青い日記帳 

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「ボストン美術館 浮世絵名品展」

江戸東京博物館で開催中の
江戸東京博物館開館15周年記念特別展「ボストン美術館 浮世絵名品展」に行って来ました。公式サイト



名古屋ボストン美術館、新潟市美術館、福岡市美術館を巡回し多くの方を魅了してきた展覧会がいよいよ東京にやって来ました!

8月5日に行われた記者発表会で監修者の永田生慈氏が時間をかなりオーバーし熱く熱くこの展覧会の魅力について語っていらっしゃった姿目に焼き付いて離れません。正直その時はまだこの展覧会の凄さを見くびっていた感もあり、「永田さん熱くなりすぎだろ〜」と若干興ざめ気味でした。

ここのところ、太田や松濤で色合いの摺られた当時の色合いそのままの浮世絵の名品の数々を目にしていたこともあり、この展覧会甘く見ていました。

ゴメンナサイ。

私が悪うございました。圧倒的ではないですか!この展覧会は!!
色合いの素晴らしい作品だけ、本物の浮世絵のみしか展示されていません。

全てが目玉作品。
ボストン美術館ありがとう!大切に保存しておいてくれて。

とにかく画像からでもその状態の良さ一目瞭然。
こういう展覧会の記事に余計な素人の感想など要りません。
以下に取り上げた数点だけでももう十分過ぎるほど良さが伝わるはずです。

館内の写真は主催者の許可を得て撮影したものです。

【第1章 浮世絵初期の大家たち】


1730年
二代鳥居清倍「初代中村新五郎の佐野源左衛門と初代佐野川万菊の桜木

芝居絵専門の鳥居派による作品と懐月堂派の作品がメイン。
墨一色の墨摺絵も数点。まだこの頃は筆彩版画であるため、微妙な色のずれが楽しめる。スクリーントーンをわざとズラす技法を好んで用いた岡崎京子を想起。

1745年頃
無款(奥村政信)「駿河町越後屋呉服店大浮絵

今の日本橋三越。左上に「現金掛値なし」の看板が。

【第2章 春信様式の時代】


1769年頃
鈴木春信「水仙花

浮世絵を観始めた当初は春信の良さがさっぱり理解できなかったのですが、ここ一年で春信株急上昇。とにかく可愛い。真剣に描いているのにカワイイ。狙ってないところが好き。

炬燵から足を出し右側の女性がくすぐっている様子。そんな足長くないだろ〜と不自然さに突っ込み入れるのは野暮なこと。可愛ければそれで好し。

1763年頃
鈴木春信 「(見立三夕)定家 寂蓮 西行

細版用に3種類の女性を一枚に描いたものだそうですが、3枚に裁断される前の状態のまま現存している大変珍しい作品。

鈴木春信の署名も女性の脇にそれぞれ三ヶ所なされています。まさにレアモノ。

【第3章 錦絵の黄金時代】


1786年
鳥居清長「日本橋の往来

清長ってこうして浮世絵の歴史の中で観てみると、やっぱりちょっと異様な感じ。千葉市美術館では清長だけを集中して観たのであまり気にならなかったけど、今回はとても異様な存在に。

1800年頃
喜多川歌麿「蚊帳

やっぱり浮世絵黄金期にふさわしいのは写楽でも清長でもなく歌麿でしょう〜今回も5点ほどしか出ていませんが存在感十分。とりわけこの「蚊帳」なんてびっくりするくらい精緻。歌麿も凄いけどこれ彫った彫氏も凄い。

これですよ!これ!!刮目せよ!!

