弐代目・青い日記帳 

  
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「ハンマースホイ展」(ロンドン)
ロイヤル・アカデミー・オブ・アーツ、ロンドン(Royal Academy of Arts)で開催されたヴィルヘルム・ハンマースホイ「静かなる詩情」展(Vilhelm Hammershøi: The Poetry of Silence)に行って来ました。
上野で開催中の「ハンマースホイ展」の感想はこちら



ヴィルヘルム・ハンマースホイ(Vilhelm Hammershøi,1864年〜1916年)という画家の名前は頭の中に存在しなくても、2007年東京都美術館他で開催された「オルセー美術館展」に出展されていたこちらの絵を描いた人だと言えばピンと来る方も多いはず。


ヴィルヘルム・ハンマースホイ「室内、ストランゲーデ30番地

とかく日本人は「作家名で作品の良し悪し決めつけてしまう」と悪口浴びせらますが、何々そうとばかりは一概に言えないようです。

それを証明するかのように「オルセー美術館展」のミュージアムショップで販売されたポストカードの中でこのハンマースホイ「室内、ストランゲーデ30番地」が何と売上ベスト5に入ったというのですから。(私も買った一人です)

たとえ無名の画家の作品であっても心惹かれるのは誰しも一緒。それを見事にハンマースホイが示してくれたと言えます。

その静かな人気に応えるべく今月下旬から国立西洋美術館で「ヴィルヘルム・ハンマースホイ展」が開催されます(2008年9月30日〜12月7日)
「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」公式サイト

ロンドン展に出展された作品に数十点作品を加えて日本にいよいよやってきます。今日、ご紹介するのは日本での公開を前に今年の夏(28 Jun-7 Sep 2008)ロンドンで開催された「ハンマースホイ展」について。


王立芸術院(Royal Academy of Arts)はロンドンの中心ピカデリーサーカスから歩いて数分の場所にあります。創設は1768年。

通りから一歩アカデミーの中へ足を踏み入れると、外の喧噪が嘘のような空間が眼前に広がります。(アンソニー・カロの彫刻が今年は設置されていました)



海外の展覧会では滅多なことがない限りメモなど取らない自分が展示室へ入ったとたんに、つらつらと思いついたままの感想を。「オルセー美術館展」で一枚だけ観ただけでもあれだけ人を魅了した作家の展覧会です。悪いわけありません。


Interior」1899年

初期の風景画や旅行先で描いた作品を除き、そのほとんどが室内(彼の家)で描かれたものばかり。室内画といえばフェルメールやホーホなどオランダ・フランドル絵画がまっ先に頭に浮かびます。

ハンマースホイが実際に17世紀のオランダ絵画から大きな影響を受けたことは間違いありません。しかし今回あらためて間近で拝見すると絵の具の塗り方など決定的な違いがいくつも発見できました。

ハンマースホイの描く作品は大変薄塗りでキャンバス地が薄っすらと透けて見えてしまいそうなほど。キャンバス表面のザラザラした質感がそのまま作品に生かされています。


左:フェルメール「窓辺で手紙を読む女」1658年頃
中央:ハンマースホイ「Woman Reading」1908年
右:フェルメール「手紙を読む青衣の女」1663年頃

フェルメールの作品に通づるものが感じられるハンマースホイの室内画。それはフェルメールの画風がより洗練されたものへと確立していった「手紙を書く青衣の女」に近いことがこうして比べるだけでも一目瞭然。(「窓辺で手紙を読む女」のカーテンや窓がうるさく感じられてしまうほど)

先ほど17世紀オランダ・フランドル絵画に影響を受けたと大雑把な表現しましたが、例えばヤン・ステーンのような陽気でガヤガヤとして作品ではなく、あくまでも静かなそれこそ「詩情」豊かな作品から厳選し自分の作品に取り入れていったことが分かります。


左:ハンマースホイ「Young Girl Sewing」1887年
右:フェルメール「レースを編む女」1669年頃

これまた前言を翻すようですが、「レースを編む女」のキャンバス地が見えるほどの薄塗りとハンマースホイのそれはとても共通する点かと。

とりわけ壁の表面の処理など是非ともこの二枚を並べて観てみたいものです。


「ハンマースホイ展」会場入口付近

さて、ロンドン、日本展共にポスターに大々的に使用されている作品がこちら。

ハンマースホイ「Interior:Young Woman seen from Behind」1904年

「背中フェチ」なんて言葉あるかどうか知りませんが、とにかくハンマースホイの描く作品に登場する女性の多くは背中をこちらに向けています。時に窓辺でったり、時に壁に向かってであったりと。

面白いのは背中を向けた女性を描いた作品と同じ場所でありながら単に室内を描いただけの作品が存在したりもします。「顔」はその人の人格を表すと同時に大きな「意味」を与えてしまいます。(「情報量」が多いと言ったほうがいいかな)

人物を描きながらもそれを極力抑え普遍化するための最も有効な手段として「背後」を好んで描いたのかもしれません。

また、この画素数を落とした画像でも表面がザラザラしている様子お分かりになろうかと。実はこれ光を表現したもの(多分)。。。筆致を縦横と交互にリズミカルに重ね合わせることによりハンマースホイ流の光の表現したのかと(推測)

