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「ボストン美術館 浮世絵名品展」公開記者発表会

江戸東京博物館で10月7日から開催される「ボストン美術館 浮世絵名品展」公開記者発表会に参加して来ました。
公式サイト:ボストン美術館 浮世絵名品展



世界一と評される5万点もの浮世絵版画や多くの版本・肉筆画を収蔵しているボストン美術館ですが、これまで日本に里帰りし展覧会で公開される機会はなかったそうです。ボストン美術館でさえも展示されない作品もあるそうです。

その重い重いボストン美術館東洋部の扉が開き大規模な展覧会が初めて開催されたのが2006年の「ボストン美術館所蔵 肉筆浮世絵展 江戸の誘惑」展。この展覧会も驚きの連続でしたが、ただしタイトルに示されている通り、ボストン美術館所蔵の肉筆画のみの展覧会でした。

そしていよいよ、今回今まで観たくても専門家以外は目にすることが出来なかったまさに秘宝の浮世絵が「ボストン美術館 浮世絵名品展」でお披露目となります!

記者発表会会場

既にこの展覧会は今年の1月2日から名古屋ボストン美術館、新潟市美術館で開催され現在は、福岡市美術館で8月31日まで公開されています。福岡展終了後最後の巡回地である江戸東京博物館にやって来ます。

既にご覧になられたSonnenfleckさん遊行七恵さんmemeさんが名古屋で、あおひーさんが福岡での記事をアップされていらっしゃいます。

さて、さて本日江戸博1階のホールにて行われた記者発表会ですが、第1部では主催者挨拶や展覧会の見どころなどを紹介・解説。


第2部では、歌舞伎界きっての「浮世絵通」で「浮世絵コレクター」でもある市川亀治郎さんをゲストに迎え、江戸博の竹内誠氏、監修者の永田生慈氏の三人によるトークセッションも行われました。

以下簡潔にご紹介。
まず第1部。覧会監修者である永田生慈氏(葛飾北斎美術館館長)による見どころ解説。ボストン美術館の所蔵作品から今回は浮世絵初期の頃の作品から幕末までの作品を紹介することで、浮世絵の歴史や流れを、極上のコレクションにより掴んでもらおうという趣向だそうです。

永田生慈氏

「浮世絵の命は色」と永田氏は仰っていました。虫食いは修復できても浮世絵の色合いだけは元に戻すことが出来ない為、今現在観ている浮世絵が数百年経過し色あせ退色してしまっていることがほとんどだそうです。(元来、「芸術品」として作られたものではなく、一種刹那的なものだった浮世絵。色あせてしまうのは仕方がないことですが…)

ところが、ボストン美術館所蔵の浮世絵は、ボストン美術館でさえもほとんど展示されてこなかった故、とにかく「色合い」が大変素晴らしいそうです。発色が違い、「ハッとさせられる」作品がぞろぞろあるとか。

例えば、こちらの作品。

礒田湖龍斎「雛形若菜の初模様 がくたはらや内 れん山

着物の美しく多彩な文様がこんなに小さな画像からもはっきりと分かります。退色し色あせてしまうと着物の模様も「無地」となってしまっている場合がほとんど。まるで別の作品のようです。


二代鳥居清倍「山下亀松の小野の小町と初代荻野伊三郎の般若五郎

こちらは浮世絵初期の作品。1733年頃描かれたものだと画題から推察できるそうです。縦長の「細版」と呼ばれるものだそうで、これほど見事なコンディションで残っていること自体奇蹟に近いことだそうです。

またこんな珍品も所蔵しているそうです。

鈴木春信「見立三夕 定家 寂蓮 西行

これのどこが珍しいかと言うと…前述の二代鳥居清倍の作品のように、細版用に3種類の女性を一枚に描いたものだそうですが、3枚に裁断される前の状態のまま現存しているそうです。

