青い日記帳 

TB&リンク大歓迎です!
<< October 2019 | 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 >>
<< 「陶磁の東西交流」展 | main | 「レオナール・フジタ展」 >>

「琳派から日本画へ」

山種美術館で開催中の
「琳派から日本画へ −宗達・抱一・御舟・観山−」展に行って来ました。



今週日曜日でいよいよ最終日となる東京国立博物館の「大琳派展」
その展覧会の前期(10月7日〜19日まで)に出展されていた俵屋宗達「槇楓図屏風」や本阿弥光悦とのコラボ作品「新古今集鹿下絵和歌巻断簡」等が上野から千鳥ヶ淵にスライドし公開されています。

東博では尾形光琳が写した「槇楓図屏風」との比較展示でしたが、山種美術館に帰って来た宗達の屏風絵は重要文化財に指定されている「名樹散椿」と並べられていました。これがまた実に新鮮!


俵屋宗達「槇楓図屏風」 速水御舟「名樹散椿

約ひと月の間にこうして「槇楓図屏風」が別の作品と隣同士で展示されている様を目にするだけでもこの展覧会に足を運ぶ価値があろうかと。

明治以降の「日本画」へ受け継がれた琳派の系譜を堪能するとともに、これも関係あるの?と思わず突っ込み入れたくなる作品まで目白押し。手狭な山種美術館の館内はいつも以上に濃密な空間へ変容を遂げています。

これくらい濃くないと琳派楽しむこと出来ません。
今回は狭い美術館が幸いにも功を奏しているようです。

今日はちょっと時間がないので駆け足で主要な作品だけでも。
画像だけでも結構満腹になりますよ。きっと。


酒井抱一「飛雪白鷺」「菊小禽

抱一の作品が5点もあります。上記2点は宗達同様「大琳派展」の前期に展示されていた作品(「大琳派展」のリストには「芦に白鷺図」「菊に小禽図」と記されています)たった2週間弱の東博での展示でしたので、見逃された方も多いかと。山種美術館でリベンジ可能。


本阿弥光甫「白藤」「紅白蓮

本阿弥光甫(ほんあみこうほ:1601 〜1682)は本阿弥光悦の孫に当たる人物。父親は本阿弥光磋(こうさ)。絵画のみならず陶芸にも秀でていたそうです。

光悦お祖父ちゃんの手による「新古今集鹿下絵和歌巻断簡」と同じ場所に展示されるなんてお互い夢にも思わなかったことでしょうね。ほのぼの。

東京国立博物館所蔵のこちらの作品といつの日か並べて展示して欲しいもの。

本阿弥光甫「白藤図」「牡丹図


鈴木其一「四季花鳥図

こちらの作品、前出の俵屋宗達「槇楓図屏風」、速水御舟「名樹散椿」の隣に展示されています。一歩も引けを取らぬどころか二作品を喰ってしまわんばかりの勢いのあるゴージャスな作品。其一が江戸と明治の架け橋を渡したと言われる由縁この作品からも明らか。

大正6年に荒木十畝(じっぽ)が手がけたこちらの花鳥画など抱一・其一の存在無くしては成立し得ない作品かと。


荒木十畝「四季花鳥」(春夏秋冬)

一見ん派手な色彩のべた塗りのような画面に観えますが、奥行きある空間を生み出し、また「たらし込み」の技法もしっかり使われています。

「大琳派展」にはない明治以降の日本画による華やかな空間。
幸せ度かなり高目。いづつやさん流に言うなら満足度○○%!!

派手派手しい作品ばかり取り上げていますが、落ち着いたものだってちゃんとあります。(「琳派」と「落ち着き」では言語矛盾起こしているようですが…)

菱田春草「月四題のうち 秋

淡い墨絵が高揚した心を鎮めてくれます。
春、夏、冬も展示されていますが、とりわけこの秋が最も秀逸。
季節的にもぴったりですしね。良いですこれ。

荒木十畝のド派手な作品に心踊らせ、菱田春草の墨絵で沈静化させる。
何て贅沢なことなのでしょう。

秋と言えばこちらも

福田平八郎「彩秋

この展覧会の面白いのは、年代順に展示されていない点にあります。展示空間の都合でたまたま仕方なくそうなったのでしょうが、それがかえって良い方向に作用しているように思えます。

福田平八郎の作品も最初のスペースに展示されており「どうしてこれが琳派と関わりが」と首をひねってしまいますが、一周して最後にまたこの絵の前に立つと上手いこと言葉では言い表せないのがお恥ずかしいのですが「つながり」がはっきりと分かるような気がしました。(気のせいかもしれませんけど)


左:奥村土牛「」(こうし)
右:俵屋宗達「牛図

宗達の「牛図」は「大琳派展」で現在でも展示されています。宗達のたらし込みを紹介する時には必ずこの作品が登場。それくらいメジャーな作品であり優品であります。1984年に奥村土牛は子牛を描き加え宗達のオマージュを制作。