是非とも上野でじっくりと観て確認して観て下さい。
まるで紙やすりの表面のような作品もありました。

9月30日から国立西洋美術館で始まる日本巡回展楽しみになってきましたでしょ!この秋、最も見逃せない、そして観れば必ず惚れこんでしまう画家「ハンマースホイ」デンマーク出身の知られざる画家の持つ得も言われぬ魅力にどっぷり浸かってしまいましょう。

「ヴィルヘルム・ハンマースホイ 静かなる詩情」公式サイト

室内画だけでなく、人影のない風景画や建造物を描いた作品も見逃せません。

最後に「今日の一枚


ハンマースホイ「Sunbeams or Sunshine」1900年

人物が登場しない室内画もまた魅力的。描かれた時間によって差し込む角度の違う日の光を飽くことなく捉え描いています。

因みにこの作品はDの部屋で描かれたものです。


こうした楽しみが待っています!

公式サイト内にあるハンマースホイが住んでいた部屋を3Dで再現した「ハンマースホイの部屋」はもの凄い出来具合。必見どころではありません。ハンマースホイのお宅訪問できちゃいます。



ロンドン展より数十点多くスケールアップして上野にやって来ます!
フェルメールのお株を奪う静謐さを引っ提げて!!


国立西洋美術館
9月20、21日は「ファン・デー」入館無料です。

Hammershoi
Hammershoi
Felix Kramer,Naoki Sato,Anne-Birgitte Fonsmark
Royal Academy of Arts

おまけ
ロンドンの地下鉄の駅にあったハンマースホイ展のポスター

絵になるな〜

それでは最後に「今日の美味


静謐な展覧会を紹介したカウンターとして…上野「肉の大山」の「ハンバーグステーキ」お肉屋さん直営店だけあって安くて美味しいのですが、如何せん場所が…男一人でがっつり食べたい時のみお勧め。因みにランチはこれにライス、サラダ、ドリンクバーも付いて780円なり〜

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1516

JUGEMテーマ:アート・デザイン


十九世紀末から二十世紀初頭にかけて活躍したデンマークの国民的画家の本格的な回顧展。生前高い評価を受けながら没後急速に忘れ去られたが、最近、パリ・オルセー美術館やニューヨーク・グッゲンハイム美術館で個展が開催されるなど再び脚光をあびている。この展覧会では世界各地のコレクションから約60点を紹介する。閉幕後、日本へ巡回予定
| 展覧会 | 23:25 | comments(8) | trackbacks(0) |
わたしは昨年の「オルセー展」で初めてハンマースホイを知りました。
そしてハガキを買った一人です。
ハンマースホイがモデルにしたのは奥さまのアイダ夫人だそうですね。
顔がよくわからないのが残念ですが、後ろ姿がこれだけ美しいので…と想像してしまいます。
それにしても地下鉄の壁のタイルの色ったら!
| さちえ | 2008/09/18 11:40 PM |

管理者の承認待ちコメントです。
| - | 2008/09/19 10:26 AM |

こんにちは。
この画家の画はストックホルムへ行った時にいくつか観て気になってました。そういえばオルセー展にも来てましたね。西美の展覧会は今から楽しみです。ご参考までに、ストックホルムの記事は↓
国立美術館:http://cardiacsurgery.hp.infoseek.co.jp/
Children062Stockholm.htm#060910
ティールスカ・ギャレリー:http://cardiacsurgery.hp.infoseek.co.jp/
Children062Stockholm.htm#060913b
| とら | 2008/09/19 10:29 AM |

@さちえさん
こんばんは。

オルセー展での彼の作品
静かな作品ながらぐいぐい
惹かれるものありましたよね〜

夫人の顔描いたものもあります!
当日のお楽しみということで。

地下鉄はピカデリーサーカス駅です。

@とらさん
こんばんは。

リンクが長くなるとブログの形が
崩れてしまうので、切らせてもらいました。
本文の方へリンク貼っておきます。

西美での前日お時間あります??
| Tak管理人 | 2008/09/19 11:53 PM |

寡聞にして全く存じませんでしたが、なんか良い!!!
なんというかツボに直球入りました?!(笑)
ちょうど来月から帰国しますので必ず行きます!!!
Takさん、紹介感謝です。
| OZ | 2008/09/20 4:34 AM |

Takさん
こんばんは。
長大なURL失礼しました。
前日空いています。
| とら | 2008/09/20 7:37 PM |

清潔感ある澄んだ色調、精神性を感じる陽射し、優しさを感じる女性の背中、
整然とした美しい室内。。
みんな見てみたいです!
ご紹介をどうもありがとうございました☆
| Ichi-N | 2008/09/20 10:40 PM |

@OZさん
こんばんは。

ハンマースホイ絶対にこれから
多くの方の注目浴びることとなります。
そしてそれは称賛とともに。
日本国内での展示の方が充実しているのも嬉しいですね。

@とらさん
こんばんは。

前日それではあらためてメール差し上げます。
今しばらくお待ちください。
空けておいてくださいね!

@Ichi-Nさん
こんばんは。

小出しにして申し訳ないのですが
今回取り上げた画像はほんのほんの一部です。
きっときっと静かな感動得ることできるかと。
今月末からの展覧会楽しみですね!
| Tak管理人 | 2008/09/20 11:38 PM |










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