青い日記帳 

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「森川如春庵の世界」展

三井記念美術館で開催中の
特別展「茶人のまなざし 森川如春庵の世界」展に行って来ました。



「中京の麒麟児」と呼ばれた森川如春庵のコレクションを名古屋に続き初めて公開する展覧会。たまたま会場でばったりmemeさんにお会い出来たのは幸運中の幸運。「元中京ブログ界の麒麟児」から直接、森川如春庵(もりかわ にょしゅんあん)について伺うことができました。

曰く「愛知県一宮市の素封家(大地主)」でお金には生まれてから亡くなるまで一切苦労したことなく、働かずに生涯を道楽に費やせたという「あり得ない人」

チラシに「益田鈍翁が驚嘆。16才で『時雨』を所持した名古屋の数奇者」と紹介されています。はて『時雨』とは…もしかして、、、そうもしかします。重要文化財に指定されている黒楽茶碗のこと。こしらえたのは対決展や大琳派展ですっかりおなじみの本阿弥光悦!



しかしこれだけで驚いてはいけません。もう一点、同じく本阿弥光悦作の赤楽茶碗「乙御前」も所有してたそうです。今回この二点同時に観ること出来ます。

16歳と言えば、現在であれば高校生。

いくらお金持ちとはいえ、二十歳前から本阿弥光悦の作品、しかも茶碗を二点も有していたなんて信じられません。お金持ちの友達欲しいけど、ちょっとな〜他のみんながゲームに興じているのに一人だけ茶碗を愛でている。そんな子嫌だな。。。

「森川如春庵の優れた審美眼に驚く」類のことキャプションに書いてありましたが、そこ突っ込むところではないかと。審美眼云々よりもそういう環境にあったことが驚きの対象。フツーおじいさんから勧められて光悦の茶碗買ったりしません。


瀬戸黒茶碗「小原女

森川如春庵(1887〜1980)は生前、多数のコレクションを名古屋市に寄贈したそうですが、それが公開されることなく現在に至ったそうです。
「名古屋を東京や京都をしのぐ文化都市にしたい」と願った如春庵は、80歳となった67年と翌68年、愛蔵品(188件、211点)を名古屋市に寄贈。以後、40年近く美術品は名古屋城に秘蔵され、“幻の森川コレクション”と呼ばれてきた。
 遺族の了解を得て、コレクションが同博物館に移されたのは一昨年。開館30周年を機に企画された本展では、コレクションから、中国・元時代の「稲之図」や南宋時代の「青磁笋花入」など56件が出品されるほか、今は他に所有が移ってそれぞれに高い評価を得ている茶道具や美術品を集めた。
お金に不自由していなかった森川如春庵のコレクション。ちょっとこれ違うんじゃん。とケチ付けながら観るのが今回に限っては乙かも。


伝任月山「稲の図」 

本物は展示室で公開され、三井記念美術館内にある茶室(如庵)にはこちらのレプリカと青磁の花入れがあつらえてありました。これは森川如春庵のセンスに脱帽。

他にもこんな可愛い動物たちとも会えます。

重要文化財
伝毛松「猿図


田中訥言「たわむれ猫図

「森川如春庵の世界」展は11月30日までです。
お茶嗜まれる方には見逃せない展覧会です。

最後に「今日の一枚


バーナード・リーチ「森川如春庵画像

仙人ですね。まさに。
バーナード・リーチとの合作も展示されていました。

「茶の湯」入門―美しい作法が身につく
「茶の湯」入門―美しい作法が身につく 小西 宗和

それでは最後に「今日の美味


日本橋三井タワー地下一階にあるラ・ベットラ ペル トゥッティの「ナスとズッキーニとバジリコのトマトソーススパゲッティ」と「ツナとホウレン草のクリームソーススパゲッティ」三井記念美術館に行く楽しみのひとつはここのお店かも。。。

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大正から昭和前期にかけて、東都を中心に伝統から脱した新しい茶の湯が行われておりました。
その中心にあった人物は益田鈍翁、すなわち三井物産初代社長益田孝(1848−1938)です。鈍翁は明治以来、日本古来の美術品が海外に流出していることを憂い、自ら古美術の蒐集を行うとともに、かつて使われることのなかった仏教美術などの古美術を茶の湯の世界に取り込み、鈍翁独自の茶風を打ち立てます。

大正2年頃、鈍翁は一人の青年と出会います。愛知県一宮苅安賀の素封家森川勘一郎、後の如春庵です。
如春庵は幼少時から茶の湯を名古屋の西行庵下村実栗に習い、15歳ですでに久田流の奥義に達していたといわれていますが、天性優れた審美眼の持ち主で、16歳の時、西行庵宅で出会った本阿弥光悦作の黒楽茶碗「時雨」を懇望し入手します。

さらに19歳にして平瀬家の売り立てで同じく光悦作の赤楽茶碗「乙御前」を買い、所持します。十代に光悦の名碗を2碗所持した如春庵の感性は鈍翁を驚かせ、39歳の年齢差を感じさせない交友がはじまりました。
以後、如春庵は鈍翁を中心とする東都の数寄者たちと交わり、古美術とも広く接することになります。

「佐竹本三十六歌仙絵巻」切断や「紫式部日記絵詞」の発見など、如春庵の長い生涯には多くのエピソードがあります。また日本の財界に活躍した鈍翁と茶の湯一筋に生きた如春庵との温かな交流が現存する手紙や茶の湯道具のなかに今なお生きています。
伝統の茶の湯と革新の茶の湯が隔絶している時代に、如春庵はその中間にあって、双方のあり方を踏まえ、生涯茶の湯に生きた稀有な数寄者であったといえるでしょう。