鈴木春信の署名も女性の脇にそれぞれ三ヶ所なされています。まさにレアモノ。

この他にも大量に予定の時間をかなりオーバーしつつ、スライドで出展作品の一部を拝見しましたが、限定品とか今だけ!とかの言葉に弱い自分には、もうそれだけで眩暈がしそうなほど。

これに加えて「スポルディングコレクション」の浮世絵の版本も展示されるそうです。因みにボストン美術館へ大量の浮世絵コレクションを寄贈したスポルディング兄弟ですが、遺言により海外への貸し出しはもとより、ボストン美術館内での公開も禁じられているそうです。(主に例の褪色の問題が大きいのかと)

フェルメールを3枚所蔵している同じく大富豪のフリック氏のコレクションが遺言により貸出禁止になっているのと同様、こういうケース多いのでしょうか。

しかし、幻のスポルディングコレクションですが、遺言の中に「版本」については何も触れられていない為、貸出okとなり公開される運びとなったそうです。何だかこういった処が厳密なのかいい加減なのか曖昧ですが、まぁ観られるなら良し。

続いて第2部。
お待ちかね、市川亀治郎さんの登場。
江戸博の竹内誠氏、監修者の永田生慈氏の三人によるトークセッション。



亀次郎氏の浮世絵との出会いは中学か高校生の頃、ロンドンの蚤の市で父親(四代目市川段四郎)が偶然にも曽曽祖父(ひいひいじいさん)が描かれた一枚の浮世絵を見つけ買い戻したことがきっかけだったそうです。

以来、お小遣いで買える程度の端物を買うなどして、コレクションを増やし、現在では約1500枚にも上るそうです。ポリシーとして「役者絵」だけを買うそうです。

ご先祖様の「ブロマイド」を集めるなんて中々一般の人には出来ないこと。

「ボストン美術館 浮世絵名品展」に出展される作品の中から、市川亀治郎さんお気に入りの3点を選んでもらいました。

歌川国政「市川鰕蔵の暫

とにかく構図が素晴らしい、あり得ない角度の絵だが違和感なし。見得を切っているシーンですが、気持はしっかり動いているのが伝わってくる一枚。因みに国政はヨーロッパでは豊国より値段が高いそうです。


喜多川歌麿「青楼仁和嘉女芸者之部 扇売 団扇売 麦つき

三人の美人がこれ以上ないという配置で描かれている一枚。将棋で例えるなら究極の手。雲母摺りが背景も用いられていている「キラもの」これにより女性たちが浮き立つように見える。


葛飾北斎「冨嶽三十六景 山下白雨

おどろおどろしい感じが好き。特にこの色。富士山を描くのにこの色は使わない。ましてや自分だったら右の線(カミナリ)は描かない。(兆度、今日この記者発表会が始まる前と後に激しい雷雨が両国でも…)

カメ流
「カメ流」 市川 亀治郎

今日の記者発表会に参加させて頂き、10月7日から開催される「ボストン美術館 浮世絵名品展」が益々楽しみになってきました。浮世絵展数多くあれども、これは見逃してはいけない展覧会間違いなしです。九州の方!今月までですよ福岡展。

公式サイト:ボストン美術館 浮世絵名品展



おまけ:司会を務めたテレビ東京アナウンサーの大江真理子さん


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1472


電車内の広告でキリンビバレッジの「世界のKitchenから」シリーズから今日、「水出しミントジュレップソーダ」が新発売になったこと知りました。


これに伴い「世界のKitchenから」シリーズのファンクラブサイトもリニューアルしたそうです。CM楽曲、PePe California(ペペ・カリフォルニア)『MELI-FALI』もフルサウンドで楽しめます。

