弐代目・青い日記帳 

  
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「近代日本の巨匠たち」展
出光美術館で開催中の
「出光コレクションによる 近代日本の巨匠たち−上村松園・東山魁夷・佐伯祐三・板谷波山・富本憲吉・平櫛田中−」展に行って来ました。



今年一月出光美術館水曜講演会:「伊勢物語絵を楽しむ」を拝聴した際、出来たてホヤホヤの「展覧会案内」を頂きました。その中でひと際目を惹いたのが今回の「近代日本の巨匠たち展」

出光美術館コレクションと言えばもっともっと古い時代のものばかりだと思っていたので、掲載されている上村松園の「」に違和感すら覚えたほど。

持っていらっしゃるのですね、明治、大正、昭和時代の作品も。。。
(出光の場合、日本美術のみならずルオーやサムフランシスなど西洋絵画の面でも充実したコレクションを持っているのですから驚いてしまいます)

さて、展覧会は4章立てで構成。
絵画→茶道具→工芸品と知られざる?出光近代日本コレクションを総花的に展示、紹介。鑑賞のポイントが絞りにくい面も否めませんでしたが、今回は「お宝拝見」といった気分で肩の力抜いて鑑賞してきました。

1:近代のめざめ

初っ端から上村松園、田能村直入、冨岡鉄斎、佐伯祐三、小杉放菴、月岡芳年など、山種美術館とは似ているようで違う顔ぶれが。コレクターの趣味をこういった処から垣間見ることできるのも愉快愉快。

一枚だけですが東山魁夷も。

東山魁夷「春梢」1983年

ヨーロッパを旅した際にスケッチしてきた風景を元に描いているとか。東山魁夷実はちょっと苦手なんだよな〜という方でもこれは好きになれるかも。特有の平べったさをさほど感じさせない作品です。これは必見!


佐伯祐三「踏切」1926年頃

佐伯祐三がその短い生涯の中で描いたパリの情景には今一つピンとくるものがなく、大抵あっさり観て次の作品へ足を進めてしまうのですが、現在でもアトリエが保存されている新宿区にある佐伯公園周辺の風景を描いた作品には逆に強く心惹かれるものがあります。

この作品を描いた1926年(大正15年)の二年後には結核により30歳という若さでこの世を去ってしまう佐伯。そんな彼が、現在の新宿区周辺を描いた作品の中の一枚がこの「踏切」

こちらのサイトによると、この踏切は「雑司谷西谷戸大門原1126界隈」の山手線の踏切だそうです。参照:80年前の開かずの踏み切り。

これから話の内容がどんどん悪化する小説の一場面を切り取ったかのような、暗雲立ち込める、今にも泣き出しそうなグレーの空。「時代の機微」を察知しそのまま色に落とし込んだような空は、歴史を知る者にとっては佐伯の末期を予見しているかのようにも思えます。


小杉放菴「金時遊行」1937年頃

この展覧会、別名「小杉放菴と板谷波山展」としても違和感ないほどこの二人のコレクションは特に充実しています。波山はあちこちでお目にかかることあっても、放菴は中々これだけまとめて観るチャンスはなかろうかと。

因みに2009年2月21日〜3月22日まで出光美術館では「小杉放菴と大観」展を開催するそうです。サブタイトルが「響きあう技とこころ」。予習の意味も含め放菴に慣れておくのもよろしいかと。

この他、月岡芳年「風俗三十二相」1888年も4点ほど展示されていました。期間中展示替えがあるそうです。こちらは以前、東博で撮影してきた一枚

風俗三十二相 うるさそう」(今回展示されていました)

猫が困ったような顔しているのがおかしい。
何なら代わってあげてもいいけど。

2:茶のいろどり

朝鮮王朝時代の「井戸茶碗」と昭和になって川喜田半泥子によって作られた「井戸手茶碗」が並べて展示されるといった展示パターン。

茶碗の良し悪し全く分からない自分。こうして比較対象物があるのは嬉しいかも。それでもいま一つぴんと来ないのですけどね。。。

3:和のモダニズム

ここはパス。高井白陽の作品がずらり。

4:近代陶芸のパイオニア−板谷波山vs富本憲吉

 
左:板谷波山「葆光彩磁花卉文花瓶」1928年頃
右:富本憲吉「色絵金銀羊歯模様角瓶」1959年頃

二人の作品をそれこそ一生分観られます。観飽きてしまうほど。よくぞまぁここまで集めたものかと。でもきっとこれでもまだ一部なんでしょうね。展示作品数多すぎて飽き飽きしてしまうほど。

もうしばらく波山は観なくてもいいや。

最後に「今日の一枚


上村松園の「」1937年

これに釣られて観にきてしまったので、第1章はとってもとっても楽しめました。前述したとおり山種美術館とのコレクションの差異を楽しみつつ、一点一点初めて目にする作品にどっぷり浸れました。

ただ、自分のように絵画をメインに観に行くと出口付近で物足りなさ感じてしまうかと。あくまで「近代日本の巨匠たち」展であり「近代日本の巨匠たち」展ではないので。。。

そうそう、松園の「春夏秋冬」というタイトルの四幅対の作品。これも必見かと。特に浮世絵好きな方にはお勧めです。松園が浮世絵の美人画からモチーフを得ていることよーく分かります。

もっと知りたい上村松園―生涯と作品 (アート・ビギナーズ・コレクション)
もっと知りたい上村松園―生涯と作品 加藤 類子

「近代日本の巨匠たち」展は10月26日までです。

次回の展覧会はこちら。11月1日〜12月23日

「やきものに親しむVI 陶磁の東西交流
―景徳鎮・柿右衛門・古伊万里からデルフト・マイセン―」
(特集展示:南蛮風俗図)

出光美術館お出かけついでにこちらも。

カウパレード東京丸の内2008
10月19日まで73頭の牛が丸の内をジャック!
一昨年2006年の様子はこちら

今年は田中偉一郎のとんでもない牛が東京国際フォーラムにいます。


それでは最後に「今日の美味


むぎたん 銀座店」の「季節の野菜焼き
カウンター席僅かしかないけど、座れたらこれがお勧め。
焼き上がる様子眼の前で見ながら是非。
牛タンのお店だけど、モツ鍋も美味い!