「琳派から日本画へ」展覧会タイトルを象徴するかのような取り合わせです。千鳥ヶ淵と上野とちょっと離れてはいますが都内にこの二枚が時を同じくして展示公開されていることに身震いさえ感じました。

最後に「今日の一枚


加山又造「裸婦習作

やっぱり最後は又造先生でしょう〜
因みにこれ展覧会の最初にどーーんと展示されています。
竹橋の近代美術館で開催された「琳派 RIMPA」展を思い起こさせる構成。

因みに来年、国立新美術館でいよいよ加山又造展開催されます!
加山又造展 | 2009年1月21日(水)〜3月2日(月) 国立新美術館


山種美術館「琳派から日本画へ」展は今年のクリスマスまで開催!
(〜12月25日:木曜日)

四季の花 (下巻)
四季の花 (下巻)
酒井 抱一,鈴木 其一,中野 其明

募集:
「大琳派展」最終日にお時間ある方是非!

- 弐代目・青い日記帳 | さよなら大琳派展オフ開催します。


それでは最後に「今日の美味


「祇園辻利」の「つじりの里」大琳派展のショップで購入。
甘さ超控え目。美味し。何より安い!

【関連エントリー】
- 弐代目・青い日記帳 | 「大琳派展」
- 弐代目・青い日記帳 | お礼「大琳派オフ」
- 弐代目・青い日記帳 | 綴プロジェクト「大琳派展」
- 弐代目・青い日記帳 | 大琳派展オフ開催します。
- 弐代目・青い日記帳 | 「琳派 四季の"きょうえん"展」
- 弐代目・青い日記帳 | 日本の美「琳派」展 2004
- 弐代目・青い日記帳 | 「琳派 RIMPA展」
- 弐代目・青い日記帳 | アンケート:琳派三大巨匠誰がお好きですか?
- 弐代目・青い日記帳 | 琳派展X「神坂雪佳-京琳派ルネサンス-」
- 弐代目・青い日記帳 | 「琳派 RIMPA展」(後期)


この記事のURL
http://bluediary2.jugem.jp/?eid=1572

JUGEMテーマ:アート・デザイン


近年、「琳派(りんぱ)」に関連した展覧会が各地で開催され、日本美術を代表する芸術として一般にも広く知られ、親しまれるようになりました。その絢爛豪華な様式美、斬新な意匠美、そしておおらかな水墨画は多くの鑑賞者を惹きつけています。
「琳派」は、17世紀の俵屋宗達(たわらやそうたつ)、本阿弥光悦(ほんあみこうえつ)にはじまり、やがて尾形光琳(おがたこうりん)や乾山(けんざん)へ、そして、江戸後期には酒井抱一(さかいほういつ)、鈴木其一(すずききいつ)らが先達の技法を倣う「私淑」という形で受け継がれてきました。20世紀に入って、宗達の再発見と研究の深化により、さらに高く評価されるようになりました。明治、大正、昭和の何度かのブームを経た後、1970年代以降に光琳の「琳」を冠した「琳派」という名称が一般的に定着しました。
琳派の作風や画法は、近代の研究熱心な画家たちに多くの影響を与えています。今回出品される下村観山(しもむらかんざん)《老松白藤》、速水御舟(はやみぎょしゅう)《名樹散椿》の華麗で装飾的な作風の屏風は鈴木其一《四季花鳥図》に通じるものがあり、前田青邨(まえだせいそん)《蓮台寺の松陰》、奥村土牛(おくむらとぎゅう)《犢》などに見られる「たらし込み」の技法は、琳派の画家たちが好んで使用した、宗達が創案した水墨画の技法です。このように、近代の画家が琳派をどのように作品に活かしているか、という視点で鑑賞するのも楽しいでしょう。本展では、脈々と続く日本画の伝統の中に見出される美を堪能していただけたら幸いです。
展覧会 | permalink | comments(8) | trackbacks(7)

この記事に対するコメント

初めまして。
とても素敵な展覧会ですね。とっても好きな感じです。
琳派展を堪能したばかりの満たされ感のまま、是非こちらにも
お出掛けしたいと思います。

展覧会の情報はこちらで知る事が多く、いつも愉しみにして
います。
ポントマリ | 2008/11/14 9:23 AM
@ポントマリさん
こんばんは。初めまして。

