青い日記帳 

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第14回「秘蔵の名品アートコレクション展」

ホテルオークラ東京 アスコットホール別館地下2階で開催中の
第14回「秘蔵の名品アートコレクション展」に行って来ました。



今年で14回目をむかえるチャリティーイベント「秘蔵の名品アートコレクション展」。ホテルオークラまでの坂道を毎年暑い中汗を拭き拭き。普段の美術館とはちょっと様子が違うホテル内での展覧会。真夏のイベントとして欠かす事が出来ないほど定着した感があります。

何連も連続で通っていても、行くたびに毎回新鮮な驚きを用意してくれている展覧会。そして今回も大きな収穫がありました。

今年は「パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋」と題し大きく3つのセクションに分け展示がなされています。
1:印象派絵画 クロード・モネを中心として
2:伊藤若冲・酒井抱一・葛飾北斎ら日本画の変遷を辿る
3:葛飾北斎・歌川広重 代表的浮世絵版画


昨年よりも日本画の占める割合が多く感じたのは北斎や広重の浮世絵コーナーが増えたからでしょう。全体としてとてもまとまりのある展覧会に仕上がっていたように思えました。


クロード・モネ「ヴェルノン教会の眺め」1883年

モネがお好きな方には大変見ごたえのある展覧会となっています。チラシの「睡蓮」(アサヒビール株式会社所蔵)は勿論ですが、「日本人の大好きなモネ」作品が揃い踏み。国立新美術館での「モネ展」は物量作戦でしたが、こちらは国内にある企業及び個人所蔵のモネ作品から厳選し展示。

印象派ってやっぱりいいな〜と素直に思える作品揃い。

当然、モネだけでなくピサロ、ドガ、シスレーがその脇をがっちり固めてくれているおかげでもあります。中でもとりわけドービニーの三作品がいづれも秀作。


シャルル=フランソワ・ドービニー「ボニエール近郊の村」1861年

今回の展覧会できっとドービニー好きになられた方相当数いらっしゃるのではないでしょうか?かく言う自分もその一人。↑の作品は村内家具所蔵の一枚ですが、「コロー展」に出展している作品といいこれといい、良い作品持っていらっしゃいます。

因みに残り二点は、大成建設所蔵の「川辺の風景」1872年と「池と大きな木のある風景」1851年。またいつの日か観られるチャンスが来ること祈りたくなる作品。

すっかり印象派で満足してしまいましたが、事前にご覧になったmizdesignさんによると「とんでもないセザンヌが一枚あった」とのこと。どのような作品であったかうかが伺っていると、「もしやあのセザンヌでは…」という思いが。果たしてその予見は見事的中していました!


ポール・セザンヌ「庭にある大きな花瓶」1907-98年

いづつやさんと違い、いつどこで何を観たかとかすぐに忘れてしまう自分でも、このセザンヌだけははっきりと覚えています。2004年に東京都現代美術館で開催された「花と緑の物語」展、そして横浜美術館で1999年に開催された「セザンヌ展」です。一度見たら忘れられない作品。セザンヌらしさがぎゅっと一枚の中に凝縮されている「美味しい作品」でもあります。

好いセザンヌ作品からは、サクサクというリズミカルな音が聞こえてきます。

これ画面右上の木の枝先と空の部分です。
空と木の葉を頭の中で構築しサクサクと自信と確証を持って筆を進めていった様子目に浮かびます。そして端っこは塗る必要ないとなれば(色を置くと邪魔)すっぱり潔く余白のまま。描けないですし、それまでこうした作品を描いた人はいなかったはず。

大満足です。願わくば今年11月15日から横浜美術館で開催される「セザンヌ主義―父と呼ばれる画家への礼讃」展にも是非出展して欲しいな〜

さて、さてお次は日本画コーナー。
こちらはすっかり名前の知れた若冲さんがお出迎え。

 
伊藤若冲「旭日松鶴図」 「松下群鶏図

多くは語りませんが「松下群鶏図」が若冲らしさを欠いていたように感じたのは気のせいでしょうか?

いろんな意味で日本画は観ていてやっぱり楽しい。西洋絵画は観るのに力入ってしまいますが、日本画は「これ嘘っぽい!」と談笑しながら観るのにぴったり。


竹内栖鳳「」1928年

二曲屏風の一部分。トラ?ネコでしょう〜
夏の暑さにまいってしまったネコ。夏バテ猫。

こちらは今回は出展されていませんが、山種美術館所蔵の竹内栖鳳「班猫

是非とも並べて観たい作品です。
毛並みのふさふさ感は「班猫」に勝るとも劣らず一本一本細かく描かれていました。

「北斎漫画」や諸国名橋奇覧」「冨嶽三十六景」広重の「五十三次名所図会」「東海道五十三次」などの浮世絵も今回の目玉のひとつ。

一粒で色んな「味」が楽しめる「美味しい」展覧会。
ホテルの会場も心地よく予定よりも大幅に長居してしまいました。

最後に「今日の一枚」


北沢映月「舞妓」1960年

青の着物に惹かれたこともありますが、舞妓さんをキュビズムチックに描いた作品なんて初めて観ました。意外や意外合うものですね〜広げた扇の凹凸がアクセントかな。これが描かれていないとお顔も生きません。

こういう隠れた名品を観られる幸せ。「秘蔵の名品アートコレクション展」ならではです。この展覧会は8月30日まで開催しています。是非!