JUGEMテーマ:アート・デザイン


アメリカのボストン美術館には、5万点に上る浮世絵版画のほか、多くの版本・肉筆画が収蔵されています。そのコレクションは質量ともに世界一とされてきましたが、近年までその多くは公開されることがありませんでした。
本展では、浮世絵の誕生から幕末までの展開を一望にすることができる作品が里帰りします。これらの大多数が日本初公開です。「浮世絵史の教科書」ともいうべき内容を、4つの章にわけて紹介します。今刷り上がったかのような、鮮烈な色彩の競演を、どうかお楽しみください。
展覧会 | permalink | comments(14) | trackbacks(0)

この記事に対するコメント

おかえりなさいまし〜
ヨーロッパから帰られて、浮世絵の記事をあげられる・・・
それ自体が「里帰り」だわ〜と一人で喜んでおります。
この展覧会は本当に良かったです。
江戸東博が入れ替えなしならよいのですが、どうでしょうか。
しかし亀ちゃんがコレクターとは知りませんでした。
しかもそんな素敵なエピソードがあるとは・・・
それだけでも嬉しい気分です。
遊行七恵 | 2008/08/06 12:10 AM
こんばんは。おつかれさまでした。

お帰りになられてすぐに、このビッグヒュース
ありがとうございます。

もう首を長くして10月7日を待っています。
すぴか | 2008/08/06 12:14 AM
帰国早々精力的に行動なさる、その気力に感服です。
(わけて頂きたいです・・・。)

市川亀治郎さんのお話はいいですね。
こういうコレクションの仕方は素敵だと思います。

しかし浮世絵の大規模な展覧会とは、楽しみですが今から混雑ぶりが怖いです。
m25 | 2008/08/06 12:20 AM
世界のキッチン、って曲がPePe Californiaなんですね!
(そこに反応しなくて良い?)
しかし、PePeにしろオルガノラウンジとか音楽好きと
して見逃せない名前が載ってるのが興味惹きます。
でも私が一番反応したかったのは鈴木英人さんのFM Station
のカセットレーベルでしたが(年代です)。
KIN | 2008/08/06 12:27 AM
帰国後早速のイベント参加お疲れ様です

この秋はいろいろと目白押しで、楽しみです。

わん太夫 | 2008/08/06 1:10 AM
浮世絵の命は色・・・想像するだけでもうっとり。
出会うのが楽しみです。
一村雨 | 2008/08/06 6:07 AM
@遊行七恵さん
こんにちは。

ただいまです。
渡欧先でこのイベントの参加のご連絡を
受け、二つ返事でokしました。
帰国して翌日でしたが、時差ボケしない
便利な身体故、楽しく参加できました。

亀治郎さん、いろいろと熱く語っていましたよ〜
浮世絵について、ほんとお好きなんですね。

@すぴかさん
こんにちは。
ただいまです。

凄い凄いとは聞いていましたが
実際に観られるとなると心踊り出し
居ても立ってもいられなくなります。

江戸博混雑するでしょうね〜

@m25さん
こんにちは。

スーツケースもろくに片付けもせずに
出かけて参りました。
通常の記者発表会と違い楽しめました。
日本に帰ってきたな〜という実感も。

江戸博は箱がいまいちなので
混雑する目が当てられませんからね…
それだけが心配です。

@KINさん
こんにちは。

世界のキッチンシリーズは大好きで
新発売となるとコンビニへダッシュ!

鈴木英人さんの展覧会行きたかったです。
世代的にど真ん中なので。
切り抜いてカセットのレーベルにしてた頃
思い浮かべます。今はそう考えると味気ないかも。

@わん太夫さん
こんにちは。

英国でさぼっていた分を
頑張らなくてはいけませんからね。

この暑さが一段落し、芸術の秋に
ぴったりの好展覧会目白押しです。

@一村雨さん
こんにちは。

こんな状態のいい作品は公開しない方がいいと
監修者の方が言ったとか…
はっと眼を疑うほどの色彩いかようなものか楽しみです。
Tak管理人 | 2008/08/06 7:48 AM
お帰りなさい。大分前にボストンに行った時に、東洋部門を覗きましたが、そういえば浮世絵は出てなかったですね。肉筆画同様に人気が出そうですが、混雑すると浮世絵鑑賞はXXXですので、ちょっと心配しています。
とら | 2008/08/06 9:01 AM
Takさま、無事のお帰り、お疲れ様でした。