山種で琳派はどうかなーーと
内心ちょっと疑っていたのですが
近代日本画との相性がよく
(あたりまえですが)
とても良くまとまった展覧会となっていました。

ブログ更新するだけで精一杯ですが
これからも細々と頑張ります。
Tak管理人 | 2008/11/14 11:58 PM
Takさん、こんばんは
こじんまりとしていますが、琳派とその影響を現代日本画がどれだけ受けているかわかる展覧会だったと思います。
東博の人ごみの中で見た宗達や抱一もここではじっくり見れたのは収穫ですし、日本画の良品(山種に何回行っても初見の作品が必ず一つはあります。)に出会えたのもかなりの収穫でした。
アイレ | 2008/12/08 11:27 PM
こんばんは。
「名樹散椿」と「槇楓図屏風」の揃い踏みは本当に良かったです。
「彩秋」は対象を絞り込んで簡潔な線で描くところが其一と共通するのかと思いながら観ました。
来年の御舟展が楽しみでなりません。
mizdesign | 2008/12/09 10:48 PM
@アイレさん
こんばんは。

大琳派展にぶつけてくるあたり
山種の意気込みというか
自信のようなもの感じます。
ゆったり拝見できて良かったです。
新しい建物でもまた琳派展
開催してほしいものですね。

@mizdesignさん
こんばんは。

あれは見事でした。
距離がたまらない!

目の付けどころが鋭いですね。
参考にせねば。
御舟展見馴れた作品も新しい美術館では違って見えるかと。
Tak管理人 | 2008/12/10 12:01 AM
こんにちは。

今年は琳派尽くしでした。
来年開館の新・山種美術館も
大いに期待したいところですね。
Takさんの画像はいつも綺麗で、
見た感動がもう一度、楽しめます。
二度美味しい、グリコです。
感謝♪
あべまつ | 2008/12/12 1:38 PM
こんばんは。
槇楓図と名樹散椿の並びが「実に新鮮」というのにまったく同感です。この2点には明らかに関連性があるように思えました。並べ方でさらに絵の魅力を引き出すことができるものなんだなと感心しました。
福田平八郎の作品は琳派とは関係なさそうで、でもなんか琳派かも、という気がしましたよ。
キリル | 2008/12/12 10:39 PM
@あべまつさん
こんばんは。

琳派琳派琳派
ほんと琳派尽くしの一年でしたね。
西洋美術がかすんでしまいました。

画像だけでもっているブログですので。
テキストが書けないので
画像とAmazonに頼りっきりです!

@キリルさん
こんばんは。

並べ方でこうも楽しめるものなのですね。
一番最初にあった加山又造なども
琳派のカテゴリーに入れてみると
見え方全然違ってきますよね。
福田平八郎もしかり。
来年の加山又造展楽しみです!
Tak管理人 | 2008/12/13 11:31 PM
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://bluediary2.jugem.jp/trackback/1572
この記事に対するトラックバック
東京国立博物館で大琳派展が終わったばかりですが、その余韻というか、名残を暖めるように、千鳥ヶ淵へ行ってきました。ここでの展覧会も来年7月まで、その後は、広尾へ移転です。 大琳派展に出品されたものでは、 宗達・光悦<鹿下絵新古今集和歌巻断簡>、<四季草
琳派から日本画へ / 山種美術館 | 南風録ぶろぐ | 2008/11/24 5:52 PM
大琳派展の感激を引き続き味わえる展覧会である。抱一や其一ら琳派の画家の作品と近代の日本画家たちとのコラボ。入ってすぐに、加山又造の「裸婦習作」がある。「なに、琳派に裸婦?」と思うのだが、背景の模様は装飾的であり、まさに琳派。そういえば、近代美術館のRI
琳派から日本画へ  山種美術館 | つまずく石も縁の端くれ | 2008/12/07 6:24 PM
琳派から日本画へ−宗達・抱一・御舟・観山−11月15日 山種美術館(〜12月25日)  東博で行われていた「大琳派展」で気になったのは山種美術館所蔵の作品数が多いということでした。日本画の殿堂のような美術館に何故琳派?とも思ったのですが、この展覧会を見て実は
琳派から日本画へ | saxblue note | 2008/12/08 11:14 PM
 山種美術館で開催中の「琳派から日本画へ」を観ました。  会場に入って左手に福田...
琳派から日本画へ@山種美術館 | 柏をたのしむ | 2008/12/09 10:43 PM
東博で開催された「大琳派」の大波は山種美術館にも伝わってきた。 伝・宗達の槇楓図屏風、光悦・宗達の短冊、抱一の秋草などが所蔵の山種に無事戻って来たのだ。そして、今回は近代の日本画家達との競演で、休む間もなく見る人に美を披露し続けていた。
琳派から日本画へ ・ 山種美術館 | あべまつ行脚 | 2008/12/11 8:18 AM
&#160;「琳派から日本画へ ―宗達・抱一・御舟・観山ー」を山種美術館でみた。加山又造《裸婦習作》(1976)から始まる。装飾的な作品などから琳派的といわれるが、この作品に限らず、どうにも琳派を感じないのだけど。福田平八郎の単純化されたデザイン画のような作
琳派から日本画へ(山種) | アトリエ・リュス | 2008/12/12 10:39 PM
秋深まる夕暮れ、錦秋の千鳥ヶ淵公園を歩いて、山種美術館に行く。俵屋宗達「槇楓図屏