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映画「消えたフェルメールを探して」

映画「消えたフェルメールを探して」の試写会に行って来ました。


消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス
1990年3月、ボストンの美術館がアメリカの美術品盗難史上、最高額5億ドルの被害に遭った。その中には生涯35点の作品しか残さなかったフェルメールの「合奏」が含まれていた。500万ドルの懸賞を賭けた、FBIの捜査もむなしく、この絵画は未だ見つかっていない。この盗まれた「合奏」の捜査を行う、絵画盗難専門の探偵ハロルド・スミスとともに、事件の謎に迫る。



有り難いことに、二週連続で金曜日に「消えたフェルメールを探して」を拝見させて頂く機会に恵まれました。先週は初めて入った「試写室」にドギマギし場の雰囲気に慣れぬまま終了。途中睡魔に襲われたこともあり、記憶も飛び飛び。。。

二度目の今日は、慣れた東京都美術館の講堂。レベッカ・ドレイファス監督の舞台挨拶も用意された「プレミアム試写会」これはうとうとするわけにはいきません。

さて、肝心の映画ですが、もしかしてフェルメールについてお詳しくない方の方が、逆に楽しめる映画かもしれません。これは前回も今回も感じたことです。

例えばこの映画の核心である、フェルメール「合奏」他12点(レンブラント、フリンク、ドガ、マネ)が盗まれたガードナー美術館の盗難事件については、朽木ゆり子氏の「盗まれたフェルメール」に大変詳細に事のいきさつから、その後のFBIの調査まで書かれている為、既読の方には「十分承知」の上で観ないとそれこそ睡魔の餌食に。

盗まれたフェルメール (新潮選書)
「盗まれたフェルメール」(新潮選書) 朽木 ゆり子
(因みに今回の字幕を担当しているのも朽木さん)

ただし、活字で読んだのと映像では当然受ける印象が違います。イメージしていたガードナー美術館が思いのほか豪華なつくりであったり、一代で美術館を作り上げた女傑イザベラ・ガードナーの知られざる一面など数々の興味深い点がスクリーンに映し出されるのも事実。これらは大事な見どころの一つかと。


Isabella Stewart Gardner Museum

イザベラ・ガードナー女史と絵画購入の指南役を務めたバーナード・ベレンソンの書簡の遣り取りも作品中所々に挿入され、この美術館の創設の立会人となったような気分にさせてくれます。

そして映画はイザベラ・ガードナーのこの有名な遺言からスタートします。

私の死んだ後、作品の展示位置をいっさい変えないこと、貸し出しはもちろん、新しい作品を加えることも禁止する。

この遺言通り、現在でも盗まれた作品が展示されていた場所に絵のぽっかり抜けてしまった額縁だけが今でも当時のまま展示されています。


中央がレンブラント、右がフェルメール「合奏」の“抜け殻”

1990年に盗難に遭ってから未だに発見されないフェルメール「合奏」。一体この絵は今どこにあるのか。果たして無事見つかるのであろうか。業を煮やした監督レベッカ・ドレイファスが自ら電話をかけ「合奏」の調査を依頼したのがハロルド・スミス.


ハロルド・スミス氏、実在の人物でした。。。

「絵画探偵」という肩書は映画会社が分かりやすいように付けたもので、本来は美術品の取り扱い、盗難などに関し、ロンドンのロイズやアメリカの保険会社の代理人、またアート・ギャラリーのセキュリティー・コンサルタントなども務めた人物。(正式にはloss adjusterと呼ばれる美術品の損害査定専門家)

美術の表の世界のみならず、裏の世界にも精通している人物。
朽木ゆり子氏も実際にお会いしたことがあるそうです。

レベッカ・ドレイファス監督の依頼を受け、ハロルド・スミス氏がガードナー美術館盗難事件に挑んでいきます。

500万ドルという高額の懸賞金が掛けられているにも関わらず、有力な情報が中々出てこないことに対する手立てや、事件当日の様子を今一度検証してみるシーンなど大変スリリングな展開を見せます。

「この世で起きたことだ。必ず誰かが知っているはず。」だと強い信念を持って「合奏」奪還に向け東奔西走。事件に関わったとされる容疑者にも直接出向き真相を突き止めようとします。

さて、その結果は如何に。

最後にこの映画の見どころを整理しておきます。
まず第1に「イザベラ・スチュアート・ガードナー美術館」及び「イザベラ・ガードナー女史」。「合奏」を落札した当時の資料も登場します!

第2に「絵画探偵ハロルド・スミス」の活躍。怪しい人物登場し過ぎて皆犯人に見えてきてしまいます。。。

そして第3の見どころとして「合奏」以外のフェルメール作品も登場すること。劇場の大きなスクリーンに映し出しても鑑賞に堪え得るフェルメールの魅力をあらためて認識できることかと。この監督が如何にフェルメールを愛しているかよーく分かります。

最後の見どころとして第4番目にあげられるのは、『真珠の耳飾りの少女』の著者
トレイシー・シュヴァリエ『ヒヤシンス・ブルーの少女』の著者スーザン・ヴリーランそして『フェルメール デルフトの眺望』の著者ドアンソニー・ベイリーがスクリーンに登場し各々のフェルメールに対する想いを語るシーン。



悪党たちがフェルメール「合奏」の行方について好き勝手放言しているのは観ていて面白くありませんが、フェルメールを愛してやまない作家たちの熱い情熱は観ている者の心を打つものあります。

アメリカのドキュメンタリー映画と肝に据えてから、なるべく予備知識なく観に行くと思いもしなかった美術の世界を覗けることになるでしょう。

試写会で実際に拝見しやっとこの映画の良さ分かりました。
お勧めできる一本です。絵画好きの方にもそうでない方にも。

映画「消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス」は明日、9月27日から渋谷アップリンク他にて全国順次ロードショー開始です。

尚、27日、28日はレベッカ・ドレイファス監督と岡部昌幸氏、有吉玉青氏とのトークショーが予定されています。詳しくは公式サイトのNEWSのページをチェック!

