青い日記帳 

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「美術散歩」

ブリヂストン美術館で開催中の
「美術散歩-印象派から抽象絵画まで」に行って来ました。



GoogleでもYahoo!でも「美術散歩」と検索すればトップに表示されるのが「美術散歩-ルネサンスから抽象絵画まで」。管理人であるとらさんが2002年10月10日から国内のみならず海外の展覧会、美術館についてその深く鋭い審美眼により的確に推察され、端的に分かりやすくまとめていらっしゃる他を寄せ付けない秀逸で出群なサイト。

「美術散歩」管理人であるとらさんには驚異の記憶力により蓄積された多くの知識と多くの作品に触れ養われた審美眼にはいつもただただ唖然とさせられるばかり。とらさんの前では私などは足元にも及ばないひよっ子どころかまだ卵の中の存在に過ぎません。

そんなとらさんのサイト名と同じタイトルが冠されたブリヂストン美術館の展覧会。真新しい作品は別になく、所謂常設展。(美術館の方も特別展ではなく常設展であると仰っていました)

「な〜んだ」と思われるかもしれませんが、ブリヂストン美術館は日本では大変特殊な美術館で所蔵作品(常設展示)を観るために訪れる方が非常に多いそうです。



例えば2006年に開催した「プリズム:オーストラリアの現代美術展
オーストラリアの現代アートを大々的に取り上げた国内でも稀有な展覧会。つい最近注目を集めたエミリー・ウングワレーもこの時既に展覧会で紹介されていました。

かなり斬新で革新的な展覧会だったにも関わらず、入場者数はさっぱり。チケット購入の際に「オーストラリアの現代美術展を開催しているので、常設作品はご覧になれません」と告げると入館なされず踵を返してしまう人いらしたそうです。

館長さんも嘆いていらしゃいました。折角企画したのにグッツもカタログも売れず大赤字だと。。。印象派だけでなく現代アートにも強い点がブリヂストン美術館の良さでもあります。しかし現代美術の企画展だけは流石にどうにもならないようです。

努力しても報われないどころか、努力しない方(常設展示)がお客さんが喜んで下さるのですから何とも皮肉なものです。尤もそれはひとえにブリヂストン美術館の所蔵する作品がそれぞれ質の高い、下手な特別展よりも見ごたえがあるからに違いありません。

例えば、こちら。

カミーユ・コロー「森の中の若い女」1865年

30万人近い入場者数があった国立西洋美術館での「コロー 光と追憶の変奏曲」展。この展覧会で最も注目を浴び新鮮な驚きを我々に与えてくれたのが、コローが描いた人物画でした。「風景の画家」のイメージの強いコローによる人物画。新たな魅力の虜になられた方多かったのではないでしょうか。

丁度今日(9月13日)より場所を神戸市立博物館に移し「コロー展」が始まりました。早速、高橋先生の講演会があったようですね。【「伝統と革新:コローの芸術世界」講師:高橋明也(三菱一号館美術館館長・国立西洋美術館客員研究員)



「コロー展」を観た後に、ブリヂストン美術館の「森の中の若い女」をあらためて見直すと、今まで何度も観たはずなのにまるっきり違った印象や、今まで目が行き届かなかった点まで具に鑑賞できます。

「絵画を観る目」に到達点はありません。
常に進化し続けるものです。そのことを鑑みるといつ行っても気軽に名画と向かい合うことが出来るブリヂストン美術館の存在はとても大きなものがあります。東京駅から歩いてすぐという立地も含めて。

逆にこれから他の美術館で開催される展覧会の予習としても最適な空間です。

【例1】セザンヌ


ポール・セザンヌ「帽子をかぶった自画像」1890-94年

ブリヂストン美術館が所蔵するセザンヌ作品の中のみならず、世界的に見てもセザンヌの秀作と呼べる一枚。これが都内で気軽に拝めるという事実がどれだけ凄いことか!

当然のことながらこちらの作品は11月15日から横浜美術館で開催される「セザンヌ主義−父と呼ばれる画家への礼讃」展にも出展が決まっています。


セザンヌ主義−父と呼ばれる画家への礼讃
横浜美術館(2008/11/15-2009/1/25)
北海道立近代美術館(2009/2/7-4/12)
近代フランス絵画を代表する画家、ポール・セザンヌ。彼は、「近代絵画の父」とも呼ばれ、ピカソやゴーギャンをはじめ、岸田劉生、安井曾太郎ら日本の画家にいたるまで、20世紀の美術に大きな影響を与えました。本展では、「セザンヌ主義」とも称されるそれらの画家たちの作品と、セザンヌの作品とを並べて置き、20世紀絵画に対するセザンヌ芸術の功績を明らかにしていきます。国内外から集められたセザンヌの優れた作品と、日仏近代絵画の巨匠たちの代表作を同時に見ることのできる、またとない機会です。

【例2】ゴーギャン


ポール・ゴーギャン「乾草」1889年

ゴーギャンが勤め人を辞め画家となり移り住んだ町がブルターニュ地方のポン=タヴェン。「ゴーギャンとポン=タヴェン派展」なる展覧会がその昔Bunkamuraで開催されたことありました。「乾草」はその町で描いたもの。ゴーギャンといえばすぐタヒチを思い浮かべますがまだ「南の楽園」を目指す前の一枚。自分はこの頃のゴーギャンの作品が好きなのでブリヂストン美術館へ行くといつもより長く彼の作品の前に足を止めます。

そのゴーギャンの展覧会が来年、名古屋ボストン美術館と東京国立近代美術館にて開催されます!「ゴーギャン展」の最大の目玉はボストン美術館所蔵の大作「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」が来日することです。


我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか
これはどうしても見逃すことできません。混雑覚悟で出かけなくては!

