青い日記帳 

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アンケート:琳派三大巨匠誰がお好きですか?

先日もこちらでもお伝えしましたが東京美術の大人気を博している「もっと知りたいシリーズ」から、「琳派三部作」として琳派三大巨匠(俵屋宗達、尾形光琳、酒井抱一)が今月まとめて一挙三冊同時に発売となりました。


「もっと知りたい俵屋宗達」 村重 寧
「もっと知りたい尾形光琳」 仲町 啓子
「もっと知りたい酒井抱一」 玉蟲 敏子

このシリーズの特徴や魅力についてはあらためて紹介するまでもありません。シリーズの中の何冊かは本棚に並んでいるかと。ビジュアルの美しさだけでなく、しっかりとしてテキストやコラムがあって一冊1600円で買える、大変良心的な画集です。

数か月に一冊の割合で刊行されてきたシリーズですが、今回は大胆にも一気にまとめて三冊同時発売。前回発売になった「もっと知りたい曾我蕭白」(紹介記事)が出てからおよそ五ヶ月間新刊は出ていませんでした。その沈黙を破るかのようにし「琳派三部作」同時発売とはやってくれます。泣かせます。

はろるどさんもお書きになっている通り、来るべき「大琳派展」に向け、恰好の予習本となること間違いなしです。

簡単に三冊それぞれ紹介し、その後アンケート用意いたしましたので、是非とも清き一票を投じてやって下さい。

まずは俵屋宗達

「もっと知りたい俵屋宗達―生涯と作品」 村重 寧

機知に富む清新な画風で伝統を甦らせ琳派を創始した天才」と帯に宗達の紹介文が。

しかしながら宗達の生涯や制作活動はヴェールにつつまれたまま。関連する資料が極めて少ないのが難点。しかしながら筆者の村重氏はそこがまた魅惑的でもある。とお書きになられています。


「雲龍図屏風」フリア美術館所蔵

宗達は六曲一双の屏風と二曲一双の屏風とを画題によって使い分けていたとこの本の中で書かれてあります。そして二曲一双の屏風こそ宗達の独自性独創性が如何なく発揮されたものだそうです。


「伊勢物語」や「源氏物語」など王朝文学を視覚化した功績もまた忘れること出来ません。とりわけ「伊勢物語」はバランスと美しさを兼ね備えた数多の作品を出光美術館での展覧会でも十二分に堪能させてもらいました。

「もっと知りたいシリーズ」はビジュアル面でけではなく「読み物」としても大変充実したつくりとなっています。特に「酒井抱一」ではそれを強く感じました。

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お次は尾形光琳

「もっと知りたい尾形光琳―生涯と作品」 仲町 啓子

「琳派」の名前の由来はこの尾形光琳の「琳」の字から取られたもの。創始者とされる俵屋宗達ではなく何故尾形光琳なのか?

仲町氏は光琳の果たしたことや後の時代に与えた影響の他に「琳」という字が「美しい玉」という意味を持ち、見た目に派手なこの派の作品の特色を表そうとする意図も込められているとお書きになれています。村重氏とこの辺のトーンに温度差があるのも三冊同時に読んでみるとよく分かり楽しめます。


光琳といえば弟の乾山の存在を忘れることできません。
この本では乾山とのコラボレーションによって誕生した作品も数多く紹介。


宗達に比べると生まれた年も制作年代も大体のことは分かる光琳。光琳が20歳代の頃初めに学んだ狩野派の珍しい山水画なども紹介されています。

パラパラパラとページをめくっているだけでも、色鮮やかな作品群が目に飛び込んできます。琳派の琳の字が「美しい玉」という意味を持つことこんなことからも容易に理解できます。「宗達・光琳派」よりもやっぱり「琳派」は「リンパ」ですね。音の響きもまた美し。

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しんがりは酒井抱一

「もっと知りたい酒井抱一―生涯と作品」 玉蟲 敏子

今回出た三冊の中で最もテキストが充実しているのが酒井抱一。時代が新しいというだけでなく抱一が絵だけではなく俳諧など他分野に渡り当時活躍していた為、史料がふんだんに残されていることもその理由にあたります。

また筆者の玉蟲氏が2004年に上梓された「都市のなかの絵―酒井抱一の絵事とその遺響」という専門書を下地にし一般書向けにビジュアルをふんだんに用いたという経緯も文章が充実している原因かと。


抱一というとさっぱりとした画風の作品が頭にまず浮かびますが、こうした細密描写にも取り組んでいたそうです。谷文晁に倣った作品などキャプションなければ抱一だと分かりません。


これも以前、展覧会で目にして驚いたのですが、書記の頃、抱一は浮世絵を描いていたことも知られています。

譜代大名の家に生まれながらも家を継ぐことなく新吉原で浮名を流しながら書画に親しみ自由闊達な生涯を気ままに送ったと思われがちですが、ところがどうして一概にそうとは言えないようです。コラム「不本意な出家とその理由」など必読かと。

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いずれにしても現在「琳派三大巨匠」と称される三人の絵師について、知っていることがほんの一部分であり断片的であること「もっと知りたいシリーズ」を読むと思い知らされます。毎度のことながら。

満を持して今この時期に何十年ぶりに開催される「大琳派展」に向けとにかく一度は目を通しておきたい三冊です。

因みに鈴木其一や、池田孤邨、野々村忠衛門、渡辺始興そして深江芦舟など(深江の「蔦の細道図屏風」は宗達、光琳両方の本で紹介されていました)琳派の画家もそれぞれ紹介。また本阿弥光悦や狩野派、土佐派にまつわることも。。。とにかく内容盛り沢山。サービス精神に充ち溢れるシリーズです。

「もっと知りたい俵屋宗達」 
「もっと知りたい尾形光琳」 
「もっと知りたい酒井抱一」 

さてさて、お待ちかね?琳派三大巨匠アンケートコーナーです。
三人の中からお好きな画家一人選んで投票して下さい!
投票結果」をクリックすると現在の得票数が分かります。



一日一票!?