相変わらず指先もエロイし、口元なんて春画以上。

【第4章 幕末のビックネームたち】


1796年
歌川国政「三代目市川八百蔵

ポスターやチラシに使われている歌川国政の作品。
「幻の絵師」と呼ばれる国政。写楽以上にクローズアップし大胆な構図で役者の特徴を見事に表現しています。国政については以前NHKで紹介されていました。こちらの記事に簡単にまとめてあります。

1831年
葛飾北斎「富嶽三十六景 山下白雨

「なーんだ。よく見たことある富嶽三十六景じゃん」と侮ってはいけません。画像サーチしてみて下さい。きっとこれとは違うはず。初摺りの美しさ新鮮さそのままジップロックで保存していたよう。ついさっき北斎監修のもと摺り上がったようです。

この他に【下絵・肉筆・版本】のコーナーもあります。

1784年
北尾政演『吉原傾城 新美人合自筆鏡』 画帳

ボストン美術館へ大量の浮世絵コレクションを寄贈したスポルディング兄弟。しかし遺言により海外への貸し出しはもとより、ボストン美術館内での公開も禁じられているそうです。ですから今回も来日していないはず…

でも↑の作品はその幻のスポルディングコレクションです!種はこうです。遺言の中に「浮世絵」(版画)の貸し出しや公開については厳しく禁じられていますが、「版本」や「画帳」については何も触れられていない為、今回貸出okとなり公開される運びとなったそうです。



他にも数点この手を使い公開されています。ボストン美術館でも観られない作品。この展覧会観ずして浮世絵語れません。

「ボストン美術館 浮世絵名品展」は11月30日までです。是非!

ボストン美術館 浮世絵名品展公式サイト


むむむ・・・もしやこの方は。。。

やっぱり里見浩太朗さんだ!

これ「今日の一枚」にします。
音声ガイドのナレーションに初挑戦。
作品の背景や絵師のエピソードを解説している。この日は吹き込んだ自分の声を聞きながら、浮世絵を鑑賞。「違和感がない。絵の雰囲気とイケてるな、と」と照れながらも自画自賛していた。

すぐわかる楽しい江戸の浮世絵―江戸の人はどう使ったか
すぐわかる楽しい江戸の浮世絵―江戸の人はどう使ったか
辻 惟雄,浅野 秀剛,田辺 昌子,湯浅 淑子

ボストン美術館に所蔵されている褪色の少ない極上品の浮世絵をこの目で拝むことが出来る貴重な機会。因みにこの展覧会三部作となっているそうで、その第一回が今回、次回は鈴木春信中心にした錦絵の誕生。そして最後は今注目されている浮世絵師歌川国芳を中心とした幕末の浮世絵を紹介するそうです。

おまけ

10月18日放送の「美の巨人たち」でこの展覧会に出展中の磯田湖龍斎「雛形若菜の初模様」が放送になります。こちらも必見。

因みに次の週10月25日がフェルメール「小路」11月1日が尾形光琳「風神雷神図屏風」だそうです。
(11月8日ラウル・デュフィ「電気の精」11月15日上村松園「青眉」)

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それでは最後に「今日の美味

わん太夫さんから頂戴した「サントリーウイスキーボンボン
いつもご馳走さまです。感謝感謝。

この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1543

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ボストン美術館には5万点にのぼる浮世絵版画と、多くの版本・肉筆画が収蔵されています。その質の高さと数量は、世界一の規模と評価されてきましたが、近年までほとんど公開されることがありませんでした。この膨大なコレクションの中から、ビゲロー・コレクションを中心に第一級の浮世絵を厳選した本展出品作品は、版画132点、肉筆5点、下絵画稿類12点、版本10点で構成され、その大多数が日本初公開です。(作品保護のため、当館での展示は137点となります。)
本展は、初期浮世絵版画の誕生から幕末までの展開を、主要流派と絵師の作品により通覧できる、まさに浮世絵史の教科書ともいえる構成です。これは、ボストン美術館の各時代を網羅する膨大なコレクションだからこそ実現できたもので、浮世絵を通して江戸文化のダイナミズムを感じていただけることでしょう。なお、これまでほとんど公開されてこなかったボストン美術館秘蔵の浮世絵版画群は、いずれも保存状態良好な作品ばかりで、鮮やかな色目でお楽しみいただけます。
明治期にアメリカに渡り、ボストン美術館の一大コレクションとなった浮世絵作品が、一世紀あまりの時を経て、今回世界の宝となって日本に里帰りします。
華麗なる浮世絵の歴史を、この機会に是非ご堪能ください。