それにしてもお留守の記事といい、
お帰りになってすぐのこの記者発表記事といい、
その内容といい、
亀治郎の登場といい、
ガツン!ガツン!!
です。
体力気力の充実ぶりにクラクラします。
どうぞ、お疲れのでませんように。
勿論、江戸博、いきます!!!
雷は我が家を一瞬暗くしました。
そうか、あれは両国の雷だったのかぁ。
あべまつ | 2008/08/06 1:56 PM
こんにちわ。
この記者発表は聞けるチャンスはあったのですが、あまりの暑さに負けて申し込みをパスしてしまいました。やっぱり行きたかったなあと後悔していましたので、Tak様の詳しいレポを拝見して、とても嬉しく存じました。と同時に、早くこれらの浮世絵を見てみたいと気持ちが昂揚してきました。
ありがとうございました。
SwingingFujisan | 2008/08/06 2:10 PM
今回の旅はキューバ。
その広告に目を奪われました!!
いつか、キューバへ行ってみたいと思っているんですよ。
本場のモヒートが飲みたくて。
コンドル | 2008/08/06 4:01 PM
こんばんわ。
国政、かなりよかったです。
にしても、ほんとボストンはいろいろと持ってますよね〜。

亀次郎さんの話、すごいですね。集めてしまうの納得です。
あおひー | 2008/08/06 10:08 PM
お帰りなさいませ そして早速の仕事ぶり!
私も福岡の友人に充実ぶり伺いました。
「浮世絵 −ベルギーロイヤルコレクション展 」
太田記念美術館
http://www.ukiyoe-ota-muse.jp/H2009Belgium.html
2008年9月2〜28日も見逃せませんね。
panda | 2008/08/07 12:05 AM
@とらさん
こんばんは。

ただいまです。ロンドンは比較的過ごしやすかったです。
ボストン美術館はフェノロサや天心が極上の浮世絵を
持っていったのと今まで公開していなかったこともあり
ファン垂涎のコレクションがあるそうですね。
混雑する前に行きましょう。

@あべまつさん
こんばんは。

ありがとうございます。何事もなく無事帰ってこられました。

時差ボケしない便利な身体を持ち合わせているため
これくらないなら。でもまだフェルメール展を観る
為の「心の準備」ができていません。明日夜かな〜

雷さまうちの電気も一時消えました。
パソコンも消そうかな〜と思っていた矢先に。。。
事なきを得ましたが、江戸博の館長さんは
縁起がいいと笑みを浮かべていました。

@SwingingFujisanさん
こんばんは。

亀治郎さんのタイトなスケジュールの中
永田氏が思いきり時間オーバーして熱弁され
スタッフさんらが右往左往している様子が愉快でした。
歌舞伎役者自ら役者絵を収集するなんて
乙な趣味を持っているとは、私も始めて知りました。
講演会でもやってくれるといいのに〜

@コンドルさん
こんばんは。

コンドルさんならキューバお似合いですね!

>本場のモヒートが飲みたくて。
飲みたいです!自分も是非。
現地でないと味わえないものってありますよね。
とりあえずはキリンさんで我慢我慢。

@あおひーさん
こんばんは。

あおひーさん既に福岡でご覧になられたのですよね。
記事拝読していいな〜と羨ましく思っていました。
東京展もまた行きましょう!

出展される作品若干違ってくるようですしね。

@pandaさん
こんばんは。

そうなんですよ〜
太田記念美術館のベルギーの浮世絵も
これまた期間が短いのでうまいこと
観に行かないと忘れてしまいそうです。
真っ赤なチラシが目に留まりますよね!
Tak管理人 | 2008/08/07 6:45 PM
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