おまけ
「もっと知りたい宗達、光琳、抱一」の裏表紙です。
それぞれの絵師の特徴よく掴んでいますよね〜

因みに左から抱一、宗達、光琳の順です。


「もっと知りたい俵屋宗達―生涯と作品」 村重 寧


「もっと知りたい尾形光琳―生涯と作品」 仲町 啓子


「もっと知りたい酒井抱一―生涯と作品」 玉蟲 敏子

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尾形光琳生誕350周年記念特別展「大琳派展」〜継承と変奏〜
10月7日(火)〜11月16日(日)
 本展は、琳派を代表する本阿弥光悦・俵屋宗達・尾形光琳・尾形乾山・酒井抱一・鈴木其一の六人の作品により、わが国の美術に大きな足跡を残したその芸術を展望しようとするものです。
 琳派の特徴のひとつとして、先達の作品に触発され、同じ主題の作品を描いている点があげられます。本展最大の見所のひとつは「風神雷神図屏風」など、同じ主題の著名作品を同時に対比展示することです。
 本展では尾形光琳を中心とした琳派の系譜を具体的にたどる一方で、各作家の独自性を約200件の作品により探ります。琳派芸術を余すところなく展覧するまたとない機会となります。どうぞご期待ください。
美術手帖 2008年 10月号 [雑誌]
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この記事に対するコメント

早速、抱一に清き(?)一票を入れました。

琳派展、必携の三冊になりそうですね。
はろるど | 2008/09/18 12:39 AM
何といっても、センスの良さから、宗達です \(~o~)/
わん太夫 | 2008/09/18 12:53 AM
ワタシも抱一に一票〜
でもほんとは鈴木其一とか中野其明の方が
好きなんですけど・・・
サノア | 2008/09/18 6:21 AM
Takさ〜ん☆
投票してきました☆
光琳☆好き好き☆なrossa☆です。
rossa | 2008/09/18 8:44 AM
私は断然宗達ですね〜。
学生の頃、授業で抱一の作品を実際に手にしましたが(掛け軸の各部名称や扱い方の授業でした)、その頃は恥ずかしながら抱一の名前も知らず、ぞんざいに扱ってしまったような・・・反省。
T.S. | 2008/09/18 9:06 AM
投票しました☆

其一好きのわたしとしてはやっぱり抱一でしょうか。
と言いつつ琳派好きなのでちょっと悩みました。

でも・・・ほんとは継承者の神坂雪佳が一番すきなんですが。
(でも、ココまでははいらないんだろうな。。この大琳派展の領域には。。。)

十六夜 | 2008/09/18 10:19 AM
酒井抱一LOVE♪なので、迷わず1票!投じさせていただき
ました☆「大琳派展」凄いですね〜!!
Ichi-N | 2008/09/18 3:15 PM
@はろるどさん
こんばんは。

今日はメールありがとうございました。
あちらも必携?ですかね。

@わん太夫さん
こんばんは。

宗達、現在第二位につけています。
宗達あっての「リンパ」ですからね。

@サノアさん
こんばんは。

抱一人気あります。第一位譲りません。
其一もあっけらからんとしていて良いですね。
今月号の「美術手帖」で山下氏が「来る!」と語ってます。

@rossaさん
こんばんは。

投票楽しんでいただけました?
たまにはこういうのも悪くないですよね。
登録するのにえらく手間かかりましたが。。。

@T.S.さん
こんばんは。

断然ですか!
宗達の遺したもの大きいですからね。

抱一を授業でとは何とも贅沢な!
羨ましいです。一度ケース越しでなく
手に取って拝見したいものです。

@十六夜さん
こんばんは。

其一、そういえばNHKでも取り上げていましたよね。
何でも価値が認められたのは近年になってからとか。
海外に流れてしまっている作品多いそうです。

雪佳はある意味、別格でしょう〜
東博、京博で「雪佳展」開催希望です!
大々的に!それと芳中もね。

@Ichi-Nさん
こんばんは。

清き一票有難うございました。
抱一女性票大量に獲得しそうです。
生前から女性に人気ありましたからね。。。
Tak管理人 | 2008/09/18 7:13 PM
悩んだんですが、やっぱり、コーリンに一票入れてきました。
AOKIT制作所 | 2008/09/18 9:02 PM
@AOKIT制作所さん
こんばんは。

まずいでしょう、やはり他では。
コーリン・キットが泣きます。
Tak管理人 | 2008/09/19 11:45 PM
TBありがとうございました。私も抱一に一票です。
しかし抱一さん、何だか予想以上に大人気?ですね。
飛嶋千尋 | 2008/09/20 10:16 PM
@飛嶋千尋さん
こんばんは。

抱一人気ナンバー1ですね。
こうなると書籍の売り上げの方も気になります。
知っているようで知らない(そして知りたい)
作家さんなのでしょうね。抱一。
Tak管理人 | 2008/09/20 11:46 PM
わたしは宗達のオリジナリティに一票。
とら | 2008/09/24 7:38 PM
@とらさん
こんばんは。

有り難うございます!
29日にお会いしましょう。
Tak管理人 | 2008/09/25 11:27 PM
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