青い日記帳 

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「スリランカ展」

東京国立博物館表慶館で明日より開催される
特別展「スリランカ―輝く島の美に出会う」のプレスプレビューにお邪魔して来ました。(特別展 スリランカ公式サイト



スリランカと聞いて思い浮かべることが紅茶くらいしかない自分。果たして観に行って楽しめるか不安でしたが表慶館の入口に設けられた「ムーンストーン」と「ガードストーン」に導かれ入館するとその不安もどこへやら。

インド洋に浮かぶセイロン島。シンハラ語で「光り輝く島」という意味もスリランカは2000年の歴史を有し国民の大半が仏教徒。日本との共通点も多そう。

しかし今回の展覧会を拝見しまっ先に感じたことは仏教徒は仏教徒でも大変敬虔な仏教徒である点。寺院の入口に設置されている「ムーンストーン」を通る際は深くお辞儀し裸足になるそうです。日本人がすっかり失くしてしまった「礼の精神」が今でも生活の中に色濃く残っている様子がうかがえます。


表慶館入口の「ムーンストーン」と「ガードストーン

展覧会は大きく分けて3つの章から。
第1章:アヌラーダプラ時代(紀元前3世紀〜後11世紀)
第2章:ポロンナルワ時代から諸王国時代(11〜16世紀)
第3章:キャンディ時代とそれ以後(16〜20世紀)


東博の小泉惠英氏からそれぞれの章の見所、ポイントをお聞きしました。

第1章:インド伝来の上座部仏教(小乗仏教)美術及びその後に起った大乗仏教美術関連の作品。

第2章:11世紀よりインドのチョーラ朝によるスリランカ支配の影響により起ったヒンドゥー教美術及びそれに対する仏教美術。

第3章:ヨーロッパ諸国による植民地化政策により衰退した仏教を復興。また同時に工芸品や象牙細工、装飾品などの工芸文化。


百聞は一見に如かず。会場内へgo!!
写真は主催者の許可を得て撮影したものです

第1章

ヤクシニー」や大小の「如来坐像」が展示されています。

どの「如来座像」も日本のそれとはポーズに若干の違いが見られます。
後期アヌラーダプラ時代・9世紀

最も大きな違いは「脚」足の組み方です。スリランカの仏像は「左足の上に右足をのせる」だけで「脚を組む」ことはしていません。(これを「勇猛坐」と呼ぶそうです)また手も「禅定印」という結び方だそうです。

それと日本の仏像には無いものとして頭の天辺に付いている「シラスパタ」(火焔形頭飾)にも注目です。20儖幣紊發△襦屮轡薀好僖拭廚眞餌里播玄┐気譴討い泙靴拭B3章にあった「仏涅槃像」にも「シラスパタ」が…さて、横に寝るとこれどうなると思います?


こちらは「如来立像」三点
7〜10世紀にかけて制作された仏像。中央の如来立像はブロンズ製としてはスリランカ最大のものだそうです。

日本の仏像と比べると下半身、特に腰回りがとてもしっかりしている印象受けます。仏様やっぱり「安定感」ないとね。

さて、スリランカには7つの世界遺産があるそうでうすが、その中でも古代都市シーギリヤはパネル展示だけを見てもその異様さが際立ちます。

5世紀のカッサパ1世は父から王位を奪ったものの、自らの弟による復讐を恐れてアヌラーダプラを放棄し、このシーギりヤの地を選んで都を遷し、平原に屹立する巨大な岩山の上に宮殿を構えた。

シーギリアから出土するテラコッタ像「アプラサス像

シーギリアの岩壁には「シーギリヤレディ」と呼ばれる壁画が描かれているそうです。そしてその描かれた場所の下からは「アプラサス像」(天女)が数多く出土するとか。壁画に描かれた天女たちもかなり「立体感」ありますが、テラコッタ像は更にボリュームが。

表慶館二階へ上がると今回の展覧会の目玉作品がお出迎え。

観音菩薩坐像」後期アヌラーダプラ時代・9世紀

写真で観るよりも数百倍は神々しく威厳に満ちさらに全体の調和のとれた仏像です。どの角度から見ても破綻のない造形美は必見。決して大きな仏像ではありませんが重さ約20kgもあるそうです。

勿論、東博ですからぐるりと360度お好きな角度から愛でること出来ます。

「観音菩薩坐像」の向こう側には「金剛手菩薩立像」が展示されています。9世紀に作られたとされる菩薩様ですが何と左手に三鈷杵を握っています。三鈷杵は密教の法具。この時代密教がスリランカ仏教にも影響を与えていたことがこれから分かるそうです。