この展覧会監修者のお一人である井出先生の著書。
今年もありがとうございました。
聖書の名画を楽しく読む カラー版
聖書の名画を楽しく読む カラー版 井出 洋一郎


それでは最後に「今日の美味


ogawamaさんから頂戴したPATISSIER INAMURA SHOZO|パテェシエ イナムラショウゾウの「ブールドネージュ」セザンヌもびっくりのサクサクした食感。甘さも控え目。何個でも口の中入ってしまいます。ハムスターの如く。。。

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 第13回「秘蔵の名品アートコレクション展」
- 弐代目・青い日記帳 | 北斎と広重展
- 弐代目・青い日記帳 | 辿り着いて新潟
- 弐代目・青い日記帳 | "あなたが選ぶ花鳥風月コンテスト"投票結果発表
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日仏交流150周年を記念して、「パリのエスプリ・京の雅・江戸の粋」と題し、クロード・モネを中心とするフランス印象派絵画と彼らに影響を与えた日本絵画、100余点の秀作を一堂に展覧いたします。印象派画家クロード・モネは、浮世絵を多数蒐集してジヴェル二ーの自邸に飾るほど日本美術をこよなく愛する一人でした。
葛飾北斎や歌川広重に代表される浮世絵は、構図や色彩にも大きな影響を与え、ジャポニスムの源流となりました。近世京都で活躍した伊藤若冲、竹内栖鳳らの雅で華やかな作品から、浮世絵に至る日本美術の変遷を辿り、受け継いできた美意識についても、思いを馳せていただけます。
恵まれないこどもたちへのチャリティーを目的としている本展覧会で、初公開作品を含む貴重な作品の数々をこころゆくまでご鑑賞ください。
日本画:金原 宏行(常葉学園大学教授・豊橋美術博物館館長)
西洋画:井出 洋一郎(東京純心女子大学教授・美術評論家)


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この記事に対するコメント

こんにちは、19日にコメさせてもらった美央です。


返信有難うございました。

東京在住なのでさっそく行ってみますね。

大学ではどちらかというと西洋画などヨーロッパの美術を専攻して学んでいてあまり日本画には詳しくないので焦ってました笑

ありがとうございました。

美央 | 2008/08/21 5:34 PM
いつも御贔屓にしていただき感謝申し上げます。
拙著まで引き合いに出して頂き(泣笑)有り難うございました。
毎8月の展覧会のおかげで大学教授なのに夏休みもどこにも行けずに張り付いておりますが・・・
この猛暑の夏はやはり涼しいモネと北斎広重の浮世絵でご機嫌を伺いました。セザンヌもそうですが青の美しさは洋の東西をとわずですね。
楽しいご報告をこれからもお願い致します。
井出洋一郎 | 2008/08/21 6:47 PM
こんばんは。
このセザンヌ、魅力が凝縮されてますね。黄色と青の色彩、力強い造形、空のタッチ。特に空は見惚れてしまいました。
「自信と確証を持って筆を進めていった」というのは上手い言い方ですね。

広重と北斎の3枚掛軸も良かったです。
mizdesign | 2008/08/21 8:09 PM
@美央さん
こんばんは。

東京国立博物館はいつ行っても
新鮮な驚きを与えてくれる貴重な
場所です。お時間あるときに是非。

西洋画について、興味深い
お話などあったら聞かせて下さい。

@井出洋一郎さま
こんばんは。
コメントありがとうございます。

こちらこそ、毎年真夏に素敵な
イベントを催して頂き感謝感謝です。
会場に先生いらっしゃるかなとも
思ったのですが、お忙しい中
お手煩わせてもと思いお声掛けしませんでした。

テーマがしっかり決まっている今年の展示は
大変鑑賞しやすく、疲れることありませんでした。
企画力の勝利かと。

今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。

@mizdesignさん
こんばんは。

あのセザンヌにはセザンヌの良さが
ぎゅっと凝縮されていましたね。
ブルーの色調、背景の三角形の構図。
それとリズミカルな筆致。
何をとってもピカイチです。
ブリヂストンのセザンヌを想起させる
とても好い作品でしたね。
Tak管理人 | 2008/08/22 9:25 PM
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