この度の特別展では、昭和42年に如春庵が名古屋市に寄贈した作品約50点に加え、個人の所蔵品、各地の美術館の蔵品などによって森川如春庵の茶の湯と益田鈍翁を中心とする東都の数寄者との交流を紹介いたします。
展覧会 | permalink | comments(8) | trackbacks(3)

この記事に対するコメント

こんばんは。
いつも拝読させていただいています。
「今日の美味」に紹介されていました、ラ・ベットラ ペル トゥッティというレストランはラ・ベットラ オチアイと関係があるのでしょうか?美味しそうなイタリアンなので、興味がわきました。
昨日はフェルメール展、吉田豊一展、ピサロ展と3か所をめぐり、疲れ果ててDAIMARU T0KYOのサバティーニでやっとパスタにありつけました。美術鑑賞も疲れるしお腹がすきますね。

Takさん、これからもいろいろな展覧会の情報をお願いします。
パレット | 2008/10/17 12:50 AM
記事拝読しました。

実は初日に行ってきたのですが、

佐竹本三十六歌仙の断簡、興味深く見てきました。

この分断立ち売りを行った応挙館が、

現在は東京国立博物館の庭園に移築されていますね。

その襖絵は、現在本館で見ることが出来、感慨ひとしおでした。


それと、国宝『卯花墻』もじっくり堪能してきました。

館内は結構混雑していたのですが、

なぜか『卯花墻』は不不人気と見えて、

誰も見ている人がいない有様でした。

ちょっと寂しい気がしました。


拙ブログのTBを貼らせていただきま〜す (^u^)
わん太夫 | 2008/10/17 11:03 AM
茶人の端くれにはとても興味深い展覧会です。
十代で天下の名器を2つも手にする数寄者・・・。
想像も及ばないコレクションの東京進出、逃す手はないですね!
kero | 2008/10/17 11:34 AM
@パレットさん
こんばんは。

関係あります。
オチアイの支店のようなものです。
お店自体は決して広くありませんが
ロケーション最高なのでついつい。

大丸のサバティーニにも以前
そういえば行きました。
こうした楽しみも美術館と
セットであってもいいですよね。

@わん太夫さん
こんばんは。

初日ですか〜
気合い入っていますねーー

応挙館の作品
東博で展示されているの
大琳派オフの際に
拝見してきましたよ!

国宝『卯花墻』
展示されている場所からして
スルーされる確率高いですね。
勿体無い勿体ない。

TBありがとうございました。

@keroさん
こんばんは。

お茶やられている方でしたら是非!
私がお邪魔した日もお茶会関係の方
大勢みられていたようでした。
Tak管理人 | 2008/10/17 7:26 PM
ご紹介ありがとうございます。
三井での展覧会は展示数が少なく、名古屋市博
での内容と比べると肩透かしされた感じです。

リーチの如春庵の肖像画、良い出来ですよね。
光悦茶碗の次に好きです。
meme | 2008/10/17 10:44 PM
@memeさん
こんにちは。

ひとりで観たらさーーと
終えてしまったやもしれません。
memeさんに会場でお会いできたこと
本当に幸運でした!

名古屋で観られたこと
羨ましく思います。
Tak管理人 | 2008/10/19 2:43 PM
こんにちは!
私も行って参りました。土曜講座も受けちゃいました。
名古屋は展示数が多いのですね。うらやましい…。
16才で『時雨』、とか、優れた審美眼とか、
お金があったからでしょ!と、思っちゃいましたが、
鈍翁とのやりとりを伺い、一筋縄ではいかない人だったのだなぁとしみじみ。
鈍翁の体調が悪くなったのを知って、あえて鈍翁に製作を所望した茶杓。
断られたら相当体調が悪いのだろうと、覚悟を決めていたのに、
体調を覚られまいと茶杓を仕上げ森川に贈り、
茶会で披露した数日後になくなった鈍翁「年の暮」。
39歳という年の差と、鈍翁の懐の大きさと気遣いに、
想いを馳せてしまいました。素敵な茶杓でした。
茶杓って人柄があらわれるような気がしちゃうんですよね。
森川さん、実際のお茶のほうはどうだったのでしょうねぇ。
『時雨』が森川の茶室を離れ、名古屋市に行ったとき、
誰もいない茶室に「とうとうお前行かんすのか?」という甲高い声が響いたと、
名古屋市美術館学芸員の小川さんが仰っていました。
聚楽第遺構からともいわれる釘隠しを使った手あぶり火鉢の
エピソードも良かったですし、かなり満腹の展覧会でした。
うう。。なきそう〜!


nao | 2008/10/20 6:21 PM
@naoさん
こんばんは。

先日はどうもありがとうございました!

土曜講座しっかり受けちゃうあたりが
さすが「茶人」ですね。違います。

>16才で『時雨』、とか、優れた審美眼とか、
>お金があったからでしょ!と、思っちゃいましたが、

全くの同意見。
そうか〜お金って大事だよなーーーと
しみじみさせられてしまう展覧会です。

お金があれば自分だって!
「高橋コレクション」を!!何てね。

どうです、もう一度。
それとも畠山美術館なども。
また高島屋も掛けもちしてもいいかもです。

お茶アツいですね!
Tak管理人 | 2008/10/20 9:23 PM
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