ここまでが第1章。きっと「スリランカ展」に対するイメージが変わったかと。そう紛れもなくこの展覧会仏像ファン必見です!!日本に伝来した仏教美術との比較だけでも十分楽しめる展覧会です。

正直自分も第1章だけでかなり満足してしまいました。

第2章

突然仏教の神々からヒンドゥー教の神々の登場となります。
シヴァ・ナタラージャ像」ポロンナルワ時代・12世紀
パールヴァティー立像」ポロンナルワ時代・13世紀

「舞踏のシヴァ」像がまさか観られるとは…これは見逃せません。


シヴァ坐像」「パールヴァティー坐像」共にポロンナルワ時代・11世紀

夫婦像。これらは仏教寺院から出土したそうです。ポロンナルワ時代のヒンドゥー教勢力がいかに勢力があったかを小さな神の坐像が雄弁に物語ります。



この他にもシヴァに祈り全身を醜い婆の姿に変えてしまった女性「カーライッカール・アッマイヤール坐像

また「ガネーシャ坐像とヴァーハナ」といった動物の石造もあり、第1章から一転目にするものほぼ新鮮な驚きを与えてくれるものばかり。

「仏教の国」というイメージが強いスリランカにおいて、2000年の歴史の中では僅かの間ですがヒンドゥー教がこれほどまで勢力を伸ばしていた時期があったこと教えてくれる大事な章。ただしこの時代にあっても細々と仏教は途絶えることなく来るべき復興に向け続いていたことも示されています。

そして最後の章へ…

第3章

仏涅槃像」後期キャンディ時代・18-19世紀

第1章に書いた「シラスパタ」(火焔形頭飾)横になってもそのままのようです。そしてこの時代になってもまだまだ健在。隣の「如来立像」の頭にもしっかりと。

一時衰えた仏教を復興させるべく様式を新たにし多くの仏像が制作。第1章後半で観た伸びやかな印象を与える仏像に比べると比較的フラットで凡庸な印象の仏像が多いように思えました。

好き嫌いの問題なのか、それとも植民地政策との関連もあるのかなーこの辺、詳しくお聞きしてくれば良かったと反省。

さて、一階に下りると近現代の工芸品や装飾品などが展示されています。

左の小さな物体は「チャーナム入れ
ビンロウ(檳榔)=噛みタバコなどに用いる日用品的な品々。
スリランカではなく自分は台湾に行った時にこの「ビンロウ」を現地の方に勧められ口にしたことあります。その時の様子はこちら

全く関心のない国の文化を紹介する展覧会でしたが、博物館に向かう途中に車内で不安に思ったことが嘘のように会場を後にする時には満足度150%!!満喫させてもらいました。

スリランカという国をもっと多くの日本人に知ってもらいたいというスリランカ政府の強力なバックアップがあって初めて実現した、日本で最初の「スリランカ展」

出口付近で配布していたスリランカのパンフレットを帰宅し部屋で見ていると、アジア旅行大好きなかみさんが「フェルメールコンプリートしてやっとアジアの魅力に目が向いてきた?」とニヤニヤしながら。

もう少し政情が安定すれば行ってみたいものです。特に古代都市シーギリヤ!

最後に「今日の一枚


ウィッキーさんだ!!

どうしてウィッキーさんがここに?
理由は簡単、ウィッキーさんってスリランカご出身なのだそうです。
知らなかった〜

特別展「スリランカ−輝く島の美に出会う」の宣伝部長をお務めになっているそうで、関連イベントにも!「ウィッキーさんのトークショー
第1回 2008年10月3日(金) 14:00〜
第2回 2008年10月17日(金) 18:30〜
第3回 2008年10月31日(金) 14:00〜
第4回 2008年11月14日(金) 18:30〜


受付はスリランカ展公式サイトもしくは東京国立博物館のサイトでチェック!

