青い日記帳 

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「高山辰雄遺作展」

練馬区立美術館で開催中の
「高山辰雄遺作展 人間の風景」に行って来ました。



昨日とらさんから「ハンマースホイと高山辰雄の雰囲気が似ている」と言われ確かに一理あるな〜と思い山口晃展以来ご無沙汰していた中村橋の練馬区立美術館へ。丁度タイミング良く「高山辰雄遺作展」が開催されています。

昨年(2007年)96歳の人生に幕を下ろし他界された高山辰雄の回顧展。
砂丘」1936年
東京美術学校在籍中に描いた「明るい日」、卒業制作の「砂丘」から、未完の絶筆まで前後期100点以上の作品でその画業を振り返る展覧会。

竹橋の近代美術館や山種美術館で高山の作品を拝見し強く惹かれることしばしば。また昨年資生堂アートハウスで開催された「高山辰雄展」(2007年9月28日〜11月25日)のチラシにも一目惚れ。


牡丹(阿蘭陀壺に)」1989年

是非ともまとめて観たいと思っていた故、まさに絶好のチャンス。

いざ展覧会会場へ。年代順の展示。若い頃の高山の作品はほとんど観たことがなかった為かなり戸惑いが。その画風はハンマースホイには程遠く、カラフルな色彩鮮やかな作品が。熊谷守一とマティスの合作のような作品も。


少女」1948年

それよりも驚かされたのはまたゴーギャン風の作品の多さ。キャプションには高山の遺した言葉が「ゴーギャンはわたしの画業につよい反省のようなものを教えてくれた気がする」1980年まではゴーギャンとマリー・ローランサンを足して二で割り、それに琳派テイストを少し加えたような作品が並びます。

「朝」「夕」と題された六曲一双の屏風絵は明らかにゴーギャンの影響が。

もう少し長生きして下されば東京国立近代美術館で開催される「ゴーギャン展」(平成21年7月3日〜9月23日)で「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」もご覧になれたはず。。。


1980年代に入ると普段見慣れている自分の好きな高山辰雄の作風が徐々に現れてきます。画面がザラザラした感じはするものの、絵の中にすっと入り込めてしまうそうなそんな作品群。


星辰」1983年

天体観測に興味があった高山、タイトルにもしばしば星に関するものが。ただし高山の描く人物画は鑑賞者に精神性を強く問いかけるかのような怖さすら与えます。ハンマースホイの描く人物が後ろ向きであるのに対し、高山の人物とは必ず目が合ってしまいいい加減な気持ちで観ている自分にはちょっと太刀打ちできないほど。

おずおずと作品の前から逃れるようにし「オアシス」へ。高山の描く静物画(特に花)はじっくりと腰を落ち着けて対峙することできます。


」1985年

これダントツで良かったな〜嬉しいことに展示替え無しでこちらは後期にも出展されるそうです。高さ2m以上もある大作。包み込まれてみるのもをかし。


牡丹 洛陽の朝」2004年

こちらも同じく2mもある作品。後期も展示されます。この2点だけでも観に行かれる価値あろうかと。そして画面がらでは絶対に分からない高山独特の技法を思う存分に。岩絵具を点描のように塗り重ねて出来る独自の世界。

遠目にはハンマースホイと同じように見えますが、あちらが極度の薄塗りに対し、こちらは絵具を重ねて表現したザラザラ感。本来なら逆のような気もします。

最後に「今日の一枚


青衣の少女」1984年

怖い人物画の中にあってこちらは別物。
これ嫌いな人いないでしょう〜手前に花も描かれているし。
嬉しいことにこちらも後期にも出ています。

「高山辰雄遺作展」は11月3日までです。

高山辰雄展 会期
〔前期〕9月13日(土)〜10月5日(日)
〔後期〕10月11日(土)〜11月3日(月・祝)

上野で開催中の「ハンマースホイ展」と併せて是非。

存在追憶限りなき時の中に
存在追憶限りなき時の中に 高山 辰雄

書き忘れました。。。
松井冬子さんって高山辰雄の影響受けているのかな〜


高山辰雄「明るい日」1934年

他にも「春光」とか。。。

そうそう、次回の練馬区立美術館の展覧会は石田徹也!!