展覧会 | permalink | comments(16) | trackbacks(7)

この記事に対するコメント

こんばんわ。
夏に福岡で見た展示がついにって感じです。
春信についてのくだりはほんと同感です。昔はぜんぜんいいと思わなかったのがウソのよう。
浮世絵も数を見るようになって、ようやっとあの色気が分かるようになったかなあと。
それにしてもクオリティの高い内容ですよね。
海外にあるのが歯がゆいような、でもおかげで見られるんだよなという複雑な気持ちがしちゃいます。
あおひー | 2008/10/16 12:44 AM
私は花魁の字がとても上手いのに感激しました。
知性溢れる美しい女性、大好きです〜
一村雨 | 2008/10/16 5:58 AM
 素晴らしい!内覧会は贅沢ですね じっくり静かに対峙したいものですが、早々と混雑しているとか。
 mfa BostonのHPのcollectionで国政を堪能しましたが、やはり浮世絵は実際に拝見したいものですね。スポルディングコレクションも収載していて、春信なども素晴らしいものでした。
 プロジェクトの遂行と、今後次々と上陸を期待しています。
panda | 2008/10/16 2:03 PM
>ボストン美術館ありがとう!

Takさんのこの一言、まさに同じことを昨年の今頃、まさに同美術館の「浮世絵肉筆画〜ビゲローコレクション展」のときにそう思いました。

だいぶ昔のボストン美術館展のとき以来、
「幕末〜明治維新のドサクサにまぎれて(言葉が悪くてすみません。)アメリカ人がたくさんの日本の宝を持っていってしまった」と、ちょっと斜に構えた感情をずっと抱いていたのですが、
昨年の肉筆画展では、「こんなにきれいに保存してくれてありがとう!」と、ただただ感動しながらつぶやいてました。

だからこそ、今回の展覧会もひそかに(ひょっとすると大琳派展よりも?!)楽しみにしていました。

早く行かなくちゃ!
Emmy | 2008/10/16 3:08 PM
こんばんは
おお〜〜〜楽しまれ、感嘆されたご様子がよくわかります〜
名古屋で観たときもドキドキでしたが、やっぱり本場の江戸で見なあかんな〜と実感です。
来月の機会に再会して来ます。

わたしも春信は当初あんまり好きではなかったのですが、ある日突然好きになり、今では好きの上位の絵師です。
小村雪岱にハマッてから、眼が開かれたようです。
キャラもいいですが、背景や小物にも惹かれるんです。
遊行七恵 | 2008/10/16 9:55 PM
本物の浮世絵だけが、海の向こうのボストン美術館に
集められているというのに驚きました!
コンドル | 2008/10/16 10:27 PM
こんばんは、毎回楽しみに拝読させていただいておりますが、初めてこちらでご挨拶させていただきますね。


今回の「ボストン美術館 浮世絵名品展」、先日夫が行ってきて「蚊帳がすごいんだよ」と言っておりました。
招待券もいただいてきてくれたのでありがたく鑑賞予定ですが、秋の展覧会が盛りだくさん過ぎて、どこにどう組み込んで良いのやら。

手帳とにらめっこしつつなんとか日程を決めたら、行く前にはこちらで少し勉強しなくちゃ。

これからもどうぞよろしくお願いします。



ak | 2008/10/16 11:26 PM
@あおひーさん
こんばんは。

春信に対して悪いことしていました。
今まで。
懺悔の気持ちも込めしっかりと観たいです。
国内にあったらこれだけの色や質で
残っていなかったでしょう。
浮世絵にとって日本は「長生き」が
難しい風土のようです。