ゴーギャン展
名古屋ボストン美術館(平成21年4月18日〜6月21日)
東京国立近代美術館(平成21年7月3日〜9月23日)
ポール・ゴーギャン(1848−1903)はフランスのポスト印象派の画家で、当初はフランスで画家活動を行っていましたが、西洋文明に希望を失い40歳を過ぎてタヒチに渡りました。タヒチ時代の大作「我々はどこから来たのか 我々は何者か 我々はどこへ行くのか」は、名実ともにゴーギャンの代表作で、この謎めいた作品にはそれ以前の彼の作品のさまざまなモチーフが大画面に統合され、その象徴主義美学の総決算ともいえる作品になっています。
本展では、この作品を中心に主にタヒチ時代の油彩、彫刻、版画などを精選して紹介し、ゴーギャンが作品に込めた深淵かつ壮大なテーマをいま一度、現代の人たちに提起することとします。


等など、今年から来年にかけて開催される大型展覧会に備える意味でもブリヂストン美術館で「美術散歩」楽しんでおく必要があるのではないかと。

一部の西洋画しか紹介しませんでしたが、エジプト彫刻から日本美術までほとんどのジャンルを網羅していながらもコンパクトな展示ゆえ足にも優しい美術館。東京駅までいらしたらちょいと足をのばしてみては。平日は午後8時まで開いています。


「美術散歩」構成
1.新しい道を求めて 
2.印象派の世界 
3.変わりゆく絵画の風景 
4.マティスが歩んだ道 
5.百花繚乱のパリ 
6.ピカソの多彩な展開とその交流 
7.抽象への道 
8.戦後美術から現代へ 
9.日本近代洋画の景観


とらさんのサイトと同じタイトルの「美術散歩」は10月19日までです。

最後に「今日の一枚


ポール・セザンヌ「サント=ヴィクトワール山とシャトー・ノワール

許多描かれたサント=ヴィクトワール山の中でもこの作品ベスト3入りすること間違いなし。世界中の美術館が羨む名品中の名品。これが日本で観られることがどれだけ幸せなことなのか絵の前に置かれた革張りの椅子に腰かけて眺めていれば分かります。(1996年にテイト・ギャラリー他で開催された「セザンヌ回顧」展(セザンヌ大回顧展)に出展されました。)

セザンヌの画
「セザンヌの画」 内田 園生

それでは最後に「今日の美味


ウェンディーズ(Wendy's)の「チリチーズフライ」に「カールスバーグ」これ最強の組み合わせ。ウェンディーズ、ビール飲める店増やしてくれないかな〜もっと。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1504

JUGEMテーマ:アート・デザイン


近代から現代にかけて、美術の世界では独自の表現やスタイルの模索がさかんに繰り広げられてきました。伝統的な絵画を越えて新しい芸術を目指したモネやルノワールらの印象派の画家たち。キュビスムの誕生に大きな影響を与えたセザンヌ。20世紀美術を絶えずリードしていったマティスやピカソ。そして抽象絵画の出現と発展。あるいは西洋美術の技法やテーマを学びながら、日本人としての表現の確立に悩み、挑戦していった洋画家たち。この展覧会では、ブリヂストン美術館のコレクションから約180点の絵画と彫刻をご紹介いたします。美術の世界のさまざまな展開を、一部屋ずつ散策するようにお楽しみいただければ幸いです。


展覧会 | permalink | comments(3) | trackbacks(2)

この記事に対するコメント

そうですね。この展覧会、とらさんのサイトと同じ
ネーミングだったのですね。
日本有数の名門美術館の展覧会と日本有数のアマチュアが
奇しくも一致したんですね。
一村雨 | 2008/09/07 9:58 AM
こんばんは。
暑くても寒くても、雨の日でも常設展にいつも同じように人が集まっていて感心します。どの絵にも解説をつけていないのは、見る人にゆだねるという狙いがあるのでしょうか。
サント=ヴィクトワール山ひとつだけでもこの美術館に行く価値がありますね。
キリル | 2008/09/07 11:17 PM
@一村雨さん
こんばんは。

初めてこのポスター観た時
いよいよとらさんとのコラボか!
と真剣に思ったくらいです。
とらさんの感想や如何に?

@キリルさん
こんばんは。

>サント=ヴィクトワール山ひとつだけでもこの美術館に行く価値がありますね。
分かっていらっしゃる。
これあればご飯何杯でも食べられます!

>サント=ヴィクトワール山ひとつだけでもこの美術館に行く価値がありますね。
もっともっと声を大きくして。
日本にこの絵がある奇蹟。
ただただ嬉しく思うばかりです。
Tak管理人 | 2008/09/08 12:23 AM
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