バナー作ってもらいました。


最後に、本日東京都美術館講堂で行われたレベッカ・ドレイファス監督舞台挨拶の様子をご紹介。(撮影は許可を得ています)



レベッカ監督

会場からの質問に対し、監督自身としては「合奏」は1990年に盗んだ犯人とは別の人物が今所有しているのではとのこと。またボストンはアイルランド系の移民の多い町なのでIRAがやはり絡んでいるのでは?という見解でした。(現在アイルランドにあるのでは?とも)

そういえば、劇中ハロルド・スミス氏がとても印象深い発言をしていました。
絵の回収は社会の意識にかかっている。」と。

「合奏」が近い将来発見されることを願って。

告知
上映記念トークショーに出演します。
お時間合えば是非。

ヒヤシンス・ブルーの少女
ヒヤシンス・ブルーの少女
スーザン ヴリーランド

おまけ:東京都美術館「フェルメール展」担当学芸員の乙葉哲氏のご挨拶も最後にありました。


因みに横にある「合奏」のレプリカ、原寸大だそうです。

フェルメール展」はまだまだ12月まで!


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フェルメール  ――謎めいた生涯と全作品  Kadokawa Art Selection (角川文庫 ん 30-1 Kadokawa Art Selection)
フェルメール ――謎めいた生涯と全作品 Kadokawa Art Selection (角川文庫)
小林 頼子

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フェルメールが残した作品は諸説あるが35点と言われている。その数少ない現存する作品のうち7点が現在上野の東京都美術館で開催中の『フェルメール展 光の天才画家デルフトの巨匠たち』で展示されている。作品の数が少ないので、一生のうち世界中の美術館に展示されているフェルメールの作品全てを見て回る事は可能である。ファンはその旅を"フェルメール巡礼"と呼んでいる。

ただ、そのフェルメール巡礼でもみることができない1点がある。それは、1990年3月、ボストンのイザベラ・スチュアート・ガードナー美術館から盗まれた『合奏』と題された絵画である。『消えたフェルメール 絵画探偵ハロルド・スミス』は、その盗まれた"合奏"を生涯をかけて探す美術品盗難専門の探偵ハロルド・スミスの捜査を通して事件の謎に迫るドキュメンタリーである。

その"合奏"には現在もFBIの美術品盗難の公式サイトで500万ドルの懸賞金がかけられ公開捜査されている。
http://www.uplink.co.jp/kietavermeer/fbi.php

『消えたフェルメールを探して / 絵画探偵ハロルド・スミス』
監督・撮影: レベッカ・ドレイファス
脚本:: シャロン・ガスキン
出演:ハロルド・スミス、グレッグ・スミス
2005年/アメリカ/83分
配給:アップリンク


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この記事に対するコメント

あら、いらっしゃったのですか!
写真を撮っていたという事は、もしかしてあの人だったのかなぁ、、、?
私も仕事のついでに寄ってきました。
恥ずかしながら見事に睡魔の餌食に、、、、目が覚めると隣のおばさんも寝ていました、、、
ちなみに会場のショップだけでなく1階のミュージアムショップでも色々なフェルメールグッズが販売されていますので、良かったら覗いてみて下さいね(さりげなく宣伝、、、)
フリーダ | 2008/09/27 12:52 AM
展覧会と映画とタイアップしたわけではないと思うのですが、
よいタイミングでの公開ですね。
最新イベント情報を知って、久しぶりに映画館に足を運ぼうと思いました。
とっても楽しみです。
「盗まれたフェルメール」は随分前に読んだきりなので、
新鮮な気持ちで観れることを期待したいです。
| 2008/09/27 9:05 AM
すみません、勢い余って(?)名前を入れ忘れてしまいました。
↑のコメントは、m25です。失礼致しました。
m25 | 2008/09/27 9:07 AM
@フリーダさん
こんばんは。

はい、行ってました。
撮影はこっそりしていましたので。
アメリカのドキュメンタリー映画って
毎度毎度こんな調子ですよね。
でもフェルメール好きにはたまらない
作りになっています。

監督のフェルメールに対する
熱意まで伝わってくるおようです。

@m25さん
こんばんは。

この映画自体は数年前に
撮られ公開されているそうですが
(アメリカで)
日本ではこうした「フェルメール展」
などないと興業的にも
つらいでしょうね。。。
Tak管理人 | 2008/09/28 12:04 AM
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この映画はTakさんのブログで知りました。その後、Takさんが國學院大學教授の小池寿子先生と対談をするというニュースが飛び込み、是非とも行きたいと思っていたのですが、どうしても都合が付かず、結局行ったのは対談の次の日でした。渋谷アップリンク、この映画館は始
満 足 度:★★★★★★★★    (★×10=満点)  監  督:レベッカ・ドレイファス キャスト:ハロルド・スミス、他 ■内容■  1990年、イザベラ・スチュワート・ガードナー美術館所蔵の レンブラント、フェルメールなど