょっと似てます。

お気に入りの“ごっこ”のイメージを膨らま
せすぎてましたから、ちょっと好みがブレて
ます。
| いづつや | 2008/07/20 12:09 AM |

昨日行って来ました。
やっぱり町田さん、大好きです。
作品どれもよかったです。
たけさんのこのブログ読んでから行ったので
色々事情を知れてよかったです。
| あ ん み つ | 2008/07/20 11:38 PM |

@いづつやさん
こんにちは。

北斎との比較ですか!
そう来ましたか〜なるほど
おもしろいですね、その見方。

恐ろしさ不気味さはさほど
感じなくなってきました。
見慣れたせいもあるのでしょうが。
高崎へ行かねばです。

@あんみつさん
こんにちは。

作家さんにお話を伺い
制作意図などが分かると
それまで抱いていた自分の
イメージとのギャップに
驚くとともにそれが楽しく思えてもきます。
| Tak管理人 | 2008/07/21 9:33 AM |

こんばんは。そして改めましてお帰りなさい!

ご出張中に簡潔ですが町田さんの記事をアップしてみました。
本当にあの時はご本人のお話を伺えて良かったです。

そろそろ高崎行ってきます!
| はろるど | 2008/08/05 9:48 PM |

@はろるどさん
こんばんは。

ただいまです。時差ボケもなくまたブログ
頑張って書いています。

町田久美さんの高崎の展覧会も行かねばなりませんね。
車だしますので、日程調整しましょう。
| Tak管理人 | 2008/08/06 12:03 AM |










http://bluediary2.jugem.jp/trackback/1449
もう、これは・・・Snow Day、町田久美展
なんか最近、町田久美祭!って位町田久美さんばかりの私の生活。 前の高崎に続いて西
| 今日の献立ev. | 2008/07/13 11:25 PM |
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町田さんの作品はあまり得意ではありませんでした。人体をゆがめ たような作品にはある痛みを感じます。 # 私は痛いのが苦手なのだな... だから、町田さんの作品を観る人は何を思うのだろう。そんなこと を自問することがあります。誰にも描けない作風を持った町田さ
| 徒然と(美術と本と映画好き...) | 2008/07/13 11:49 PM |
町田久美 Snow Day(西村画廊)
今週、ずっと行きたくてたまらなかった町田久美さんの個展。 ドイツのハノーバーのケストナーゲゼルシャフトでの個展を終えたばかり。向こうのひとにはどんな風に彼女の世界は見えたんでしょうね。 そんなことを考えつつ今日は先日購入したものの目を通してなかった
| あお!ひー | 2008/07/14 12:34 AM |
西村画廊の町田久美新作展
日本橋高島屋のすぐ近くにある西村画廊で町田久美の新作展 Snow Dayを見た。
| いづつやの文化記号 | 2008/07/19 11:01 PM |
町田久美展 “ Snow Day"
日本橋のギャラリー・西村画廊では「町田久美展“ Snow Day"」を開催中。 町田さんも西村でずっと取り扱われてきた作家である。若手日本画として海外での人気も高まっているようである。コレクション展で観たことはあったが、新作個展ははじめて。7月半ばに観
| my secret girl | 2008/08/01 4:18 PM |
「町田久美 Snow Day」 西村画廊
西村画廊(中央区日本橋2-10-8 日本橋日光ビル3階) 「町田久美 Snow Day」 7/1-8/2 幸いにも会期が丸々一ヶ月ほどあるので、毎週の画廊巡りの際にも何度か拝見しています。話題の展覧会、西村画廊での町田久美の個展へ行ってきました。 表題にも掲げられた「雪の
| はろるど・わーど | 2008/08/05 9:44 PM |
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