「大琳派展」と「特別展 スリランカ」のお得なセット券も発売中だそうです。

詳しくはこちら

「スリランカ展」は11月30日までです。

「思わぬ偶然から、価値あるものを発見すること、またはその力」を意味する「セレンディピティ(Serendipity)」スリランカにこれまであまり馴染みのなかった方も、「セレンディピティ」によって、本展で思わぬ発見や幸運に巡り会えるかもしれません。

おまけ
スリランカと聞いて紅茶しか思い浮かびませんでしたが、女性の間ではまっ先にこちらが頭に浮かぶ方が多いそうですね。「アーユルヴェーダ
緑の島スリランカのアーユルヴェーダ
緑の島スリランカのアーユルヴェーダ
岩瀬 幸代

知らなかった…

それでは最後に「今日の美味


スリランカ金太郎飴」380円なり〜
今日はショップが開いていなかったので次回観に行った時に必ず。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1514

JUGEMテーマ:アート・デザイン


「光り輝く島」という意味を持つスリランカ。豊かな緑と美しい海岸に恵まれ、紅茶や宝石で知られるこの国には、2000年以上の長い歴史の中で人々が育んできた素晴らしい文化が存在します。
 本展では、仏像やヒンドゥー神像、仏具などの宗教芸術作品や、美しい宝石をふんだんにあしらった宝飾品など、国宝級の作品を含む約150件、スリランカの粋を一堂に集めて展覧いたします。スリランカの芸術作品をまとめて紹介する本格的な展覧会は日本では初めてであり、スリランカの文化遺産の魅力を知るまたとない機会です。


展覧会 | permalink | comments(15) | trackbacks(1)

この記事に対するコメント

スリランカ、遺跡巡りや寺院巡りをしたり、ビーチリゾートでノンビリしたり、とてもよい所なので以前はよく行っていたのですが、4年前に大津波が来てから行ってないのです。
最近テロも多発してるし、早く平和になって欲しいです。
この展覧会はもちろん絶対行きますわ!
えりり | 2008/09/16 10:42 PM
Takさんから頂いたチケットがありますので、近々行って来ます。

小乗仏教に触れるのは」、珍しいので興味津々です。
わん太夫 | 2008/09/17 12:01 AM
東博大好きで、常設展だけでも一日中のんびり見て回ってしまいます。
第一章の観音菩薩坐像、ほんと写真で見るだけでもずしっと存在感がある素晴らしい像ですね。
確かにこれは実物見に行かないと!
T.S. | 2008/09/17 8:37 AM
こんにちは
10月に行きますが、楽しみです。
特にシーギリヤ辺りが。
先般京博で、戦前にシーギリヤ壁画模写した画家の作品展があり、それでドキドキしてました。
実物を見に行くのはムリそうなので、こうした出開帳が嬉しいです。
それにしても金仏の背中のラインが艶かしいです。

>女性の間ではまっ先にこちらが頭に浮かぶ方が多いそうですね。「アーユルヴェーダ」

・・・すみません、わたしは最初に「セイロン・カレーやわ〜」とアタマの中に黄色いカレーが浮かんでました・・・
遊行七恵 | 2008/09/17 12:40 PM
コンドルもスリランカってセイロンティーぐらいしか(笑)
日本と同じく仏教徒の多いお国なのですね!
象もいるとは知りませんでした。。
コンドル | 2008/09/17 1:28 PM
薬師寺展の頃からの気合の入った美しいチラシが気になっていました。先週末の代々木公園でのスリランカフェスティバルでも前売り券を売っていました。
スリランカといえばウィッキーさんな私は、久しぶりにお姿をここで拝見して懐かしかったです。
kero | 2008/09/17 1:35 PM
朝食を食べながらNHKのニュースを見ていたら、
「スリランカ展」のプレビュー?の様子が映ったので
食べる手を止めて画面を見入ってしまいました。
うわーい、楽しみだなー。
スリランカは一度行ってみたい場所です。
スリランカの為にも、旅行者の為にも
治安が良くなってほしいです。
菊花 | 2008/09/17 8:37 PM
こんばんは。
今日さっそく行ってきました。
エキゾチックで、久しぶりにアジアンを感じてきました。
チラシのゴールドボディの観音菩薩坐像は
もっとずっと美しいお顔立ちで、
アタシは思わず光源氏!と思ってしまったのでした。
まだまだ余裕の状況で、じっくり楽しめました。
どこを切ってもスリランカ飴、見逃してしまいました!
今度東博に行ったら、チェックします!
Takさんのレビューにそうそう、と思いつつ、
あべまつの記事を書くのはいつのことやら・・・
あべまつ | 2008/09/17 10:20 PM
@えりりさん
こんばんは。