@一村雨さん
こんばんは。

そこ感心しましたか!
昔は教養十分備わっていたそうですからね。
今は、、、

@pandaさん
こんばんは。

順調にお客さん入っているようですね。
東京に回ってくるまでにかなり
他の地方でご覧になられたブログ等で
この展覧会紹介されていたこともあるかも。

ボストン美術館のサイトは充実しています。
本気度全然違います。
あっぱれです。

@Emmyさん
こんばんは。

肉筆画の時のインパクトも相当なものありましたが
今回は知っている絵が違って見えるという怪現象が。

アメリカに浮世絵はじめ日本美術が多く
渡って行った経緯については杉本博司氏も
その著書の中で「肯定的」に書かれています。

高温多湿に加え、関東大震災や
空襲にみまわれた国。浮世絵守る
所ではありませんでしょうからね。

@遊行七恵さん
こんばんは。

再会ですか!それは良いことです。
展示替えがないのも嬉しいですよね。

老婆心ながらこんなに長期間
展示してしまっていいのと
こちらが心配してしまいます。

春信マジックって存在するのでしょうね。
私も今ではかなりの「重症」です。。。

@コンドルさん
こんばんは。

建築家のロイドも絡んでいるようですよ。
確か新書で出ていました。
機会あればご紹介します!

@akさん
こんばんは。

とんでもないです。
こちらこそお世話になっております。

お読み頂けるだけで十分です。
感謝感謝です。

蚊帳はほんとビックリです。
浮世絵にしばしば登場する
モチーフではあるのですが。。。
どうやって彫ったのでしょうね。

こちらこそ宜しくお願い致します。
芸術の秋は忙しいものですね。
嬉しい悲鳴です。
Tak管理人 | 2008/10/17 7:20 PM
こんばんは。
本当に豪華な浮世絵シリーズでした。
国政の市川八百蔵、格好良すぎでした!
国貞とともに、今回のお気に入りとなりました。

また、春信を私淑したという、
湖龍斎を見直したところです。

見所満載でした★
あべまつ | 2008/10/17 9:25 PM
@あべまつさん
こんにちは。

国政、珍しく予習をしていったので
様々な視点から見ることできました。
それにしてもカッコイイです!
役者さんも大満足でしょうね。

湖龍斎は以前、太田で衝撃を受けてから
大ファンとなりました。

また近日中に行かねば!
Tak管理人 | 2008/10/19 2:41 PM
こんばんは。バライアティに富んだ展覧会でした。
保存状態の良い浮世絵は見ていて気持ちがいいですね。

今回、磯田湖龍斎の《雛形若菜の初模様》シリーズが沢山来ていますが、わたしとしてはワンパターン的なこの遊里宣伝画よりも、その後、彼が力をいれた肉筆画のほうが、ずっと冴えているように感じています。

とら | 2008/10/19 9:20 PM
@とらさん
こんばんは。
コメントありがとうございます。

何だか我々も贅沢になってきてしまったようで
これくらいの高レベルの作品でないと
満足できなくなりそうな予感です。
それにしても仰る通り「気持ちいい」ですね!

磯田湖龍斎の作品の着物の柄がこれまた
鮮明に残っていてビックリしました。
それと「黒」の部分も。
大田で衝撃受けたのも確か肉筆画でした。
Tak管理人 | 2008/10/20 9:05 PM
こんばんは。
本当に保存状態の良いものが揃ってましたね。
紙面の凸凹やキラキラ感まで張り付くように観ました。

これに慣れてしまうと、普通の浮世絵が物足りなくなるのが困ったところです。
mizdesign | 2008/11/10 10:14 PM
@mizdesignさん
こんばんは。

仰る通り!
このレベルが「当然」となってしまうと
日本の美術館で浮世絵観られなくなってしまいます。
困った困った。

色褪せた浮世絵も時代を感じさせ
悪くはないのですけどね。。。
Tak管理人 | 2008/11/10 11:17 PM
こんばんわ。

素晴らしい展覧会でしたね。
保存状態が素晴らしく、あんなに色鮮やかだったのかと感動しました。
里見浩太朗さんいらしてたんですね!
ナレーション重厚だったのですが、ちょっと聞きずらかった気が・・・
maru♪ | 2008/12/01 1:32 AM
@maru♪さん
こんにちは。

来年も再来年もボストンから
浮世絵やってくるそうなので
まだまだ感動は継続されそうです。
このレベルに見慣れてしまう自分が
怖い気もしますが。。。

音声ガイド、向き不向きありますよね。
Tak管理人 | 2008/12/01 8:04 AM
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