「石田徹也―僕たちの自画像―」
平成20年11月9日(日)〜12月28日(日)

これはまた中村橋に行かねばなりませんね。。。

それでは最後に「今日の美味


ホブソンズ(Hobson's)の「マロングラッセ」限定ものに弱いのでついつい。。。ところで中村橋にいつホブソンズ出来たの?

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 ?山辰雄は1912年(明治45)大分県大分市に生まれ、東京美術学校日本画科を卒業後、松岡映丘門下の山本丘人や杉山寧らが結成した研究団体「瑠爽画社」に参加して研鑽をつみ、師映丘没後は「一采社」を結成して、同年代の画家たちと新日本画の創造を目指してさらなる研究を戦後まで続けました。
精神的密度の高い人物画や風景画は晩年まで衰えることなく描き続けられましたが、その根底には生きることの積極的な肯定と、生きてゆく人間への深い共感が見て取れます。そして、生涯をかけた絵による人間探求の試みは、絵画の高みを示すものとして、今なお高い評価を受けています。
本展は、没後一周忌にあたり?山辰雄の初期の作品から絶筆まで、前・後期合わせて約100点を一堂に集め、?山芸術の軌跡をたどるとともに、その稀有な画業を追想します。

[併設] ?山辰雄肖像写真展(写真:山本皓一)
展覧会 | permalink | comments(5) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

Takさ〜ん☆
杉山・高山・東山。
《日本画三山》って、ほんと☆神と思います☆
高山先生の点描の中の<白>は、紙の白のまま。とのことです。これって、すごい技。と思います☆
rossa | 2008/10/01 1:57 AM
ザラザラ感の中に塗り込められた花々、人々。
心に響きます。静かです。
いい展覧会でした。

楽天のTBがこちらには飛びませんです。
一村雨 | 2008/10/01 6:26 AM
あのように囲まれてみると、これが高山辰雄なのだ!ということがしみじみと分かってきます。
ハンマースホイ展でも感じたことですが・・・。
とら | 2008/10/01 9:12 AM
Takさん
こんばんは

> 松井冬子さんって高山辰雄の影響受けているのかな〜
それは私も思いました。あと、松井さんの作品は高山辰雄の先輩格の
山本丘人の作品にもどこか近しいものがあるように思います。
# ↓で紹介されている『地上風韻』とか『残夢抄』とか...
http://totemokimagure.cocolog-nifty.com/zakkan/2006/11/post_8490.html
lysander | 2008/10/02 12:08 AM
@rossaさん
こんばんは〜☆

毎晩飲み歩いていて
レス遅くなってしまいました。
すみません。。。

>点描の中の<白>は、紙の白のまま。
ひゃーーそれ知りませんでした!

美術館の方に伺ったら
担当者いないのでとの返事。
次回からrossaさんに聞きます。

@一村雨さん
こんばんは。

良い展覧会ですよね。
練馬に合っています。
TBまだ飛びませんでしょうか?
設定は特にいじっていないのですが。
困りました。一村雨さんからのTBがないと…

@とらさん
こんばんは。

ひとりの画家の作品にぐるりと
周囲囲まれ浮遊しているかのような
気持になれると、これ最高です。
期せずして両展覧会とも日経さんですね。

@lysanderさん
こんばんは。

「お疲れ様でした」

同じ芸大ですからね。
「地上風韻」は確かに
横浜美術館のあの絵にそっくりですね。
パクリじゃなく「継承」なのかしら。
しかし。。。
Tak管理人 | 2008/10/03 8:20 PM
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 95歳で昨年逝去された高山辰雄は、「新日本画」の創造をめざして努力した画家。今回の展覧会では、藝大卒業制作の《砂丘》以下、約100点の作品が前後期に分かれて展覧され、高山芸術の軌跡を辿ることができる。  1946年の《たべる》には食事する少女。戦後の食糧
実家を出てから十五年にもなります。今では私の部屋だった空間は 親父の書斎になっていて(ちなみに親父の書斎は物置になっています)、 私の本棚だったところに親父の蔵書が置かれていたりします。 そんな中に、高山辰雄の日月星辰の図録があったのでした... 高山辰雄
静かに興奮する...高山辰雄展 (練馬区立美術館) | 徒然と(美術と本と映画好き...) | 2008/10/02 12:09 AM
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