行かれたことあるのですか!
現地に行かれたことあるのと
無いのとでは展覧会の理解度も
かなり変わってくるかと。
驚きの連続でした。

@わん太夫さん
こんばんは。

日本の仏像さんたちと
似ているようで違いが素人目にもよく分かりました。

@T.S.さん
こんばんは。

常設展だけでも確かに一日以上かかりますよね。
それに法隆寺館や東洋館もあるので
とてもとても、、、
実物はもっと良いですよ。美しい〜

@遊行七恵さん
こんばんは。

シーギリヤをネットで検索してみましたが
あれ、確かに世界遺産にしても何の文句もありません。
まさに世界で唯一のもの。
壁画やテラコッタの女性たちが
思ったよりもグラマラスでドキッとしてしまいます。

インド、スリランカはじめ、アジアへは
縁のない私。これで少しでも興味が持てればと。

@コンドルさん
こんばんは。

同じ仏教徒の国でも
信仰が厚く生活に根付いています。
そしてとても敬虔な信仰を寄せています。
象さん一頭動物園からレンタル?!

@keroさん
こんばんは。

代々木公園でそのようなイベント開催されていたのですか
行ってみたかったです。展覧会に行きスリランカに
興味が出てきましたので。
ウィッキーさんとても礼儀正しい方でしたよ〜

@菊花さん
こんばんは。

治安が不安定なのが玉に瑕。
これだけはどうにもならないですからね。。。
頂いた政府観光局のパンフを
ながめていると、ほんと行きたくなります。

プレビューはとても静かでした。
日曜日に出勤した代休を有意義に
生かすことできたことにも満足。

@あべまつさん
こんばんは。

光源氏。なるほど〜
そう言われればそう見えなくもないですね。
とても中性的な感じの観音様でした。
一見へんてこなポーズとっているように
見えますが、どこから見てもパーフェクト!
素晴らしい造形美堪能できましたね。

感想楽しみにしています。
私が見逃してしまったポイント
いくつもあるはずです。
また琳派展と併せて観に行きます。必ず!
Tak管理人 | 2008/09/18 7:05 PM
こんばんは。

仏像にはあまり興味がなくていつも素通りですが、
この展示会はちょっと拝んでみたいですね。

>スリランカと聞いて思い浮かべることが紅茶くらい
私は「2001年宇宙の旅」で知られる

SF界の巨人 アーサー・C・クラーク氏

ですね。3月のご逝去には涙しました・・・。
shamon | 2008/09/18 9:05 PM
こんにちは。7月の京都国立博物館の杉本哲郎のシーギリア・レディーがとってもステキでした。非常に繊細な絵画ですね。報告の仏像もインドと違った繊細さを感じました。スリランカ展も楽しみですね。http://blogs.yahoo.co.jp/kazupon279/11777688.html
KAZUPON | 2008/09/19 12:19 AM
@shamonさん
こんばんは。

仏像も良いですよ。
見馴れてくると。
難しいこと分りませんが
良いものは何の知識なくとも
強く惹かれるものがあります。

@KAZUPONさん
こんばんは。

拝見しました。
同じ絵があってびっくり!
(こちらはパネルですが)
杉本氏の目の付けどころ
好いですね〜これ東京でも
開催してくれないかなー
Tak管理人 | 2008/09/19 11:47 PM
夜遅くにこんばんわ。
スリランカ展観に行きまして 期待以上によかったです。
というのは 目玉展示品の「観音菩薩坐像」が美しいだけでなく
超カッコよくて 傑作ですね。
こちらは何回見ても飽きなく 会期中のみ観れるのは残念かも。
360度観れますが 私のおすすめは 側面からみた感じが特にかっこよく この像は完成度高し。
hidamari | 2008/09/27 2:02 AM
はじめまして。 
elmaさんのところからお邪魔いたしました。 
こちらへは長いこと楽しみにしていて開催早々に出かけました。 
どれも素晴らしく目を見張るものばかりで! 
観音菩薩坐像は想像以上でした。特にあの後姿が忘れられないたのですがカタログにも写真はなく大変残念に思っておりましたがこちらで再会できるとは! 
本当に嬉しいです!!!! 
ありがとうございます♪
moli | 2008/11/08 8:41 AM
@moliさん
こんにちは。はじめまして。
コメントありがとうございます。

自分にとっては全く未知の国の展覧会
さてさてどんなものかと出かけたのですが
予想に反して大変好印象!
それも展示されている品々の質はさることながら
展覧会の構成の妙もその一翼を担っているかと。

後姿とてもきれいでしたね。
こんな下手な写真で申し訳ないです。

今後とも宜しくお願い致します。
Tak管理人 | 2008/11/08 10:24 AM
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