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 「出光美術館名品展 II」(後期)
- 弐代目・青い日記帳 | 「出光美術館名品展 機
- 弐代目・青い日記帳 | 「出光美術館名品展 II」
- 弐代目・青い日記帳 | 「国宝 風神雷神図屏風展」
- 弐代目・青い日記帳 | 出光美術館フリーパス
- 弐代目・青い日記帳 | 水曜講演会「浮世絵の美と芸術」
- 弐代目・青い日記帳 | 「志野と織部展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「仙僉Ε札鵐イ・SENGAI 」展
- 弐代目・青い日記帳 | 「青磁の美展」
- 弐代目・青い日記帳 | 「ルオー大回顧展」

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華やかさと気品、そして格調の高さを誇る近代の美意識。明治・大正・昭和を生きた巨匠たちは、日本の伝統美を受け継ぎつつも、新たな作風の確立を目指しました。当館では初公開となる上村松園「灯」をはじめ、東山魁夷「春梢」、平櫛田中「張果」など、日本画、洋画、陶磁、工芸それぞれの分野から知られざる珠玉の作品を一挙公開します。出光コレクションでみる近代日本美術。どうぞご期待ください。なお、併設としてセンガイの名品を展観します。
| 展覧会 | 23:28 | comments(7) | trackbacks(1) |
そうそう、私も、松園の絵の宣伝に惑わされて
近代日本画の展覧会とばかり思っていました。
私は波山にどっぷりと見とれてしまいました。
| 一村雨 | 2008/09/21 8:01 AM |

カウパレード、懐かしい~!
2/3くらい撮ったけど、面倒くさくてフルコンプしそびれた思い出がよみがえりました(笑)。

ブラウザをChromeにしたら『青い日記帳』見れるようになりました!
これからはまたちゃんと伺うようにします(ノ∀`)
| 紫式子 | 2008/09/21 8:38 PM |

@一村雨さん
こんにちは。

看板に偽りアリ?!
とはじめ思いましたが
あれだけ多岐に渡るコレクション
拝見でき満足満足。

@紫式子さん
こんにちは。

カウパレード今年は芸術家さんや
ゲーノー人のウシも出ていて話題性は
あるのですがイマイチ盛り上がりに。。。
でも東京駅周辺は牛だらけです。

ブラウザによって観られないのですか・・・
うーん、うちのウインドウズとMacでは大丈夫
なんですけど。。。
| Tak管理人 | 2008/09/22 7:51 AM |

こんばんは。TBありがとうございました。

カウパレードはいつの間にか終わっていたのですね。
盛り上がりイマイチでしたか…。
ちょっと飽きられた感があるかもしれません。

出光は久々にのんびりと楽しんだ気がします。
ここの洋画展なども是非見てみたいです。

>牛タンのお店だけど、モツ鍋も美味い!

そろそろもつ鍋の美味しい季節になってきました。
またよろしくお願いします!
| はろるど | 2008/10/28 9:43 PM |

@はろるどさん
こんばんは。

カウパレード前回ほど
盛り上がりに欠けましたね。
もう少し密集させないとね。

いきなりビルの前に牛がいても
誰も見向きもしませんから。

このお店美味しいですよ。
それほど高くないですし。
野菜焼きとかも美味。
行きましょう、行きましょう。
飲んでないとやってられなく
なってきました。。。

ツケまわってきた感じです。
| Tak管理人 | 2008/10/28 10:52 PM |

こんばんは
わたしけっこう総花的なのも好きなんです♪
というか、出光はわりと特集を組んでいても、そのリストの外に素敵な工芸品を、まるでインテリアのように配することが多いので、違和感ないのかもしれませんが。

小杉放菴の展覧会はずーっと待ってました。
とても嬉しいです。来年は123・・・月と続けさまに都下潜伏かも、と今からカクゴ中です。
| 遊行七恵 | 2008/11/02 10:25 PM |

@遊行七恵さん
こんばんは。

小杉放菴お好きですものね〜
これは遊行七恵さん出番です!
一度くらいご一緒させて下さい。
そして是非レクチャーを。

出光さん今回の「大琳派展」にも
かなり出展されていますよね。
昔琳派展開催されましたが
今、またそろそろやってもいいかも。
| Tak管理人 | 2008/11/02 10:59 PM |










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「近代日本の巨匠たち」 出光美術館
出光美術館(千代田区丸の内3-1-1 帝劇ビル9階) 「出光コレクションによる近代日本の巨匠たち」 9/6-10/26(会期終了) 気軽に楽しめる名品展でした。館蔵の日本画、洋画、陶器、工芸など、約100点を総覧します。「近代日本の巨匠たち」へ行ってきました。 芳年か
| はろるど・わーど | 2008/10/28 9:38 PM |
編集・執筆を務めた『カフェのある美術館 素敵な時間を楽しむ』(世界文化社)好評発売中です。


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